2017-06-07(Wed)

加計学園問題  各紙社説等(7) 再調査を拒む不誠実 

首相や政府の答弁、無責任過ぎる  国民軽んじる政府答弁  説明責任は首相にある

<各紙社説・論説>
朝日新聞)加計学園問題 説明責任は首相にある (6/7)
東京新聞)加計学園問題 再調査を拒む不誠実 (6/7)
河北新報)解明進まぬ加計問題/安倍1強の「ゆがみ」拭えず (6/7)
新潟日報)加計学園問題 改めて事実解明を求める (6/7)
信濃毎日新聞)加計学園問題 国民軽んじる政府答弁 (6/7)
愛媛新聞)加計問題再調査拒否 首相や政府の答弁、無責任過ぎる (6/7)
熊本日日新聞)加計学園問題 真摯さに欠ける首相の答弁 (6/7)
南日本新聞)[加計学園問題] 論点すり替えを許すな (6/7)
琉球新報)加計文書「共有」 関係者を証人喚問せよ (6/7)

岩手日報)国家戦略特区 「ご意向」が強くないか (6/4)
高知新聞)【加計文書メール】文科省は再調査すべきだ (6/4)




以下引用



朝日新聞 2017年6月7日05時00分
(社説)加計学園問題 説明責任は首相にある


 加計(かけ)学園の獣医学部新設の舞台になっている国家戦略特区は、首相官邸のサイトで「総理・内閣主導の枠組み」と説明されている。一方、安倍首相は国会で、特区の仕組みについて「私の意向というのは入りようがない」と答弁した。
 普通は両立しない主張だ。
 仕組みを確認する。
 この制度を使って、どの地域でどんな規制改革をするか。その計画は、首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議で議論し、それを受けて首相が認定する。首相は、国際会議で「国家戦略特区では、岩盤規制といえども、私の『ドリル』から無傷ではいられません」といった発言もしている。
 「私のドリル」だが、「私の意向」ではない。あえて解釈すれば、前者は規制緩和の大枠、後者は具体的な事業者選定について、と言いたいのだろうか。
 今回の獣医学部新設では、候補を事実上、加計学園だけに絞り込む条件がついた。道筋を付けたのは、昨年11月9日の諮問会議での決定だ。
 首相は国会で「(諮問会議の)民間議員の皆さんは大変怒っている。正々堂々たる一点の曇りもない議論をしてきたのに、総理の意向で決めたかのごとく言われるのは憤懣(ふんまん)やるかたない、と」とも述べた。
 民間議員の支持もあっただろう。だが事実上、他の候補を退ける「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」との条件は、首相や官房長官、内閣府の担当閣僚らも加わった諮問会議名での提案だった。
 議事要旨によると、特区の山本担当相は「重点課題について、直ちに実現に向けた措置を行うよう総理からご指示をいただいた」「関係各省と合意が得られたものをとりまとめた」などと背景を説明している。
 こうした合意形成が政府内でどう行われたのか。その舞台裏をうかがわせるのが、文部科学省が内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」と言われたと記録された文書だ。文科省の前次官に続き現役職員も「文書は省内で共有されていた」と朝日新聞に証言した。
 事業者の具体的な絞り込みについて、首相や官邸側の意向が実際に働いたかどうかは、現時点では不明だ。実態を明らかにするために、官邸と各省での決定過程の徹底検証が不可欠だ。
 首相主導の特区の事業者に、首相の「腹心の友」が理事長である加計学園が決まった。それだけに、公平性や透明性について、首相は一段と重い説明責任を負っている。
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東京新聞 2017年6月7日
【社説】加計学園問題 再調査を拒む不誠実


 獣医学部新設をめぐり、安倍晋三首相の意向が働いていたのか否か。国会が真相解明に努めるのは当然にもかかわらず、政府は理由にもならない理由を付けて再調査を拒んでいる。不誠実に過ぎる。
 国会で真相解明の俎上(そじょう)に載っているのは、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部を愛媛県今治市に新設する計画だ。学園理事長は安倍首相の「腹心の友」であり、そのことが計画をめぐる行政判断をゆがめることはなかったのかが、問題の核心である。
 文部科学省が作成したとされる文書には「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」などと、内閣府が早期の学部新設を働き掛けたと、うかがえる記述があった。
 政府側は文書について内部調査を行ったものの「確認できなかった」と早々に結論づけ、内容を全面的に否定。野党側が同省内で共有したとみられる電子メールの写しが見つかったとして再調査を要求しても拒否し続けている。
 五日の衆院決算行政監視委員会では、民進党委員がメールの送受信者十人の名前を読み上げた。同省高等教育局長は「同姓同名の職員は実際いる」と答えながらも、出所や入手経路が明かされていないとして、確認は拒んだ。
 あきれるばかりの答弁である。行政府が全国民の代表である国会を愚弄(ぐろう)しているとしか思えない。国民の疑問に真摯(しんし)に答えようという公務員として当然の姿勢すら感じられない。このような人たちに私たちの子孫の未来や国の行く末を大きく左右する教育行政を任せ続けていいのだろうか。
 こうした姿勢は、安倍首相自身が真相解明に消極的であることの反映でもあろう。
 首相は学部新設計画への関与を尋ねられると「私の意向は入りようがない」と重ねて否定し、野党側の指摘には「印象操作」だと反論する。このまま追及をかわし続け、時間切れを狙うのなら、国民の知る権利の蹂躙(じゅうりん)にも等しい。
 首相は、かつて学園の監事を務め、報酬を受け取っていたことを認めている。首相のミャンマー訪問に学園の理事長が同行して、政府専用機に同乗していたことも明らかになった。
 首相と学園との親密な関係が学部新設に影響しなかったのか、国会が追及するのは当然だ。野党側は首相に「印象操作」などと言われてもひるむことなく、国政の調査という国会の責務を国民の代表として誠実に果たしてほしい。
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河北新報 2017年06月07日水曜日
社説:解明進まぬ加計問題/安倍1強の「ゆがみ」拭えず


 「安倍1強政治」のゆがみは払拭(ふっしょく)されるどころか、その疑いは深まる一方だ。
 安倍晋三首相と親しい友人が理事長を務める「加計学園」(岡山市)が、国家戦略特区制度を活用し愛媛県今治市に岡山理科大獣医学部を新設する問題である。
 「行政がゆがめられた」と文部科学省の前川喜平前事務次官が、政府相手の告発とも言える証言をして10日余り。 その発端となった「総理の意向だ」などと記載された文書の存在を、同省の複数の現役職員がきのう認め、「省内で共有していた」と証言した。文書の信ぴょう性は一段と高まったと言っていい。
 これまで松野博一文科相は5日の衆院決算行政監視委員会で「文書などの存否の確認はしない」と再調査を拒否。首相も「文科相の言った通り」と同意している。
 政府に誠実に取り組もうという姿勢は全く見られない。それどころか、都合の悪いものにふたをし、何もなかったことにしようとしているのではないか。これでは隠蔽(いんぺい)と言われても仕方あるまい。
 安倍首相は、獣医学部新設への関与について「特区申請の分科会が議論した。私が介入する余地はなかった」と改めて否定した。何もやましいところがないのなら、文書の確認など調査を指示して当然だ。簡単なことだろう。
 一方で首相は「この問題の本質は、岩盤規制をどう突破したかだ」と繰り返し述べた。首相の強い指導力で新しい政策を断行する。抵抗勢力の摩擦を振り払う腕力や、スピード感も必要だったろう。
 ただ、その出発点や決定の過程で公平、公正さを欠く手続きが、行政上なされたのだとしたら、国民に対する背信行為と言うほかはあるまい。問題の核心はそこにある。
 「加計ありき」で特区制度が進んだのではないかとされる論拠の一つは、応募要件が昨年11月の段階で「広域的に獣医学部が存在しない地域」と枠がはめられたことだ。これにより空白区だった四国に開設を目指す加計学園だけが2カ月後に応募できた。
 安倍首相は「獣医師会から要望があり1校にした」と答弁したが、「広域」要件について明快な説明はなかった。獣医師の需要についても疑問の声が上がっている。
 多くの重要法案を抱える今国会は残る会期が10日余り。安倍政権はこの問題に真剣に向き合わず、時間を空費させてきたのではないか。その責任は極めて重い。
 側近や官僚に「忖度(そんたく)」があって行政手続きがゆがめられたのだとしたら、それを正すのが行政府の長の責任だ。ましてや自分に降りかかった問題である。
 野党が次々指摘する疑念の解明に及び腰の姿勢をこのまま続けるならば、国民に背を向けられることを覚悟すべきだ。そう指摘しておかねばなるまい。
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新潟日報 2017/06/07
社説:加計学園問題 改めて事実解明を求める


 安倍晋三首相は自らの関与を繰り返し否定する。ならば、十分調査してそれを裏付ければいいだけだ。なぜ、そうしないのか。疑問を抱く国民は少なくあるまい。
 安倍首相の友人が理事長を務めている学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の国家戦略特区への獣医学部新設計画を巡る問題は、膠着(こうちゃく)状態に入っている。
 文部科学省職員が内閣府とのやりとりをまとめたとみられる「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文書の真偽について、政府や与党が調査に消極的な姿勢を崩さないためだ。
 文書に関しては、松野博一文科相が省内調査を基に「行政文書としては存在しない」と早々と結論付けた。だが、疑問を突き付けるような材料が次々に出ている。
 前文科事務次官の前川喜平氏は文書について「確実に存在していた」と明言した。民進党は、文科省職員が内閣府の意向を共有していたことをうかがわせるメールの写しを公表した。
 文書を巡り「存在しない」「存在した」と主張が真っ向からぶつかる。「存在」が事実なら、公平公正であるべき行政がゆがめられた可能性も否めない。しかも疑問は深まる一方だ。
 ところが野党の再調査要求に対する政府側の姿勢はかたくなである。松野文科相は5日の国会審議でも「改めて調査を行うことは考えていない」とした。
 審議の中で文科省高等教育局長が、メールの写しにあった送信者や宛先と同姓同名の職員が存在すると答えたにもかかわらずだ。
 これでは、何か不都合があるのかと勘繰られても仕方がない。
 首相をはじめとした政権の姿勢も当初から誠実とは言い難い。
 5日の審議で首相は、「加計学園ありき」で安倍政権が進めたとの見方を否定した。さらに鳩山政権時代に「加計学園を前提にした対応を決めた」と反論し、そこに触れないのは「不適切、印象操作だ」と述べた。
 だが、政権側は文科省の天下り問題などに絡めて前川氏の人格攻撃のような発言を続けている。こちらはどうなのか。
 加計学園問題を巡る最大の注目点は、文書に書かれていることが実際にあったのか、首相と理事長との親密な関係が計画に影響を及ぼしたのか、である。
 国民が納得できる形で事実をきちんと解明することを、重ねて求める。政府が拒むというのであれば、国会が主導すべきである。前川氏も証人喚問に応じる姿勢を見せている。
 加計学園の獣医学部新設計画には妥当性を問う声も上がり始めている。全国の獣医系学部・学科で最大となる定員160人を予定していることが理由だ。
 実現した場合は獣医師養成学部の総定員は2割増となり、家畜やペットが増えない中で需要面から疑問が出ている。教員の確保も課題と指摘されている。
 規制緩和ありきで、無理な計画が押し進められた側面はなかったのかどうか。この点も、しっかりと検証しなければならない。
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信濃毎日新聞 (2017年6月7日)
社説:加計学園問題 国民軽んじる政府答弁


 加計学園の獣医学部新設計画を巡る疑惑に政府は逃げの一手を続けている。
 次々に文書が明るみに出ているのに、調べようとしない。国会と国民を軽視した対応である。
 新たに見つかったとして野党が追及したのは、文部科学省内で共有していたとみられるメールの写しだ。早期開学を巡り「官邸の最高レベルが言っていること」などとした内閣府とのやりとりの文書が添付されている。
 文科省は、問題が浮上した直後の調査で文書の存在を確認できないと結論付けた。疑惑が深まっても姿勢を変えない。野党からの再調査の要求に対し、松野博一文科相は「入手経路が明らかにされておらず、改めて調査を行うことは考えていない」と答えている。
 メールの送信者や送り先の人名について、文科省の高等教育局長は「同姓同名」の職員が存在するとした。その気になれば、たやすく真偽を確かめられる。「入手経路が不明」という理由で調査を拒めるなら、あったものをなかったことにできてしまう。
 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学園だ。52年ぶりとなる獣医学部新設は公平、公正に認められたのか―。疑惑の核心は一向に解明されない。
 獣医学部新設には、満たすべき条件がある。▽既存にない構想を具体化▽獣医師が新たに対応すべき具体的な需要▽既存の大学では対応が困難▽近年の獣医師の需要動向を考慮―の4項目だ。2015年に閣議決定した。
 この点について首相は「専門家が議論する分科会では、4条件が満たされていないというのは出なかった」とする。特区を担当する山本幸三地方創生担当相は「具体的な需要を完璧に描ける人はいない」としながら「当然クリアしていると考えている」と述べた。
 獣医師の数について農林水産省は全体として足りているとの認識だ。既存の獣医系学部・学科の総定員は930人、最多は120人である。学園の計画は定員160人で、新設されれば総定員は2割増となる。これ一つ取っても首相らの説明は納得できない。
 計画について首相は「全く関与していない。関与できない仕組みになっている」などと疑惑を否定している。問題は首相の直接的な関わりだけではない。職員が意向を酌んで動いた可能性もある。
 国会の会期末が迫っている。このまま逃げ切りを許してはならない。文書の開示や証人喚問で真相を明らかにする必要がある。
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(愛媛新聞)2017年6月7日(水)
社説:加計問題再調査拒否 首相や政府の答弁、無責任過ぎる


 何一つ納得できない。学校法人「加計学園」の今治市での獣医学部新設計画を巡る問題に関し、安倍晋三首相は、衆参両委員会で関与を改めて否定。再調査すべきだとする野党の要求をまたも拒否した。
 「総理の意向」などとして内閣府が文部科学省に手続きを促す内容の文書が、5月以降次々見つかっている。当時の官僚トップである前川喜平前文科事務次官の「告発」もある。不都合な事情がないなら、正々堂々調査し、説明すればよい。関与していないと感情的に繰り返すだけでは、国民の不信感は募る一方だと肝に銘じるべきだ。
 内閣府とのやりとりを添付した文科省内のメールには、打ち合わせ日時や協議した内閣府審議官、文科省専門教育課長らの名前もあり、文科局長は「同姓同名の職員がいる」と認めた。これだけ詳細な情報が記されているにもかかわらず、松野博一文科相は「出所が明らかにされていない」ので調査はしないとし、首相も同調する。政策を検証する情報公開法の趣旨にも反しており、到底容認できない。第三者による公正な調査を求めたい。
 ことは政治の公平性と信頼を巡る本質的問題である。にもかかわらず首相は「私の意向は入りようがない」と語気を強め、批判の声には「印象操作だ」。再三いきり立ったかと思えば、「私が関与した証拠を見せてほしい」と時に笑みさえ浮かべて問い返し、関係のない話にすり替えて時間を稼ぐ。国民に誠意を持って説明しようとする姿勢が、みじんも感じられないばかりか、このまま逃げ切りを図っているようにもみえる。
 関与していないというが、国家戦略特区はそもそも首相主導の制度。特区認定の根拠や手続きの経緯を明確にする責務があるはずだ。
 新設の獣医学部の定員は160人。全国最大で、実現すれば総定員は一気に2割増となる。現在でも獣医師は過剰とされる中、ペットや家畜は減少傾向にある。山本幸三地方創生担当相は「需要を完璧に描ける人はいない。経済学的に言えばどんどんつくればつくるほどいい」と開き直るが、試算もなくつくればいいでは無責任に過ぎよう。
 学園は国際的な獣医学教育や家畜の感染症防止の拠点化を掲げる。だが、なぜ先進的な研究を進める既存の大学の拡充でなく新設なのか、四国で何を目指すのか、政府から具体的な説明はない。教員確保も難しく、全国の大学の数少ない人材から引き抜くことによる全体の教育力低下への懸念もある。
 安倍政権からのトップダウンの戦略に、首相と極めて親しい人物が関わり、不透明な決定経緯があり、教育機関としての先行きもおぼつかない。そんな疑念だらけの学部が、十分な説明もなく設置されることを強く危惧する。全てが明確にされないようでは、県民も安心し、胸を張って迎えられない。
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熊本日日新聞 2017年06月07日
社説:加計学園問題 真摯さに欠ける首相の答弁


かみ合わぬ答弁、真実の解明からは程遠い説明-。安倍晋三首相や政府への国民の不信感は一段と深まったのではないか。
 首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が国家戦略特区を活用して獣医学部を新設する計画に関し、首相は5日の国会審議で、「国家戦略特区の分科会で議論しており、私は関与できない仕組みになっている」と介入をあらためて否定。前川喜平・前文部科学事務次官が「総理の意向」との記載がある文書を本物だと証言したことについて「伝聞の伝聞の伝聞」と切り捨てた。
 一方、「官邸の最高レベルが言っている」などと内閣府とのやりとりを添付したメールの写しが新たに見つかったとされることについて、松野博一文科相は「入手経路が明らかにされていない」などとして調査を拒否した。
 メールの送信者や宛先の人名に関し、文科省高等教育局長が「同姓同名の職員がいる」と答弁したにもかかわらず、である。
 理解に苦しむ対応だ。通常国会の会期末は18日に迫る。「逃げ切れる」という判断でもあるのだろうか。もしそうなら、国民不在の「1強」のおごりでしかない。国政に対する信頼が大きく揺らぎかねない事態だ。
 野党議員のやじに「静かにしてください」「答弁に集中できない」などと長々と反応、質問とは直接関係のない説明に切り替え、時に色をなして反論-。首相の答弁パターンがこの日も目立った。
 民進党が、首相補佐官らから計画促進を要請されたとする前川前次官の証言についてただすと、半ば笑みさえ浮かべて「私が関与した証拠を見せてほしい」と言い返し、野党は「議論のすり替え」と批判した。
 首相は「ないことは証明できない」と強調したいのだろう。森友学園問題でも同じような反論を繰り返していた。しかし、首相やその周辺の意向で行政がゆがめられたのではないか、という疑惑がある以上、たとえ首相が直接関与はしていなくても、文書などの存在を詳しく調査し、政策決定の過程を説明するのが政府の責任だ。真摯[しんし]さに欠けると言わざるを得ない。
 新設を目指す獣医学部は定員160人。家畜やペットが増えない中、実現すれば獣医師養成の総定員は2割増となり、過剰を懸念する声もある。これに対して、特区担当の山本幸三地方創生担当相は「具体的な需要を完璧に描ける人はいない。経済学的に言えばどんどんつくればつくるほどいい」と言い放った。どこまで突き詰めた議論が行われたのか。国民の理解を得られる話ではあるまい。
 首相や菅義偉官房長官は、前川前次官を「(天下り問題で)責任をとって辞めざるを得なくなった人が、今になって急になぜ言うのか」などと批判しているが、それこそ首相の言う印象操作だ。
 前川氏は証人喚問に応じるとしている。証人喚問を通して事実解明を図るのが国会の責任だ。
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南日本新聞 ( 2017/6/7付 )
社説:[加計学園問題] 論点すり替えを許すな


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、事実関係の解明が一向に進まない。
 焦点は国家戦略特区の事業者認定に関する経緯だ。「加計学園ありき」で進み、特別扱いされたのではないかとの疑念は深まっている。
 文部科学省内で、「総理の意向」を記したとされる一連の文書が次々に明らかになっている。前文科次官の前川喜平氏は、文書の存在や首相側近の働き掛けを証言した。
 だが、政府は文書の調査をことごとく拒否し、真相解明に背を向けたままだ。それどころか前川氏の個人攻撃を繰り返している。
 安倍首相は、前川氏について国会答弁で「(天下り問題で)責任を取って辞めざるを得なくなった方が今になって急になぜ言うのか、当惑している」と述べた。
 菅義偉官房長官も「出会い系バー」に出入りしていたとの報道に触れ、「売春や援助交際の温床になりかねないと指摘される店に頻繁に通った」と発言した。
 前川氏は問題のある人物であり、信用できないと印象づけるのが政府の狙いだろう。
 だが、これが加計学園問題とどう関係しているのか。本来、計画に携わった事務方トップの証言は重いはずだ。首相らは疑惑回避のため論点をすり替えているとしか言いようがない。
 国民の目をそらして国会会期末の時間切れを待つつもりなのか。このまま幕引きを急ぐなら、到底許されまい。
 問題の文書について政府は「存在を確認できない」の一点張りだ。ただ、文科省による先月の調査は担当部局の共有フォルダが対象で個人のパソコンは調べていない。おざなりの調査で終わらせている。
 おとといの国会では、文科省内で共有したとみられるメールの写しを新たに入手したとして民進党が再調査を求めた。
 だが、ここでも松野博一文科相は「入手経路が明らかにされておらず、改めて調査を行うことは考えていない」と突っぱねた。
 問われているのは制度の公正性や透明性である。政府がお手盛りでないというなら、きちんと調査した上で説得力のある根拠を示してもらいたい。
 前川氏に反論の機会を与える必要もある。本人は証人喚問の要請があれば応じる意向だ。
 もともと国家戦略特区は、官邸主導で規制緩和することが特徴だ。安倍政権は説明責任をしっかり果たすべきだ。
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琉球新報 2017年6月7日 06:01
<社説>加計文書「共有」 関係者を証人喚問せよ


 これ以上、国民の知る権利の侵害は許されない。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関し、「総理の意向」などと記載された文書の存在を、文部科学省の複数の現役職員が内部で共有していたことを認めた。
 安倍首相は国会答弁で「印象操作」だと繰り返した。菅義偉官房長官は「怪文書」と言い切り、松野博一文科相も「行政文書としては存在しない」と結論付け、再調査を拒否してきた。
 現役職員の証言は首相らの発言を覆し、文科省内に官邸の意向が伝わっていたことを裏付けた。学園が特別扱いされたのではないかという疑惑は、払拭(ふっしょく)されるどころか深まった。疑惑の真相解明のために関係者の証人喚問と第三者による調査が必要だ。
 この文書は加計学園を巡り、文科省と国家戦略特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したものとされ、内閣府側の発言として「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だ」などと官邸の関与を示唆している。民進党が5月に入手した。
 この文書について前川喜平前文科事務次官は、文科省の担当の専門教育課が作成したもので「在職中に共有していた」と断言し、行政文書であることを認めている。
 それでも政府は「出所不明」を理由に再調査しない考えを示し、菅官房長官は前川氏を個人攻撃し、問題をはぐらかしてきた。
 共同通信の取材に対し文科省職員は「上司への説明用に作成した」と説明。前川氏の証言と一致する。別の職員は「総理の意向といった文書が記されているのを見て、文科省にとって面倒な案件という認識がある」と述べた。
 民進党はさらに、内閣府が文科省に「官邸の最高レベルが言っていること」「『できない』という選択肢はない」と記載された文書を文科省内で共有したとみれるメールを公表した。
 学園が事業者に認定される前の時点で、文科省が学園選定を前提にしていたことがうかがえる新たな想定問答の文書も明らかになっている。
 現役職員の証言で安倍政権が、かたくなに再調査を拒んだ理由が分かった。文書に記録されていた官邸の意向が文科省内で共有され、公正・公平であるべき政策決定過程が「忖度(そんたく)」によってゆがめられた可能性があるからだろう。
 行政文書の扱いを定めた公文書管理法は、意思決定に至る過程を検証することができるよう文書を作成しなければならないとしている。
 具体的に(1)行政機関の職員が職務上作成し(2)組織的に使い(3)当該機関が保有している文書-などと定義し、行政文書は情報公開請求の開示対象にもなる。
 一連の文書も開示対象になるだろう。安倍首相は国民に対し誠実に説明責任を果たさなければならない。
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岩手日報 (2017.6.4)
論説:国家戦略特区 「ご意向」が強くないか


 安倍晋三首相自身が「腹心の友」と呼ぶ人物が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画は、アベノミクス成長戦略の目玉の一つである「国家戦略特区」の事業だ。
 問題となっているのは、この計画が「首相のご意向」で進められたのかどうか。「ご意向」を背景に文科省に学部新設をせかした文書の信ぴょう性が当面の焦点だが、基本的に首相の一存で事業が進んだ可能性が取り沙汰されること自体が、この特区制度が内包する重大な問題だろう。
 国家戦略特区法の成立は2013年の臨時国会。世論の反発を押して特定秘密保護法成立を強行した混乱の中で、同特区法は議論の過程がいまひとつ印象に薄い。自民党でも、成立後に「党内の意見が反映されていない」「地方への配慮が足りない」との反発が相次いだ経緯がある。
 その特徴は、首相を議長に内閣府に設置された同特区諮問会議によるトップダウン方式。従来の構造改革特区が、地方から上がる要請を検討するボトムアップ型であるのと対照的に、政治主導をより前面に打ち出している。
 メンバーは閣僚と民間有識者各5人に首相の11人。農相や厚労相など規制に関わる省庁の閣僚は除外し、地域限定で規制を大幅に緩める。閣僚はもとより民間有識者も政権の「意向」で人選。最終的な決定権は首相にあるなど、制度は首相の意を反映しやすい仕組みになっている。
 医療や農業、雇用など各分野で政権が改革の障害と位置付ける「岩盤規制」打破へ、政治主導は確実に強化されるだろう。一方で事業の需給見通しも判然としない中で、必要性に疑問符が付く計画にお墨付きを与えるのでは、背景を勘繰られても仕方ない。加計学園に絡む疑惑は典型だ。
 獣医学部の建設地を無償譲渡する愛媛県今治市では、市の説明会に参加した市民から「大学への投資を、他にもっと困っている人のためにも使えたかもしれない」などと批判が相次いだという。
 そもそも日本獣医師会は、獣医の数は不足していないと主張。国が新設を認めるのは約50年ぶりとあって、文科省は慎重だったとされる。学部新設では他大学からも計画が示されていた。なぜ加計学園なのかという疑問も残る。
 国家戦略特区は、国や市町村と民間企業が一緒に取り組む方式とはいえ、多額の税金が投入される公共事業に違いない。その推進に当たっては「公平性」や「透明性」が求められるのは当然だ。
 「岩盤規制」打破の名の下に、異論を排除して必要性に客観的説明を欠くまま事業を進めるようでは、制度の意義から疑われても仕方ない。
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高知新聞 2017.06.04 08:15
社説:【加計文書メール】文科省は再調査すべきだ


 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡って、内閣府の意向を記した文書が、文部科学省内で電子メールで配信され、共有されていた可能性が出てきた。
 文書が添付されていたとするメール4通の写しを民進党が公表した。省関係者から入手したという。
 文科省や内閣府はこれまで文書の存在や内容を否定してきた。文科省は先月の省内調査でも「見つからなかった」と発表している。
 メールが本物であれば、文書も本物であることを意味する。5月の調査の質も問われる事態だ。前川喜平前事務次官が文書の存在や内閣府との面談を認めていることを含め、再調査は必至だ。
 ところが、文科省はメールの調査を求めた民進党に対し、「出所が分からず、調査しない」と拒否している。理屈に合わない対応ではないか。省内が出所と疑われるのだから徹底して調べるべきだ。
 国民は到底納得できず、文部科学行政の信頼も損なわれる。早急な再調査を改めて求める。
 獣医学部の新設は獣医師の供給過剰を防ぐために、長らく認められてこなかったが、加計学園は「国家戦略特区」を利用し、愛媛県今治市への開設を目指している。
 問題は、学園の理事長は安倍首相の「腹心の友」であり、第2次安倍政権発足後に学部新設の具体化が急激に進んだことだ。
 文書の内容が真実であれば、認可に慎重な文科省に対し、特区担当の内閣府が強く働きかけをしていたことになる。そこに不適切な忖度(そんたく)や優遇はなかったのかが疑われる。
 公表されたメールの写しのうち、文書が添付されたメールは2016年9月に専門教育課の係長が省内10人程度に送ったとみられる。
 文書は既に明らかになっている内容と同じで、前日の内閣府との協議で「官邸の最高レベルが言っていること」「『できない』という選択肢はなく、早くやらないと責任を取ることになる」などと言われたことをまとめている。
 メールには「昨日の概要を共有します。こなし方については、現在局内で検討中」との記述もある。素直に読めば、情報共有のための配信であり、添付文書も「怪文書」(菅官房長官)どころか、交渉過程を記した公文書となる。
 一連の問題では、前川氏は学園理事の内閣官房参与からも「早く進めてほしい」と要請を受けたと証言している。行政が「ゆがめられた」と繰り返し述べている。
 在職当時になぜ声を上げなかったのか疑問はあるが、そこに忖度政治の本質があることも疑われる。再調査をかたくなに拒否する文科省の姿勢も気になる。国会で真相究明を急ぐ必要があろう。
 焦点は前川氏ら政府関係者の証人喚問だ。自民党は難色を示しているが、森友学園問題では民間人の学園理事長を喚問した。国会の姿勢が問われる。
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