2017-04-23(Sun)

宅配事業 争奪戦 アマゾンvsセブン

気になるドライバー人手不足  配達員の確保 大丈夫か?
配車アプリ『ウーバー』の物流版サービスも・・・・


セブンアマゾン、食の宅配で両雄対決 課題は人手不足
----日本の食卓を巡る新たな争奪戦が始まった。21日、セブン―イレブン・ジャパンは弁当などの宅配事業を強化するためセイノーホールディングス(HD)と提携すると発表し、アマゾンジャパン(東京・目黒)は生鮮食品の配送サービスに参入した。コンビニエンスストアとネット通販の最大手が激突する構図だ。
(日本経済新聞 2017/4/22 0:28)

セブンとセイノー、宅配で提携 全国に専属配達員
----セブン―イレブン・ジャパンとセイノーホールディングス(HD)は21日、宅配事業で提携したと発表した。セイノーHDがセブンのコンビニエンスストア加盟店に配達員を送り、商品の配達や利用客への「ご用聞き」を請け負う。すでに広島県など1都7県の約150店で試行しており、2019年2月末までに全国3000店に広げる。高齢者・単身の世帯を中心に伸びが見込める宅配需要を掘り起こす。
(日本経済新聞 2017/4/21 17:01)

アマゾン、自社で効率配送 物流逆風にもひるまず
----荷物の急増と人手不足が物流業界を揺るがすなか、アマゾンジャパン(東京・目黒)は自社の物流網を使って商品を効率的に配送する仕組みを導入する。百貨店やドラッグストアと組み、注文があった商品を提携先の店舗から消費者に運ぶ。ヤマト運輸が当日配送の受託をやめる方針を固めるなどアマゾンには逆風も吹くが、自社物流の活用で短時間で届けられる商品の幅を広げる。
(日本経済新聞 2017/4/19 0:52)

◇宅配値上げ、ビジネスにどう影響?
----宅配最大手のヤマト運輸がインターネット通販の荷物の増加と人手不足を理由にサービスの見直しに着手した。運賃の引き上げや時間帯指定サービスの一部廃止に取り組むとしており、宅配便をビジネスに利用する企業に大きな影響が出るとみられる。

――荷主が宅配便を利用せずに、消費者向けの配送サービスを維持する手段はありますか。
----「1つは自前運送だ。既にアマゾンジャパン(東京・目黒)やヨドバシカメラが手掛けている。宅配会社が生産性を上げる努力をせずに値上げすれば、荷主の自前運送が広がるだろう。複数の荷主が共同で宅配サービスを提供する可能性もある」
 「もう1つは新しい配送方法の導入だ。ネット上で運送を発注するクラウドソーシングや、配車アプリ『ウーバー』の物流版サービスが考えられるが、規制緩和が必要になる」
(日経産業新聞 2017/4/17)





以下引用

日本経済新聞 2017/4/22 0:28
セブンアマゾン、食の宅配で両雄対決 課題は人手不足
 日本の食卓を巡る新たな争奪戦が始まった。21日、セブン―イレブン・ジャパンは弁当などの宅配事業を強化するためセイノーホールディングス(HD)と提携すると発表し、アマゾンジャパン(東京・目黒)は生鮮食品の配送サービスに参入した。コンビニエンスストアとネット通販の最大手が激突する構図だ。
 「一つ一つの店舗が地域にとって一段と近くて便利になる」。セブンの古屋一樹社長は同日、東京・四谷の本部前で開いた式典で、提携の意義を語った。セイノー側が派遣した配達員セブンのロゴで彩られた軽ワゴンに乗り込み、会場から走り去った。
 提携はセブンが2000年に始めた食品の宅配サービス「セブンミール」の強化が狙いだ。セイノーHD子会社がセブンの加盟店に派遣した配達員は商品を届けながら、新たな注文も聞いていく。加盟店の店員が手がける従来の手法では限界があった。
 広島県など1都7県の約150店で試行を始めており、19年2月末までに全国3000店に広げる。コンビニの国内店舗数は5万5千を超え、飽和感が強まる。既存店客数は3月まで13カ月連続で下回り、コンビニ最強のセブンも今後の成長に不安を抱える。
 セブンの説明では、宅配を含む食品通販の市場規模は20年度に4兆円弱と5年間で1割以上増える。現代版「ご用聞き」でこの成長を取り込むが、手ごわいライバルが早速現れた。「セブンでは毎週60~70の新商品が出る。色々な組み合わせで買える」。古屋社長が式典で違いを強調した相手はアマゾンだった。
 「緑の取っ手の袋に冷蔵、白の袋に冷凍の商品が入っています」。21日、アマゾン配達員が生鮮食品を東京都内の家庭に届け始めた。「アマゾンフレッシュ」と呼ぶサービスだ。野菜や果物、鮮魚を専用の袋で温度管理し、新鮮な状態で手渡しする。
 米アマゾングループがこのサービスを手がけるのは英米に続き3カ国目。日本で生鮮食品の本格的なネット通販は初めてだ。既存の配送網を使って東京23区のうち6区でサービスを始め、大阪市、横浜市が拡大の候補とみられる。
 アマゾンは「豊富な品ぞろえ、買い物しやすい価格、迅速で便利な配送サービスを同時に提供する」(ジャスパー・チャン社長)を経営理念とする。ネット通販最大手として磨いた自前の配送網を生かし、セブンとは全く別の論理で食卓に攻め込む。
 胃袋を狙うサービスを同じ日に始めた両社だが、共通の敵がいる。一つは人手不足だ。宅配最大手のヤマト運輸は人手不足でネット通販の増加に対応しきれず、運賃引き上げなどを迫られる。両社ともサービス対象地域を広げるなら、この逆風は避けがたい。
 もう一つは別のライバルだ。食品配送には食品スーパーのほか、配車アプリのウーバーテクノロジーズなど違う業態のIT(情報技術)企業も参入。都市部に限れば類似のサービスは増え始めてきた。コンビニとネット通販の雄にとっても楽な市場ではない。(川上尚志、諸富聡)


日本経済新聞 2017/4/21 17:01
セブンとセイノー、宅配で提携 全国に専属配達員
 セブン―イレブン・ジャパンとセイノーホールディングス(HD)は21日、宅配事業で提携したと発表した。セイノーHDがセブンのコンビニエンスストア加盟店に配達員を送り、商品の配達や利用客への「ご用聞き」を請け負う。すでに広島県など1都7県の約150店で試行しており、2019年2月末までに全国3000店に広げる。高齢者・単身の世帯を中心に伸びが見込める宅配需要を掘り起こす。
 「17年前からお届けサービスをやってきたが、お客の要望はどんどん増えている。セイノーと組むことで、お店がストレスなくお届けに取り組めるようになる」。21日、東京・四谷のセブン―イレブン・ジャパンの本部前。セイノーHDと開いた宅配サービス拡大のセレモニーでセブンの古屋一樹社長はそう述べた。
 セブンは弁当などを宅配する会員制サービス「セブンミール」を全店の8割近い約1万5000店舗で手がけている。弁当など500円以上を購入すれば送料無料で届ける仕組み。飲料や雑貨など他のコンビニ商品全般が対象で各店舗が注文を受け付ける。店員が配達を請け負うが、接客など通常の業務と並行して実施する。配達の頻度は昼と夕方など1日数回に限られる店が多かった。
 新たにセイノーの子会社が「ハーティスト」と呼ぶ配達員をセブンの加盟店に派遣し、複数の店舗を巡回する。注文から1時間半後に届けるといったきめ細かく多頻度の配達が可能になる。配達の際に他に購入したいものがないか顧客に聞き取り販売拡大につなげる。
 セイノー子会社は接客や運転技能に関する社内検定に合格した人のみ配達員としてセブンに派遣する。セブンの商品知識も求め、顧客の問い合わせに適切に答えられるようにする。配達員は原則、担当する店舗がある各地で新規に雇用し、女性を積極的に活用する。まず100人の配達員をそろえ順次増やしていく。
 セブンとセイノーは14年8月から宅配での連携を試験的に開始。広島県内の5店舗にハーティストを送ったところ。宅配の利用金額は3年で10倍に増えたという。「実証を続けてきて運営方法の確立にメドがついた」(セイノーHDの河合秀治オープンイノベーション推進部室長)ことで全国に広げる。
 「セブンミール」の売上高は17年2月期に266億円で前の期に比べ16%増えた。ただ弁当以外の商品の宅配の需要も伸びており、セブンは今後も拡大が続くと見込む。セイノーとタッグを組むことで、加盟店は接客などに専念できるようにしながら、宅配の売り上げを伸ばす。
 セブンは21日、都市再生機構(UR)子会社で団地の管理事業を手掛ける日本総合住生活(JS、東京・千代田)との提携も発表。団地内の店作りから協力する。同日に東京都東村山市で1号店を開いた。団地住人の要望を聞き取り、野菜や日用品の品ぞろえを増やしたほか宅配にも力を入れる。両社は今後も連携し、URが公募する100件程度の団地内コンビニの受注獲得を目指す。
 国内のコンビニ店舗数は5万5000を超え、既存店の客数は減少傾向が続いている。市場に飽和感が出つつあるなか、セブンはセイノーなど外部との連携も広げながら、宅配など高齢者・単身世帯の需要を取り込む狙いだ。
(川上尚志)

日本経済新聞 2017/4/14付
セブン、宅配を外部委託  セイノーから配達員 加盟店の人材確保限界
 小売り大手が宅配網のてこ入れに乗り出す。セブン―イレブン・ジャパンはセイノーホールディングス(HD)と提携。セイノーHDがコンビニエンスストアに配達員を送り、宅配を代行する。ニトリホールディングスは家具を運ぶ提携運送会社向けにトラックを割安に貸し出す。流通業の代表企業が物流の末端まで支援しなければならないほど人手不足が深刻化している。
 資本力のある大手が先行して配達員の確保策を進めることで、人材獲得競争が一段と過熱する可能性がある。
 セブンは弁当を中心にコンビニで購入した商品を店員が自宅まで届ける宅配サービス「セブンミール」を全店の7割超の約1万5千店で展開する。店員は接客なども担うため、多くの店では十分な人手を割けなかった。セブンイレブンの各店舗は個人事業主の経営が多く、採用力にも限界があった。
 セイノーHDはセブンの宅配を代行する全額出資子会社を設立、5月から本格稼働する。まず約100人の配達員をそろえ、広島県など1都7県の約150店を担当する。将来は全国に広げる方針だ。
 セイノーHDは接客や運転技能に関する社内検定に合格した人のみを派遣する。商品は軽トラックで運ぶが、運転免許以外の資格は必要なく、担当も自宅に近いエリアに限られるため、比較的、配達員も集めやすいとみられる。主婦など女性を積極的に活用する。
 セブンはセイノーHDに宅配を委託することで配達の頻度を増やせる。5店舗で試行したところ、利用金額は10倍に増えた。関連コストは増える見込みだがメリットの方が大きいと判断した。
 セブンミールは500円以上の商品を購入した場合の送料は無料で、今後も料金は変更しない。セブンミールの売上高は2017年2月期で266億円。全売上高の1%にも満たないが、高齢者や女性向けに潜在需要は大きいと見込む。
 ニトリHDは20年までをメドに2トンと10トンのトラックを計1200台購入し、家具を運ぶ約100社の提携運送会社向けに割安に貸し出す。月々のリース料は通常に比べ少なくとも1割程度(数万円相当)抑えることができるとみられる。運送会社の負担を抑え、運転手の人件費確保などにつなげる。小売企業が配送網維持のために、車両のリースまで手がけるのは珍しい。
 労働人口の減少で人材は建設や小売りなど各業界をまたいで取り合いになっており、トラック運転手は確保しづらい。


日本経済新聞 2017/4/21 5:00
アマゾンが生鮮配送 21日からまず都内6区で
 アマゾンジャパン(東京・目黒)は21日、野菜や果物、鮮魚といった生鮮食品の配送サービスを都内で始める。アマゾンのサイトやアプリで注文を受け付け、最短4時間で自宅や職場などに届ける。購入できる食料品は飲料などと合わせ1万7000点以上。キッチン用品や日用品なども含め合計10万点以上をそろえる。通常のネット通販以外に取扱商品を広げ、日常的に利用する会員を増やしたい考え。
 会員向けの新サービス「アマゾンフレッシュ」を始める。まずは東京23区のうち港区や千代田区など6区で始め、順次対象地域を拡大する。生鮮品については、冷蔵・冷凍の商品を保管する設備を倉庫に用意し、配送の際は保冷剤を一緒に入れて届ける。アマゾンが仕入れて販売する生鮮品や日用品のほか、精肉の「人形町今半」など専門店の商品も購入できる。
 注文時に午前8時から深夜0時の間の中から、2時間単位で配達希望時間を指定できる。アマゾンが荷物を発送するときと到着の直前にメールを送り、注文した人が商品を受け取りやすくする。不在の場合は配達員が荷物を持ち帰り、注文をキャンセルすることもある。
 利用するためには有料の「プライム会員」(年会費3900円)に登録のうえ、フレッシュの利用料月500円を支払う。配送料は1回500円だが、6000円以上購入すると無料になる。
 アマゾンフレッシュはこれまでに米国や英国でもサービスを提供している。日本では別の配送サービス「プライムナウ」と同じ配送網を使う。プライムナウの専用拠点は都内や大阪市、横浜市にあり、フレッシュもその周辺から利用地域が広がるとみられる。


日本経済新聞 2017/4/19 0:52
アマゾン、自社で効率配送 物流逆風にもひるまず
 荷物の急増と人手不足が物流業界を揺るがすなか、アマゾンジャパン(東京・目黒)は自社の物流網を使って商品を効率的に配送する仕組みを導入する。百貨店やドラッグストアと組み、注文があった商品を提携先の店舗から消費者に運ぶ。ヤマト運輸が当日配送の受託をやめる方針を固めるなどアマゾンには逆風も吹くが、自社物流の活用で短時間で届けられる商品の幅を広げる。
寿司も薬も運びます アマゾンが自前配送
アマゾンジャパン(東京都目黒区)は18日、有料会員向けサービス「プライムナウ」で、百貨店やドラッグストア商品の配送を始めたと発表した。提携先から注文品を集荷し届ける。新たな顧客獲得につなげる狙い。
 ドラッグストアのココカラファインとマツモトキヨシ、百貨店では三越日本橋本店(東京・中央)と組み、18日からそれぞれの店舗にある商品の販売を始めた。有料会員向けのサービス「プライムナウ」として展開し、利用者は年会費3900円の会員になり専用のアプリを使って注文する。
 アマゾンの通常のネット通販では、商品の多くを自社の倉庫からヤマト運輸などの宅配便で配送している。プライムナウの場合、商品の配達にアマゾンが契約した物流会社の専用車を利用。これまではアマゾンが自社で仕入れた商品を専用の倉庫から配達していたが、今後は専用車が提携先の店舗に立ち寄って商品を引き取り、購入者に届ける仕組みを加える。
専用の配送車で商品を運ぶ
 3社との提携で販売する商品を約5000点多い7万点に増やす。化粧品や総菜など少量多品種の商品を短時間で運ぶには大規模な倉庫が必要だが、倉庫を確保しにくい都市部でも店舗の商品を販売することですぐに届けられる。まずは提携先の店舗が近くにある東京23区、神奈川県、千葉県の一部地域でサービスを始める。
 2500円以上の買い物で利用でき、会費のほかに最大1430円の送料がかかるが、条件によって無料になる。注文時に当日か翌日の配送時間を2時間単位で指定可能。一部の商品は注文から1時間で届ける。生鮮品の配送サービスも近く始める方針で、冷蔵品などに対応した専用の物流網を設け、賞味期限までの期間が短い食品などを扱えるようにする。
 アマゾンを巡っては荷物の急増で、ヤマト運輸が当日配送サービスの受託から撤退する方針を固め、運賃の引き上げも要求。ヤマト撤退でサービスの縮小を余儀なくされるとの見方も出ていた。競合するネット通販会社の間では物流会社の負担を減らそうという機運も高まっているが、アマゾンは自社専用の物流網をもつ強みを生かし配送のサービス向上を進める。



日経産業新聞セレクション 2017/4/17 6:30
宅配値上げ、ビジネスにどう影響?
 宅配最大手のヤマト運輸がインターネット通販の荷物の増加と人手不足を理由にサービスの見直しに着手した。運賃の引き上げや時間帯指定サービスの一部廃止に取り組むとしており、宅配便をビジネスに利用する企業に大きな影響が出るとみられる。物流コンサルタント会社、イー・ロジット(東京・千代田)の角井亮一社長に、想定される影響や荷主が取れる対策を聞いた。
ネット通販の成長と共に、宅配便需要も急増している
 ――ヤマトのサービス見直しには、どのような背景があるのでしょうか。
 「ネット通販の荷物が増えすぎて、現在の体制では賄いきれなくなってきたためだ。ネット通販はスマートフォン(スマホ)ですぐに注文できるようになり、市場の拡大が加速している。小売り大手による(ネットと実店舗を融合させる)オムニチャネルも広がった。商品を当日・翌日に受け取れるサービスが増えており、配達員の労働負荷が高まっている」
 「国土交通省によると国内の宅配便取扱数は、現行の統計を取り始めた1992年度は12億個だったが、2015年度は37億個で3倍に増えた。16年1~12月では38億個を超えた。20年代には年間60億個に増えるともいわれる。このままではサービスを維持できなくなる可能性が高い」
 ――昨年12月には、宅配各社で遅配が発生しました。
 「ヤマトの昨年12月の宅配便取扱数は過去最高の約2億3400万個で、16年の平均的な月の1.5倍だった。クリスマスや年末など『超高配達日』と呼ぶ繁忙期の配達量が増えている。母の日、バレンタインデーなども荷物が多い。宅配便は届け先を一軒一軒回る必要があり、企業物流に比べて配達効率が悪い。人手不足でピーク時の人員を確保しづらくなっており、遅配が起こった」
 ――値上げはどのような手順で進むのですか。
 「宅配便は荷物の大きさと配送先によって基本運賃を定めている。ネット通販会社など発送量の多い大口顧客は、法人契約を結んで割引料金が適用されている。法人契約は一般的に荷物が増えるほど、割引率が大きくなる。ヤマトは基本運賃を27年ぶりに引き上げるとともに、法人契約も顧客ごとに値上げ交渉するとしている」
 ――値上げの実施はいつごろになりそうですか。
 「基本運賃は今秋までに引き上げるとみられる。法人契約は企業によって期間が異なる。既存契約が切れる前に値上げ要請があるとみられる。既存契約が残っていても、期間を繰り上げて値上げの実施を求められる可能性もある」
 ――値上げ幅はどれくらいになりそうですか。
 「一概には言えない。ヤマトは14年にも大口顧客の値上げを実施した。荷主別に従来の1.5~1.7倍といった要求が出され、特に中規模の荷主の値上げ幅が大きかった。実際はそれより小さい値上げ幅で妥結したとみられるが、荷主に不満が残った。個人の荷物が主な対象となる基本運賃は、競合する日本郵便の水準も参考にするだろう」
 ――ヤマトは「正午~午後2時」の時間帯指定の廃止などサービスの見直しに取り組みますが、荷主のビジネスへの影響は。
 「通販会社はこれまで宅配を運送会社任せにして、発送後のことをあまり考えてこなかった。サービスが縮小されて初めて問題に気づくこともあるだろう。今後は荷主も宅配に関与していく必要がある」
――ヤマトは荷主に再配達削減への協力を求めています。
 「この問題の一番の被害者は運転手だ。荷物が増えすぎて配達しきれないため、労働量を減らしてほしいと言っている。国交省の調査では再配達は宅配便全体の2割で発生するとしているが、都市部の住宅街などでは体感で3割に達するとされる。ネット通販は忙しい人の利用が多く、一人暮らしや共働きが多い都市部で再配達が起こりやすい。宅配サービスの維持には再配達の削減は不可欠だ」
 ――再配達を減らす手段はありますか。
 「宅配会社の営業所やコンビニエンスストアの店頭での受け取りに対応することだ。自宅に不在がちな消費者が、店舗を届け先に指定して荷物を受け取れる。店頭受け取りに対応するかどうかは荷主が選べる。コンビニでの受け取りは荷主側に追加料金が発生する場合がある。駅などの宅配ロッカーも同様だが、まだ設置台数が少ない」
 「配達予定日時を事前通知するアプリに登録することも有効だ。受取人がその時刻は不在にすると分かっていれば、配達予定を変更できる。アプリの登録も荷主側に料金が発生する場合がある。荷主が再配達の削減に協力した場合は、値上げ幅に配慮があってしかるべきだ」
 ――荷主が宅配便を利用せずに、消費者向けの配送サービスを維持する手段はありますか。
 「1つは自前運送だ。既にアマゾンジャパン(東京・目黒)やヨドバシカメラが手掛けている。宅配会社が生産性を上げる努力をせずに値上げすれば、荷主の自前運送が広がるだろう。複数の荷主が共同で宅配サービスを提供する可能性もある」
 「もう1つは新しい配送方法の導入だ。ネット上で運送を発注するクラウドソーシングや、配車アプリ『ウーバー』の物流版サービスが考えられるが、規制緩和が必要になる」
(聞き手は企業報道部 村松洋兵)
[日経産業新聞 4月17日付]

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