2017-04-30(Sun)

森友学園問題 (11) 財務省 特別扱いの理由を示せ 

事実解明なき収束は許されない   公金の流れ納得できぬ  交渉過程を明確にせよ 首 相夫人の役割を明確に

<各紙社説・主張・論説>
愛媛新聞)籠池氏証人喚問1カ月 事実解明なき収束は許されない (4/29)
朝日新聞)森友と財務省 特別扱いの理由を示せ (4/28)
河北新報)森友学園再生手続き/疑惑の幕引きは許されない (4/26)
北海道新聞)森友学園問題 国民の疑念を忘れたか (4/24)
中国新聞)森友学園疑惑 公金の流れ納得できぬ (4/19)

毎日新聞)「森友」問題はどこへ行った 首相と与党は質疑阻むな (4/18)
朝日新聞)森友と財務省 交渉過程を明確にせよ (4/15)
東京新聞)首相夫人の立場 「私人」には無理がある (4/12)
しんぶん赤旗)「森友学園」疑惑 昭恵氏と国・府を曖昧にできぬ(4/12)
朝日新聞)「首相夫人付」 誰のための奉仕者か (4/8)

朝日新聞)森友学園問題 大阪府も解明に全力を (4/4)
毎日新聞)沈黙続ける昭恵氏 首相夫人の役割を明確に (4/4)
朝日新聞)森友と政権 究明になぜ背を向ける (4/2)
朝日新聞)森友と財務省 納税者を甘く見るな (3/28)
福井新聞)森友学園問題 国民はまだ納得できない (3/28)





以下引用



(愛媛新聞)2017年4月29日(土)
社説:籠池氏証人喚問1カ月 事実解明なき収束は許されない


 大阪の学校法人「森友学園」への国有地払い下げを巡る籠池泰典前理事長の証人喚問から、1カ月が経過した。昨日には、財務省が必要な手続きを詳細に「指南」した文書を作成し学園側に渡していたことや、担当者が「特例」と発言して籠池氏に配慮をにじませていたことが判明した。しかし、問題の核心である国有地が大幅に値引きされた経緯、政治家の関与などは未解明のまま。解明に非協力的な首相や政府、与党の姿勢は看過できず、一刻も早く事実を国民に示さなければならない。
 森友学園は先週、国有地での小学校開設断念などにより、民事再生法適用を申請した。国や大阪府・市は学園による補助金不正受給を追及する。首相らはこれらに乗じて、籠池氏だけを「悪者」とし、問題を矮小(わいしょう)化しようとしているのではないかと危惧する。
 疑惑の払い下げ交渉では、財務省の国有財産審理室長とみられる担当者と籠池氏とのやりとりが、新たに音声記録などで明らかになった。籠池氏は交渉内容を適時、首相夫人に報告していたとも証言している。国民の共有財産である国有地が、評価額の14%という破格で払い下げられた背景には、夫人に対する同省の忖度(そんたく)があったのではないかと疑わざるを得ない。
 急ぐべきは、夫人の証人喚問である。籠池氏と同様、責任ある場で自らの口で語ることが不可欠だ。野党による夫人の喚問要求に対し、首相や与党は頑として応じていない。首相は「夫人の関与はない」の一点張りだが、十分な根拠を示しておらず説得力は全くない。
 もう一つ重要なのは、財務省が払い下げの交渉記録を明らかにすることだ。記録を確認さえすれば、事実関係はある程度判明する。しかし、同省は公文書管理法に基づく省規則に沿って「廃棄した」と強弁する。これに対して、会計検査院は今週、「支払いが完了していないケースは事案が完全に終了したと認めることは難しい」として、同法の趣旨に照らし「廃棄」は不適切だった可能性があるとの見方を示した。
 通常、こうした文書を廃棄するとは考えにくい。電子データは復元できる可能性もある。本当に記録が廃棄されたかも含めて国会は国政調査権を行使し、同省に記録を出させるよう迫らなければならない。
 問題解明の最大の「壁」は、説明責任を果たさない首相だ。衆院厚生労働委員会では、森友学園問題への質問に対し答弁を一部拒否。意に沿わぬ議論に、だんまりを決め込むようなことはあってはならない。首相は自身の政治姿勢が問われていることを自覚すべきだ。
 共同通信の世論調査で、森友学園問題を巡る政府の説明責任を不十分と考える人は8割を超える。国民が問題を決して忘れていないことを首相らは肝に銘じ、事実の解明を進め、正確な調査結果を示す責務がある。
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朝日新聞 2017年4月28日05時00分
(社説)森友と財務省 特別扱いの理由を示せ


 「森友学園」への国有地売却で、財務省がいかに異例の対応をしていたか。その実態を示す資料が次々に出てきた。
 改めて問う。問題の国有地はどのような経緯で破格の安値で売られるに至ったのか。財務省には説明の義務がある。
 学園の籠池泰典氏は16年3月、財務省の担当室長と面会した。朝日新聞が入手したその際の録音によると、籠池氏は当時賃貸契約を結んでいた国有地の地中からごみが見つかったと説明し、安倍首相の妻、昭恵氏の名前にも触れて対処を求めた。
 室長は、売却が原則の国有地について「貸し付けすることが特例だった」とした上で、ごみが見つかったことは「重大な問題と認識している」と応じた。
 この面会の9日後、学園は土地の購入を申し入れ、3カ月後、鑑定価格から約9割引きの安値で売買契約が結ばれた。
 この経過について、籠池氏は今年3月の証人喚問で「神風が吹いた」と表現した。財務省の佐川宣寿理財局長は国会で、16年3月の面会について「(室長は)現場で適切に対応すると応じたが、その他については具体的に記憶していない」と答え、詳しい説明を避けている。
 特別扱いぶりは、国会の質疑で明らかにされた資料にも表れている。近畿財務局が作成し、14年12月中旬に学園に渡されたという「今後の手続きについて」と題した資料だ。
 売買契約を締結するまでの手続きを14項目にわたって説明。15年2月に国有地売却の是非を協議する審議会が予定されていることを示したうえで、それまでに必要な書類を指摘し、「速やかに提出」と記した。
 また15年1月をめどに要望書を提出する必要があるとし、近畿財務局長宛ての要望書のひな型が添付されていた。「校舎建設等に多額の初期投資を必要とする」といった「事情を斟酌(しんしゃく)」し、売り払いが原則の国有地について「10年間の事業用定期借地契約と売買予約契約の締結をお願いいたします」とある。期日と学校法人名を書けば完成するようになっていた。
 そのほか、土地の貸し付けや売買予約のための書類のひな型もあった。
 財務省の佐川局長は国会で、「予断を持って(土地の)処分方針について伝えたことはない」と繰り返すが、その言葉を国民が信じるだろうか。
 学園側との面会で何を話し、なぜ、特別扱いにしか見えない対応を重ねたのか。説明できないようでは、財務省に国有地を管理する資格はない。
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河北新報 2017年04月26日水曜日
社説:森友学園再生手続き/疑惑の幕引きは許されない


 今度は「神風」は吹かなかったらしい。国有地を安値で取得し小学校開設を計画していた大阪市の学校法人「森友学園」が、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。
 法人の負債は少なくとも16億円とされ、増える可能性もある。法人は、学校開設を巡って安倍晋三首相夫人の昭恵氏をはじめ政界や官庁、自治体を巻き込んださまざまな疑惑の震源となった。今もその渦中にある。
 大阪府豊中市で4月開校予定の計画は、寸前の3月に頓挫。財務省からは建物を解体して土地の返還を求められるなど、資金繰りが急速に悪化したとみられている。
 法人の財務体質はもともと脆弱(ぜいじゃく)だったとされる。小学校開設を起死回生の策と定め、首相の名前を利用した寄付集めなど籠池泰典前理事長が進めたなりふり構わぬ手法が、あだになったともいえる。
 泰典氏の長女で、新理事長に就いた町浪(ちなみ)氏は記者会見で「自ら考えて進んでいく」と述べ、前理事長夫妻とは一線を画し出直す決意を示した。
 しかし、ファミリー経営に変わりはない。幼稚園運営などで両親の影響力をどこまで排除できるかは未知数。教育勅語を園児に暗唱させるような復古主義的な方針をどう変えていくかなど、具体的な教育理念は語られなかった。
 幼稚園や、系列の社会福祉法人が運営する保育園の園児らに混乱を与えないために法人存続の意義はあろう。
 ただ、その幼稚園は大阪府への補助金申請に当たって、書類の改ざん疑惑が指摘されている。系列保育園も保育士不足が解消せず、大阪市は改善を厳しく求めている。
 小学校の建設工事を巡っては、業者が未払い金の支払いを求め提訴。幼稚園の不動産が差し押さえられている。
 多くの「負の遺産」を抱えながら学校法人の立て直しは容易ではない。地裁が再生手続きの開始決定を出せば法的手順は動きだすが、債権者の理解を得られるような再生計画を作成できるのか。いばらの道と言わざるを得ない。
 森友学園の行方は注視しなくてはならない。しかし、それによって「森友問題」全体の核心がぼやけることがあってはならない。
 なぜ国有地が評価額の14%という破格の値段で払い下げられたのか。財務状況が問題視されながらも大阪府の私学審議会が「認可適当」と判断した理由は何か。国有地売買に絡んで昭恵氏の関与否定の説明は尽くされたと言えるのか。それらの疑問は依然として払拭(ふっしょく)されていない。
 背任や、補助金の不正受給容疑で大阪地検に告発状が提出されている。その捜査とは別に、国会や所管官庁が自らの責任で全容を解明しなければならないはずだ。
 森友学園の経営危機にかこつけて、問題の幕引きを急ぐ思惑が政治の側にあるとしたら断じて許されない。
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北海道新聞 2017/04/24 08:50
社説:森友学園問題 国民の疑念を忘れたか


 学校法人「森友学園」への不透明な国有地払い下げをめぐる問題は国会での追及が停滞している。
 衆院厚生労働委員会では、野党がこの問題について質問したことを理由として、自民党所属の委員長が別の議案の採決を強行した。
 安倍晋三首相は、問題の根幹に関わる「忖度(そんたく)」の言葉をめぐって公の場で軽口を飛ばした。もう過去の問題だと言わんばかりだ。
 だが世論調査では政府の説明に納得できないとの声が多数を占める。売却額の減額の経緯も、首相夫人の関与の有無も、何ら解明されていないのだから当然だ。
 国民の財産がないがしろにされた疑念を置き去りにはできない。与野党に重ねて究明を求めたい。
 「原稿には山口県の物産等々が書いていないが、おそらく(店頭には)あると思う。私が申し上げたことを忖度していただきたい」
 首相は先週、東京・銀座の商業施設の開業あいさつで、選挙区のアピールに絡めてこう述べた。
 この問題では、首相夫人の昭恵氏が、開設予定の小学校の名誉校長を務めていたことから政府内で忖度が働き、異例の売却経緯につながったとの疑念を生んでいる。
 いわば当事者の首相が、国民の疑問を忘れたかのように軽口をたたく姿勢は到底理解しがたい。
 国会での究明は、学園の籠池泰典前理事長が証人喚問に応じて以降、目立った進展がみられない。昭恵氏の証人喚問や参考人招致に与党側が応じないのも一因だ。
 籠池氏自身の言動にも疑問は残る。だが100万円の寄付金の授受などの証言について、昭恵氏自身の口から説明が聞けないままでは、国民の納得は得られまい。
 首相夫人を担当する政府職員は第2次安倍政権の発足以降に増員されていた。昨年の参院選の応援には計13回も同行したという。学園との関係にとどまらず、公私の線引きの明確化も問われる。
 一方、払い下げの経緯の解明では、財務省と学園側の面会記録の復元をめぐる堂々巡りが続く。
 野党が求めた電子データの復元について財務省側は当初、「復元できない」として拒否した。その後の報道で復元の可能性を認めたが、消極姿勢は変えていない。
 財務省は政治家などの不当な働きかけはなかったと主張する。ならば記録を復元し、自ら立証してはどうか。先送りを続けるなら時間稼ぎと受け止めざるを得ない。
 野党側の追及も攻め手不足が否めない。国政調査権を最大限に活用し、態勢を立て直すべきだ。
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中国新聞 2017/4/19
社説:森友学園疑惑 公金の流れ納得できぬ


 爆弾発言が飛び出した大阪市の学校法人森友学園の籠池泰典前理事長に対する国会証人喚問から、間もなく1カ月になる。その後も新たな疑惑が浮上し、どれほどの公金が不自然な形で一私立学校に流れ込んでいたのかと思うと暗たんとする。
 新たな疑惑の一つは国への「水増し請求」である。森友学園が大阪府豊中市の旧国有地で進めた小学校建設を巡り、学園側が2015年に行った土壌改良の工事費として国土交通省に約1億3100万円を請求し、支払いを受けた。しかし実際には1億800万円だったのだ。
 建設会社が泰典氏から後で値引き(返金)を要求され、応じたという。にもかかわらず、それを国に伝えずに支払いを受けた。差額約2千万円は納税者にとって不当な公金支出としか言いようがない。
 現理事長の籠池町浪(ちなみ)氏はこの件について「(建設会社から)寄付を頂いたと認識している」と述べた。だが会社は「勝手に寄付金として処理されたとすれば遺憾だ」としており、町浪氏の説明には説得力がない。
 小学校校舎の建築費に対する補助金支給を巡り、検察は泰典氏について補助金適正化法違反容疑で告発を受理している。今回の水増し請求の疑惑についても、立件を視野に入れて捜査を進めるべきである。
 国交省も返還請求を念頭に、事実関係を調べるとみられる。だが、返せば不問に付すという性格のものではあるまい。
 格安での国有地取得はなぜ可能だったのか―という最大の疑惑もいまだに解明されていない。小学校用地として不当に安い価格で売却し国に損害を与えたとする、財務省近畿財務局の担当者に対する背任容疑の告発も、検察は受理している。
 この点は財務省が交渉記録を「廃棄した」と言い張っている。各種の世論調査でも、政府の説明が不十分だという回答が引き続き高い率を示している通り、国民は納得していまい。
 公文書管理に詳しい長野県短大の瀬畑源助教は「国民への説明責任を果たすという本来の公文書管理法の趣旨に立ち返り、メモや証言をかき集めて対応すべきだ」と言う。財務省の交渉記録のデータ復元の可能性も浮上している。国会では野党が足並みをそろえ、交渉記録の公開を強く求めてもらいたい。
 泰典氏の証人喚問で幕は下りた―と言わんばかりの政府・与党の振る舞いが、このところ目に余る。12日の衆院厚生労働委員会では、介護保険関連法改正案の採決を強行した。
 これは民進党が改正案と関係のない森友学園疑惑を質疑で取り上げたことに与党が反発したものだが、後で自民国対委員長が陳謝するほど異例の議会運営である。「法案以外の質問をするのは審議を尽くした証拠だ」という言い分があるようだが、政府・与党が疑惑の解明に後ろ向きだということを、図らずも見せつけたのではないか。
 安倍晋三首相は「私や妻が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」とまで言い切り、疑惑への関与を強く否定してきた。だが補助金や許認可の絡む小学校で、一時的にせよ、昭恵夫人が名誉校長に就いていた事実は極めて重い。昭恵夫人が国会で説明する必要性は消えていないと言わざるを得ない。
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毎日新聞2017年4月18日 東京朝刊
社説:「森友」問題はどこへ行った 首相と与党は質疑阻むな


 安倍晋三首相と自民党は、このままダンマリを決め込めば人々の関心は薄れると考えているのだろうか。
 大阪市の学校法人「森友学園」の国有地売却問題について、国会ではこれに関する質疑さえままならない状況が続いている。
 例えば介護保険関連法改正案などを審議していた先週の衆院厚生労働委員会だ。森友問題に関し民進党議員が、首相の妻昭恵氏が公の場で説明するよう求めたところ、自民党は「議案と関係ない」と猛反発し、改正案を強行採決する事態となった。
 確かに改正案とは無関係だ。だが与党は昭恵氏らの証人喚問を拒み続けている。この委員会での質疑は適さないと言うのなら、森友問題に関する集中審議を行えばいいはずだが、それも拒否している。
 民進党議員は報道機関の世論調査では関係者の証人喚問が必要だと考えている人が多いともただした。すると首相は「その調査によると内閣支持率は53%で、自民党の支持率、あるいは民進党の支持率はご承知の通りだ」と言い返した。
 高支持率だから喚問は不要とでもいうような答弁に驚くばかりだ。
 昭恵氏をめぐっては、昨夏の参院選で自民党候補を応援した際、夫人付の政府職員が計13回同行したことも明らかになった。公務員の選挙運動は法律で制限されている。
 政府は旅費は昭恵氏が負担し、選挙応援は昭恵氏の「私的な行為」と説明している。一方で職員の同行は職務遂行のための「公務」と位置づけながら「自らの判断」だったとも言う。全く理解に苦しむ。
 公私の区別がはっきりしない昭恵氏の行動は森友問題解明のための焦点の一つだ。しかし夫人付職員が問題の土地に関して財務省に問い合わせていた事実が判明した際、首相側が「職員の個人的な照会」と強引に結論づけたために、その後も無理な説明を重ねているように思われる。
 与党が質疑を阻むのは、首相側がきちんと説明できないことをそんたくしているからではないかと疑う。
 そもそもなぜ売却価格は格安になったのか。昭恵氏は本当に関与していないと言えるのか。解明はまだ何も進んでいない。
 改めて昭恵氏ら関係者の記者会見や証人喚問を強く求める。
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朝日新聞 2017年4月15日05時00分
(社説)森友と財務省 交渉過程を明確にせよ


 大阪府豊中市の国有地は、なぜ、周辺と比べて9割近く値引きされて売られたのか。その過程にだれがどう関わったのか。
 学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる、そんな疑問を解く手がかりになるかもしれない。
 財務省が「消去されている」としていた、土地売却交渉についての電子データを復元できる可能性が出てきた。ただちに復元に努め、明らかになったデータは速やかに公表するべきだ。それが財務省の責任だ。
 売却の経緯を解明するには、直接携わった財務省の資料が欠かせない。ところが当の財務省はこれまで「売却交渉の記録は廃棄した」の一点張りで、関係者への聞き取りもしないなど、後ろ向きの姿勢が際立つ。
 電子データについても当初、佐川宣寿理財局長は国会で「短期間で自動的に消去され、復元できないようなシステムになっている」と答弁した。
 その不自然さを野党に指摘されると、局次長が「自動消去という機能は基本的にない」と修正。情報管理室の担当者は朝日新聞の取材に対し「復元は難しいが、できないとは断言できない」と認めた。その後、データの復元可能性についての調査を国会で求められ、局長がようやく「専門の部局に聞いてみたい」と答えるに至った。
 国有財産の売却過程に問題があったのではないかと、多くの国民が疑っている。「適正に処理した」という説明だけで済まないのは当然だ。
 麻生財務相は徹底調査を指示すべきだ。財務省の担当者やシステム運用を担う事業者だけでなく、第三者を交えて検証することも欠かせない。
 国有地売却問題については、安倍首相が「会計検査院がしっかり調査すべきだ」と強調し、検査院が国会の要請を受けて調べることになった。
 財務省のコンピューターシステムは今年6月に入れ替えが予定されており、その際に業者がシステム上のデータをすべて消去するという。データを復元できるとしても時間は限られており、検査院もまずこの問題に着目するべきだろう。
 一方で、国政にかかわる問題の解明は、国民の代表である国会に課せられた役割でもある。
 政府・与党には幕引きを図ろうとする動きが見える。検査院が結果をまとめるまでに数カ月かかりそうだが、その間、国会が静観を決め込むことは許されない。野党は、政府・与党の姿勢をただし、問題を追及し続けることが責務である。
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東京新聞 2017年4月12日
【社説】首相夫人の立場 「私人」には無理がある


 首相夫人は「公人」か「私人」か。安倍内閣は、学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐる首相夫人への追及をかわすため「私人」との立場を貫きたいのだろうが、やはり無理がある。
 「『首相夫人』は、公人ではなく私人であると認識している」。政府が閣議決定した、国会議員の質問主意書への答弁書の内容だ。
 首相夫人が「公人」か「私人」か。これまではさほど議論になることはなかったが一転、注目されるようになったのは国有地売却問題をめぐり、安倍晋三首相の昭恵夫人が新設予定の小学校の名誉校長になったり、夫人付きの政府職員が財務省に問い合わせた内容を、学園の籠池泰典理事長(当時)に文書で回答していたことがきっかけだ。
 首相夫人の役割は、特に外交では重要だ。先進国首脳会議(サミット)などの国際会議では首脳日程とは別に、配偶者だけのプログラムが組まれることも多い。
 公務員としての発令はないものの首相夫人が「公的な存在」であることは否定のしようがない。
 だからこそ、二〇〇六年の第一次安倍内閣発足後、首相夫人を支援する職員が配置されるようになったのだろう。現在は常勤、非常勤を合わせて五人に増員された。
 しかし、昭恵夫人の場合、公私の境目が曖昧だったようだ。
 籠池氏に回答した夫人付きの職員は、昭恵夫人が学園系列の幼稚園で講演した際や一六年夏の参院選候補者応援、同年八月の米ハワイ州訪問のほか、スキーイベントにも三年連続で同行していた。
 これらは夫人の私的活動とされる。だとしたら、安倍内閣は「私人」の「私的活動」にも公務員を派遣していたことになる。
 いくら「連絡調整」のためだとはいえ、すべての公務員に「全体の奉仕者」であることを求める憲法の則を超えていないか。
 安倍内閣が、籠池氏への回答を「職務として行ったものではない」とするのも、夫人の関係者の求めに応じて省庁に問い合わせることが公務員として適切でなく、後ろめたさを感じているからだろう。
 昭恵氏が「一強」とされる安倍首相の夫人という「公的な存在」だからこそ、籠池氏側が小学校新設に向けた国有地売却などへの影響力を期待し、職員側もそれに応えようとしたのではないか。
 首相夫人を「私人」と矮小(わいしょう)化して、沈静化しようとしても、追及の手を緩めるわけにはいかない。
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しんぶん赤旗 2017年4月12日(水)
主張:「森友学園」疑惑 昭恵氏と国・府を曖昧にできぬ


 大阪の学校法人「森友学園」が小学校の開設を名目に、国(財務省)から格安で国有地を手に入れ、大阪府の異例な「認可相当」の決定と合わせて政治家などの関与が疑われている疑惑は、解明が尽くされないまま、問題発覚から2カ月たちました。当面の焦点になっている安倍晋三首相の妻、昭恵氏の証人喚問は、自民、公明の反対などで実現していません。「森友」の前理事長、籠池泰典氏の証人喚問でも疑惑が指摘されたのに、昭恵氏に説明を求めないのは道理がありません。昭恵氏、格安で払い下げた財務省、認可に動いた大阪府の責任は曖昧にできません。
広がり続ける疑惑の連鎖
 4月に予定された小学校の開設は延期になり、「森友」の理事長は籠池氏から長女に交代したりしていますが、「森友」がどのようにして国(財務省・近畿財務局)から破格の価格で国有地を手に入れたのか、小学校を経営した経験がなく財務にも問題があった「森友」がどのようにして府から認可を取り付けようとしたのかなど疑惑の核心は解明されないままです。
 「森友」側が工事費を偽って国(国土交通省)や府から補助金や助成金を受け取っていたことも明らかになっており、一連の疑惑は広がる一方です。先週末には「森友」が当初は借地していた小学校の建設予定地の汚染除去費用1億3000万円のうち工事業者には約2000万円値引きさせたのに、国には計画通り1億3000万円請求して、支払いを受けていたなど新たな疑惑も明らかになっています。
 不動産鑑定で約10億円の国有地が、途中から「借地」から「売却」に切り替えられ、そのとたん約8億円も値引きされ10年間の分割払いになったという異常な取引が、政治家の介入抜きに行われたとは考えられません。先月の衆参予算委員会での籠池氏への証人喚問などでは、開設予定の小学校で「名誉校長」を務め、安倍首相とともに「森友」の幼稚園教育を賛美し、「安倍晋三から」と100万円寄付したとまでいわれる昭恵氏が、籠池氏からの依頼の後、昭恵氏付きの政府職員を通じて財務省に問い合わせをさせた疑いがあり、土地改良費用の支払いや土地の売却に関与していたとも疑わせる手紙やファクスの存在が明らかになりました。
 安倍首相や昭恵氏は、あくまでも政府職員が「個人的」にやったことで、自らは無関係なように言いますが、もともと政府職員が「首相夫人付」でなければ起こりえなかったことであり、財務省の対応にも昭恵氏への「忖度(そんたく)」があったといわれるのは当然です。昭恵氏や関係した財務省職員などを国会に喚問し、真相を徹底的に究明するのは不可欠です。
国会は解明に責任果たせ
 大阪府の調査では、本来「借地」には開設できない「森友」の小学校への異例な「認可相当」決定の背景にも、財務省・近畿財務局の執拗(しつよう)な働きかけがあったと指摘されています。財務省はなぜそこまでしたのか、大阪府の対応はどうだったのか―解明が必要です。
 「森友」疑惑は、会計検査院の調査や市民の告発を受けた大阪地検特捜部の捜査も始まる見込みですが、疑惑がある以上、国会での解明が欠かせません。とりわけ首相夫妻がかかわる疑惑の究明は、政治の最優先課題の一つです。
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朝日新聞 2017年4月8日(土)付
(社説)「首相夫人付」 誰のための奉仕者か


 安倍首相の妻昭恵氏付の政府職員が財務省に問い合わせ、籠池(かごいけ)泰典理事長(当時)にファクスで回答した行為は、職務として行ったものではない――。
 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、安倍内閣がそんな答弁書を閣議決定した。
 ファクスの発信元には「内閣総理大臣夫人付」と明記され、「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」とも書かれていた。職員は内閣官房に常駐していた。
 これが「職務」でないはずがない。だが事の本質は、それを職務と呼ぶか否かではない。
 政府職員が首相夫人付の肩書で、一学校法人の要望を財務省に取り次いでいた。その背景に首相夫人、または首相官邸の影響力があったのではないか。問題の核心はそこにある。
 職員の行為を「職務」と認めれば、昭恵氏の説明責任がいっそう問われる。それを避けたいがために「職務」と認めない。そういうことではないのか。
 この件をめぐる首相の答弁は揺れた。職員が「勝手にやったということではない。妻に報告したと書いてあるからその通りだろう」と言う一方で、「(職員が)やるべきことを判断して行った」とも述べている。
 昭恵氏についての政府の説明は無理に無理を重ねたあげく、支離滅裂になっている。
 明らかに公的な存在である首相夫人を「私人」だと強弁するのもその一例だ。これも、公人として求められる説明責任から遠ざけたいがためだろう。
 そもそも首相夫人が一学校法人に便宜を図るべきではない。それは首相夫人が公人だろうと私人だろうと同じことだ。
 昭恵氏が昨夏の参院選で自民党候補の応援に行った際、夫人付の職員が同行していたことも明らかになった。
 公私混同もはなはだしい。どうしても同行者が必要なら、たとえば安倍氏の議員事務所の秘書を伴えばいい。
 昭恵氏の政治活動にも付き添い、昭恵氏の関係者の要望を官庁につなぐ。それが首相夫人付の仕事だった。実態は昭恵氏の秘書のようなものではないか。
 憲法15条に基づき、国家公務員法は全職員に「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために」働くことを求めている。
 5人もの国家公務員が、安倍内閣の人事発令で「一部のための奉仕者」にさせられていた。
 そうした状況のもとで、政治がゆがめられていたなら、早急に正さなければならない。
 まず昭恵氏が説明責任を果たすことが、その第一歩だ。
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朝日新聞 2017年4月4日05時00分
(社説)森友学園問題 大阪府も解明に全力を


 学校法人・森友学園の問題では、小学校の設置認可をめぐる様々な疑問も未解明のままだ。
 学園側の申請に対し、大阪府私学審議会には多くの異論があったのに、なぜ「認可適当」と答申したのか。学校用地に関する財務省と府の言い分も大きく食い違う。政府をチェックする国会はもちろん、認可に責任をもつ府も徹底調査すべきだ。
 学園が府に認可を申請したのは14年10月。同年12月の府私学審では、「永続的に小学校を運営できるか疑問」「思想教育のような部分がある」などの指摘が噴出した。だが翌年1月に臨時に開かれた審議会は、「進捗(しんちょく)状況を報告させる」という条件つきで、認可適当とした。
 府私学審の梶田叡一会長は先月の府議会で「学園が用地を取得する前に、認可の審議に入ったのは極めて異例だった」としたうえで、府が認可の見通しを出せば、国(近畿財務局)の審議会で森友側に国有地が渡る「確約があった」と語った。
 疑義に目をつむって、府と財務局が認可の流れを作ったように受け取れる。公平な審査がなされたのか、大いに疑問だ。
 松井一郎知事も会見で、「国から『認可の見込みと発表してくれ』と言われた」と、国側の要請があったことを認めた。しかし財務省は否定する。両者で責任を押しつけあっていては、らちが明かない。双方が公の場で詳細を語るしかない。
 府議会では、この問題のための百条委員会の設置案が否決された。自民の提案に、大阪維新の会と公明が反対した。維新の会代表の松井知事は賛意を示していたのに、理解に苦しむ。
 反対理由は「まず参考人招致をするのが筋」だった。ならば速やかに財務省や大阪航空局の担当者を招き、府議会として事実関係をただすべきだ。
 理事長を退いた籠池(かごいけ)泰典氏は国会の証人喚問で、協力を求めた複数の議員名をあげた。中には自民や維新の元府議もいる。真相にどこまで迫れるか、府議会の本気度が問われる。
 知事は、安倍昭恵氏が小学校の名誉校長だったことに触れ、「役所組織みんなでおもんぱかったのだろう」と語った。
 公正であるべき行政手続きを逸脱しなかったか、検証する必要がある。昭恵氏が名誉校長に就任したのは15年9月。14年12月にも、学園が運営する幼稚園で講演している。まさに府が認可を審査していた時期だ。
 府は補助金不正受給の疑いで幼稚園を調査したが、それ以外にも明らかにすべき点は多い。幕引きモードは許されない。
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毎日新聞2017年4月4日 東京朝刊
社説:沈黙続ける昭恵氏 首相夫人の役割を明確に


 大阪市の学校法人「森友学園」の国有地取得問題に関する国会の真相解明が止まっている。
 同学園の籠池泰典前理事長の証人喚問で、他の関係者の国会招致が一段と必要になったにもかかわらず、与党が拒否しているからだ。中でも与党が譲らないのは、安倍晋三首相の妻昭恵氏の証人喚問のようだ。
 だが昭恵氏に対する疑問は学園側に100万円寄付したかどうかだけではない。昭恵氏付の政府職員が問題の土地に関して財務省に問い合わせていたことも明らかになった。
 これを「職員の個人的な照会」という政府の説明には無理がある。やはり「首相夫人の行動」の解明抜きには前に進まない。
 昭恵氏の立場について政府は「首相夫人は公務員の発令を要さず、公人ではない。首相の公務を私人として補助している」と説明している。
 しかし昭恵氏の活動は歴代の首相夫人と比べて大きく広がっている。各地での講演やイベント参加のほか、諸団体が昭恵氏にさまざまな形で協力を求める例も多いという。
 昭恵氏に5人もの政府職員がサポート役として指定されているのは、活動の拡大に対応するためだろう。ところが、その活動に公私の区別がきちんとついているとは言い難い。
 昭恵氏が気安く応じてくれるという面もあるようだ。ただし要請する側が最も期待するのは首相夫人としての影響力の大きさではないか。
 特に力が大きいのは官僚に対してだろう。各府省の幹部人事は今、首相官邸が内閣人事局を通じて決める仕組みになっている。安倍政権はこれを最大限利用し、各府省ににらみを利かせていると言っていい。
 人事を握られた官僚が、従来以上に首相の考えに従わざるを得なくなっているのは確かだ。そんな中、官僚が「昭恵氏の意向は首相の意向」と見なして配慮するのは当然かもしれない。「森友問題」は、この「安倍1強」状況の中で起きたことを忘れてはならない。
 昭恵氏が自らの力の大きさを自覚しているようには見えない。フェイスブックにコメントを載せただけで沈黙を続ける昭恵氏だが、重ねて国会や記者会見での説明を求める。
 同時に政府はこの際、首相夫人の役割をもっと明確にすべきだろう
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朝日新聞 2017年4月2日05時00分
(社説)森友と政権 究明になぜ背を向ける


 「森友学園」の国有地売却をめぐる責任は、籠池(かごいけ)泰典氏ひとりにある。そう言いたいのか。
 政権与党から籠池氏を偽証罪で刑事告発する可能性への言及が相次いだ。しかしそれは、数々の疑問を解明した後に検討すべきことだ。
 「(安倍首相の妻昭恵氏が)『安倍晋三からです』と封筒に入った100万円を下さった」など籠池氏の証人喚問での発言の真偽は不明だ。首相をはじめ政権側は否定している。
 だが籠池氏の発言は、虚偽の証言をすれば偽証罪に問われる証人喚問でのものだ。主張に食い違いがあるからこそ、真相は何なのか、究明に力を尽くすことが国会の使命のはずだ。
 憲法で国会に認められた国政調査権を駆使し、さらなる関係者の証人喚問や、交渉記録を廃棄したとしている財務省など官公庁に記録の提出を求めることも欠かせない。
 だが政権与党は証人喚問に応じず、肝心の記録も提出しようとはしない。首相は国会で、昭恵氏の証人喚問について「必要ない」とはねつけた。
 一方で、聞こえてくるのは、籠池氏を狙い撃ちするかのような発言だ。
 菅官房長官は国会で籠池氏を偽証罪で告発する可能性を問われ、「事実と違っていたらそうなる。客観的な内容についていま精査している」と述べた。
 だが告発の権限を持つのは政府ではなく国会だ。菅氏の発言は三権分立の原則に反する。
 そもそも自民党は、籠池氏の国会招致に後ろ向きだった。
 なのに、籠池氏が現地調査に訪れた参院予算委員会のメンバーに「首相から昭恵氏を通じて100万円の寄付を受けた」と証言すると、一転、「首相に対する侮辱だ」と証人喚問に応じた。そして今度は刑事告発をちらつかせる。これでは「首相に敵対すればこうなる」という恫喝(どうかつ)と見られても仕方がない。
 自民党では、籠池氏の告発に向けた証拠集めに国政調査権の発動を求める動きもある。郵便局での100万円の振り込み手続きをめぐり、籠池氏の証言が正しいか調べるというが、問題の本質をはずしていないか。
 問題の核心は、国有地が昭恵氏を名誉校長とする小学校の建設用地として、破格の安値で学園に売却されたことだ。
 そこに特別扱いがあったのではないか。政治家の関与はなかったのか。首相夫人の肩書が利用されたのではないか。
 安倍政権はなぜ、真相究明に背を向けるのだろう。そこに何か見たくないものがあるのか。
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朝日新聞 2017年3月28日05時00分
(社説)森友と財務省 納税者を甘く見るな


 森友学園(大阪市)を巡る様々な問題について国会で激しい論戦が続くなか、国の新年度予算が成立した。与党からは「次のステージに向かう時だ」との声があがり、幕引きを急ごうとする動きが見られる。
 とんでもない。学園の籠池(かごいけ)泰典氏の証人喚問を経ても疑惑は晴れない。安倍首相夫人の昭恵氏や昭恵氏付の政府職員の行動が、学園への異例づくしの国有地売却などに影響したのか、事実関係の徹底解明が不可欠だ。
 見過ごせないのは、取引の経緯を詳しく説明しようとしない財務省の姿勢である。
 国有地の売却ではその金額を原則公表してきたのに、森友側との取引では伏せた。財務省近畿財務局によるこの異例の対応が一連の疑惑の発端になった。
 遊休国有地の取引は売買が主流なのに、定期借地契約を認めた。その後売買に切り替えたが、ゴミ撤去費用を巡る不明朗な見積もりを経て、周辺の地価と比べて9割安という破格の条件になった。
 財務省は「適正に処理した」と繰り返す。交渉記録は廃棄したから残っていない。法令違反はない。関係者への聞き取り調査はしていない――。
 最近になって一部の調査結果を公表したが、自分たちが正しいから信じろと言わんばかりだ。国会では当時の理財局長と近畿財務局長の参考人招致が実現したが、「報告がなかった」「政治的配慮はしていない」との発言にとどまった。
 財務省の仕事は、国有財産の管理と不要な資産の処分にとどまらない。税制を考え、それに基づいて税金を徴収し、予算案として配分を練るという政府の仕事の中核を担っている。
 そうした役割は納税者・国民の理解と納得に支えられている。財務省を含む政府の説明が明らかに足りないと考える人が多数を占める現状に、危機感はないのだろうか。
 ただちに関係者から話を聞き、誰がどう動いたかを再現して、国会で説明するべきだ。自ら調べる意思がないのなら、第三者に任せるしかない。
 土地の売却契約の成立から1年もたたずに記録を廃棄したとしているのも適切でない。内規に基づく措置だというが、内規自体が情報公開を充実させる基本に反していることを自覚し、猛省しなければならない。
 かたくなな財務省は何を心配しているのだろう。自らの組織の防衛か、森友問題で浮上した政治家への配慮なのか。
 納税者の目は厳しい。甘く見れば必ずしっぺ返しがある。
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福井新聞 (2017年3月28日午前7時30分)
論説:森友学園問題 国民はまだ納得できない


 【論説】過去最大の2017年度政府予算が成立した。政府、与党はこれもって国会論戦に区切りを付け、幕引きを図りたいのだろう。大阪市の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題を巡る攻防である。
 だが、野党は27日も安倍昭恵首相夫人の証人喚問を要求するなど追及の手を休めなかった。与党が疑惑解明へ後ろ向き姿勢では、逆に不信感を深めることになる。徹底究明すべきだ。
 与党は、学園の理事長退任を表明している籠池泰典氏の証人喚問で終止符を打ちたかったのだろう。しかし、不透明さは増すばかりで、最大の焦点に浮上したのが首相夫人付職員が籠池氏側に送っていたファクスの内容だ。2年前の国有地定期借地契約に関し相談を持ちかけたことが籠池証言で明らかになった。
 ファクスのやりとりでは夫人付職員が「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」とし「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」などと記している。工事費立て替え払いの予算化についても言及しており、かなり親密な関係の中で踏み込んだ依頼、相談だったことが浮き彫りになってくる。
 安倍晋三首相は「事務的な問い合わせ」「働き掛けや不当な圧力はまったくない」と説明している。
 このファクスを公表したのは菅義偉官房長官だ。疑惑払拭(ふっしょく)へ「関与なし」の証拠としたのだろう。「希望には添えないが、引き続き当方としても見守ってまいりたい」とも伝えている。この「当方」について菅氏は「それは当然、谷(査恵子)さんだと思います」と個人名を挙げ断言した。
 確かにそうともとれる。だが、一連のファクスなどが全て職員の一存と責任でなされるものか。首相が「妻は聞いていない」と強弁しても説得力に欠ける。「私や妻が関係していたことになれば首相も国会議員も辞める」と公言してきた首相だ。職員に責任転嫁して逃げを打った感がある。
 たとえ夫人が無関係で「不当な働き掛け」もなかったとしても、夫人付の問い合わせに政治的な影響力は発生する。財務省幹部が個別案件で谷氏に対応したのも「忖度(そんたく)」の域にあるのではないか。
 昭恵夫人が100万円を寄付したとする籠池証言に対しても夫人はフェイスブックで否定した。ただ「記憶がない」との表現は曖昧さが残る。首相は「密室でのやりとりなど反証できない事柄を並べ立て事実と反することが述べられたことは誠に遺憾だ」と強調。籠池氏の証言を「悪意に満ちた」とも断じた。あまりに感情的、それこそ主観に満ちた印象操作ではないか。
 共同通信社の世論調査では、首相が夫人を含め関与を否定していることに62・6%が「納得できない」として、夫人の国会招致を52・0%が求めている。首相は冷静な姿勢で説明責任を果たし、国民を納得させてもらいたいものだ。「共謀罪」など、国会はまだまだ難問が待ち受けている。
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