2017-06-01(Thu)

加計学園問題  各紙社説等(5)  解明拒む安倍政権 

その姿勢が行政ゆがめる  補佐官発言が示す首相の責任  政府の逃げ得を許すな

<各紙社説・主張・論説>
しんぶん赤旗)官邸「忖度」政治 補佐官発言が示す首相の責任 (6/1)
北海道新聞)「加計」新証言 解せぬ政府の頬かむり (6/1)
信濃毎日新聞)加計学園問題 政府の逃げ得を許すな (6/1)
福井新聞)疑念膨らむ「加計問題」 門前払いでは納得できぬ (6/1)
宮崎日日新聞)加計学園文書  「本物」証言で疑念深まった (6/1)
南日本新聞) [加計学園問題] 前川氏の証人喚問必要 (6/1)

朝日新聞)加計学園問題 論点をすり替えるな (5/31)
毎日新聞)「加計」の解明拒む安倍政権 その姿勢が行政ゆがめる (5/31)
神戸新聞)「加計学園」問題/追及はぐらかす首相答弁 (5/31)
山陽新聞)加計学園問題 政府は説明責任を果たせ(5/30)




以下引用



しんぶん赤旗 2017年6月1日(木)
主張:官邸忖度政治 補佐官発言が示す首相の責任


 学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部開設をめぐり、「総理のご意向」などと書かれた文書が作られ、前川喜平・前文部科学事務次官が「本物です」などと証言した問題で、和泉洋人首相補佐官がほぼ同時期、官邸で前川氏に手続きを早くするよう要求していたことが明らかになりました。見過ごせないのはその際、補佐官が「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」などと発言したとされることです。「加計学園」理事長は安倍晋三首相の「腹心の友」です。補佐官の発言は官邸での「忖度(そんたく)」政治そのものです。首相の責任は重大です。
開設手続きの異常さ示す
 「加計学園」の獣医学部開設をめぐる「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書は、2016年9~10月、首相肝いりの「国家戦略特区」を所管する内閣府が文科省に働きかけ、獣医師過剰などの懸念を押し切って獣医学部設置を認めさせたときのものです。それに加え、安倍首相に直結する首相補佐官がほぼ同じ時期、当時文科省官僚トップの事務次官に開設の手続きを早くするよう繰り返し求めていたというのは、一連の経過が異常この上ないものだったことを浮き彫りにしています。
 安倍首相は獣医学部新設を「規制緩和」だといいます。しかし開設を認めたのは「加計学園」のみで、「岩盤規制」に穴をあけるという規制緩和は、首相と親密な「加計学園」を優遇しただけです。まさに国政の私物化です。
 和泉補佐官は前川氏に対し「加計学園」の名前は出さなかったと言われますが、補佐官と前川氏が面会したのは「加計学園」の獣医学部設置が大詰めを迎えた時期です。内閣府や補佐官の働きかけの後、11月には首相が議長の「国家戦略特区」の諮問会議で52年ぶりに獣医学部を新設することが「鶴の一声」で決まり、年明けには「加計学園」の獣医学部開設が認められます。補佐官まで乗り出して圧力をかけたというのは、なりふり構わないやり方です。
 和泉補佐官が「総理は言えないから」と言ったとされるのは、「加計学園」の獣医学部開設が、政治をゆがめる、うさん臭いものであることを証明しています。官邸で首相の意を受けて働く補佐官が、安倍首相と「加計学園」理事長が友人であり、「加計学園」が獣医学部を準備していたことを知らないはずがありません。補佐官が首相の意向を「忖度」して文科省に圧力をかけるというのは、「森友学園」への国有地払い下げ問題でも見せつけた異様な「忖度政治です。首相が補佐官を通じて自らの意向を伝えさせたのが真相ではないのか。内閣府が関わった文書とともに真相の解明が不可欠です。
調査に背を向ける首相
 安倍首相は国会で、過去「加計学園」の「役員」を務め、報酬を受け取っていたことなどは認めました。しかし、獣医学部開設への自らのかかわりは否定し、「圧力が働いたことは一切ない」などと繰り返しています。しかし自ら疑惑を調査しようともしないで、「潔白」は通用しません。
 開設される獣医学部には今治市が37億円相当の用地を提供し、県などが96億円の事業費を負担します。政治がゆがめられた疑惑です。首相の責任が、厳しく問われます。
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北海道新聞 2017/06/01 08:55
社説:「加計」新証言 解せぬ政府の頬かむり


 ここまで疑念が高まっているのに、なお頬かむりを通すのか。
 学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡り文部科学省の前川喜平前事務次官が、和泉洋人首相補佐官から昨年秋、数回にわたって官邸に呼ばれ、学園の計画を認めるよう求められていたと証言した。
 和泉氏は「総理は自分の口から言えないから私が言う」と述べ、手続きを急ぐよう迫ったという。
 先に明るみに出た内閣府とのやりとりを記したとされる文書に続き、行政の公正をゆがめる政治的圧力を疑わせる内容だ。政府として解明に努めるのが当然だろう。
 ところが菅義偉官房長官は記者会見で「前川氏が勝手に言っていることにいちいち答えることはない」と再調査を拒んだ。国民の疑問に誠実に応じる姿勢ではない。
 自民党と民進党はきのう、首相も出席する参院予算委の集中審議を開くことで合意した。国会は前川氏らすべての関係者を呼び、事実関係を徹底究明してほしい。
 首相は参院法務委員会で、新学部の認可について「法令に基づき適切に手続きを進め、圧力が働いたことはない」と答弁した。
 また「改革を前に進めることが大切だ」と述べ、既得権益を守る規制に風穴を開けたと強調した。
 しかし獣医学部の新設には、麻生太郎副総理兼財務相が「獣医師の質の低下につながる」と述べるなど、政権内にすら異論がある。
 その計画がなぜ急速に進展したのか、他にも候補がある中でなぜ加計学園が選ばれたのか。国民が疑問を募らせるのは当然だ。
 首相は参院法務委での答弁で、自らが1993年に衆院議員に初当選した直後に加計学園の役員を務め、年間14万円の報酬を受け取っていたことを明らかにした。
 その後も年に数回程度、理事長とゴルフや食事を共にしている。親密な関係は疑いようがない。
 昨年8月まで国家戦略特区担当相だった石破茂氏は「なぜ大臣が代わることでこんなに進むのか。総理の大親友なら認められ、そうじゃなければ認められないというのではおかしい」と指摘した。
 妥当な改革のために首相が指導力を発揮するのなら理解できる。
 だが首相の個人的立場が政府内に忖度(そんたく)を招き、異例の判断につながったとすれば、政治の私物化と受け止められても仕方あるまい。
 首相は3月の参院予算委で「働きかけて決めているのなら責任を取る」と明言していた。お手盛りではない再調査を政府に指示し、国会での究明にも協力すべきだ。
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信濃毎日新聞 2017年6月1日
社説:加計学園問題 政府の逃げ得を許すな


 「行政の在り方がゆがめられたと思っている」。文部科学省の前事務次官が記者会見で明言したにもかかわらず、政府は加計学園を巡る疑惑に正面から答えようとしない。
 問題をすり替えたり論点をそらしたりする政府の対応を見過ごすことはできない。真相を解明する国会の責任は重い。
 岡山市の学校法人加計学園の獣医学部新設について文科省の前川喜平前次官は先週、内閣府とのやりとりを記した文書の存在を認めた。「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向」などと記載されたものだ。
 さらに今週、新たにコメントを公表した。和泉洋人首相補佐官から、獣医学部設置の特例について対応を早くしてほしいと求められていたという。「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」との趣旨の発言もあったと明らかにしている。
 首相の意向に沿って計画が不当に進められたのではないか。深まる疑念に対し、政府は「圧力が働いたことは一切ない」などと否定の言葉を繰り返すばかりだ。
 国家戦略特区制度の意義を強調することで追及をかわそうとしてもいる。首相は国会で「規制改革には抵抗勢力が必ず存在する。安倍内閣は絶対に屈しない」と改革姿勢をアピールした。
 規制改革と言いながら、新設させないという規制は残したままである。首相の「腹心の友」が理事長を務める学園だけに設置への道を開いた。問われているのは、この認定が公平、公正に行われたのかどうかだ。
 前川氏は「極めて薄弱な根拠の中で規制緩和が行われた」とも述べていた。新設には▽既存にない構想▽新たに対応すべき具体的な需要―など4条件を満たす必要があるのに「条件に合致していると実質的な根拠を示して説明されていない」との指摘である。
 政府は「関係法令に基づき適切に実施」したとする。条件をどう満たしているのか、根拠を示さなければ説得力を持たない。
 開学時期を巡っても不透明な点がある。「2018年4月」との方針を内閣府が公表する前に学園に伝わっていたとみられる。特区を所管する山本幸三地方創生担当相は「加計学園ありきという指摘は当たらない」とするものの、疑いは強まるばかりだ。
 野党は前川氏らの証人喚問を要求している。前川氏も要請があれば受ける考えを会見で示した。政府の逃げ得を許してはならない。
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福井新聞 2017年6月1日 午前7時30分
論説:疑念膨らむ「加計問題」 門前払いでは納得できぬ


 【論説】友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題に関し、安倍晋三首相は政治的圧力はなかったと否定した。一方で、過去に学園の役員を務め報酬を得ていたことを明らかにした。これでは国民の目には、ますます首相から友人に何らかの配慮があったとしか映らない。
 首相は、「総理のご意向」などとの記述があったとされる文書は本物と証言した前川喜平前文部科学省事務次官の証人喚問を国会判断に丸投げ。前川氏や、追及を強める民進党などを「抵抗勢力」とまで言い切った。不正がないというならば堂々と喚問を認めるべきだし、疑念払しょくに努めるのが筋だ。
 それにしても、抵抗勢力というフレーズが飛び出すとは。小泉純一郎元首相が郵政民営化などで反対する与党議員らに向けて使った言葉だ。前川氏や民進党などは、安倍首相の掲げる規制緩和に反対しているわけではない。加計ありきで「行政がねじまげられた」(前川氏)可能性があることを問題視しているのだ。
 首相は「(1993年衆院選に)初当選した当初、数年間、監査かそうしたものを務めた」とし、年間14万円の報酬を得ていたと説明した。学園の加計孝太郎理事長とは米国留学時代からの「腹心の友」で、年に数回は食事やゴルフを共にする間柄だという。学園の獣医学部新設申請が過去15回にわたって却下されたことなどを熟知していた上で動いたと勘ぐられてもおかしくない。
 新たに特区担当の山本幸三地方創生担当相が、新設決定前の昨年9月に加計理事長と大臣室で面会し、新設を働き掛けられたことを明らかにした。さらには前川氏が、和泉洋人首相補佐官から昨年、複数回にわたり官邸に呼ばれ、獣医学部新設の手続きを促されたとのコメントも公表した。
 山本氏は「公正、中立に粛々と進めていくと答えた」と説明。和泉氏は「加計学園だけを取り上げ、特別に進めるよう言うはずもない」とした。「相談があったことや圧力をかけたことは一切ない」という首相の言葉を“忖度(そんたく)”したかのような模範解答ぶりだ。
 首相、政府にとってこの問題を長引かせることは、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案や、都議選に影響しかねないとの懸念があるのは間違いない。
 確かに前川氏の証人喚問が実現すれば、「新たな爆弾」(政府筋)が出て、さらなる対応を迫られることも想定される。それならば会期の大幅延長に踏み切るべきだ。国民の8割近くが「説明不十分」とするテロ等準備罪をじっくり審議する機会にもなるはずだ。
 首相は、恩師である小泉氏の首相在職日数を追い抜いたばかり。抵抗勢力などと言って問題をすり替え、このまま門前払いを続けるならば、国民の疑念は膨らむばかりだ。きっちり向き合う真摯(しんし)さがなければ、改憲までもくろむ首相の足元は揺らぎかねない。
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宮崎日日新聞 2017年6月1日
社説:加計学園文書 ◆「本物」証言で疑念深まった◆


 岡山市の学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省に伝えられた「総理のご意向」が記されたとみられる文書について、今年1月に天下り問題の責任を取り辞職するまで文科事務次官だった前川喜平氏が記者会見し「本物」と明らかにした。昨年秋に担当の専門教育課から説明を受けた際に示されたという。
 特定の地域に限って国の規制を緩め、経済活性化につなげようという国家戦略特区制度を活用し獣医学部新設にこぎつけるまでの過程で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園が優遇されたのではと野党は一斉に追及。民進党が問題の文書を入手し、文科相に内容の確認を迫った。
揺らぐ行政の公平性
 菅義偉官房長官は「怪文書」と決めつけ、松野博一文科相もわずか1日の調査で「文書の存在は確認できなかった」と発表。その後も文科省で作成されたとみられる文書などが次々と出てきたが、出どころが定かでないといった理由で確認に応じようとしない。だが加計学園が特区の事業者に選定される過程で事務方トップにいた前川氏の証言は重い。
 首相やその周辺の意向により行政がゆがめられたのではないかとの疑念は一層深まり、首相が「岩盤規制の突破口を開く」と強調して手掛けた特区制度の公平性が大きく揺らいでいる。政府がこれ以上、調査と説明を拒むことは許されない。
 文科省は長年にわたり獣医学部の新設を認めてこなかったが、安倍首相は昨年11月に制度を見直すと表明。今年1月には、愛媛県今治市に新設する獣医学部を運営する事業者に加計学園が選ばれた。問題の文書は見直し表明前の時期に、特区担当の内閣府などとのやりとりを文科省側で書き留めた形になっている。
事前に学園と連絡か
 獣医学部新設に慎重な文科省に内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」や「総理のご意向」を示し「早期開学」を迫っていたことがうかがえる内容だった。
 昨年11月に特区の諮問会議で獣医学部の新設要件が決まる前に文科省内でやりとりされたとみられるメールの文面も明るみに出ている。「加計学園から構想の現状を聴取した」とあり、事前に学園側と連絡を取っていたとみられる。最終的に1校特例で事業者を公募、加計学園だけが手を挙げた。
 こうした経緯にも前川氏は言及。「国家戦略特区の議論の対象は加計学園だと認識していた」とし、「関係者の暗黙の共通理解としてあった」と語った。
 森友学園問題では、政府は真相解明を脇に置いて否定を重ね、証言の信ぴょう性を問題にするばかりだった。財務省は学園側との交渉記録は破棄したと詳しい説明を避け調査も拒んだ。今度は複数の文書が出てきたが、文科省は存在を確認できないと言う。その繰り返しに国民はうんざりしている。
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南日本新聞 (2017/6/1付)
社説: [加計学園問題] 前川氏の証人喚問必要


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る問題が拡大している。
 和泉洋人首相補佐官が昨年、前川喜平前文部科学事務次官を官邸に複数回呼び、国家戦略特区制度による新設の手続きを促していたことが新たに分かった。
 前川氏の証言によると、和泉氏はその際「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」との趣旨の要請をしたという。
 獣医学部新設計画については、首相の働き掛けがあったのか、それとも官僚や首相周辺が忖度(そんたく)したのかが問われている。
 和泉氏の発言が事実なら、事は重大だ。首相の親しい人物に特別の配慮がなされ、前川氏が言うように「行政がゆがめられた」ことになろう。
 和泉氏は「そんなことを言った覚えはない」と述べ、首相は野党が求める前川氏の証人喚問を拒否した。
 安倍政権は急いで幕引きを図ろうとしている。国民の目には、そう映っているに違いない。
 このままでは国民の政治不信は増すばかりだ。政府、与党は厳しい視線が注がれていることを自覚し、真相解明に取り組むべきだ。
 一連の問題が表面化したのは、文科省が特区を担当する内閣府との協議内容を記録したとされる文書が見つかったためである。
 本物かどうかを巡り、菅義偉官房長官は「怪文書」と切り捨てた。だが、前川氏は記者会見で「私が在職中に共有していた文書で、確実に存在していた」と真っ向から反論した。
 官邸と官僚のトップだった前次官が対立する異例の事態である。
 文書には「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向だ」という内容が含まれていた。
 前川氏は内閣府審議官の名前を挙げ、早期開学に向けて「内閣府から文科省に強く要請があった」と強調した。これに対し、首相は国会で「圧力が働いたことは一切ない」と否定した。
 加計学園の理事長と首相は数十年来の「腹心の友」だ。首相はおとといの国会で、1993年衆院選に初当選した頃、学園の役員を数年間務め、年間14万円の報酬を得ていたことも明らかにした。
 獣医学部の新設問題で首相の直接の指示がなくても、官僚が忖度した可能性はある。
 そして今回、前川氏が明らかにした首相補佐官の発言だ。新設問題は初めから「加計学園ありき」だったのではないか。真偽を確かめるには、前川氏の証人喚問と予算委員会の集中審議が必要だ。
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朝日新聞 2017年5月31日05時00分
(社説)加計学園問題 論点をすり替えるな


 安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画をめぐり、前文部科学事務次官の前川喜平氏が新たな証言をした。
 昨年9~10月、和泉洋人・首相補佐官に首相官邸に複数回呼ばれ、新設を認める規制改革を早く進めるよう求められた。和泉氏はその際、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」と述べたという。
 事実なら、すでに明らかになった内閣府からの求めに加え、首相補佐官も「総理」の名を直接あげて、文科省に働きかけていたことになる。
 証言は、国家戦略特区という政権の目玉政策に公私混同があった疑いを抱かせる。国政への信頼がいっそう揺らいでいることを政権は自覚すべきだ。
 信じられないのは、事実関係を調査し、国民に対して説明する姿勢が首相らにまったく見られないことだ。
 菅官房長官は記者会見で政府として調査はしないとし、「前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府として答えることはない」と突き放した。
 首相は国会で「改革を進めていくうえでは常に抵抗勢力がある。抵抗勢力に屈せずにしっかりと改革を前に進めていくことが大切だ」と述べた。
 だが今回、問われているのは特区で獣医学部新設を認めることの是非ではない。トップダウンで規制に風穴を開ける特区である以上、首相が指導力を発揮すること自体は当然あろう。
 問題はその手続きが公平、公正で透明であるかどうかだ。
 行政府として当然の責務を安倍政権は軽んじている。そう思わざるをえない証言や文書がこれだけ明らかになっている。
 特区であれ、通常の政策であれ、行政府として、それを進める手続きが妥当であると国民や国会から納得がえられるようなものでなくてはならない。
 なのに首相は自ら調べようとせず、「私が知り合いだから頼むと言ったことは一度もない。そうではないというなら証明してほしい」と野党に立証責任を転嫁するような発言をした。考え違いもはなはだしい。
 政府が説明責任を果たさないなら、国会が事実究明の役割を担う必要がある。前川氏はじめ関係者の国会招致が不可欠だ。
 自民党の竹下亘国会対策委員長が前川氏の証人喚問について「政治の本質になんの関係もない」と拒んでいることは、まったく同意できない。
 問われているのは、政治が信頼に足るかどうかだ。それは政治の本質にかかわらないのか。
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毎日新聞2017年5月31日 東京朝刊
社説:「加計」の解明拒む安倍政権 その姿勢が行政ゆがめる


 なぜ、安倍晋三首相と与党は解明を拒み続けるのか。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題で、首相は「法令に基づき適切に手続きを進め、圧力が働いたということは一切ない」との国会答弁を繰り返している。
 文部科学省の前川喜平前事務次官が「本物だ」と証言した「総理の意向」と記された文書に関しては「文科省の調査で確認できなかった」と答えるだけだ。
 一方、自民党も「政治の本質に関係がない」(竹下亘国対委員長)と前川氏の証人喚問を拒んでいる。
 幕引きをひたすら急ぐ、こうした姿勢に強い疑問を抱く。
 前川氏は昨秋、和泉洋人首相補佐官から官邸に呼ばれ、獣医学部新設を急ぐよう直接求められたことも新たに明らかにしている。
 安倍首相の長い友人だったから加計学園に有利な手続きが急速に進んだのか。そこに首相の意向は働いたのか。あるいは内閣府などが首相の意向をそんたくしたのか。そして前川氏が証言したように「行政はゆがめられた」のか--。
 まさにこれは公正でなくてはならない政治の本質の問題である。いずれの疑問にもまだ答えは出ていないにもかかわらず、首相はそんな疑問を抱くことそのものが「恣意(しい)的な議論だ」とまで答弁している。
 そもそも行政の記録文書は、行政が公正に行われていたかどうかを後に検証するために残すものだろう。
 首相らは文書の存在を認めると、これまでの全ての説明が揺らいでしまうと恐れているのだろうか。もはや怪文書などとは言えない状況なのに、「あるものを無かった」というような姿勢を続けること自体、既に行政をゆがめていると言っていい。
 首相は、国家戦略特区で既得権益を打ち破り、規制を緩和して獣医学部を新設する意義を強調している。だが、その政策判断が間違っていなかったかどうかは事実関係を確認したうえで検証すべき次の課題だ。
 手続きが適正だったと言うのなら、堂々と当事者を国会に呼んで話を聞けばいい。前川氏も応じる意向を示している証人喚問を行い、和泉氏らの説明も国会で聞くことだ。安倍首相が出席して衆院予算委員会の集中審議を開くことも必要だ。
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神戸新聞 2017/05/31
社説:「加計学園」問題/追及はぐらかす首相答弁


 加計(かけ)学園ありきで事態が進んでいたのではないか。国会などで明らかになった資料やさまざまな証言に、疑念は強まるばかりである。
 だが政府は真相解明に後ろ向きで、早期に幕引きを図ろうとする意図が透けて見える。
 愛媛県今治市の国家戦略特区で計画される学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を巡り、連日、国会で質疑が繰り広げられる。学園理事長と安倍晋三首相の交友を背景に、内閣府を中心とする首相周辺が有利な取り計らいをするよう関係省庁に圧力をかけたのではないか、と野党側は厳しく追及する。
 首相は「圧力が働いたことは一切ない」と否定する一方、国家戦略特区の意義を強調して「規制改革には抵抗勢力が必ず存在する。安倍内閣は絶対に屈しない」とし、野党側を「抵抗勢力」になぞらえた。
 さらに「今治市の獣医学部誘致は旧民主党政権が前向きに検討してきた」として、筋違いの批判を展開する。
 問われているのは規制緩和の在り方ではなく、安倍政権下のあまりに不自然で不公正とも映る学部新設の経緯だ。これでは質問に答えるどころか、追及をはぐらかしている。不誠実と言うしかない。
 「総理のご意向」などと書かれた記録文書について、「文部科学省の内部文書で、確実に存在する。100パーセント真実だ」などと証言した、文科省前事務次官への政府の反応も尋常ではない。
 元官僚とはいえ、今は何の後ろ盾もない個人に対し、人格をおとしめる言葉を並べて信用性を損ねようとする。国民から反発の声が上がるのは当然だ。
 首相は学園理事長と長年の友人であるだけでなく、初当選の頃、学園の役員を務めていた。側近の官房副長官は学園が運営する大学で教壇に立ったことがある。本来なら誤解を招かぬよう、より公正な審査に徹するべきだっただろう。
 首相補佐官が前事務次官への働き掛けを強めていたことも明らかになった。政府に注がれる国民の視線は日を追って厳しさを増している。与党は関係者の国会喚問に応じ、事実の究明に努めるべきだ。
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山陽新聞 (2017年05月30日 08時00分)
社説:加計学園問題 政府は説明責任を果たせ


 国家戦略特区制度に基づく学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、「総理の意向」などと書かれた文部科学省が作成したとみられる文書が明らかになった問題で、同省の前事務次官だった前川喜平氏が文書を本物と認める会見を行った。
 政府はこれまで「省内調査で文書の存在は確認できなかった」とし、制度を担当する内閣府などの関係者も内容を否定している。前川氏は「薄弱な根拠で規制緩和が行われた」と国の対応も批判した。
 前川氏は今年1月、文科省が組織ぐるみで行っていた天下り問題の責任を取り、辞職した人物である。「政権への腹いせだ」と批判する声もあるが、計画に携わった事務方トップの発言は重い。政府は深まる疑念に説明を尽くす必要がある。
 獣医学部は愛媛県今治市で新設を目指している。学部の設置は日本獣医師会などが充足率の高さから反対し、文科省も「質の確保」を理由に認めてこなかった。市や県は2007年以降、構造改革特区での新設を繰り返し申請したが、却下され続けている。
 ところが安倍政権になって一転、15年6月の「日本再興戦略」に学部の新設検討が盛り込まれ、国家戦略特区に決定。政府は今年1月、今治市での新設計画を認定し、加計学園が事業者に選ばれた。
 そうした経緯の中で、特区制度の公平、公正性がゆがめられたのではないか、というのが問題の核心だ。安倍晋三首相の友人が加計学園の理事長を務めていることから、首相の関与や、官僚が首相の意向を推し量る「忖度(そんたく)」をした可能性が指摘されている。
 民進党など野党は前川氏の証人喚問を要求している。与党は拒否し、文書の再調査も行わない方針だが、それでいいのだろうか。やましいことがないのなら、政府はもう一度きちんと事実関係を確認していくべきではないか。
 国家戦略特区は安倍政権の成長戦略の柱で、大胆な規制緩和により経済の活性化を目指す制度である。分厚い「岩盤規制」に穴を開けるため、関係省庁や業界が反対するケースは多い。地域が自ら提案する構造改革特区と違い、国がトップダウンで決める。
 政権の意向という、いわゆる「政治主導」が、官僚と対立する構図は容易に想像できるが、ただそこには、規制緩和の明白な根拠がなければならないのは当然だ。
 総数は不足していないとされる獣医師だが、地域や診療分野で偏りがあるとの声はある。四国では初めての獣医学部でもある。そうした点も含め、決定の妥当性を国会の場で明らかにしてもらいたい。
 菅義偉官房長官は文書について「怪文書だ」と切って捨て、前川氏に対しては「批判にさらされて辞任した人だ」と述べた。だが否定を繰り返すだけでは政権のおごりととられても仕方あるまい。誠実な対応を求めたい。
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