2017-06-13(Tue)

カジノ米大手 トランプ米大統領 日本に迫る

カジノ運営 外資系企業たのみ  / 統合型リゾート(IR)施設整備  大都市型の施設を優先


カジノ日本に迫るトランプ氏 「この企業知っているか」
----カジノを中心とした統合型リゾート(IR)施設整備を巡り、外資日本への攻勢が本格化している。とりわけ活発なのは大手娯楽産業の動きで、トランプ大統領を巻き込み門戸開放を迫る。自治体には海外への利益流出に反感もあるが、カジノを運営するにはノウハウが豊富な外資系企業に頼らざるを得ない。

----「シンゾウ、こういった企業を知っているか」。国で開いた2月の日首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎したうえで、ラスベガス・サンズ、MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた。

----日本企業にはそもそもカジノ運営の実績がない。セガサミーホールディングスは日本展開を視野に、4月に韓国仁川市で韓国カジノ大手とIR運営に乗り出したばかり。京浜急行電鉄は羽田空港との相乗効果を狙って3年前から本格的に検討しているが、具体的な絵図面は描けていない。
日本経済新聞 2017/6/10 2:04)


◇アングル:カジノ誘致、地方都市に危機感 政府指針で上がるハードル
----カジノ解禁が観光の拡大や経済の活性化を後押しすると期待する地方都市が揺れている。日本のカジノを含む統合型リゾート(IR)設立に向け、政府が示したガイドラインが、大都市型の施設を優先するような条件を示したためだ。
(朝日新聞デジタル 2017年6月1日16時16分)




以下引用

日本経済新聞 2017/6/10 2:04
スペシャルリポート
カジノ日本に迫るトランプ氏 「この企業知っているか」
 カジノを中心とした統合型リゾート(IR)施設整備を巡り、外資日本への攻勢が本格化している。とりわけ活発なのは大手娯楽産業の動きで、トランプ大統領を巻き込み門戸開放を迫る。自治体には海外への利益流出に反感もあるが、カジノを運営するにはノウハウが豊富な外資系企業に頼らざるを得ない。
 都内で5月10~11日に開いた国際カジノ会議「ジャパン・ゲーミング・コングレス」。国、欧州、アジアのカジノ運営業者ら約500人が集まり、日本の自治体関係者らと活発に意見を交わした。マカオのカジノ大手銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)の幹部は「マカオでは大衆市場を狙って成功した。日本でも地域社会との結びつきを重視したい」と秋波を送る。
■自治体に面会攻勢
 一部の海外カジノ大手日本のロビイストとも契約。すでにロビイストは政府や地方自治体の関係者に対する「面会攻勢」をかけている。
 2016年12月にIR整備推進法(カジノ法)が成立。政府は秋の臨時国会にIRの運営方法などを定めた実施法案を提出する。実際の開業は20年の東京五輪後になりそうだが、自治体の助走は活発になってきた。
 北海道釧路市の蝦名大也市長は「環境と共生できるIR施設を実現したい」と強調。和歌山県の仁坂吉伸知事も人工島「和歌山マリーナシティ」の活用を念頭に「富裕層を対象にしたリゾート施設を目指す」と話す。
 パチンコなど多種多様な賭け事を受け入れる日本市場の潜在力に目をつけ、なりふり構わず「ガイアツ」をかけてきた筆頭格は国だ。
 「シンゾウ、こういった企業を知っているか」。国で開いた2月の日首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎したうえで、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた。
■娯楽企業トップが高額献金
 サンズはアデルソン会長兼最高経営責任者(CEO)が熱心な共和党支持者で、トランプ氏個人への高額献金者でもある。MGMリゾーツなど米大手は複数の有力連邦議員に働きかけ情報収集に余念がない。カジノは地域住民に雇用の場を提供し、地元に多額の税収をもたらす有力なビジネスだ。
都内で開いた国際カジノ会議には海外の名だたるカジノ運営会社が参加した
 その超党派の政治力はオバマ政権時代から発揮されてきた。米は日本のIR法案の動向に常に探りを入れ、米企業進出の環境整備を度々日本に求めた。トランプ氏が首脳会談で首相に言及したのは、献金額が多い順だったようだ。
 日本企業にはそもそもカジノ運営の実績がない。セガサミーホールディングスは日本展開を視野に、4月に韓国仁川市で韓国カジノ大手とIR運営に乗り出したばかり。京浜急行電鉄は羽田空港との相乗効果を狙って3年前から本格的に検討しているが、具体的な絵図面は描けていない。サンズ幹部はソフトバンクグループの孫正義社長とパイプがあるとされ、思わぬ企業が外資支援に回る可能性も出ている。
 一方で自治体などには「利益を外資に持って行かれる」との反発があるのも事実だ。強硬な意見として、日本企業との合弁義務付けなど外資の活動に一定の枠をはめる案も与党内などにあった。だが内外無差別が原則の世界貿易機関(WTO)協定に抵触しかねず、現実味に乏しいという。
 カジノ開設には営業や立地など各種許認可の取得や政府、地元自治体との膨大な調整が必要だ。落としどころとして政府が考えているのが利益の一部を自治体に還元し、地元の理解を得ることだ。運営会社がカジノの利益から一定額を国や自治体に納める納付金制を導入する計画だ。納付金は観光振興などに活用される。
 米大手シーザーズ・エンターテインメントのブラックハースト副社長が東京・永田町にある与党議員の事務所を訪ねたのは5月。この議員が「日本の企業や自治体と信頼関係をつくらないとうまくできませんよ」と言うと、副社長は「そこはよく分かっています」とうなずいた。
 未成年や反社会勢力の入場規制やマネーロンダリング(資金洗浄)対策なども具体化はこれから。入念な検討がいる課題はまだ、山積している。(辻隆史、重田俊介)


朝日新聞 2017年6月1日16時16分
アングル:カジノ誘致、地方都市に危機感 政府指針で上がるハードル
 6月1日、カジノ解禁が観光の拡大や経済の活性化を後押しすると期待する地方都市が揺れている。日本のカジノを含む統合型リゾート(IR)設立に向け、政府が示したガイドラインが、大都市型の施設を優先するような条件を示したためだ。マニラのカジノで2015年3月撮影(2017年 ロイター/Erik De Castro)
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 [東京 1日 ロイター] - カジノ解禁が観光の拡大や経済の活性化を後押しすると期待する地方都市が揺れている。日本のカジノを含む統合型リゾート(IR)設立に向け、政府が示したガイドラインが、大都市型の施設を優先するような条件を示したためだ。
 来年以降にも見込まれる地域選定のプロセスで、地方都市は劣勢に立たされたと危機感を募らせている。
 IR誘致を目指す地方都市の関係者が困惑するのは「IR推進会議」が5月に示したIRの制度に関するガイドライン。IRを誘致する地域について、1)「日本の国際競争力の向上が図られる機能」を持つことを求め、当初は国内で2カ所程度からスタートする、とした。
 また、2)IR施設の「地理的一体性」も条件となり、近隣の複数の都市が連携して誘致できなくなった。候補地については、まず国が地域を選定するのではなく、先にIRを誘致したい地域の自治体と、それを運営する企業がチームとなって申請してから、地域が選定される手順になる方向。
 これらは最終決定ではなく、あくまでもガイドラインとされるが、複数の関係者は「政府の最終決定に極めて近い」とみる。
 「国際競争力」という点では、見本市や国際会議で使われる展示場も目玉の1つとなるため、相当な規模の施設が整備される必要がある。
 現在、日本にある展示場のうち、最大規模の東京ビッグサイト(東京都江東区)の総床面積は9.7万平方メートル。世界最大の独ハノーバー国際見本市会場の約5分の1、アジア最大の中国(上海)の国家会展中心の4分の1以下で、展示場の世界ランキングでは73位、アジアでも19位にとどまる(2015年時点)。
 ガイドラインがIRを誘致するロケーションに「国際競争力の向上が図られる機能」を求めるというのは、「せめて世界10位くらいの規模の展示場を作って欲しいということ」(関係筋)と、政府の考えを解説する向きもある。
 <地方創生はどこへ>
 こうした状況に、IRを誘致したい地方都市は危機感を募らせる。 
 和歌山県の仁坂吉伸知事は、このように規模の大きなものを歓迎する指針が示されると、「地方には(誘致する)可能性がなくなってしまう」と危惧する。当初、IRを観光や地方創生の一助にしようとしていたアベノミクスの方針にも反するのでは、と疑問を呈している。
 仁坂知事は、IRの法整備を担当する各省庁の関係者が「失敗するプロジェクトを作ってはいけないと思っている」とも指摘し、シンガポールのように大規模な投資が成功した事例を意識しすぎる省庁関係者らをけん制する。和歌山県やその他の地方都市の関係者は、今週も永田町を訪問し、ガイドラインの見直しなどを要請している。
 <選定の順序に異論>  
 北海道釧路市は、国がIRを誘致できる地域を選定する前に、地方公共団体と運営会社が組んで、申請手続きをしなければならない手順に懸念を示す。
 大都市が優勢と思わせる今回のガイドラインをふまえると、海外のカジノ運営会社の関心は収益性の良い大都市に向くと考えられるからだ。釧路市の菅野隆博・観光振興室長は「(地方都市と)タッグを組んでくれるオペレーターが現れるのだろうか」と懸念する。
 釧路は、苫小牧市などと連携してIRの設立を目指す予定だが、ガイドラインは複数の自治体が連携して申請することを認めない方針。北海道は計画の見直しを迫られる可能性があり、釧路市としても「何らかのかたちで声を上げていきたい」(菅野氏)という。
 もっとも、地方都市の関係者のなかには、ガイドラインにとらわれず「身の丈にあった施設を作ればいいのでは」と、冷静な声もある。 
 政府のIR推進本部のもとで、IR実施法案を具体的に検討する「IR推進会議」の山内弘隆議長(一橋大学大学院商学研究科教授)は31日、地方都市からガイドラインについて反論が出ていることについて「われわれとして(それに)コメントはない」とのスタンスを示した。
 IR選定をめぐり、誘致を進める自治体や地元政治家、ビジネスサイドの動きも含めて神経質な展開が繰り広げられそうだ。
 (江本恵美 編集:石田仁志)


朝日新聞デジタル2017年6月1日05時00分
カジノ事業者、免許更新制 犯罪歴・交友関係も調査 政府方針
 政府は31日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の事業者について、免許制とする方針を明らかにした。約3年ごとの更新を検討している。事業者の財務状況とともに、経営者や家族らの犯罪歴や交友関係なども調べる。暴力団などの関与を取り除く狙いがある。
 有識者による政府のIR推進会議が31日にあり、方針を示した。
 カジノ収益の配分を受け取る事業者らも規制の対象にする。事業者の株式を5%以上保有する株主や、カジノ併設のホテルや会議場などの運営を受託する業者らについても、免許を交付するカジノ管理委員会による認可などを義務づける。
 カジノ解禁への反対論が根強い中、政府のIR推進会議は今後、従業員や本人確認の方法、依存防止のための入場規制、入場料の水準などについても検討する。今秋の臨時国会への実施法案提出に向け夏までに提言をまとめる。(南日慶子)


日本経済新聞 2017/5/31 21:23
カジノ運営に免許制検討 有識者会議、夏メドに規制の大枠
 カジノを中心とする統合型リゾート(IR)に関する政府の有識者会議(議長・山内弘隆一橋大大学院教授)は31日に会合を開き、施設の運営に免許制を導入する案を議論した。免許は更新制とし、国が運営会社の事業内容や経営状態を定期的に審査できるようにする。夏ごろまでに規制の大枠を固め、今秋の臨時国会へ提出をめざす実施法案に反映させる。
 米国などの制度を参考に、免許を持つ事業者のみがIR施設を運営できるようにする方針。経営の透明性を確保し、反社会的勢力の温床となることを防ぐ。事業者の株主や取引先にも認可制を導入する想定だ。認可対象となる株主は、カジノ事業への影響力の大きさを考慮し、議決権、株式または持ち分の保有割合が5%以上の株主に限る方向で検討する。
 関係者の調査を徹底するため、調査権限や人員をカジノ管理委員会に付与する必要性も確認した。今後はマネーロンダリング(資金洗浄)の防止策なども話し合う。
 IR立地区域の認定時期は早ければ2020~21年となる見通し。区域数は2~3カ所など少数に限る方針だ。安倍晋三首相を本部長とする推進本部が運営基準の骨子を夏をめどにまとめる。


Bloomberg 2017/05/29
東京にはカジノ不要、狙うのは大阪-運営認可目指すマカオの富豪
(Bloomberg) -- カジノ運営会社メルコリゾート&エンターテインメントのオーナーで資産家のローレンス・ホー氏は、東京より大阪でカジノを建設したいとの考えを示した。より規模の小さい都市を娯楽施設の拠点として開発する方がチャンスが多いとみている。
CLSAは日本のカジノ市場について、年250億ドル(約2兆7800億円)規模に拡大する可能性があるとの試算を示している。メルコは東京と横浜も進出先として検討しているが、第一の選択肢は大阪および周辺の関西圏だ。この地域には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」や京都など、人々を引き付ける場所も多い。
メルコの最高経営責任者(CEO)でもあるホー氏は、マカオにある同社リゾート施設「シティー・オブ・ドリームス」でのインタビューで、「関西に行くと実際のところ楽しみがより多い。当社は楽しさと娯楽に重点を置いている企業だ」と語った。
メルコは日本での認可取得を同業のラスベガス・サンズやMGMリゾーツ・インターナショナルなどと競っている。この2社も候補地を東京、横浜、大阪に絞っている。
ホーCEOは「東京に統合型リゾート施設(IR)が必要かどうか、あまり確信が持てない。東京はそれ自体、素晴らしい場所だ。『ニューヨークやロンドンにIRが必要だと思うか』と質問するようなものだ。必要ない」と述べた。
 

静岡新聞 (2017/5/15 17:28)
カジノ解禁に向け提携協議 運営会社と日本企業
取材に応じる米国ゲーミング協会のジェフ・フリーマン最高経営責任者
 米国のカジノ関連企業が加入する団体、米国ゲーミング協会のジェフ・フリーマン最高経営責任者(42)は15日までに、日本のカジノ解禁をにらみ、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の開発を目指して「(米などの)運営会社と日本企業の間で、提携に向けた前向きな交渉が多く進んでいると聞いている」と明らかにした。
 東京都内で共同通信の取材に応じたフリーマン氏は「進出先として関心があると多く聞くのは大都市の東京都と大阪市、横浜市だ」と説明。最初の開業は、IR実施法案の成立時期次第としながらも「2023年にオープンできるとの見方が多い」と語った。


日本経済新聞 2017/2/22 14:26
日本流統合型リゾートに意欲 米カジノ大手CEO
 世界2位のカジノ運営会社、米MGMリゾーツ・インターナショナルのジェームス・ムーレン会長兼最高経営責任者(CEO)は都内で日本経済新聞記者と会った。日本での統合型リゾート(IR)について「日本独特のものにすべきだ」と述べ、日本流の施設の建設・運営に強い意欲を示した。主なやりとりは次の通り。
 ――カジノを中心とするIR整備促進法(カジノ法)が成立した。日本市場の潜在力をどうみていますか。
 「国会がIR解禁を決めた。日本の国際観光が過去数年のあいだに急成長したのは極めて驚くべきことだ。もしもこれから日本で国際観光が成熟していくのであれば、単なる買い物旅行にとどまらない発展が必要になる。東京と京都という2都市にとどまらないことがとても重要だ。日本の地域はとても多様だ。IRが正しくつくられるならば、地域の活性化や成長の入り口になるだろう」
 ――大阪などが誘致に手をあげていますが。
 「関西地方にはとても関心がある。ただ、地域でどれだけ受け入れられるかを十分に理解しないまま『大阪がいい、東京がいい、横浜がいい』というのは尚早だ。もちろん東京、横浜、大阪のためにさまざまな仕事を提供できるし、芸術家やデザイナーらと協力できる」
 ――どんな形で日本進出を考えていますか。
 「MGMの展望は他の運営会社とは異なる。第1に、地域の社会や顧客と幅広くかかわることだ。自治体や地域企業と協力していく。第2に、日本の統合型リゾートは日本独特のものにすべきだ。わたしたちは日本の統合型リゾートを『JR』(Japanese Resort=日本型リゾート)と呼んでいる。第3に周辺の多くの県や地域を巻き込むことだ」
 ――かつて大阪進出に意欲を示し、事業規模は5000億円から1兆円との見方を示しました。
 「5000億円から1兆円といったのはそのとおりだ。ただ、数字を特定するのは難しい。日本の税率はシンガポールの2倍だ。しかし、市場のチャンスはシンガポールよりも大きい。基盤となる地域社会は世界でもっとも優れ、交通システムは世界一だ。空港と鉄道を結ぶシステムにより投資計画がつくりやすくなる」
 ――日本では依存症への懸念が強いです。
 「一般の日本人の印象がとても否定的だ。依存症のコストや経済効果がはっきりしないともいわれる。私たちは米国での経験を伝えている。科学的知見を提供できるし、支援機関や学術機関とも協力している。教育や治療に資金提供もしている」
 ――資金洗浄(マネーロンダリング)に使われるといった犯罪面の不安もあります。
 「米ラスベガスの多くの施設で犯罪率が低下した。施設のある地域が持続可能でないならば私たちは持続可能な企業といえない。その点は自信がある。米JPモルガンと同じような金融機関とみられ、厳しく規制されてもいる」(聞き手は編集委員 瀬能繁)


時事通信 (2017/02/22-17:33)
カジノ大手、日本に熱視線=「1兆円投資」の声も
 世界のカジノ運営大手が日本に熱視線を送っている。昨年12月のカジノ解禁を柱とする統合型リゾート(IR)推進法の成立を受け、香港の証券会社が21、22日に東京都内のホテルで開いたIRに関する機関投資家向けのイベントには、大手4社の経営者が集結。日本市場への参入にそろって意欲を示した。
 「カジノ王」として知られる米大手ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長兼最高経営責任者(CEO)は「究極のビジネスチャンスだ」と強調。解禁されれば、100億ドル(約1.1兆円)の投資を検討していることを明らかにした。
 マカオのメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼CEOは「投資額の上限は設けない」と表明。米MGMリゾーツ・インターナショナルのジェームズ・ムーレン会長兼CEOは「IRには大きな経済効果がある。多様性のある日本各地への観光の玄関口になる」と語った。
 政府は年内にIRの制度設計などを盛り込んだ実施法案をまとめ、国会に提出する方針。国内ではギャンブル依存症や犯罪の増加などへの懸念から慎重論が根強いが、カジノ運営大手のアピールには早くも熱がこもっている。


毎日新聞2017年2月17日 西部朝刊
密着けいざい
カジノルポ/上 日本市場狙う黒船 米大手「1兆円投資したい」 本場ラスベガス、人気頭打ち
 カジノを含む統合型リゾート(IR)整備推進法が成立した昨年12月15日。米ラスベガスに本拠を置くカジノ運営大手、ウィンリゾーツのマット・マドックス社長は、日本市場開拓に向けたパートナー探しのために東京を訪れていた。大手金融機関や商社の幹部らに自社のカジノ開発プランを売り込むと、「他社にはないデザインとサービスだ」と反応は上々。そんな中、IR法成立の一報を受けたマドックス社長は「目指すゴールは我々も日本も同じだ」と日本上陸への手応えを感じ取った。
 米カジノ大手が進める市場開拓の主戦場は、日本を含めたアジアだ。近年では最大手のラスベガス・サンズやウィンなどがマカオやシンガポールで事業を開始。背景には米国内でのカジノ人気の頭打ちがある。きっかけは2008年のリーマン・ショック。米国のカジノ中心地、ラスベガスのカジノビジネスの売上高はピークの07年には65億ドル(約7400億円)だったが、16年は58億ドルにとどまった。カジノ大手は新たな成長市場を求めている。
 1月初旬、ラスベガスでは世界最大の家電見本市CESが開かれていた。会場の五つ星ホテル・アリアは出展企業やメディアの関係者でごった返し、夜になると参加者の多くが巨大カジノに吸い込まれていく。じゅうたんを敷き詰めた廊下を行くと照明を抑えたフロアにリズミカルな音楽が響き、カードゲームのテーブルやスロットマシンがずらりと並ぶ。「このテーブルの1回のかけ金は1000ドルが上限だよ」。ディーラーの笑顔が射幸心をあおる。常連客なら1泊1万ドルする最上階の超豪華スイートに無料で泊まれるという。
 カジノが今でもラスベガスのビジネスの中心にあることは間違いない。だが建物のスペースは広大な施設の1割に満たず、劇場やショッピングモール、レストラン、展示会場や会議室のほうが目立つ。ネバダ州の調査ではホテルや物販、劇場などの16年の売り上げは112億ドルとカジノの倍近くに拡大し、着実に成長を続けている。
 カジノ大手が日本進出で狙うのは、こうしたカジノを核としたホテル、物販、劇場などのIRの“輸出”だ。
 「いよー! カジノでがっぽがぽ。ああ、すってんてん」。昨年5月、米ラスベガスで初めての歌舞伎公演が開かれ、市川染五郎さんが三味線のリズムに合わせて舞った。主催したのは米カジノ大手、MGMリゾーツ。歌舞伎公演は日本進出への意欲をアピールする場でもあった。
 同社は14年に日本法人を設立。開発担当役員、エド・バワース氏は「日本企業やファンドと共同で大阪か横浜、東京に95億ドル(約1兆円)を投資したい」とジャパンマネーへの期待を隠そうともしない。
  ◇  ◇
 ギャンブル依存症への懸念から、日本ではカジノアレルギーが根強い。にもかかわらず、水面下では「日本版カジノ実現」に向けた動きが確実に進みつつある。ラスベガスでカジノの今を追った。【土屋渓】


毎日新聞2017年2月18日 東京朝刊
密着けいざい
カジノルポ/下 依存症リスク高く 米の高齢者、カジノ施設で自殺 運営会社の規制が鍵
 「高齢の夫妻がカジノの駐車場から飛び降り自殺」。1月4日、米ラスベガスの地元紙のウェブサイトにこんなニュースが掲載された。60代の夫婦は金銭トラブルを抱えていたという。
 米ネバダ州ラスベガスでギャンブル依存症問題に取り組むNPO「ネバダギャンブル依存症協議会(NCPG)」のキャロル・オヘア事務局長は「孤独な高齢者ほどギャンブル依存症になるリスクが高い。借金を重ねても人に言えず、自殺に至るケースも多い」と指摘する。ギャンブル依存症とはストレスなどの解消手段として賭け事をやめられない中毒性の病気だ。多額の借金で家庭崩壊に至るケースも多い。各国で成人の約1~2%が依存症とされ、カジノが数多くあるネバダ州は、それより2~3倍高いという。
 NCPGは24時間態勢で電話相談を行っている。本人や家族に医療機関やカウンセリング機関、州内に数百ある患者同士の互助団体を紹介する。相談件数は年間約800件だが、オヘアさんは「電話してくる人は氷山の一角。本人や家族が症状を自覚して自ら行動するしかない」という。
 NCPGは州の資金援助を受けて予防策にも力を入れる。中学や高校、教会など地域の集まりに出向いてギャンブルの仕組みや遊び方、依存症のリスクを教えている。日本の状況についてオヘアさんは「パチンコは小さなカジノと同じ。すぐに対策が必要だ」と指摘する。厚生労働省の調査では、日本人は成人の5%近い536万人にギャンブル依存症の疑いがある。
 カジノ業界が資金を拠出して、依存症の調査や治療の研究を行う全国組織「NCRG」のアラン・フェルドマン会長は「カジノを含む統合型リゾート(IR)導入を機に規制や教育体制を強化すれば、依存症の割合は下がる可能性もある」と指摘する。2010年にIRが開業したシンガポールでは、自国民に7000円程度の入場料を課し、本人や家族の申告があれば入場できなくする制度を導入。多額の借金履歴があるケースなども入場規制の対象にした。この結果、依存症の割合は08年の1・2%から14年には0・2%に減った。
 ラスベガスでは不正監視も厳重だ。MGMリゾーツが運営する「アリア」では施設全体に監視カメラを1800台、カジノはさらに専用カメラ1400台を設置。地下の監視室で専門スタッフが客の手札や仕草までを常時監視して不正を防ぐ。責任者は「監視されているからこそ安心して遊べる。スポーツなど他のイベントより安全だよ」と語る。マネーロンダリング対策として当局への高額取引の報告義務もある。
 日本では昨年12月にIR整備推進法が成立した。9日には日本維新の会が、パチンコも含めたギャンブル依存症対策法案を国会に提出。政府は17年度中にも運営基準などを定めた実施法案を国会に提出し、成立すれば、設置場所を決める公募を始める。
 ただ、収益重視の米カジノ大手は多くの集客を期待し、入場料規制などには消極的とされる。IR問題を研究する静岡大の鳥畑与一教授は「運営会社をどこまで規制できるかが大きな課題だ」と指摘している。【土屋渓】

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