2017-06-09(Fri)

加計学園問題  各紙社説等(8)  目に余る政府の隠蔽体質 

行政文書管理 安易に廃棄できぬ手だてを  国民に説明責任果たせ  これで幕引きは許されぬ

<各紙社説・論説>
東奥日報)政府答弁に説得力がない/加計学園問題 (6/8)
秋田魁新報)加計文書「共有」 直ちに再調査が必要だ (6/8)
福井新聞)深まる「加計学園疑惑」  これで幕引きは許されぬ (6/9)
京都新聞)公文書の管理  公開するための制度だ (6/9)
神戸新聞)加計学園問題/目に余る政府の隠蔽体質 (6/9)

中国新聞)加計問題と公文書管理 国民に説明責任果たせ (6/8)
徳島新聞)加計学園問題 それでも調査しないのか (6/8)
西日本新聞)「加計問題」証言 もう言い逃れはできない (6/9)
熊本日日新聞)行政文書管理 安易に廃棄できぬ手だてを (6/8)
宮崎日日新聞)加計学園問題  数々の疑問に答えるべきだ (6/9)




以下引用



東奥日報 2017年6月8日(木)
社説:政府答弁に説得力がない/加計学園問題


 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の複数の現役職員が「総理の意向」などと記載された文書の存在を認めたことに、東京・霞が関では波紋が広がっている。「内部告発」が続いた異例の動きに理解を示す一方、渦中の文科省では「もはや組織の体をなしていない」と困惑する声も上がった。
 学園は政府の国家戦略特区制度を活用した学部新設を計画している。文書には、特区担当の内閣府側から文科省に「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向だ」と伝えられたとする内容が記載されていた。政府は「怪文書」「確認できない」と切り捨てたが、前川喜平前文科事務次官が存在を認め、後輩の現役職員も追認する事態に発展した。
 厚生労働省の中堅職員は「打ち合わせの記録を作成するのは、よくあること。文書は存在すると考えるのが普通だ」と解説。現役職員の証言には「思うところがあって話したのだろうが、大臣に否定されたらやっていられない」と思いやる。
 事務方トップとして計画に携わった前川氏の言動への評価はさまざまだ。国土交通省の幹部は「優秀な人で、職員から慕われていた。前川氏を支えようと、文書の存在を認める職員が出てきたのだと思う」と語る。別の同省職員は「『行政がゆがめられた』という前川氏の発言は理解しかねる。政治主導で行政が動くのは当然」と強調した。
 5月17日に問題の文書が明らかになって以来、新設計画に関するメールや文書が相次いで見つかり、文科省では幹部が「こんなに文書やメールを流出させて、一体何がしたいのか」と疲れ切った様子。野党などから文科省に再調査を求める声が強まる中、ある幹部は「再調査となった場合、範囲はどこまで広げるのか。職員個人のメモまで提出させることにもなりかねない」と懸念する。
 「安倍1強」の現状では、現役職員が表立って告発するのは難しいとの指摘も。ある経済官庁の幹部は「このままでは水掛け論で終わる。官邸は国会が閉じれば追及の場もなくなるため、逃げ切れると思っているはずだ」と話している。
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秋田魁新報 2017年6月8日 掲載
社説:加計文書「共有」 直ちに再調査が必要だ


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、「総理のご意向」などと記された文書が見つかった問題で、文書が「怪文書」(菅義偉官房長官)の類いではなく真正なものであることがはっきりした。文部科学省の複数の現役職員が、共同通信の取材に「省内で共有していた文書」と証言したのだ。
 文書については既に、同省の前川喜平・前事務次官が「私が在職中に共有していた文書で確実に存在した」と明言している。だが、政権側はそうした指摘に正面から答えず、「(天下り問題で)責任を取らざるを得なくなった方が、今になって急になぜ言うのか」(安倍首相)などと前川氏個人の信頼性に疑問を投げ掛けるような形で「出所不明」と言い続けてきた。
 菅氏にいたっては国会の場で、前川氏が出会い系バーに出入りしていたとの報道に触れ、「女性に小遣いを渡した」などと個人攻撃とも思えるような答弁を繰り広げた。問題の本質とは関係ない異様な対応であり、文書が本物であることを逆に裏付けるようなものだ。
 同省は5月に文書の存在を調べたが、松野博一文科相は「文書の存在は確認できなかった」「行政文書としては存在していない」と報告した。調査はわずか1日で、担当部局の共有ホルダーなどを調べただけ。「確認できない」「行政文書として」というのも微妙な表現で、「ない」と全面否定したわけではない。
 前次官に続き、現役職員が文書が本物だと証言した事実は重い。政府は出所不明を理由に同省の再調査を拒んできたが、もはや説得力はない。調査範囲を職員個人のパソコンなどにも広げ、直ちに再調査すべきだ。
 文書は複数あり、地域限定で規制緩和する国家戦略特区制度を利用した獣医学部新設に関し、特区担当の内閣府とのやりとりを同省側が記録したものとされてきた。早期開学について内閣府から「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っていること」などと伝えられたことが記されている。
 文書について同省職員は「(担当の)専門教育課が上司への説明用に作成した」と話し、幹部らが共有していたと言明。別の職員は「総理のご意向」などの文言を見て「文科省にとって面倒な案件」と思ったという。
 獣医学部新設については「ライフサイエンス(生命科学)などの獣医師が新たに対応すべき具体的需要があった場合」など閣議決定で四つの条件が付けられた。だが、7日の衆院農林水産委員会で内閣府の担当者は製薬会社勤務の獣医師数の推移を示すことができず、「具体的需要」の条件を満たしているのか疑義が生じている。
 前川氏は加計学園問題で「行政がゆがめられた」と指摘した。官邸からの指示や官僚の忖度(そんたく)がなかったのか、政府は正面から答える必要がある。
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福井新聞 2017年6月9日 午前7時30分
【論説】:深まる「加計学園疑惑」  これで幕引きは許されぬ


 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題に関し、衆参両院の委員会で野党が追及を強めている。建設予定地の愛媛県今治市が開示した文書などから、内閣府が学部設置認定のかなり前から地元との協議や準備をしていたとみられるなど、「加計学園ありき」で進められてきたことが明らかになってきた。
 これに対して、政府は野党の資料請求や詳細を求める質問に一切答えていない。加計学園以外に新設に手を挙げた大学を恣意(しい)的に断念に追い込んだ疑いなど、もはや疑惑と言っていい。政府・与党は組織犯罪処罰法改正案など重要法案を会期内に成立させるとともに「加計学園疑惑」の幕引きも図ろうとしている。許されるはずがない。
 「総理のご意向」などと書かれた文書の再調査と、文書を本物と証言した前川喜平前文部科学省事務次官らの証人喚問を求める野党に対して、安倍晋三首相が「私の意向は入りようがない」などと述べるなど政府はかたくなに拒んでいる。
 そうした中、共同通信社が「現役の文科省職員が『文書を共有していた』と証言した」と報道。文書の信ぴょう性を一層裏付けるものだ。ただ、松野博一文科相は職員が実名で告発するなど、出所が明らかにならない限り再調査しない考えを示したという。自らが所管する組織の複数の職員が声を上げているのに、不誠実極まりない。
 前川氏が本物とした文書の中で、「10月7日」と記す萩生田光一官房副長官の発言とされる文書に「四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明がつくのか」とある。これは昨年11月9日に獣医学部の空白地域に限って新設を認める条件が出された経緯に符号しないか。その結果、域内に他の大学の獣医学部がある京都産業大は断念せざるを得なかったのだ。
 一方で、自由党の森裕子参院議員らが今治市への情報公開請求で入手した文書には▽2015年4月2日に市の幹部職員が急きょ予定を変更し首相官邸で面談▽市などが「18年4月開学」の方針が公表される約3カ月前の昨年8月に開学時期を示した日程表を作成し内閣府に送付―といったことが判明。内閣府が認定前から主導や調整をしていた疑いが出てきた。
 皮肉なことに、政府が「確認できない」などとする文書や資料を今治市は行政文書としてきちんと残していた。森氏が「内閣府や文科省が残していないはずがない」と語気を強めたのももっともだ。
 野党側は入手文書を基に今後も追及する構えだ。政府は知らぬ存ぜぬで押し通せるつもりなのか。国民の目には見苦しいとしか映らない。矜持(きょうじ)があるなら再調査や証人喚問を堂々と受け入れるべきだ。
 首相は「諮問会議の分科会で決めるものであり、私の意向が入る余地はない」としたが、会議での素案なども内閣府が作成しているはずだ。「加計ありき」が安倍政権の既定路線だったと言わざるを得ない。
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[京都新聞 2017年06月09日掲載]
社説:公文書の管理  公開するための制度だ


 加計学園の獣医学部や森友学園の小学校の新設計画をめぐり、市民やNPOが財務省や文部科学省の内部記録の保全や公開を求める法的手続きを相次いで行った。政府が関連する公文書について「廃棄した」「存在しない」という説明に終始し、公開を拒んでいるためだ。
 2011年に施行された公文書管理法は第1条で「公文書は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」で「主権者である国民が主体的に利用できる」としている。大切な国民の財産が隠されるのではないか。これまでの政府の対応を見れば、そんな疑問を持たれるのも無理はない。法の精神に立ち返った対応を求めたい。
 とりわけ問題なのは、保存や公開の対象になる「行政文書」の範囲を、政府がきわめて狭く捉えようとしていることだ。
 管理法は行政文書を「行政機関の職員が職務上作成、取得」し、「職員が組織的に用いるもの」と定義している。一方で、具体的にどの文書が行政文書なのかの判断や、保存期間の指定などは各省庁に委ねられている。保存期間が1年未満の文書は管理法を所管する内閣府の審査を経ずに廃棄することもできる。
 財務省は森友学園への国有地売却を巡る交渉記録を保存期間1年未満として廃棄したという。加計学園の獣医学部新設で首相の意向が働いたとされる問題では、前川喜平前文科事務次官や複数の同省職員が記録文書の存在を認めているものの、松野博一文科相は共有ファイルを調べただけで「行政文書としては存在しない」と繰り返している。
 文書管理で役所に都合の良い運用がなされる可能性は以前から指摘されてきたが、今回、そうした懸念が現実になってきたのではないか。
 行政文書を狭く捉える傾向は他省庁にも見られる。日付や作成者の氏名が書かれていないメモや資料は保管や廃棄の手続きをする公文書にされていないことも多い。管理法の理念の徹底とともに、恣意(しい)的な運用ができないよう、制度を改めるべきだ。
 文書の扱い方が役所や官僚で異なる実態もある。公開を前提として、文書やファイルの作り方を共有する取り組みも要るだろう。
 その政府判断は妥当だったのか。決定は公正に行われたか。将来の国民が判断するためには公文書の適正管理が不可欠だ。言い逃れができない仕組みを作りたい。
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神戸新聞 2017/06/09 
社説:加計学園問題/目に余る政府の隠蔽体質


 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の問題を巡り、新たに文部科学省内でやりとりされていたメールや現役職員の証言が明らかになった。
 メールや証言は、加計学園の獣医学部新設計画の推進について「総理の意向だ」「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書が文科省内に実在し、職員の間で共有されていたことを示す。文書を巡っては、前川喜平前事務次官が会見を開き、存在を明言したが、政府は「怪文書」扱いしていた。
 国家戦略特区を使った加計学園の計画は、公正公平な審査で選ばれたのか。首相の指示、あるいは意向を受けた内閣府などによって、学園を特別扱いしたのではないか。文書は疑惑の念を深くするものだ。
 だが文科省は「文書は確認できなかった」として、きちんと調べようともしない。問題にふたをしたまま、国会閉会を待つ政府の方針がうかがえる。その隠蔽(いんぺい)体質は目に余る。国民を愚弄(ぐろう)していると言うしかない。
 さらに、加計学園ありきと読み取れる「想定問答」も明らかになった。いずれも現政権に異を唱える文科省内の「内部告発」である。
 衆参の決算行政監視委員会で首相は、野党の追及に「私が介入する余地はない」と主張した。このような状況で、どれだけの国民がその言葉を信用するだろう。「問題があると言う方が立証すべきだ」と言い張る首相の姿勢に、かえって疑いの思いを強くしたのではないか。
 加計学園に有利に働いた規制緩和の説明では、矛盾が生じている。規制緩和は、新たな獣医学部の設置は広域的に獣医学部が存在しない地域(空白地域)に限るというもので、首相は「獣医師会からの要請」と答弁している。だが、当の獣医師会は「そんな要請をした事実はない」と反論している。
 そもそも、従来の既得権益を守る「岩盤規制」に穴をあけるのに、規制に守られる側の獣医師会の要請を受け入れるのも、おかしな話だ。
 疑惑の解明に後ろ向きで、追及の声を強弁で押さえ込もうとする姿勢では、国民の不信感が募るばかりである。
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中国新聞  2017/6/8
社説:加計問題と公文書管理 国民に説明責任果たせ


 岡山市の学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、「官邸の最高レベルが言っている」などと記した文書の存在と、それが文部科学省内で共有されていたかどうかが国会審議の的になっている。野党の求める再調査や証人喚問を、政府はなぜ拒むのだろう。
 菅義偉官房長官は、文書を「本物」と告発した前川喜平・前文科事務次官への個人攻撃に躍起となり、文書は信用ならないと強弁している。まるで何かにおびえているようである。
 文書の存在と省内での共有を証言する現役職員が複数、現れた。「出所不明」だから再調査に応じないとしてきた根拠が崩れたといえよう。調査を尽くすのが先ではないか。
 公文書の管理に関する国のガイドラインでは、たとえ起案の下書きメモでも、国政上の重要事項に係る意思決定が絡む場合には適切に保存すべきだと定めている。公開し、国民の知る権利を保障するためである。
 公文書の扱いでは昨今、首をかしげたくなるケースが目立つ。防衛省がいったん「廃棄済み」としていた南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報は、保存期間1年未満としていた。大阪市の学校法人森友学園の国有地払い下げ問題では、財務省が内輪の規則を盾に交渉記録を廃棄していた。
 行政の検証が必要になるのは1年以内とは限らない。むしろ何年かを経て、表面化することが多かろう。公文書の適正な作成や保管が、官僚の一存でないがしろにされているとすれば、由々しき問題である。
 廃棄する場合は、必ず省外のチェックを入れるといった抜本策が急がれる。かさばらずに済む電子データで保管できる時代に保存期限を設けること自体、見直しは避けられまい。
 政策決定過程の検証は、よりよい政治のために必要である。それを保障するのが、公文書などの記録とその公開にほかならない。公文書管理法の第1条に「(公文書などは)健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」とうたう通りである。
 民主主義がめざすのは、多数者が権力を振りかざす「閉じた社会」ではなく、少数者の思いをくみ上げる「開かれた社会」であるはずだ。公文書などの記録に基づく対論や熟議によってこそ、幅広い合意が図れることは言うまでもない。
 衆院憲法審査会で今月、森友学園との交渉記録の破棄については、政府への信頼を損なう、と有識者から疑義が出た。誰が見ても分かる証拠に基づかず、果たされるべき説明責任を政府がなおざりにしているのだから、当然だろう。その構図はまた、加計学園の問題と全く同じである。
 安倍晋三首相の肝いりで導入された国家戦略特区制度の下、加計学園が特別扱いされたのではないかとの疑念は晴れるどころか、深まっている。行政の公正性や透明性が揺らいでいることを、政府はもっと深刻に受け止めなくてはならない。
 前事務次官とどちらを信用するかと言わんばかりの政府の姿勢は、傲慢(ごうまん)に過ぎる。主権者たる国民の判断に資するよう、公文書をよりどころに説明責任を果たす役目を忘れている。
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徳島新聞  2017年6月8日付
社説:加計学園問題 それでも調査しないのか


 なぜ、前川喜平前文部科学事務次官らを証人喚問しないのか。自民党の対応は理解に苦しむ。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の国家戦略特区制度を利用した獣医学部新設を巡って、疑問は膨らむばかりだ。
 加計学園の選定は公正だったのだろうか。首相の指示や官僚の忖度(そんたく)はなかったのか。
 安倍首相は、参院決算委員会で「(首相は)関与できない仕組みになっている。国家戦略特区諮問会議でしっかりと議論がなされ、そこで決まる。介入する余地はない」と強調し、自身の関与を全面的に否定した。
 しかし、前川氏の証言にも具体性がある。前川氏は昨年9月、地方創生担当の和泉洋人首相補佐官から突然、首相官邸に呼び出された。和泉氏の執務室で「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」として、獣医学部新設の手続きを急ぐよう求められたという。
 文科省OBで当時内閣官房参与だった加計学園理事の木曽功氏からも、文科次官室で前川氏に「早く進めてほしいのでよろしく」との趣旨の話があったとしている。
 首相は「(両氏に)私が指示したことはあり得ない」と明言した。
 和泉氏は「記録が残っておらず確認できない。記憶にもない」と否定。木曽氏も「獣医学部新設の話で行ったわけではない」とのコメントを出した。
 言い分は真っ向から対立している。野党が前川氏らの証人喚問を求めるのは当然だ。偽証すれば刑事訴追の対象になる喚問こそが、真相解明の場である。
 前川氏は「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書について、文科省の幹部間で共有された本物で、確実に存在していたと証言した。
 さらに、共同通信の取材に対して、文科省の複数の現役職員が「省内で共有していた」などと証言し、文書の存在を認めた。それでも「出所が分からず、調査しない」と言うのだろうか。
 民進党は、加計学園が事業者に認定される前の昨年11月の時点で、文科省が加計学園の選定を前提にしていたとうかがわせる新たな文書も入手した。
 文書は、文科相の記者会見などに向けて作成されたとみられる。この時期には、京都府なども新設を要望していたが、愛媛県今治市に関する記述しかないのはどうしてか。
 国民は次々に出る証言や文書の真偽を知りたいはずだ。調査に消極的な政府の姿勢は、不信感を高めるだけだ。
 国家戦略特区による規制緩和を否定はしない。だが、トップダウンの政策は、ガラス張りでなければならない。
 首相が関与していないというのなら、積極的に文書の再調査と証人喚問の実現に向けて、動きだすべきだ。
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西日本新聞 2017年06月09日 10時34分
社説:「加計問題」証言 もう言い逃れはできない


 やはり、あったものをなかったものにはできない-ということなのだろう。学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り「総理のご意向」などと記された文書の存在を今度は文部科学省の複数の現職職員が認めた。
 文書の存在を政府は否定してきた。このままうやむやにするつもりだったのかもしれないが、もう言い逃れはできない。
 文書の存在を認めた上で、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園が国家戦略特区制度を活用して進める獣医学部新設計画に官僚の忖度(そんたく)が働いたのか、あるいは首相自ら何らかの指示をしたのか、政府には真相を明らかにする責任がある。
 複数の現職職員が共同通信の取材に「文書は高等教育局専門教育課が上司への説明用に作成し、幹部を含む一部の関係者で共有していた」と証言した。
 文書は獣医学部新設を50年以上も認めなかった文科省に、特区担当の内閣府が「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」として方針転換を迫ったとする内容だ。民進党が国会で追及し、前事務次官の前川喜平氏が記者会見してその存在を認めた。
 重い証言なのに松野博一文科相は「出どころや入手経緯が明らかでない場合、調査を行うことは考えていない」と再調査を拒んでいる。菅義偉官房長官は問題のすり替えを図るかのように、前川氏の個人攻撃を繰り返す始末だ。
 首相は「問題の本質はどう岩盤規制の穴をあけるかだ」と国家戦略特区の意義を述べた。だからといって首相の友人に具体的事業で便宜が図られたとしたら、公正・公平であるべき行政はゆがむ。
 獣医学部新設に関しては、獣医師が将来にわたって本当に不足するのか、獣医学部がない「空白地域」に1校という加計学園に有利な条件がなぜ付いたのか-というそもそもの疑問も残ったままだ。
 なぜ政府も与党も真相解明に後ろ向きなのか。やましいことがないのなら、徹底した再調査で国民の疑念を晴らすべきである。
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熊本日日新聞 2017年06月08日
社説:行政文書管理 安易に廃棄できぬ手だてを


 「加計[かけ]学園」の獣医学部新設を巡る問題や「森友学園」への国有地売却問題など、中央官庁内部で作成された文書の取り扱いに疑問を抱かざるを得ない事例が相次いでいる。
 行政文書は、国の意思決定のプロセスを記録する国民共有の財産だ。後世が検証を進める上で重要なものでもあり、安易に廃棄されるようなことがあってはならない。取り扱いルールに問題がないか早急な検証が必要だ。
 加計問題では「総理の意向」などと記載された文書の存在自体が論点になっている。政府や文部科学省は「調査で存在を確認できなかった」との姿勢を崩していないが、文科省の前川喜平前事務次官に加え、新たに複数の現役職員がその存在を認めた。もはや言い逃れできるものではなかろう。
 松野博一文科相は「行政文書としては存在しない」と微妙な言い回しをしている。今後、何らかの文書の類いが見つかったとしても「公式な文書ではない」との立場を押し通すつもりなのか。
 公文書管理法は、行政文書について「行政機関の職員が職務上作成した文書で、職員が組織的に用い、行政機関が保有しているもの」と定義している。前川前次官も先の記者会見で認めたように、法の趣旨に照らせば一連の文書は行政文書ととらえてしかるべきで、政府は速やかに再調査し、つぶさに国民に公開するべきだ。
 森友問題では、財務省が近畿財務局と学園側の交渉記録を公文書管理法に基づく管理規則にのっとって「文書を破棄した」と主張。経緯の説明を避けてきた。
 同省によると、交渉や面会記録など歴史公文書に該当しない文書の保存期間は1年未満。だから速やかに廃棄したと説明し、廃棄したことでの弊害もなかったとの立場を取る。しかし、売買代金が分割払いなのに「案件が終了した」とするのは不適当で、長期間保存すべき文書との指摘もある。妥当性が問われよう。
 行政文書の保存期間については議論の余地が大きい。公文書管理法に基づく規則で保存期間の分類は最長30年から1年未満まであるが、それらは役所が決める。1年以上ならば行政文書ファイル管理簿に記載するといった手続きが定められているが、1年未満の扱いは各省庁任せ。どんな文書があるか外部からはチェックできない。
 保存期間が「壁」となったケースは南スーダン国連平和維持活動(PKO)の派遣部隊の日報問題でもみられた。陸上自衛隊の日報も保存期間が1年未満とされ、昨年12月、情報公開請求を受理した防衛省は「廃棄済み」を理由に不開示を決定。しかし、その後、日報の存在が判明し、問題化した。
 公文書管理法は施行から6年が経過。法の付則は施行後5年をめどに見直しの検討を求めているが、政府内に管理規定見直しなどの動きはみられない。役所に都合の悪い文書がひそかに廃棄されることがないよう、公文書管理の「穴」をふさぎたい。
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宮崎日日新聞 2017年6月9日
社説:加計学園問題  ◆数々の疑問に答えるべきだ◆


 岡山市の学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省内でメールにより「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書が共有されていたとされる問題で、政府は野党が求める再調査を拒否した。さらに「天下りを隠蔽(いんぺい)した」と、文書を「本物」と証言した前文科次官前川喜平氏への非難を強めている。
 メールは民進党が入手した。内閣府が文科省に官邸の意向を伝え、学部新設を早く認めるよう迫った発言を記録したとする文書が添付され、宛先に省内の10人程度の名前があった。
再調査より個人攻撃
 だが松野博一文科相は「入手経路が明らかにされておらず、改めて調査を行うことは考えていない」とした。安倍晋三首相も調査しない考えを示した。続いて菅義偉官房長官は、前川氏が「出会い系バー」に出入りしていたとの報道等に触れて個人攻撃に終始。調査もせず、文書は信用できないと印象づけるのに躍起になっている。
 政府は何を恐れているのか。文書と、そこに記録された官邸の意向が文科省内で共有された可能性は高まっているといえよう。否定するなら再調査し、きちんと根拠を示すべきだ。前川氏に国会で反論する機会を与える必要もある。
 問題のメールには、安倍首相の友人が理事長を務める加計学園の学部新設について文科省と協議した内閣府の発言を記録したとする文書「内閣府審議官との打合せ概要」が添付され、専門教育課の係長から関係先に送られていた。「昨日の概要を共有します。こなし方については、現在局内で検討中です」とメッセージが添えられている。
 「『できない』という選択肢はない」と内閣府は伝えたとされ、メールの存在が確認されれば、文科省内に官邸の意向が広がったことを裏付ける重要な資料となる。
揺らぐ特区の公正性
 政府は調査に応じないだけでなく、安倍首相は関与を否定した上で「前川氏は天下りの隠蔽そのものに関わった。一番責任が重い」「今になって急になぜ言うのか」などと述べた。
 これに対し前川氏は文書で「私が隠蔽を指示するなど直接関与したことはない」「定年まで続けたいと申したことはない」と反論しているが、政府が一方的に非難を重ねるのは公平とはいえまい。前川氏の国会招致により、文科省への働き掛けの経緯を解明するとともに、天下り問題などで本人の言い分も聞くのが筋だろう。
 安倍首相の肝いりで導入された国家戦略特区制度の下で加計学園が特別扱いされたのではないかという疑念は深まっており、制度の公正性や透明性が大きく揺らいでいるのを政府は肝に銘じるべきだ。そもそも獣医学部新設を認めるに際し、獣医師の需要見通しが慎重に考慮されたのかと疑問を投げかける声も出ている。数々の疑問に正面から答えてもらいたい。
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