2017-05-07(Sun)

リニア新幹線 大鹿村掘削開始 「丁寧な説明」はどこへ

説明会開かず、前日夜メールのみで通知  残土処理の問題も先送りされたまま

◆リニアの掘削 「丁寧な説明」はどこへ(信濃毎日新聞 2017年4月29日社説)
 これがJR東海の言う「丁寧な説明」なのだろうか。
 リニア中央新幹線のトンネル掘削が下伊那郡大鹿村で始まった。南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の作業用トンネルである。
 工事が始まった除山非常口(坑口)の反対斜面にある釜沢地区では、発破作業が始まると騒音や振動などの影響が懸念される。
 
それなのに、工事に当たる共同企業体(JV)が住民に掘削開始を知らせたのは電子メールのみだ。
配信は掘削開始前日の26日夜で、一見して理解できる内容ではなかったという。
 
メールは希望者に、道路改良工事に伴う通行止めの時間帯などを知らせるため配信している。
受信していた地区の自治会長は掘削開始に気付かなかった。JRが村に掘削開始を電話で知らせたのも26日の夕方だった。

JR東海の柘植康英社長は住民不安が根強いことに対し、「丁寧に話し合いをして、話を聞き、説明し、納得していただく努力が不可欠」としていたはずだ。
 
地区の全員が参加できる説明会を開き、掘削開始や今後の見通し、工事の影響などを詳細に説明するのが筋だ。
今回のような対応では、工事に対する住民の不安や不満は解消しない。
 
掘削工事では、残土処理の問題も先送りされたままだ。----




以下引用

信濃毎日新聞 (2017年4月29日)
社説:リニアの掘削 「丁寧な説明」はどこへ
 これがJR東海の言う「丁寧な説明」なのだろうか。
 リニア中央新幹線のトンネル掘削が下伊那郡大鹿村で始まった。南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の作業用トンネルである。
 工事が始まった除山非常口(坑口)の反対斜面にある釜沢地区では、発破作業が始まると騒音や振動などの影響が懸念される。
 それなのに、工事に当たる共同企業体(JV)が住民に掘削開始を知らせたのは電子メールのみだ。配信は掘削開始前日の26日夜で、一見して理解できる内容ではなかったという。
 メールは希望者に、道路改良工事に伴う通行止めの時間帯などを知らせるため配信している。受信していた地区の自治会長は掘削開始に気付かなかった。JRが村に掘削開始を電話で知らせたのも26日の夕方だった。
 JR東海の柘植康英社長は住民不安が根強いことに対し、「丁寧に話し合いをして、話を聞き、説明し、納得していただく努力が不可欠」としていたはずだ。
 地区の全員が参加できる説明会を開き、掘削開始や今後の見通し、工事の影響などを詳細に説明するのが筋だ。今回のような対応では、工事に対する住民の不安や不満は解消しない。
 掘削工事では、残土処理の問題も先送りされたままだ。
 大鹿村で生じる残土は、東京ドーム約2・4個分に当たる約300万立方メートルになる。多くは搬出先が決まっていない。JRは村内に残土を仮置きする予定だ。
 村内には仮置き場がそのまま最終処分地になるのでは、との懸念も根強い。将来計画を示さないまま掘削を続ければ、不安はさらに高まる。大鹿村だけでなく、県内の沿線から出る残土計974万立方メートルの処分地も多くは決まっていない。早急に解決しなければならない問題だ。
 柘植社長は1月に阿部守一知事と会談した際、残土埋め立て後の管理には関与しないとしていた当初の方針を変更し、埋め立て後の維持管理も「責任を持った対応」を検討する方針を明らかにした。当然の判断といえる。
 伊那谷は1961(昭和36)年の三六災害で、広い範囲が土砂災害に見舞われた。住民の不安は根強い。JRは全ての残土処分候補地について、埋め立て後の具体的な管理方法を早急に明らかにする必要がある。住民の不安や要望に寄り添わなければ、円滑な工事は見通せない。


信濃毎日新聞 (2017年4月28日)
リニア、県内初の掘削開始 大鹿の作業用トンネル

 JR東海は27日、リニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の作業用トンネルの掘削を下伊那郡大鹿村で始めた。リニア本体工事で、県内でのトンネル掘削開始は初めて。運搬による生活への影響や必要な埋め立て地が決まらないままの状況に住民の懸念が生じている中、残土の搬出が本格化する。
 27日に掘削を始めたのは大河原・釜沢地区の「除山(のぞきやま)非常口」。JRは南アトンネル本線(本坑)掘削に向け、村内から作業用トンネル(斜坑)を3本掘る計画で、そのうちの1本。リニア開業後は本線から地上に出るための非常口となる。同社は昨年11月、村内で起工式を行った後、坑口周辺で準備工事を進めていた。
 同工区の工事に当たる大手ゼネコン鹿島などの3社でつくる共同企業体(JV)やJR東海の関係者がこの日、除山非常口の作業場で、掘削に先立って安全祈願を行った。
 除山の作業用トンネルは長さ1・9キロで、掘削断面は約45平方メートル。当面、重機で掘り進める。地質の様子などを見て、爆薬を地盤に仕掛けて爆発させて掘り進める発破作業に入る。
 同トンネル掘削終了後には、地質や出水の状況を見るため本坑に並行して先に掘り進める「先進坑」の掘削に取り掛かる。同社によると、2018年度内に始まる見通しで、本坑の工事開始時期は未定。
 南アの一連のトンネル掘削で大鹿村からは計235万立方メートルの残土が搬出される見込み。
 南アトンネル(計25キロ)は、長野、静岡県境付近で、地表からトンネルまでの深さ(土被(どかぶ)り)が最大約1400メートルに達し、難工事が予想されている。東側の坑口の山梨県早川町では昨年10月に掘削を始めており、静岡県内の工区は未着工。
 大鹿村から掘る南アトンネルの作業用トンネル3本のうち、JRは当初、上蔵(わぞ)地区の「小渋川非常口」で最も早く掘削を始める予定でいた。坑口周辺の保安林指定の解除手続きが、リニア建設反対派住民の異議を受けて遅れている。もう1カ所の掘削開始も今年6月ごろから来年4月ごろにずれ込む見込み。同社は2027年の東京・品川―名古屋間の開業目標に「変更はない」としている。


毎日新聞2017年4月29日 地方版
リニアと暮らし JR東海、県内トンネル初掘削 大鹿村の「除山非常口」 /長野
 JR東海は2027年の開業を目指すリニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の「除山非常口」(大鹿村)の掘削を27日に開始した。県内でのトンネル掘削は初めて。
 除山非常口は、南アトンネル本坑掘削までの作業用のトンネルで、長さ1・9キロ。当面は重機で掘り、その後、発破を使って作業を本格化させる。
 JRは作業用トンネル3本の掘削を計画しており、当初は大鹿村上蔵(わぞ)地区にある小渋川、釜沢地区の除山、釜沢の順に掘削を予定していた。しかし、小渋川、釜沢の予定地は保安林の保安解除が地域や沿線住民の異議意見書提出でストップし、除山非常口の掘削を優先した。工事開始の連絡は26日夕方で、大鹿村の担当者は「急に始めた印象がある」と話した。
 当面の残土は釜沢トンネル作業用ヤード、三正坊、小渋川変電所建設予定地を仮置き場とする。【大澤孝二】


日本経済新聞 2017/4/29付
リニア、非常口トンネル掘削開始 県内工区で初
 JR東海はリニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区(8.4キロメートル)で非常口トンネルの掘削工事を大鹿村で開始した。長野工区の起工式は昨年11月に開いたが、トンネルの掘削は県内では今回が初めてとなる。開業に向けて一歩前進したが、発生する土砂の処分地をどこに確保するかなど、課題を抱えたままになっている。
 27日に掘削を始めたのは除山非常口トンネルで、長さは1.9キロメートル。リニアの本坑に向けて掘り進み、開業後に非常口となる。長野工区では3本の非常口トンネルを造る計画で、今回のトンネルはその最初の掘削工事となる。
 トンネルは重機で掘削しており、約10人で担当。発生する土砂は当面、ヤード内にある仮置き場に運搬し、工事の進捗状況に応じて別の仮置き場に運搬する計画。
 リニアのトンネル工事に伴い大量の土砂が発生する。大鹿村からは約300万立方メートル、長野県全体では約950万立方メートルに達すると予想されている。大半は村外への搬出となるが、最終処分地の確保の見通しは不透明なままだ。
 一方、南信州広域連合や飯田商工会議所などは28日、JR東海に対し、リニア事業での地元経済の活性化に協力を求める要望書を提出した。建設工事での地元業者の採用だけでなく資材や飲食分野での利用を要望した。
 阿部守一知事は28日の定例記者会見で、掘削工事の開始連絡が前日の26日午後5時だったと明らかにした上で「工事には地域の理解と協力が不可欠。通知のタイミングが遅すぎる」と指摘。県からJR東海に対し、事前連絡を徹底するよう求める考えを示した。


(中日新聞) 2017年4月28日 09時00分
リニア「最難関」掘削開始 南アルプストンネル長野工区
 2027年の名古屋-東京・品川間の開業を目指すリニア中央新幹線計画で、最難関工事とされる南アルプストンネルの長野工区の掘削が27日、長野県大鹿村で始まった。
 トンネルは長野、静岡、山梨の3県にまたがる総延長25キロで、長野工区は長野県側の8・4キロ区間。静岡県との県境近くは標高3千メートル近くの山々が連なり、トンネルは尾根から最も深い地点で1400メートル下を走る。強い地圧や地下水流出などが予想され、国内では例の無い難工事になる。
 この日は作業員約10人が重機を使い、本坑につながる非常口の掘削を始めた。工事は、三つの非常口(斜坑)を順次掘り進めた後、地質を調べたり地下水を抜いたりする先進坑と呼ばれる小さなトンネルに続いて、本坑を掘る。
 非常口の一つは保安林内にあるため知事の指定解除が必要だが、リニア工事に反対する住民の一部から異議申立書が出ており、審査がずれ込んでいる。掘削で出る土砂の最終的な処分地も未定のままだ。
 異議申立書を出した「大鹿リニアを止める実行委員会」代表の宗像充さん(41)=大鹿村=は「村民は工事開始を知らされなかった。工事による騒音や、沢枯れなどによる生態系への影響が心配」と懸念する。
 工期は26年11月までの予定。山梨工区(7・7キロ)は15年12月に既に着工しており、静岡県側は未着工。

中日新聞 2017年4月28日
生活・環境影響抑えて リニア除山非常口掘削で大鹿村要望
 JR東海がリニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区の三カ所の非常口(作業用トンネル)のうち、大鹿村釜沢地区の除山非常口の掘削に着手した二十七日。今後、残土処理など目に見えてくる問題が続々と立ち上がってくる同村からは生活環境への不安解消などを求める意見が上がった。
 「日本で最も美しい村」連合に加盟し、人口千人余ののどかな村の主要道に、ダンプカーなどの大型車が、一日最大千七百台余も通ると言われている。柳島貞康村長は「JR東海には、これまで突き付けてきた要求をしっかり守って、生活や自然環境への影響は極力抑えるよう慎重に進めてもらいたい」と訴えた。
 また「まだ仮置き場が確保できただけ。本置き場をしっかりと早く決めてもらいたい」と求めたのは、熊谷英俊村議会議長。村には、ナゴヤドームの約二個分の三百万立方メートルの土砂が運び出されることになる。JR東海は、発生土を仮置きした後、最終処分先に運ぶ予定だが、最終処分先がまだ決まっていない。議長は「本置き場が決まらないと、工事は暗礁に乗り上げる」と忠告した。
 一方、住民や自然への影響を懸念した抗議の声も。リニア工事に反対する「大鹿リニアを止める実行委員会」の宗像充代表はこの日、現場周辺を訪れたといい「近くの集落に工事の騒音が聞こえ、うるさくなるのではと感じた」と強調。沢枯れなどによる生態系の変化も心配していた。
 (伊勢村優樹)

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