2017-05-20(Sat)

九州新幹線長崎ルート 追加工事計画認可 国交省

総工費は5009億円 武雄温泉-長崎間 工事実施計画(その2)を認可

九州新幹線長崎ルート 追加工事計画国交省認可
 国土交通省は19日、九州新幹線長崎ルートの武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎(長崎市)間(約66キロメートル)について第2次工事実施計画認可した。2012年に認可した第1次の計画に、レール整備費や武雄温泉で在来線と対面乗り換えできるようにするための工事費などを追加した。総工費は12年に国交省が示した見込みとほぼ同額の約5009億円となった。
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が申請していた。第1次では用地やトンネル、橋梁などの工事計画認可され、今回の第2次ではレールや電気通信設備などの工事計画認可された。
 九州新幹線長崎ルートは、22年度に暫定開業を予定しており、JR九州は武雄温泉で在来線特急と新幹線を対面乗り換えする「リレー方式」で運行する。
(日本経済新聞 2017/5/20 2:00)




以下引用

九州新幹線(武雄温泉・長崎間)工事実施計画(その2)を認可しました
平成29年5月19日
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo09_hh_000054.html
 九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の工事実施計画(その2)について、本日付けで認可を行いました。本認可は、軌道や電気等の開業設備の整備等を工事実施計画に追加するものです。
 全国新幹線鉄道整備法第9条第1項の規定に基づき、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請のあった九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の工事実施計画(その2)について、本日(平成29年5月19日)付けで認可しました。
〔主な認可内容〕
〇軌道、電気、信号・通信、車両検修などの開業設備を追加
〇武雄温泉駅で新幹線と在来線との間で対面乗換を行うための施設を追加
〇工事費を約5,009億円に変更
(注)工事実施計画(その1)(用地、土木構造物関係等)は平成24 年6 月29 日に認可
添付資料
報道発表資料(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001185229.pdf
お問い合わせ先
国土交通省鉄道局施設課 課長補佐 富田 晃生、 係長 田牧 祐典
TEL:03-5253-8111 (内線40833) 直通 03-5253-8553 FAX:03-5253-1634

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時事通信 (2017/05/19-17:51)
総工費は5009億円=九州新幹線の武雄温泉-長崎間-国交省
 国土交通省は19日、九州新幹線の武雄温泉-長崎間(約66キロ)の第2次工事実施計画を認可した。2012年6月の第1次計画に、レール整備やホーム増強工事などを追加。総工費は当初見込みとほぼ同額の約5009億円となった。
 武雄温泉-長崎間は22年度に開業予定。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が(1)トンネルや橋梁(きょうりょう)などの土木構造物と用地部分(2)レールなど設備関係部分-の2段階で工事実施計画を申請することになっていた。


レスポンス 2017年5月19日(金) 19時45分
国交相、九州新幹線西九州ルートの開業設備を認可…「対面乗換」も追加
国土交通大臣は5月19日、武雄温泉(佐賀県武雄市)~長崎(長崎市)間で工事中の九州新幹線西九州ルートについて、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が申請していた工事実施計画を認可した。
 国土交通省鉄道局施設課の発表によると、国交相が今回認可したのは、軌道・電気・信号・通信・車両検修などの開業設備。用地や土木構造物などの工事実施計画は2012年6月に認可されている。武雄温泉駅に新幹線と在来線の「対面乗換」を導入するため、これに関係する施設が今回追加された。鹿児島ルート上にある熊本総合車両基地も、車庫施設と検査修繕施設の一部増強が追加されている。工事費は約5009億円に変更された。
 西九州ルートは福岡市と長崎市を結ぶ整備新幹線。博多~新鳥栖間は九州新幹線鹿児島ルートと線路を共用するため、実際の建設区間は新鳥栖~武雄温泉~長崎間になる。このうち武雄温泉~長崎間は2008年から順次着工。2022年度中には開業の見込みだ。
 一方、新鳥栖~武雄温泉間は着工のめどが立っていない。このため、武雄温泉~長崎間の開業時には軌間可変電車(フリーゲージトレイン)で新幹線と在来線の直通運転を行い、博多~長崎間を結ぶ特急列車が運行される計画だった。
 しかし、フリーゲージトレインの開発が遅れていることから、関係各者は2016年3月に計画を変更することで合意。当面は武雄温泉駅で在来線特急列車と新幹線列車を乗り換えるものとしつつ、同じホームで乗り換えできる「対面乗換方式」を導入することで乗換えの負担を軽減することになった。《草町義和》

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東洋経済オンライン 2017年04月24日
フリーゲージトレイン「試乗」で見えた問題点 2022年開業に向け車両の検証作業は佳境に
鉄道ジャーナル編集部
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2017年6月号「フリーゲージ試験を再開」を再構成した記事を掲載します。
「この試験電車は新幹線モードで運転しておりましたが、これよりスイッチを切り替え、在来線モードに変更します」
 九州新幹線熊本駅から最高速度260km/hで新八代へ南下したフリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、かつて「リレーつばめ」が発着していたホームで折り返す。鹿児島本線につながる約1kmの接続線へと発車し、ゆるやかな右カーブを描くスロープを下ってゆく。
 「先頭4号車、軌間変換装置内に進入しました。先頭台車ロックが外れます。まもなくモニターに映っている後ろ側台車、ロックが外れます」
 「まもなく4号車先頭台車、軌間変換します。4号車先頭台車、変換。まもなく後ろの台車も変換します」
状況を解説する放送が、次々に流れてくる。
2022年度に九州新幹線で開業目指す
 FGTの台車は、車軸と一体構造の歯車付外筒の中を、車輪と一体構造の内筒(スリーブ)が左右に184mmずつスライドする。軌間変換装置に進入すると、車軸両脇の軸箱がローラーを並べた支持レールに乗り、左右を抱えられた格好で持ち上げられた状態となり、車輪が浮く。変換装置の錠コロ案内桁に差し掛かると、受動的に車輪のロックが解除され、角度のついたガイドレールの誘導により標準軌→狭軌、あるいは狭軌→標準軌と、車輪がスライドする。錠コロ案内桁を抜け出すことで再びロックがかかり、次いで支持レールの端部で次第に車体が下がると、軌間が変換された車輪に荷重がかかり、軌間変換を終了する。
「1号車の変換が終わりました。1号車、通常の高さに戻ります。これですべての台車の軌間変換が終了です」  
 新幹線の1435mm標準軌と、在来線の1067mm狭軌の直通運転を可能にするFGTは、その第3次試験車両が2022年度の九州新幹線西九州ルート開業を目指し、2014年4月から九州の地で試験を開始した。まずは半年間の性能確認試験を行った後、同年10月から3モード耐久走行試験に入った。九州新幹線、鹿児島本線、そして両者を結ぶ接続線の軌間変換装置を繰り返し走行するもので、2年半の間に60万kmの走行が予定されていた。目標として定められた60万kmは、新幹線車両に適用されている台車検査の検査周期1サイクルである。
→次ページ磨耗痕が見つかり、試験は中断
ところが、まだ約3万kmしか走行していなかった11月29日、車軸とすべり軸受の接触部に微細な摩耗痕の発生が確認され、翌日から試験は休止された。そして約2年を費やして原因究明と不具合対策が施され、昨2016年12月3日、改めて検証走行試験が始められた。長期耐久走行試験に移行する前段階として検証する位置づけである。
こうして4カ月弱にわたる試験走行を行い、3万kmを超える段階となった。今後のスケジュールから6月ごろには検証結果を出さねばならないため、実車走行はいったん切り上げる。その最終段階となったことから、2017年3月25日、報道関係者向けに公開されたのだ。検証走行は翌日26日が最終日となり、その後は台車を鉄道総合技術研究所やメーカーに運び込み、徹底的な検証作業を行う。
 日本で最初のFGTは、1998年に誕生した。日本鉄道建設公団が運輸省(現国土交通省)からの全額国庫助成事業として全体の計画を策定・管理し、具体的な技術開発は鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が受託する方式により1次車が開発・製造された。当初は車輪直接駆動・独立車輪(DDM)方式で考えられたが、ネックとなる点もあり、並行して研究するために中間車には平行カルダン方式を採用した。
3次車は営業を想定
 この1次車は当初、車両としての籍を持たず、保線機械と同様で運転には線路閉鎖が必要だった。そのため高速耐久走行試験を自在に行うため、アメリカ、コロラド州のプエブロ試験線に運び込み、約2年半の走行試験を行った。
FGTは、新幹線の速達効果を広く在来線沿線に波及させられる利点に各地から注目が集まったが、当時は具体的な導入線区が未定だったため、2002年の2次車開発着手に際しては、導入可能性が高いJR西日本、JR四国、JR九州、および鉄道総研、メーカー等計12法人で構成するフリーゲージトレイン技術研究組合が結成された。鉄道公団も行政改革により2003年に鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)となった。こうした経緯から、2次車は鉄道・運輸機構が全体を統括、具体的な開発作業はFGT組合が担う形となり、2007年に竣工している。なお、2次車以降、台車方式は車輪直接駆動・独立車輪方式を止めた。
その後、一般に長崎ルートと呼ばれる九州新幹線西九州ルートの武雄温泉―長崎間が2012年にフル規格で着工認可されて導入線区が明確になり、従来の組合に代わって営業主体と目されるJR九州が役割を引き継ぐ(組合は解散)こととなった。JR九州がかかわった3次車は、2次車の仕様を改良した台車を採用し、営業を想定したプロトタイプとして2014年に竣工、九州内で試験が展開されている。
→次ページFGT試験の何が問題だったのか
FGTの開発は、以下の4項目を目標としている。
(1)電動台車での安全な軌間変換、
(2)新幹線(標準軌)は270km/hでの高速安全・安定走行、
(3)在来線(狭軌)は直線部で130km/hの安全・安定走行、曲線部で現行特急車両と同等の速度での安全・安定走行、
(4)耐久性評価に基づく保全性・経済性の分析・検証。
このうち、(1)~(3)は2次車を使った走行試験の後の2011年10月、軌間可変技術評価委員会において、「基本的な走行性能に関する技術は確立」と評価された。
軌間変換、および新幹線での走行、在来線直線部の走行では2010年9月に一定の評価がなされたが、急曲線で軌道への横圧が高い点が課題に残され、曲線条件が厳しい予讃線で検証が続けられていた。そして、台車の改良と軌道改良を合わせて現行特急並みの走行性能を達成することが確認され、2011年10月の評価に至ったものである。
磨耗痕の理由は「たわみ」だった
(4)については、耐久走行試験により検証するところだった。ところが始めてまもなく前述の不具合が発生した。直ちに鉄道総研と車両メーカーで台車の分解調査を行ったところ、車軸の摩耗痕は片側2カ所にあるすべり軸受のうち外側で、狭軌・標準軌いずれにも発生し、摩耗量は標準軌側で大きく最大値0.2mmだった。摩耗痕のある接触箇所は摩耗粉が発生し、グリースが枯渇。また、スラスト軸受(ベアリング)内のオイルシールも欠損していた。
これを受けて2015年3月から原因究明と対策の検討に入り、模型を使った車軸摩耗に関する振動や回転試験、鉄道総研の台車試験台を使った台車高速回転試験、そのほかスラスト軸受の加振試験、車軸やすべり軸受の面圧の解析等を行った。
結果、車軸摩耗のおもな原因は、左右の軸受に車体の荷重がかかる際に車軸にごくわずかなたわみが生じるが、それにスリーブが追従せず、すべり軸受と車軸の接触面の一部で面圧が高まり、そこに高速走行時の衝撃的荷重が繰り返し作用するためと推定された。
この対策として、すべり軸受の接触面の断面形状を曲線的に加工するなどで最大面圧を低減するほか、車軸とすべり軸受の隙間を0.3mmから0.2mmに減少させて擦れの影響を低減させる等を実施した。さらに給脂機能を追加する等で油膜の維持効果の向上を期待している。
一方、FGTでは、歯車と一体の外筒と、車輪と一体の内筒(スリーブ)の間のコロを介してモーター出力を伝達しているため、車輪の回転ガタすなわち部品間の極小の隙間によるズレがある。これに起因する振動がもう1つの課題とされた。FGTの営業速度は270km/hだが、確実な安全・安定走行にはそれ以上の条件をクリアすべきで、試験装置では300km/hレベルでの高速走行安定性試験を行っている。
→次ページ特殊な構造ゆえの重量増も問題に
その試験では、高速回転中に横から強制的に力を加えても、その横揺れがすぐに収まれば安定した状態と言え、一般の新幹線では400km/hでも安定している。しかし、FGTにおいては台車左右のヨーダンパ(横揺れの抑止装置)計4本のうち1本を外したところ、280km/hで台車の横揺れが増幅する状態となった。このため、耐久走行試験に入る前に影響について詳細に検討する必要があるとしている。したがって、昨年12月からの検証走行試験でモニタリングをしており、これからの鉄道総研の台車高速回転試験において再び試験を行い、詳細な検証が行われる。
また、FGTの開発では、最後に経済性が大きな課題として残されている。FGTは特殊な機構を備えているほか、新在共用走行のために運転保安設備を2系統備え、それらの分の重量増を抑制するために、軽量化対策に高価な部品を用いている。現状ではこの対策により、270km/h走行を行う一般の新幹線電車並みの重量を実現している。
また、軌間可変台車は可動部を有するため、定期的な点検箇所が増加し、部品交換も不可欠である。これらのため車両新造コストに加えて、メンテナンスコストも増大せざるをえない。技術評価委員会では今回の不具合を踏まえて車軸の定期的交換を想定し、一般の新幹線と経済性の比較を行った結果、車軸を240万kmごとに交換する場合で一般の新幹線の2.5倍程度、台車検査周期の60万kmで交換する場合は3倍程度になると試算された。
軌間幅の狭さが問題に
実際の運営事業者となるJR九州は、今般の試験走行再開前の2016年11月に「現実的なコスト水準を大幅に超えている」として、高騰したコスト面の課題が解消されなければ FGTの導入は困難との見解を示す状況にある。
FGTの導入が予定される九州新幹線西九州ルートでは、博多―長崎間のうち、博多―新鳥栖間は現在の九州新幹線鹿児島ルートを使用、新鳥栖―武雄温泉間は長崎本線および佐世保線を改良した在来線、武雄温泉―長崎間は現在建設中のフル規格新幹線の新線となる。開業は2022年度末を予定していたが、政府与党申合せで可能な限り早めることとなり、今は2022年度とされる。しかし、FGTの車両開発が遅れたため、開業に間に合わない状態となった。
そこで2022年度は暫定開業とし、武雄温泉駅を接続駅として、博多―武雄温泉間の在来線特急と武雄温泉―長崎間の新幹線をホーム対面で乗り継ぐ方式にすることが、2016年3月に合意された。実際のFGTの営業開始は、この暫定開業の後、2025年度と見込まれている。FGTは九州新幹線西九州ルートのほか、北陸新幹線敦賀以西への導入も考えられており、現在は今年6月の技術評価委員会に向け、待ったなしの検証作業に迫られている。
なお、軌間可変台車を備えた列車としては、昔からスペインの「タルゴ」が有名である。1969年から動力を持たない客車が存在し、機関車を付け替えて異軌間の直通運行をしていたが、高速新線の整備・進展にあわせて2006年には電車方式(動力台車方式)も登場している。すなわち、すでに10年の実績がある中、なぜ日本では実現できないかという疑問がある。
これは、実は日本の在来線が1067mm狭軌であることが大きな足枷となっている。すなわち、スペインは1668mmの広軌在来線と1435mm標準軌高速新線の直通運転であり、日本の場合に比して車輪間に大きなスペースがある。スペインの動力台車は車輪直接駆動・独立車輪方式を採用しており、軌間可変台車には同方式が有利なこともわかっている。しかし、狭軌の車輪の間に、その複雑な機構やブレーキ装置を収めることが非常に困難だった。このため1次車の段階から同方式を断念し、平行カルダン方式で開発が進められてきた。この日本の宿命的制約から、現在までの長期の研究開発期間が費やされているのである。
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<参考>
ZUU online- 2016/05/20
リレー方式で合意したのに
なぜ合意した「九州新幹線長崎ルート」の地元から疑問の声が上がるのか
(写真=PIXTA)
福岡市の博多駅と長崎市の長崎駅を結ぶ九州新幹線の長崎ルートが、在来線と新幹線を乗り継ぐリレー方式で2022年度に暫定開通することが決まった。新幹線と在来線の両方を走ることができるフリーゲージトレインで運行する予定だったが、開発が難航し、開業予定に間に合わなくなったためだ。
しかしリレー方式だと時間短縮効果がわずかなうえ、約1時間半の移動に乗り換えがある。高速バスとの競合で不利になりかねず、経済波及効果に乏しいなどとして、地元に疑問の声も上がっている。
時間短縮はわずか22分、武雄温泉駅で乗り換え
国土交通省などによると、九州新幹線長崎ルートのリレー方式は、博多駅から佐賀県武雄市の武雄温泉駅まで在来線特急が運行、武雄温泉駅で新幹線に乗り換え、長崎駅まで向かう。博多-長崎間の最速所要時間は1時間26分。フリーゲージトレインより6分時間がかかるが、現行の在来線特急に比べ、22分の短縮となる。
武雄温泉駅では対面乗り換えのためのホーム改良工事をし、スムーズな乗り換えを目指す。ホーム改良工事などで約70億円の追加費用が発生するが、国とJR九州で負担する。
長崎ルートは当初、フリーゲージトレインで博多駅から佐賀県鳥栖市の新鳥栖駅まで九州新幹線鹿児島ルートを走り、武雄温泉駅まで在来線を走行、長崎まで新設する新幹線の線路を通す計画だった。しかし、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が進めるフリーゲージトレインの開発が難航した。
長崎、佐賀の両県は開業時期の厳守を国に強く要望していたこともあり、JR九州がリレー方式での暫定開通を提案。与党検討委員会と国交省、長崎、佐賀の両県、JR九州、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の6者でリレー方式に合意した。
佐賀県はフリーゲージトレインの運行まで在来線特急の本数確保を求めていた。これを受け、今回の合意では暫定開通から3年間、JR九州が博多駅と佐賀県鹿島市の肥前鹿島駅を結ぶ在来線特急を1日14往復運行することも明記した。
フリーゲージトレイン走行試験が中断し、開発に遅れ
JRの軌間(2本のレールの内側の幅)は在来線1067ミリ、新幹線1435ミリ。フリーゲージトレインは車輪の幅を変えることにより、新幹線、在来線双方の線路を走行できる。スペインやポーランドでは既に実用化されている。
長崎ルート向けの車両耐久走行試験は2014年10月から進められたが、車軸付近にひびや摩耗が発見され、試験中断に追い込まれている。国交省は原因を時速260キロの高速耐久走行で新たに確認された事象に起因するものとみている。
このため、走行試験の再開は早くても2016年度後半になり、試験終了が2019年度にずれ込むことが、軌間可変技術評価委員会に報告されている。ただ、問題解決のめどはまだ立っておらず、国交省の思惑通りに試験再開できるかどうかは流動的だ。
地元で上がるフル規格整備の声
沿線自治体は開業予定に合わせた街づくりを進めているだけに、リレー方式の採用でひとまず、開業延期という最悪の事態を避けられた。長崎県新幹線・総合交通対策課は「リレー方式はあくまで暫定だが、新幹線効果が出るように努めたい」と期待する。
しかし、リレー方式の時間短縮効果はごくわずかだ。博多駅と鹿児島県鹿児島市の鹿児島中央駅間を結ぶ鹿児島ルートで、熊本県八代市の新八代駅と鹿児島中央駅間が先行開業した際、リレー方式が採用された。営業距離の長い鹿児島ルートは、それまで4時間近くかかっていた所要時間が2時間強と90分も短くなり、それなりの時間短縮効果を感じられた。
これに対し、営業距離が鹿児島ルートより短い長崎ルートでは、時間短縮は22分。わずか1時間半ほどの移動で乗り換えがあるのも、利用者にとって不便でしかない。高速バスなら博多-長崎間が2時間半ほどかかるが、料金は在来線特急のざっと半額。安い運賃と乗り換えがないことから、高速バスに流れる利用者が増えるとみる声もある。
暫定開業期間が終わり、フリーゲージトレインに移行しても、現行の在来線特急に比べた時間短縮効果は30分ほどでしかない。途中の佐賀県だと、リレー方式、フリーゲージトレインとも時間短縮効果をほとんど見込めないのが実情だ。
しかも、JR西日本 <9021> は、最高時速270キロと山陽新幹線の「のぞみ」より30キロ遅いフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れに難色を示している。
鹿児島ルートのように九州から関西まで直通運転ができないことになり、博多駅で乗り換えなければならない。経済波及効果の面で考えても大きな期待が持てないとの見方も出ている。中村法道長崎県知事は記者会見で「リレー方式で当初の期待通りの経済効果は生まれない」と厳しい見方を示した。
そこで、期待が浮上してきたのがフル規格での整備だ。博多-長崎間を全線フル規格にすれば所要時間は約50分となり、関西への直通運転にも道が開ける。福岡商工会議所の礒山誠二会頭は記者会見で「フル規格でないと経済効果が薄い」と指摘した。
ただフル規格となれば地元負担は大きくはね上がる。佐賀県の場合、フリーゲージトレインで225億円の負担が800億円に達するとの試算も出ている。地元がおいそれと出せる額ではなく、結論を出すのは簡単でなさそうだ。
高田泰 政治ジャーナリスト
関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動している。

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