2017-06-07(Wed)

北陸新幹線工事 88戸被害 情報公表せず

鉄道・運輸機構も市も リニア工事にも情報公開の義務

信濃毎日新聞)社説:新幹線工事 被害情報の公開求める(6/3)
----北陸新幹線(長野経由)長野―飯山間の高丘トンネル(中野市)の工事で、中野市内の建物にゆがみなどの被害が生じていたことが分かった。
 
対象家屋は88戸、182棟に上っている。工事は2001〜07年に実施され、工事中から被害が報告されていた。
建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は因果関係を認め、補償もした。
それなのに支援機構も、報告を受けた中野市も被害を公表していなかった。

北陸新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき、国が計画を決めた整備新幹線である。
工事が周辺住民に影響を与えたのなら、報告があった時点で公表し、同様の被害が生じていないか広く住民から情報を集めるのが筋である。
 
補償交渉も一方的にならないように内容を公表するべきだった。
損害の原因を検証して、同様の問題が起きない対策を明らかにする必要もあったはずだ。
 
機構は非公表とした理由を「個々の補償交渉への影響を避け、地元に無用の混乱を来さないよう配慮した」と説明している。
補償額の高騰や補償対象の広がりを懸念したのでは、という疑念も招く対応である。

----県内ではJR東海がリニア中央新幹線の建設工事を始めている。
民間工事ではあるものの、国債の一種の財投債を財源とする財政投融資も活用されている。
情報公開の義務は、整備新幹線と同様だと考えなければならない。
 
これまでの工事では、下伊那郡大鹿村で南アルプストンネルの掘削開始を前日まで周辺住民や村に知らせないなど、対応に問題も出ている。情報公開の重要性を改めて自問してほしい。




以下引用

信濃毎日新聞(2017年6月3日)
社説:新幹線工事 被害情報の公開求める
 北陸新幹線(長野経由)長野―飯山間の高丘トンネル(中野市)の工事で、中野市内の建物にゆがみなどの被害が生じていたことが分かった。
 対象家屋は88戸、182棟に上っている。工事は2001〜07年に実施され、工事中から被害が報告されていた。建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構は因果関係を認め、補償もした。それなのに支援機構も、報告を受けた中野市も被害を公表していなかった。
 北陸新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき、国が計画を決めた整備新幹線である。工事が周辺住民に影響を与えたのなら、報告があった時点で公表し、同様の被害が生じていないか広く住民から情報を集めるのが筋である。
 補償交渉も一方的にならないように内容を公表するべきだった。損害の原因を検証して、同様の問題が起きない対策を明らかにする必要もあったはずだ。
 機構は非公表とした理由を「個々の補償交渉への影響を避け、地元に無用の混乱を来さないよう配慮した」と説明している。補償額の高騰や補償対象の広がりを懸念したのでは、という疑念も招く対応である。
 本紙の取材によると、機構は国土交通省や県にも報告していなかった。県は金沢延伸に伴う北陸新幹線建設事業の負担金として計652億円を負担している。報告を怠ったそしりは免れない。
 機構は補償の内容や非公表に至った経緯などを検証するべきだ。新たな被害が生じていないか、補償した被害が想定以上に広がっていないかも調べて、結果を明らかにすることも求めたい。
 周辺では戸が開閉できなくなったり、床が傾いたりする被害が判明しており、井戸の水枯れも生じた。住民の不安や不満は大きかったはずだ。中野市は情報を公開した上で住民の側に立って相談を受け、機構と住民の仲介役を果たすべきだったのではないか。県にも報告していなかった。
 県内ではJR東海がリニア中央新幹線の建設工事を始めている。民間工事ではあるものの、国債の一種の財投債を財源とする財政投融資も活用されている。情報公開の義務は、整備新幹線と同様だと考えなければならない。
 これまでの工事では、下伊那郡大鹿村で南アルプストンネルの掘削開始を前日まで周辺住民や村に知らせないなど、対応に問題も出ている。情報公開の重要性を改めて自問してほしい。 (6月3日)

*************************

読売新聞 2017年06月02日 09時59分
新幹線工事で家屋に不具合、被害の神社「憤り」
 北陸新幹線の長野―飯山駅間にある長野県中野市の高丘トンネルの上部に当たる同市安源寺地区を中心に、2001~07年に行われた建設工事の影響とみられる家屋の不具合が発生していたことが、市や建設主体の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」への取材でわかった。
 工事後に塀のひび割れや井戸の渇水などの報告があり、同機構は少なくとも家屋被害で88戸、井戸被害で14戸に補償した。同機構によると、15年3月までに総額約1億2000万円の補償をしたという。
 ただ、住民からは、現在も被害は続いているとの声が上がるほか、一度補償を受けた家屋が再び補償を受けられないことなどへの不満も聞こえる。
 安源寺地区にある小内八幡神社では、境内の随身門で基礎部分のコンクリートが沈下してひびが入り、基礎部分と柱の間に隙間もできた。市指定有形文化財の本殿でも、床板が抜けるといった被害が出た。片山求宮司(40)は「次世代に伝えていくべき文化財や家屋の原状復帰を求めているにもかかわらず、機構が限られた金銭補償だけで済ませたことに憤りを感じる」と話している。


信濃毎日新聞(2017年6月2日)
補償は家屋88戸182棟 北陸新幹線 中野のトンネル工事被害
高丘トンネルの工事で建物などに被害が出た中野市の安源寺地区付近。左端の林の奥に小内八幡神社がある=1日
 北陸新幹線(長野経由)長野―飯山間の高丘トンネル(中野市、延長6944メートル)の工事に伴い中野市内の建物にゆがみなどの被害が出た問題で、建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、市内の家屋88戸182棟に対して補償したと市に2014年までに報告していたことが1日、分かった。問題が表面化した同日、市が同機構に確認すると、さらに若干数の家屋を補償し、15年までに全て完了したという。
 同機構から市に具体的な地域の報告はないが、信濃毎日新聞の取材によると、同市安源寺や草間地区にある複数の民家や、安源寺の小内(おうち)八幡神社などの建物がゆがみ、戸の開閉ができなくなったり、床が傾いたりする被害が判明している。トンネルの北側の区間は山中を通過しており、補償は安源寺地区などに集中しているとみられる。井戸の水が枯れるなどの被害は14戸を補償したという。
 安源寺付近の高丘トンネルの工事は01〜07年に実施。同機構によると、被害の報告は工事期間中に寄せられ、調査の結果、原因は地盤沈下と判明。補償金の支払いは15年3月に終えたとしている。補償金は総額約1億2千万円という。機構は「個々の補償交渉への影響を避け、地元に無用な混乱を来さないように配慮し公表しなかった」(本社広報課)としている。
 市はこれまで市民に被害について公表していなかった。
 県は1日、本紙報道を受けて問題を把握。担当職員が被害の状況や原因などを同機構に問い合わせた。
 一方、中野市北部の高社山トンネル(4278メートル)工事に伴い01、02年、田上、岩井両地区で、井戸や湧き水が枯れるなどの被害が出ていたことも1日に判明。51世帯に農業用水や生活用水が行き渡らなくなり、市は同機構から補償金10億5千万円を受け、ポンプ場や調整槽を設置。12年に稼働を始めた。

信濃毎日新聞(2017年6月1日)
トンネル工事で建物ゆがみ 北陸新幹線 中野・安源寺地区
地面が沈み込み、基礎石から浮いた小内八幡神社の門の柱。地面のコンクリートにはひびが入っている=30日、中野市安源寺
 北陸新幹線(長野経由)長野―飯山間の高丘トンネル(中野市、延長6944メートル)の上部に当たる中野市安源寺地区で、複数の民家や神社の建物にゆがみが生じたり、井戸が枯れたりする被害が確認されていたことが31日、信濃毎日新聞の取材で分かった。建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構はトンネル工事との因果関係を認めて個別に補償したとするが、影響は同地区の少なくとも約30件に上るとする住民もおり、現在も続いているとの証言もある。同機構は、住民のプライバシーを理由に詳細を明らかにしておらず、影響範囲は現時点で不明だ。
 2015年3月の金沢延伸開業後、県内沿線でトンネル工事による民家などへの影響が表面化したのは初めてとみられる。
 同機構によると、安源寺付近の高丘トンネルの工事は01年3月〜07年3月に行われた。一番浅い所で地下約20メートルを通っている。
 取材では、少なくとも同地区の四つの住宅、小内(おうち)八幡神社、井戸1カ所で影響が確認された。住民によると、同神社付近の民家、事業所、郵便局などにも影響が出ている。工事実施中に井戸が枯れた所もある。
 小内八幡神社では工事後、市有形文化財の本殿の施錠が不良となり、床板が外れる被害があった。境内の随身門は柱の一部が基礎石から浮き、地面のコンクリートの舗装にひびが入った。周辺の民家では、引き戸が開閉できなくなったり、外壁にひびが入ったりした。
 同機構は、トンネル掘削に伴って地表面が沈下し、建物にゆがみなどが生じたと説明。工事前後に実施した調査で影響の範囲を確認しており、「(金銭の)補償は全て完了した」としている。
 情報公開に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)の三木由希子理事長は、「まず生活被害が出ている当事者全てに情報が伝わっているのか、機構の説明では分からない」と指摘。その上で、「安全性に問題が無いのか、きちんと公に説明すべきだ」としている。


朝日新聞デジタル2017年6月1日13時01分
北陸新幹線の工事で88戸被害 建物ゆがみ・門に傾き
小内八幡神社では、門の柱と基礎部分の間に隙間ができていた=1日、長野県中野市、関口佳代子撮影
 北陸新幹線の長野―飯山駅間に高丘トンネル(長野県中野市)を建設した影響で、周辺の神社や住宅などで建物がゆがんだり、傾いたりする被害が出ていたことが、市などへの取材でわかった。トンネル工事の建設主体だった国土交通省外郭団体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、家屋被害で88戸に補償したという。
 高丘トンネルは2007年3月に完成。中野市が機構から受けた報告によると、市内では工事に伴って建物のゆがみや井戸の減渇水の報告があった。機構は家屋被害で88戸、井戸被害で14戸に補償したという。
 被害があった同市安源寺地区の小内八幡神社では、境内にある随身門の基礎部分のコンクリートにひびが入り、基礎部分と柱の間に隙間ができた。門が傾き、倒壊の恐れがあることなどから近く改修工事を行う。市指定有形文化財の本殿でも床板が外れるなどした。
 片山求宮司(40)によると、機構から2年前に補償された。片山宮司は「先代の時に『一切被害は出ない』と説明された。憤りを感じる」と話す。(関口佳代子、津田六平)


毎日新聞2017年6月2日 地方版
地盤沈下:中野・安源寺地区で 新幹線トンネル原因 /長野
 北陸新幹線の長野-飯山間にある高丘トンネル(6944メートル)上にある中野市安源寺地区で、地盤沈下により神社や住宅の戸が閉まらないなどの被害が出ていたことが1日、分かった。北陸新幹線の建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、地面から浅い位置にトンネルが通っているため、地盤沈下が起こったと説明している。
 安源寺地区の工事は2001年3月に始まり、07年3月に終了した。同機構は「安源寺地区の地盤が沈下した被害への補償は、15年3月にすべて完了したという認識」としている。
 市によると、トンネル工事で塀がひび割れるなどの被害があり、補償を受けたのは88世帯182棟。安源寺地区にある小内八幡神社では門の土台がずれて柱が浮いたり、市有形文化財の本殿の扉が施錠できない状態になっている。自宅に被害の出た住民は「生活に支障が出ているが、住民だけでこの問題を解決するのは難しい」と語った。【島袋太輔、安元久美子】


産経ニュース 2017.6.1 20:13
北陸新幹線のトンネル工事で周辺住宅180棟超にゆがみや傾き
門の支柱と基礎石の間に隙間ができたり、地面にひびが入ったりした小内八幡神社=1日午後、長野県中野市
 北陸新幹線長野-飯山駅間にある高丘トンネル(長野県中野市、延長6944メートル)の建設工事の影響で、周辺の住宅など少なくとも88世帯182棟にゆがみや傾きなどが生じていたことが1日、市などへの取材で分かった。建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、トンネルは平成13年3月着工で24年3月に完成。
 市によると、建物にゆがみや傾きが出たなどの苦情が住民から機構に寄せられた。機構は26年11月までに、182棟の88世帯に補償したと市に報告。減水や渇水が生じた井戸も14カ所で確認されたという。
 補償を受けた中野市の小内八幡神社では、地面が沈下し門の支柱と基礎石の間に隙間ができたり、地面のコンクリートにひびが入ったりした。片山求宮司は「父親の代の事前説明では『全く問題は生じない』とのことだった」と話した。
 機構は「トンネル工事で建物に影響が及ぶのは珍しいことではない。補償の詳細は住民のプライバシーもあり、明らかにできない」としている。

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