2017-05-19(Fri)

加計学園問題  各紙社説等(1)  「総理の意向」はあったのか

獣医学部新設の経緯を示せ  国会の場で徹底究明を  内部文書を公開すべき  深まる疑惑 政府は明確な説明を

<各紙社説・主張>
日本経済新聞)獣医学部新設の経緯を示せ  (5/19)
北海道新聞)加計学園問題 国会の場で徹底究明を (5/19)
河北新報)加計学園文書問題/「総理の意向」はあったのか (5/19)
京都新聞)加計学園計画  内部文書を公開すべき (5/19)

中国新聞)加計学園問題 忖度の構図、徹底解明を (5/19)
愛媛新聞)加計学園の獣医学部 深まる疑惑 政府は明確な説明を (5/19)
西日本新聞)加計学園問題 「総理の意向」は働いたか (5/19)

朝日新聞)加計学園問題 疑問に正面から答えよ (5/18)
毎日新聞)学部新設で「総理の意向」 事実関係の解明が必要だ (5/18)
東京新聞)加計学園問題 首相は自ら真相を語れ (5/18)
信濃毎日新聞)加計学園文書 政府は疑惑に答えよ (5/18)




以下引用



日本経済新聞 2017/5/19付
社説:獣医学部新設の経緯を示せ


 学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画をめぐり、民進党が首相官邸の圧力をうかがわせる文書を入手したとして追及している。政府は否定するが、特区での運営事業者の選定には不透明な部分も多い。政策判断の経緯を明らかにしていく必要がある。
 民進党は17日、文部科学省が作成したとする文書を国会で明らかにした。加計学園の2018年4月の獣医学部の新設をめぐって、国家戦略特区を担当する内閣府側が「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だ」と発言したと記録されている。
 菅義偉官房長官は記者会見で、安倍晋三首相をはじめ官邸側の関与を否定し「首相は一切指示をしていない。こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」と強調した。
 現時点で文書の真偽は不明だが、文科省や内閣府は折衝の有無や発言内容を早急に確認すべきである。官邸から直接の指示があったのか。内閣府側が首相の意向を忖度(そんたく)したのか。それとも学部新設に消極的な文科省を動かすために「官邸の印籠」を使ったのか。事実が知りたい。
 首相は加計学園の理事長との個人的な関係を問われて「友人だから会食もゴルフもする」と説明しつつ、事業への協力は否定している。野党は獣医学部の52年ぶりの新設が急に実現したのは不自然だと訴える。特区の指定を受けて愛媛県今治市は加計学園への建設用地の無償譲渡を決めた。
 国家戦略特区は、地域限定で規制を緩和して経済活性化を目指す仕組みだ。岩盤規制に風穴を開ける意味は大きいが、運営事業者の選定で不公正な政治的配慮が働いたとしたら問題である。
 今国会では学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地の売却問題も焦点となっている。財務省は交渉経緯の調査に後ろ向きな態度をとり続けている。政府は様々な疑惑を自ら払拭する姿勢で事実を明らかにしてもらいたい。
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北海道新聞 2017/05/19 08:55
社説:加計学園問題 国会の場で徹底究明を


 安倍晋三首相の知人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」が愛媛県今治市の国家戦略特区に獣医学部を新設する計画を巡り、不当な圧力を疑わせる文書が明るみに出た。
 特区を担当する内閣府が、文部科学省に対し「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」として協力を促したとする内容を記したものだ。
 この問題では学部新設が異例の短期間で認められるなど、手続きの不自然さが指摘されてきた。
 首相はこれまで学園理事長との親密な関係を認めながらも、関与を否定してきた。だが今回の文書が事実とすれば、その説得力は揺らぐ。丁寧な説明が求められる。
 国会は「共謀罪」法案など課題を抱えるが、疑惑追及もおろそかにできない。徹底究明が必要だ。
 国内の獣医学部は過剰とも言われ、半世紀以上認可がなかった。
 しかし今回、わずか8日間の公募期間に加計学園のみ応募。すぐに認定され、市有地の無償譲渡と96億円の助成も決まったため、野党側が不透明だと指摘していた。
 文書はその背景に、政府内で忖度(そんたく)や斟酌(しんしゃく)が働いていたのではないかとの疑念を抱かせるものだ。
 首相と学園の加計孝太郎理事長は数十年来の「腹心の友」とされ年に数回、食事やゴルフを共にする。首相夫人の安倍昭恵氏が、学園が運営する保育施設の名誉園長を務めているとの報道もある。
 首相は3月の参院予算委員会で、この問題について「私がもし働きかけていたのなら責任を取る。当たり前だ」と答弁していた。
 ならば国会の場で、あらためて説明が必要だろう。民進党は衆院予算委員会での集中審議を求めている。与党側は応じるべきだ。
 この問題の構図は、森友学園への小学校用地売却をめぐる疑惑とも重なる。「安倍1強」の長期化と権力の集中が、行政の判断をゆがめているとの懸念が拭えない。
 森友学園問題では土地売却直前の昨年春、小学校の設計業者が学園の顧問弁護士に「深さ3メートルより下には廃棄物はない」とするメールを送っていたと報じられた。
 事実なら国民の財産が8億円も値引きされた理由がなくなる。国会で「適切に処理された」と繰り返してきた財務省の責任も重い。
 いずれの問題でも、仮に直接の指示はなくとも、首相と相手側の関係が手続きに影響したのなら行政の公平という原則を逸脱する。
 その最終的な責任は、行政の長である首相自身が担わねばならないことを自覚してもらいたい。
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河北新報 2017年05月19日金曜日
社説:加計学園文書問題/「総理の意向」はあったのか


 「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題に続き、学校法人を巡る新たな問題が浮上した。
 安倍晋三首相と親しい友人が理事長を務める「加計(かけ)学園」(岡山市)の岡山理科大獣医学部の新設計画である。
 国家戦略特区を活用した学部開設に当たって、首相の関与をうかがわせる記述のある文書が明らかになった。
 文書について、菅義偉官房長官は「誰が書いたのかも分からない意味不明のもの」と一蹴したが、野党は「事実とすれば、特区制度の悪用、私物化だ」と対決姿勢を強めている。
 学部の設置認可を所管する文部科学省の職員が作成したとされる文書は、民進党が入手し国会で取り上げた。
 特区を担当する内閣府と同省とのやりとりの記録で、内閣府側が「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと、来年4月開設のスケジュールを最優先に認可手続きを進めるよう促す内容だった。
 政府は昨年11月、安倍首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議で獣医学部の新設を長年制限していた文科省告示を見直した。ことし1月には、特区の公募に唯一応募した加計学園の計画を認定した。
 これを受け、立地先の愛媛県今治市議会は3月、学園側に市有地の無償譲渡と施設整備費96億円を助成する議案を可決している。
 今回の文書にある「総理の意向」は、事業の推進を急ぐこうした不自然な流れとも符合している。
 獣医学部が新設されれば、約50年ぶりである。今治市が掲げる「学園都市構想」は1975年の決定から42年を経て動きだした。
 民進党などはこれまでも、「友達を優遇したのではないか」「相談があったのではないか」などと追及してきた。首相はその都度「理事長からの相談はないし、圧力をかけたこともない」「働き掛けていたら責任を取る」と関与を全面否定している。
 ただ、野党から「事実なら内閣総辞職に値する」(蓮舫民進党代表)とまで批判の声が上がる事態は、政治の信頼が根本から問われる重大な局面と言えるのではないか。
 諮問会議議長の首相は、学部新設に絡むこれまでの経過や背景、加計学園の理事長との関係を国民に分かりやすく説明する責任がある。
 文書の存在を問われ「作成された可能性はある。確認したい」と述べた松野博一文科相も、内閣府と実際にどんなやりとりがあったかを速やかに明らかにすべきだ。
 首相の周辺にいる親密な関係者が介在する中で、官公庁が動く構図は「森友問題」と二重写しのように見える。
 仮に首相の真意とは別に、官僚の忖度(そんたく)や入れ知恵が働いていたのだとしても、それで済む話ではない。国会は真相解明すべきだ。
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[京都新聞 2017年05月19日掲載]
社説:加計学園計画  内部文書を公開すべき


 学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設に、「総理の意向」が働いたのか。
 さまざまな疑問が浮かんでいる。安倍晋三首相はじめ関係省庁は疑問を放置せず、事実経緯を明らかにする必要がある。
 最大の疑問は、愛媛県今治市に計画された岡山理科大の獣医学部新設が、急に動きだした点だ。
 文部科学省は、獣医師は足りているとして学部新設を長年認めず、日本獣医師会も新設に反対しているのに、52年ぶりに来年春に開学の運びとなった。なぜ、と考えるのは自然だろう。
 安倍政権が打ち出した国家戦略特区の一つに、広島県と今治市が指定されたのは昨年1月。獣医師数の抑制策を「岩盤規制」とみなし、特例として獣医学部の新設が認可された。
 この時、特区を担当する内閣府と文科省のやりとりを記録したという複数の文書が、民進党によって明らかにされた。
 そこには、開学から逆算した最短スケジュールを作成し、共有するよう求め、「これは官邸の最高レベルが言っていること」と書かれている。別の文書には「これ(早期の開学)は総理のご意向だと聞いている」との記載もある。
 安倍氏の存在をうかがわせる文書になっている。
 加計学園の理事長は、安倍氏の米国留学時からの友人で、今もゴルフや会食を続ける親しい間柄と言われる。
 首相の個人的な人間関係によって政策が進められるとしたら、権力の乱用であり、重大な問題だ。
 文書に作成者の名前はなく、公文書とは書式が違っている。菅義偉官房長官は「こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」とにべもない。
 しかし、松野博一文科相は「特区に関する対応に向けた文書は、作成された可能性がある」「確認させてほしい」と国会で答弁している。
 ここは関係する文書をすべて公開し、事実や経緯をはっきりさせることが重要だ。
 やはり安倍氏や安倍夫人との関係が指摘される森友学園問題で、土地の購入価格に関する文書を財務省は廃棄したとしたことから疑惑を深めている。
 「(加計学園理事長から)相談があったことや圧力をかけたことは一切ない」。安倍氏は自身の潔白を声高に言う。しかし、国民を納得させたいのなら、言葉より、関係省庁に文書を出すよう指示することだ。事実を示してほしい。
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中国新聞 2017/5/19
社説:加計学園問題 忖度の構図、徹底解明を


 岡山理科大を運営する学校法人「加計学園」(岡山市)が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、文部科学省と内閣府のやりとりとみられる記録文書を民進党が入手した。「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だ」といった生々しいくだりが見える。
 加計学園の理事長は、安倍晋三首相の友人という。これまで首相は国会で「相談があったことや圧力をかけたことは一切ない」と関与を否定してきた。仮に文書の記載通りだとすれば、つじつまが合わない。
 文書が本物かどうか、省内のどのレベルにわたっていた物かなど、文科省は事実の確認を急ぐ必要がある。
 一連の文書は出どころや信用性が必ずしも明らかではない。作成の年月日は特定されておらず、回覧や決済の押印欄が見当たらない。菅義偉官房長官も「こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」と取り合おうとしなかった。それでいいのだろうか。
 行政文書の管理に関する国のガイドラインでは、国政上の重要事項に係る意思決定が絡む場合には、起案の下書きメモでも適切に保存すべきだと定めている。今回、それに当てはまる可能性がある。
 何より、獣医学部新設を目指した今治市が政府の国家戦略特区に指定されるまでの曲折と、文書の内容は妙に符合する。
 今治市は2007年以降計15回も、構造改革特区への指定を申請したものの、却下され続けた。それが第2次安倍内閣の国家戦略特区制度で風向きが一変する。政府の国家戦略特区諮問会議が昨年11月、獣医学部のない空白地域に限っての新設を今治で認め、加計学園が運営事業者に認定される。
 文書に「2018年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っている」「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」との記載がある。
 一方、日本獣医師会は、特区提案による獣医学部の新設に強く反対してきた。以前、公にした書面にこんな一節がある。
 「特区」に名を借りた「地域おこし」や特定の一学校法人による「大学ビジネス拡大の手段(場)」と化すようなことがあってはならないと考えます―。
 全国に16ある獣医学系大学の定員は国公立大で30~40人、私立大で80~120人という。ところが今回、岡山理大だけで160人の定員枠を見込む。
 国はこの半世紀、獣医師の「質」を確保する観点から、大学設置や定員増は厳しく制限してきたいきさつがある。
 長年のルールや現場の声をないがしろにし、首相主導で推し進めた節は今回の文書がなくても見て取れる。学校法人「森友学園」(大阪市)の問題でも、国有地を格安で学園側に譲り渡した財務省の忖度(そんたく)が取り沙汰された。「同じ構図」と野党がいぶかるのも無理はない。
 計画は今、国の審議会で設置認可の審査が進む。36億円相当のキャンパス用地を地元今治市が無償譲渡した上で、愛媛県と共に最大96億円を助成する。公正で厳密な審査のためにも、疑惑の徹底解明が求められる。
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(愛媛新聞)2017年5月19日(金)
社説:加計学園の獣医学部 深まる疑惑 政府は明確な説明を


 今治市への岡山理科大獣医学部新設で民進党は、内閣府が文部科学省に開学は「総理のご意向」と伝えていたとされる文書を入手したと明らかにした。安倍晋三首相の意向が新設に反映されたとも受け取れる内容で、見過ごすことができない。これまでも、首相の関与疑惑は国会で取り上げられてきた。松野博一文科相が「どういった経緯か確認させてほしい」と述べた通り、早急に調査すべきだ。
 首相と、大学を運営する学校法人加計学園(岡山市)の理事長は「腹心の友」とされる。首相らの関与、官僚の忖度(そんたく)があったのではないかと疑われる構図は、大阪市の学校法人森友学園への格安での国有地払い下げと同じだ。深まるばかりの疑惑に対し、政府は説明責任を果たさなければならない。
 新設の前提となる特区指定は県と今治市、加計学園が2007年から15回申請したが、実現していなかった。日本獣医師会なども獣医師は足りているなどとして、新設に反対していた。にもかかわらず、第2次安倍政権下の16年、国家戦略特区に一転、指定された。京都産業大も京都府に新設を希望していたのに、16年11月、首相が議長を務める特区の諮問会議が新設は空白地に限るとの条件を後から追加。さらに、事業者の募集期間は、今治市への新設に絞り込むと告示した当日からわずか8日間だけで、事実上、応募は加計学園に限られる状況だった。
 野党が「加計学園ありきではないか」「お友達だけが手を挙げられるよう優遇したのでは」と問題視し、首相を追及してきたのは当然だ。
 首相は「働きかけていたら責任を取る」「(特区認定で)私と付き合いがあるかないかは、全く考慮されない」と関与を全面否定してきた。しかし、今回明らかになった文書は「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」など正反対の文言が並ぶ。首相の個人的な意向や人間関係で、政策判断がゆがめられることは、絶対にあってはならない。
 菅義偉官房長官は文書を「意味不明で政府が答えることではない」「出どころも明確でない怪文書じゃないか」と一方的に切って捨てたが、首相と学園理事長の関係を踏まえると、無視は許されない。首相夫人への証人喚問要求を拒否し続ける森友学園問題なども含め、政権にとって不都合なことに正面から向き合わない姿勢では、信頼が低下し、国政に支障が出ると肝に銘じるべきだ。
 今治市は若者の増加、地域経済活性化などを狙い、獣医学部の誘致を進めてきた。加計学園には37億円の市有地を無償譲渡し、施設整備費96億円の助成も決めている。新設を巡る疑惑が解消されないままでは、学部へのイメージが悪化し、学生募集にも支障が出かねない。今治市や学部への悪影響を避けるためにも、政府には十分な説明を求めたい。
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西日本新聞 2017年05月19日 10時53分
社説:加計学園問題 「総理の意向」は働いたか


 私立大学の学部新設にも「首相の意向」が働くのだろうか。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して愛媛県今治市で計画する獣医学部新設計画を巡り、政府内の手続き迅速化を「総理の意向」として迫る文書の存在が明らかになった。
 文部科学省の作成ではないかと民進党が国会で追及した。新設に慎重な文科省が特区担当の内閣府から新設認可を促されたとする内容で「平成30(2018)年4月の開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と記されていた。
 その上で「これは官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だと聞いている」との記載もあった。学園が運営する岡山理科大は18年4月の獣医学部開設を目指して建設を進めており、文科省の審議会が認可の審査中だ。
 獣医学部の新設について、学園と今治市は07年以降、構造改革特区としての認定を計15回求めたが、認められなかった。獣医師の増え過ぎ抑制を理由に、文科省が1966年以降、獣医学部の新設や定員増を認めていないためだ。
 ところが安倍政権が導入した国家戦略特区で流れは一変する。今治市が特区に追加指定される一方、新たな規制緩和として獣医学部の新設を特例で認可対象とすることも決まった。その公募に応じたのが加計学園と今治市だった。
 学園の加計孝太郎理事長を首相は「腹心の友」と呼び、ゴルフや会食を重ねる間柄という。妻の昭恵氏は学園運営の認可外保育施設の名誉園長を務めている。野党は首相の関与を国会でただしてきたが、首相は「加計学園から私に相談や圧力が働いたということは一切ない」と全面否定している。
 首相は本当に関与していないのか。首相の友人が関わる案件に官僚が「忖度(そんたく)」して便宜を図った疑いはないか。その構図は、森友学園(大阪府)への国有地払い下げ問題を思い起こさせる。文書の真偽を含めて政府は事実関係を徹底究明し、国会で説明すべきだ。
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朝日新聞 2017年5月18日05時00分
(社説)加計学園問題 疑問に正面から答えよ


 政府はすべての国民に公正・公平に向き合い、首相との距離によって対応に差が出るようなことがあってはならない。
 民主主義国家の当たり前の原則が掘り崩されているのではないか。そう疑わせる問題が、朝日新聞が入手した文部科学省作成の文書で明らかになった。
 文書には、岡山市の学校法人が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画について、特区を担当する内閣府が文科省に対し「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」と手続きを進めるよう促した記録がある。
 この学校法人は、安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ人物が理事長を務める「加計学園」。
 記載が事実であれば、内閣府が「総理のご意向」をかざして首相の友人に便宜をはかろうと動いたととれる。首相と政府の信頼に関わる重大な事態だ。
 事実関係をすみやかに調べ、国民に説明する責任が首相と関係省庁にはある。
 経緯はいかにも不自然だ。
 文科省関係者によると、文書は昨年9月から10月にかけて作成。松野文科相が、学園の求める18年4月の開学について、教員確保など準備が整わない可能性を指摘し、難しいとする考えを示していた記述もある。
 ところがわずか数カ月後の今年1月、内閣府と文科省は18年4月に開校する1校に限り、特例で獣医学部設置を認めると告示。加計学園が特区事業者に認定された。他の大学からも手があがっていたのに「獣医学部空白地域に限る」との条件があとから追加された。
 獣医学部の新設が認められたのは52年ぶり。加計学園は愛媛県今治市から36億7千万円分の市有地を無償で受けとる。
 一連の経緯や首相のかかわりについては、これまでも野党が国会などでただしてきた。
 野党側は、長く認可されなかった学部新設が同学園に限って認められたことに「首相と理事長の個人的な関係が影響したのではないか」と指摘する。
 これに対し首相は「友人だから会食もゴルフもする。でも、彼から頼まれたことはない」と自らの関与を否定してきた。
 「安倍1強」と言われる強い権力と周辺の人脈、不可解な政府の決定――今回の構図は、首相と妻昭恵氏の関与の有無が問われている森友学園への国有地売却問題とも重なる。
 松野文科相は「現状では文書の存在を確認していない」と述べた。森友学園問題での財務省のような、事実究明に後ろ向きな態度は許されない。
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毎日新聞2017年5月18日 東京朝刊
社説:学部新設で「総理の意向」 事実関係の解明が必要だ


 これまでの説明との整合性が問われるのではないか。
 理事長が安倍晋三首相と親交のある学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、国家戦略特区に獣医学部を新設する計画にからんで、安倍首相の「意向」などが記された文書が残されていた。
 大幅な規制緩和で経済活性化を目指すのが同特区だ。
 担当する内閣府からの伝達事項として、文部科学省に文書があり、学部の早期設置に関して「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと記されている。
 政府は昨年11月、獣医学部の新設を決めた。1校だけ認めるとし、今年1月の公募で、愛媛県今治市に新設を計画する同学園だけが手を挙げた。用地は今治市の無償譲渡だ。
 同学園は、来年4月の開校に向けて準備を進めており、現在、文科省の審議会が認可を検討中だ。
 これまで野党は国会で「加計学園が利益を受けている」などと追及してきた。だが、首相は「(同学園から)相談や圧力が働いたということは一切ない」と否定していた。
 今回の文書は、これにまつわる両府省のやりとりとされる。松野博一文科相は調査するという。菅義偉官房長官は「首相から一切指示はない」と否定している。
 政府は、今回の文書の存在について確認をすべきだ。いきさつや背景も調査して、明らかにすべきだ。特区を巡って内閣府と官邸、および文科省の3者でどのようなやりとりがあったのかが、問題の核心だ。
 文書によれば、文科省は学園の準備状況から、早期開設が難しいという認識も示している。
 同学園が新設を急いでいる中での安倍首相の「意向」なのかどうか。
 もし内閣府の働きかけが、安倍首相の指示ではなくても、理事長と首相の関係から「そんたく」したのではないかと疑われかねない。しっかりした説明が求められる。
 「森友学園」の問題では、首相の妻の関与が焦点となっている。「総理のご意向」という官庁の文書の文言は、よりいっそう不可解な印象を与える。
 政策決定の過程を巡る事実関係の解明が最優先だ。
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東京新聞 2017年5月18日
【社説】加計学園問題 首相は自ら真相を語れ


 安倍晋三首相に近い人物が経営する私立大学の学部新設に首相の意向が働いていたとしたら、権力乱用との批判は免れまい。首相は自らの関与の有無について、進んで真相を明らかにすべきである。
 李下(りか)に冠を正さず、という言葉は死語になってしまったようだ。学校法人「加計学園」(岡山市)系列大学の獣医学部を愛媛県今治市に新設する計画である。
 市と県が二〇〇七年から一四年まで、十五回にわたって申請しながら認められなかった獣医学部の新設が、なぜ安倍政権の下で一転、五十二年ぶりに、それも今治市で認められることになったのか。そこに安倍首相の意向は働いていなかったのか。不可解なことがあまりにも多い。
 きのう明らかになった文部科学省が作成したとされる文書には、内閣府から「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」などと言われた、との内容が記載されていた。
 菅義偉官房長官は記者会見で文書の内容を全面否定し「首相からも一切指示はない」と強調した。
 しかし、にわかには信じ難い。
 というのも、首相と、同法人の加計孝太郎理事長とは極めて近しい関係にあるからだ。本紙報道によれば、一二年の第二次安倍内閣発足以降、首相は加計氏と十三回にわたって会い、ゴルフを四回、夕食を九回ともにしている。
 首相自身、加計氏のことを「どんな時も心の奥でつながっている友人」「まさに腹心の友だ」と語ったことがある。
 首相が国会で答弁したように、本当に「加計学園から私に相談があったことや、圧力が働いたことは一切ない」のだろうか。単に否定するだけでなく、国民に説得力のある説明をすべきである。
 文書の有無や真偽にかかわらず自らに近しい人物に対して、便宜を供与したように疑われる行為は厳に慎むのが、権力者としてあるべき振る舞いだろう。
 首相自らは仮に直接関与していなかったとしても、官僚組織に首相の意向を忖度(そんたく)させるようなことも、あってはならない。
 安倍首相夫妻は学校法人「森友学園」への格安での国有地売却をめぐっても、政治的関与の可能性が指摘されてきたが、与党側は昭恵氏の国会への招致を拒み、真相を闇に葬り去ろうとしている。
 権力の側にある人間は何をやっても許される、と考えているのだろうか。だとしたら、思い違いも甚だしい。
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信濃毎日新聞(2017年5月18日)
社説:加計学園文書 政府は疑惑に答えよ


 岡山市の学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、重大な疑惑が持ち上がった。
 計画について「総理の意向」などと記した文書だ。文部科学省が内閣府とのやりとりなどを記録したものとされる。
 学園の理事長は安倍晋三首相の友人が務める。記載された内容が本当なら、見過ごせない問題である。事実関係をはっきりさせなくてはならない。
 政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を新設する計画だ。2018年4月開設を予定する。獣医学部が新たに設けられるのは1966年以来、52年ぶりになる。
 政府は1月に事業計画を認定した。今治市は36億7500万円で取得した市有地を無償譲渡、施設整備費96億円を助成する。事業者の募集期間は8日間で、応募したのは加計学園だけだった。
 民進党など野党は大阪市の学校法人森友学園への国有地売却問題に似た構図だとし、首相の関与について追及してきた。
 首相は「相談があったことや圧力をかけたことは一切ない」と関与を全面否定している。「私との付き合いは全く考慮されない。考慮して認定するなら、組織としておかしい」とも述べていた。
 民進の玉木雄一郎氏が衆院文科委員会で取り上げた文書によると文科省は、特区を担当する内閣府から「最短距離で規制改革のプロセスを踏んでいるので、設置時期については総理のご意向だと聞いている」などと伝えられた。
 文科省側が18年4月の開設を無理だと考え、1年遅らせるよう求めたことも記載されている。これが事実だとすれば、首相の意向を受けて政府の決定がゆがめられた可能性がある。
 菅義偉官房長官は記者会見で事実関係を否定した。「誰が書いたか分からない。こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」としている。問答無用の口ぶりだ。
 文科委で松野博一文科相は「特区に関する対応に向けた文書は作成された可能性はあると思う」とし、「どういう経緯のものか確認させてほしい」と述べている。菅氏は文科省の事実確認を待とうともせずに否定した。納得できるものではない。
 獣医学部の新設にどんな経緯があったのか。府省間のやりとりはどのようなものだったのか。文書が本物でないというのなら、文科省と内閣府の記録を示すなど根拠を明確にする必要がある。
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