2017-06-15(Thu)

加計学園問題  各紙社説等(9)  文書再調査 内閣府も対象に

「加計」文書で文科省が再調査 なぜ内閣府は調べない  安倍首相はなぜ自ら調査せぬ  遅きに失した方針転換

<各紙社説・論説・主張>
宮崎日日新聞)加計文書再調査 ◆解明へ関係者の国会招致を◆(6/14)
信濃毎日新聞)加計学園問題 内閣府も調査が必要だ(6/14)
西日本新聞)加計問題再調査 徹底解明する気はあるか(6/14)
毎日新聞)「加計」文書で文科省が再調査 なぜ内閣府は調べない(6/13)
北海道新聞)「加計」再調査 官邸、内閣府も対象に(6/13)

山陰中央新報)加計文書再調査/徹底的な検証が必要だ(6/12)
沖縄タイムス)[「加計」再調査]内閣府含め真相究明を(6/12)
しんぶん赤旗)「加計学園」疑惑 安倍首相はなぜ自ら調査せぬ(6/11)
熊本日日新聞)「加計文書」再調査 遅きに失した感は否めず(6/11)

朝日新聞)「加計」再調査 今度こそ疑念に答えよ(6/10)
東京新聞)「加計」再調査 「首相の意向」の究明を(6/10)
信濃毎日新聞)加計学園文書 洗いざらい公表し解明を(6/10)
南日本新聞)[「加計文書」調査] 遅きに失した方針転換(6/10)




以下引用



宮崎日日新聞 2017年6月15日
社説:加計文書再調査 ◆解明へ関係者の国会招致を◆


 岡山の学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り「総理のご意向」などを記録した文書が明るみに出た問題で、松野博一文部科学相は再調査を表明した。文書内閣府との協議内容などを文科省側で書き留めた形になっているが、松野文科相は5月に「存在を確認できない」とする調査結果を公表。野党が求める再調査を拒否していた。
 しかし今年1月まで文科事務次官だった前川喜平氏が記者会見して「文書は本物」と断言。報道機関の取材に文科省の現役職員たちからも「省内で共有していた」などの証言が相次ぎ、世論の反発が高まっていた。
政府の対応は不誠実
 方針転換は遅きに失した感はあるが、きちんと省内を調べれば文書は出てくるだろう。問題はその後だ。国家戦略特区制度の下で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人が獣医学部新設の事業者に選定されるまでの過程で特別扱いされたり、行政がゆがめられたりすることはなかったか-を徹底的に検証する必要がある。
 証人喚問に応じる意向を示している前川氏はもとより、文科省や内閣府など関係府省で特区制度に関わった担当幹部らを国会に呼び、詳細な証言を積み上げることが求められる。その上で「行政がゆがめられたことはない」との政府の主張が信用に値するかを国民が判断することになろう。
 加計学園問題で政府の対応は不誠実極まりない。獣医学部新設に慎重だった文科省に対し、特区担当の内閣府が「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っていること」を盾に「早期開学」を迫ったとする文書を民進党が入手。追及を強めると、文科省は省内調査を実施すると発表した。
 ところが1日足らずの調査で「存在を確認できなかった」と早々に結論を出した。個人のパソコンは調べていなかった。
不都合な事実隠すな
 松野文科相は「行政文書としては存在していない。個人の文書としても確認されなかった」と説明した。メモを含む個人の文書は保存・公開を義務付ける公文書管理法などの対象外だから個人のパソコンまで調べる必要はないという理屈で押し通そうとした。
 前川氏は昨年秋に担当の専門教育課から説明を受けた際に見せられたと述べており、次官への説明に用いられたのだから立派な行政文書といえるが、菅義偉官房長官は「怪文書」と決めつけた。さらに前川氏への個人攻撃を展開。その後、さまざまな文書や証言が出てきても、「出所不明なものは調査しない」と繰り返していた。
 森友学園問題では、財務省が省内規則に基づき国有地売買を巡る面会・交渉記録を廃棄したとし、詳しい説明を拒み続けた。役所が不都合な事実を隠して、ひたすら「問題ない」と言いつのるありさまをまたも見せつけられ、国民の不信は高まっている。
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信濃毎日新聞 (2017年6月14日)
社説:加計学園問題 内閣府も調査が必要だ


 学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡る問題で、政府は内閣府再調査しようとしない。行政がゆがめられたのではないかと疑われているのに、相変わらず解明に後ろ向きだ。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学園の計画である。政府の国家戦略特区制度を活用して愛媛県今治市に設ける。2018年4月に開学すれば、52年ぶりの獣医学部新設となる。
 内閣府から「官邸の最高レベルが言っていること」などと伝えられたとする文部科学省の記録文書については、前川喜平前事務次官が「確実に存在していた」と証言している。取材に対して複数の現役職員も存在を認め、文科省はようやく重い腰を上げた。
 文科省に圧力をかけたのではないか―。特区を担当する内閣府は疑惑の当事者だ。当然、再調査すべきなのに菅義偉官房長官は必要性を否定している。山本幸三地方創生担当相も「既に調査して『総理の意向』などとの発言は全くなかったと確認している」とした。
 「加計学園ありき」を疑わせる事実が明らかになっている。今治市が開示した職員の出張記録などによると、内閣府は学部の新設方針が決まるまでに、公式な会議とは別に少なくとも13回、今治市と特区について協議していた。現地視察もしている。
 同じく学部新設を要望していた京都府とは対応に差がある。京都府の担当者は、同様の協議が4回だったとする。内閣府側が現地を訪れることもなかったという。
 開学時期について、公表前に今治市と内閣府が認識を共有していた可能性も浮かんでいる。18年4月開学の方針が公表されたのは昨年11月中旬だ。一方、市は昨年8月の時点で内閣府職員から依頼を受けて作ったスケジュール表に18年4月と明記していた。
 内閣府は「スケジュールを提供したことはない」などと否定の言葉を繰り返すばかりだ。新設申請前の15年4月に今治市の幹部が首相官邸を訪れたとの指摘には「記録が保存されておらず、確認できなかった」とする。
 獣医学部新設は公平、公正に認められたのか。国民が判断するためには、内閣府側の記録も欠かせない。決定までの経緯、文科省や市などとの具体的なやりとりが分かる文書を示す必要がある。
 首相は自民党役員会で「政府として真摯(しんし)に説明責任を果たし、国民に丁寧に説明する努力を積み重ねる」と述べた。ならば、内閣府も再調査すべきである。
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西日本新聞2017年06月14日10時46分
社説:加計問題再調査 徹底解明する気はあるか


 遅きに失したとはこのことだ。学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の国家戦略特区を活用する獣医学部新設を巡り「総理のご意向」などと記した文書の存在を否定していた文部科学省が、一転して再調査をすることになった。
 前川喜平前事務次官や複数の現職職員から存在を認める証言が相次ぎ、世論や野党の厳しい批判に耐えきれなくなったためだ。
 松野博一文科相はきのうの記者会見で、聞き取り対象の職員は計30人近くになり、個人のパソコンも任意で確認すると説明した。しかし、公表時期は明らかにせず「調査が終わり次第、速やかに」と述べるにとどめた。なぜか。
 18日の国会会期末をにらんで結果の公表を遅らせ、野党の追及から逃れるとともに、ほとぼりが冷めるのを待つ‐。そんな思惑ではないかと勘繰られるほど政府や文科省の信用は失墜している。
 特区を担当する内閣府を調査しない点も解せない。文書には加計学園の獣医学部新設が「総理のご意向」であり「官邸の最高レベルが言っている」と内閣府から伝えられたことが記されている。
 ならば、内閣府もきちんと調べるべきだ。ところが、菅義偉官房長官も山本幸三地方創生担当相も調査を否定した。調べると何か困ることでもあるのだろうか。
 既に政府は文書の存在を前提に「実在したとしても、その紙自体が正しいかどうかは次の話だ」(萩生田光一官房副長官)と予防線を張る。職員が勝手に作ったとして一件落着を図る意図なのか。
 再調査すべきは文書の存否にとどまらない。文書の記述に象徴されるように、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の計画に官僚が忖度(そんたく)を加えたのか、あるいは首相自ら何らかの指示をしたのかという点こそが問題の核心である。公平・公正であるべき行政が、ゆがめられたのではないかということだ。
 首相は「徹底的な調査」を文科相に指示したという。文科省による内部調査だけでどこまで真相に迫れるのか。疑問は尽きない。
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毎日新聞2017年6月13日 東京朝刊
社説:「加計」文書で文科省が再調査 なぜ内閣府は調べない


 追い込まれた末に、強気一辺倒の姿勢を変えざるを得なくなったということだろう。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる問題で、大きな焦点となってきた文部科学省の内部文書について、同省がようやく再調査に乗り出した。
 ただし国会会期末(18日)が迫る中での再調査だ。松野博一文科相は調査の方法や公表時期も明言していないが、そもそも時間のかかる性質のものではない。早急に結果を公表する一方、国会は延長して十分な時間を取って解明を進めるべきだ。
 内閣府側が「総理のご意向」などと語り、獣医学部の早期開学を文科省に迫ったと記された文書に対し、当初、菅義偉官房長官は「怪文書」と呼び、文科省も先月の調査で「確認できなかった」と結論づけた。
 しかも前川喜平・前文科事務次官が「文書は本物」と証言した後も、松野文科相は「出所不明」であり、「政策決定過程に関してのものは公表しない」とまで説明していた。
 姿勢が一転したのは、現職の文科省職員も報道機関に対し文書の存在を証言し始める中、このままでは近づく東京都議選で与党に悪影響を及ぼすとの思いもあるようだ。
 だが、決定過程を示す文書を再調査すること自体、松野氏らの説明がご都合主義だったと認めているのに等しい。
 調査後の対応も危ぶまれる。
 萩生田光一官房副長官は「文書が実在したとしても、正しいかどうかは次の話だ」と早くも語っている。内閣府側は「文書のような話はしていない」と否定し続けるのかもしれない。だとすれば文科省は文書を捏造(ねつぞう)したというのだろうか。
 ことは安倍晋三首相の友人が理事長を務めているから、計画は同学園に有利に進み、行政がゆがめられたのではないかという問題だ。
 再調査は首相の指示だったと政府は強調している。政権全体の問題だと認識しているのなら、なぜ内閣府も関連の文書が残っていないかどうかを調査しないのか。関係者の再聴取をしないのか。理解に苦しむ。
 文科省の文書の存在を認めても、やっと解明のスタート台につくに過ぎない。文科省だけに責任を押しつけても、解明は進まない。
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北海道新聞  2017/06/13 08:50
社説:「加計」再調査 官邸、内閣府も対象に


 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る問題で、「総理の意向」と記された文書の再調査を松野博一文部科学相が表明した。
 政府はこれまで「文書の存在が確認できない」としてきたが、解明が不十分とみる世論に押される形で方針を転換した。遅きに失したとはいえ、当然の決定だ。
 ところが山本幸三地方創生担当相は同じ日の記者会見で、内閣府としての調査はしないと述べた。
 学部新設の前提である国家戦略特区を担当し、文科省に圧力をかけたとの疑いが持たれる内閣府を調べずに、全容は解明できまい。
 官邸からは「文書が出てきたからといって何か変わるということはない」との声も聞かれる。本気で真相を究明する気があるのか。
 安倍晋三首相は「徹底的な調査」を口にした。ならば官邸、内閣府も対象に、第三者の目も交えた公正な調査を尽くすのが筋だ。
 体裁を整えるだけのお手盛り調査を、繰り返してはならない。
 この問題では文科省が最初の調査で「文書が確認できなかった」と発表した後、省内での文書共有を示すとみられるメールを民進党が公表、複数の現職職員も存在を証言し、疑念は深まっている。
 政府としても「怪文書」と片付けるだけでは、持ちこたえられなくなったと判断したのだろう。
 気になるのは政府内に「厳正調査を言い続ければ、問題もそのうち下火になる」との見方があることだ。疑問を糊塗(こと)するのが前提だとすれば、再調査の意味がない。
 政府がここにきて方針を修正した背景には、東京都議選の告示を23日に控え、加計問題の影響を最小限にとどめたい思惑もあろう。
 政府・与党は当初、国会の会期延長を極力避け、早めに論戦を収めて波及を抑えようとした。ところが予想外の証言などが続いて問題が長期化し、再調査を掲げた時間稼ぎに転じたとの見方がある。
 自民党と民進党はこの問題をめぐり、参院予算委の集中審議を開くことで合意していたが、与党側は党首討論との取引を持ち出すなど、先送り姿勢ものぞかせる。
 だが政府の再調査の真意に疑問符が付く以上、国会が究明の手を緩めてはならない。官邸や内閣府を含むすべての関係者を、証人喚問や参考人招致で呼ぶべきだ。
 国民の疑念は、首相の個人的な人間関係が何らかの形で特区選定に影響を与え、行政の公平性がゆがめられたのかという点にある。文科省のみを形ばかり調べるだけでは、その問いに答えられまい。
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山陰中央新報 ('17/06/12)
論説:加計文書再調査/徹底的な検証が必要だ


 岡山の学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り「総理のご意向」などと記録した文書が明るみに出た問題で、松野博一文部科学相は再調査を表明した。文書は内閣府との協議内容などを文科省側で書き留めた形になっているが、松野文科相は5月に「存在を確認できない」とする調査結果を公表。野党が求める再調査を拒否していた。
 しかし今年1月まで文科事務次官だった前川喜平氏が記者会見して「文書は本物」と断言。報道機関の取材に文科省の現役職員たちからも「省内で共有していた」などの証言が相次ぎ、世論の反発が高まった。このため安倍晋三首相や菅義偉官房長官らが対応を協議し、方針転換せざるを得ないと判断したようだ。
 遅きに失した感はあるが、きちんと省内を調べれば文書は出てくるだろう。問題はその後だ。国家戦略特区制度の下で、安倍首相の友人が理事長を務める学校法人が獣医学部新設の事業者に選定されるまでの過程で特別扱いされたり、行政がゆがめられたりすることはなかったかを徹底的に検証する必要がある。
 証人喚問に応じる意向を示している前川氏はもとより、文科省や内閣府など関係府省で特区制度に関わった担当幹部らを国会に呼び、詳細な証言を積み上げるべきだろう。その上で「行政がゆがめられたことはない」との政府の主張が信用に値するかを国民が判断すればいい。
 加計学園問題で政府の対応は不誠実だと言われても仕方ない。獣医学部新設に慎重だった文科省に対し、特区担当の内閣府が「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っていること」を盾に「早期開学」を迫ったとする文書を民進党が入手。追及を強めると、文科省は省内調査を実施すると発表した。
 ところが高等教育局長や大臣官房審議官ら7人から聞き取りを行い、担当部局の共有フォルダーをチェックするなど1日足らずの調査で「存在を確認できなかった」と早々に結論を出した。個人のパソコンは調べていなかった。このとき松野文科相は「行政文書としては存在していない。個人の文書としても確認されなかった」と説明した。
 行政文書は公文書管理法などで保存・公開が義務付けられ、職員が職務上作成し組織的に用いると定義される。このため公式文書なら共有フォルダーに保存されているはずで、メモを含む個人の文書は法の対象外だから個人のパソコンまで調べる必要はないとの理屈で押し通そうとした。
 前川氏は昨年秋に担当の専門教育課から説明を受けた際に見せられたと述べており、次官への説明に用いられたのだから立派な行政文書といえるが、菅官房長官も「怪文書」と決めつけた。さらに天下り問題で辞任した前川氏への個人攻撃を展開。その後、さまざまな文書やメール、証言が出てきても、文科相とともに「出所不明なものは調査しない」と繰り返した。
 森友学園問題でも、財務省が省内規則に基づき国有地売買を巡る学園側との面会・交渉記録を廃棄したとし、それを盾に詳しい説明を拒み続けた。役所が不都合な事実を隠し、ひたすら「問題ない」と言い募るありさまに国民の不信は深まっている。政府はそれを肝に銘じるべきだ。
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沖縄タイムス 2017年6月12日 07:45
社説:[「加計」再調査]内閣府含め真相究明を


 松野博一文部科学相が一転して再調査に乗り出すことを表明した。政府の国家戦略特区を活用した学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、「総理の意向」などと記載された文書の調査についてである。
 文科省は当初、限られた幹部と共有ファイルを調査しただけで「存在を確認できなかった」と結論付けていた。なぜ方針転換したのだろうか。
 1月まで事務方トップを務めた前川喜平前事務次官が記者会見して「確実に存在していた」と証言。さらに、ここに来て文科省の複数の現職職員が「省内で共有していた」ことを次々明らかにしているからだ。
 再調査を拒否し続けた政府の姿勢が世論の強い反発を浴び、安倍晋三首相や菅義偉官房長官らが再調査に追い込まれたというのが実情である。
 安倍首相は「徹底的に調査するよう指示した」ことを明らかにした。松野氏も「国民の声に真(しん)摯(し)に向き合い、徹底調査をする」と話している。
 現職職員らが証言していることから文書はすぐに見つかるのは間違いない。問題はこれからである。前川氏が証言したように、国家戦略特区に加計学園の獣医学部新設が決定する過程で「行政の在り方がゆがめられた」ことはなかったのかということである。
 安倍首相が自ら「腹心の友」と呼ぶのが加計学園の理事長である。官僚の忖度(そんたく)はなかったのか、官邸側の意向がはたらかなかったのか、解明する必要がある。文書確認は真相究明の始まりと位置付けるべきだ。
■    ■
 再調査に向けた政府と文科省の姿勢は本物だろうか。その場しのぎの再調査表明ではないかとの疑念が拭えない。
 というのは、松野氏は調査期限や公表時期も示さず、第三者による調査も否定しているからだ。文科省の身内による再調査は、当初の調査のずさんさからみて、もはや信頼できない。
 安倍首相の指示にしてもこの間、「怪文書」扱いにし、再調査を拒否し続けたのは官邸ではなかったのか。安倍首相や菅官房長官が前川氏の証言に対しまともに答えず、人格攻撃に出たのは、問題の本質をそらす「印象操作」そのものだった。猛省すべきだ。
 特区を所管する山本幸三地方創生担当相は内閣府では再調査しない意向を早々と示している。納得がいかない。安倍首相はやましいことがないのであれば、内閣府にも徹底調査を命じるべきである。
■    ■
 前川氏は、文書にある「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」などと発言したのは国家戦略特区を担当する内閣府審議官と名指ししている。首相補佐官から「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」との発言があったことも証言している。
 国会は終盤を迎えているが、うやむやにすることは許されない。前川氏は国会で証人喚問に応じることに前向きである。前川氏の証言や関連文書などに登場する内閣府や文科省などの幹部らがいる。今国会で証人喚問して真相を明らかにすべきだ。
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しんぶん赤旗 2017年6月11日(日)
主張:「加計学園」疑惑 安倍首相はなぜ自ら調査せぬ


 安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の愛媛県今治市での獣医学部開設をめぐり、首相らの関与があったのではないかという疑惑は、「総理のご意向」と書かれた文書や関係者の証言などが次々明らかになっているのに、肝心の首相らが国会での追及に答えようとせず、疑惑は深まる一方です。国民の批判を浴び、文部科学省はようやく文書の再調査を表明しましたが、期日などは不明確で、内閣府は再調査を拒否したままです。首相が依然解明に後ろ向きなのは、まさに“痛い腹”を探られたくないためです。
“痛い腹”探られたくない
 安倍首相や山本幸三内閣府・地方創生担当相らは、「加計学園」の獣医学部開設を「通常の手続き」「民主党政権時代から検討してきた」などと説明しますが、地方の要望で決まる「構造改革特区」と首相が議長の「特区諮問会議」がトップダウンで決める「国家戦略特区」とは首相権限の強さは違います。今治市の「加計学園」獣医学部は長期間設置が決まらなかったのに安倍政権が2012年に復活し、15年末に今治市が「国家戦略特区」に指定されたとたん一気に加速したもので、それだけでもうさん臭さは十分です。
 急速に進んだのは、16年8月の安倍政権の内閣改造で山本氏が大臣に就任した後で、9月から10月にかけ、「獣医学部新設は総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと内閣府が発言したとする文書が文科省で作られました。菅義偉官房長官は「怪文書」と決めつけ、松野博一文科相はその場しのぎの調査で文書を否定しましたが、当時の前川喜平・文科次官が「本物」と認め、その後も文書が添付されたメールが文科省内の複数の職員に送られていたことや省内の共有フォルダにも文書があったことが明らかになり、ごまかしが通用しなくなりました。これまで再調査さえ拒否してきた首相や官房長官らの不誠実な態度が厳しく問われます。
 内閣府が「総理のご意向」などと文科省に圧力をかけたほぼ同じ時期、「加計学園」の理事も務めていた木曽功内閣官房参与や首相側近の和泉洋人補佐官が、前川次官らに手続きを早くするよう働きかけていたことも判明しました。「総理が言えないから私が言う」と前川氏に発言したとされる和泉氏は「覚えていない」などと言い訳していますが、発言そのものは否定しておらず、和泉氏を呼んで確かめれば明らかになることです。安倍首相自身の説明責任とともに、前川氏、木曽氏、和泉氏などの国会喚問が不可欠です。
「フレンド・ファースト」
 首相官邸と内閣府に押し切られた文科省は事実上「加計学園」1校に絞って獣医学部開設を受け付け、8月までには結論を出そうとしています。「規制緩和」どころか潤ったのは「加計学園」1校だけで、文字通り「加計学園」ありきの国政の私物化です。
 「加計学園」には今治市が37億円の土地を提供し県と市が総事業費のうち96億円を負担します。国有地払い下げ価格を9億円近く値引きした「森友学園」よりはるかに巨額です。安倍首相の「腹心の友」のために政治をゆがめた「フレンド・ファースト」の政治は根本からただされるべきです。
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熊本日日新聞 2017年06月11日
社説:「加計文書」再調査 遅きに失した感は否めず


 学校法人「加計[かけ]学園」の獣医学部新設計画を巡る文書について、松野博一文部科学相は存否を再調査すると表明した。文科省の前川喜平前事務次官に加え、同省の現役職員も文書の存在を認めている。これ以上、再調査を拒めば世論の反発が強まるばかり、と判断したのだろう。だが、遅きに失した感は否めない。再調査を形だけに終わらせれば国民の不信感はいや増す。徹底的な検証が必要だ。
 5月中旬に明らかになった一連の文書は「総理の意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと記され、政府の国家戦略特区制度に基づき獣医学部新設を早期に実現できるよう促す内容だった。菅義偉官房長官は文書に日付や作成者の記載がないなどとして「怪文書」と切り捨て、松野文科相も発覚から1日足らずの調査で「存在を確認できなかった」とした。
 政府が早期の幕引きを意図していたのは明らかだが、その後、前川氏が記者会見で「文書は本物」と明言。それ以降も省内メールの外部流出や現役職員の証言などがあり、疑念は募る一方となった。ところが、政府は一貫して「出所が分からないものは調査しない」と主張。菅氏は天下り問題で辞任した前川氏への個人攻撃を執拗[しつよう]に展開した。政府の対応は不誠実極まりないものと言えよう。
 前回の調査は高等教育局長ら7人から聞き取りを行い、担当部局の共有フォルダーをチェックしただけで、職員個人のパソコンは対象としなかった。再調査もおざなりに済ませばさらなる内部告発を呼び、政権を揺るがす事態に発展することも考えられる。政府は肝に銘じて臨むべきだ。
 一方で、特区制度を担当する内閣府が再調査を実施しないというのは理解に苦しむ。文書は内閣府との協議内容を文科省側が書き留めた形になっている。多角的な検証が欠かせまい。
 当然、証人喚問も必要となろう。既に応じる意向を示している前川氏はもとより、文科省や内閣府など関係府省で関わった担当幹部らを国会に呼び、詳細な証言を積み上げることが不可欠だ。
 重要なのは、この問題の本質を見誤らないことだ。文書が意味しているのは、安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園に便宜を図るよう、行政がゆがめられた可能性である。あくまで政府が「公正公平」と主張するのならば、自ら積極的に疑惑を解消する姿勢を見せるべきだ。不都合な事実にふたをしたまま、逃げ切ることは許されない。
 懸念は18日までの今国会の会期だ。政府、与党内には野党の追及をかわすためにも早く閉じたいとの本音が見え隠れする。一方で、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の確実な成立を期そうと、10日前後の延長を模索する動きもあるようだ。だが、同法案の審議も十分とは言えまい。加計問題の疑惑解明を進めるためにも、思い切った会期延長が必要ではないか。
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朝日新聞 2017年6月10日05時00分
(社説)「加計」再調査 今度こそ疑念に答えよ


 遅きに失したとは、まさにこのことだ。加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向」文書などについて、松野文部科学相が再調査を表明した。
 朝日新聞がその存在を報じてから3週間余。この間、政権の対応は、国民を愚弄(ぐろう)するもの以外の何物でもなかった。
 菅官房長官は「怪文書」と切り捨て、文科省は短期間の調査で「存在を確認できなかった」と幕引きを図った。前川喜平前次官らが文書は省内で共有されていたなどと証言し、それを裏づけるメールのコピーを国会で突きつけられても「出所不明」と逃げの姿勢に終始した。
 突然対応を変えたのは、強まる世の中の批判に、さすがに耐えきれないと判断したのか。
 あきれるのは、文科相が「安倍首相から『徹底した調査を速やかに実施するよう』指示があった」と説明したことだ。
 怪文書呼ばわりしたうえ、前川氏に対する人格攻撃を執拗(しつよう)に続け、官僚がものを言えない空気をつくってきたのは首相官邸ではないか。反発が収まらないとみるや、官房長官は「再調査しないのは文科省の判断」と責任転嫁も図った。
 こんなありさまだから、再調査に対しても「情報を漏らした職員を特定する意図があるのでは」と疑う声が出ている。
 また「徹底した調査」と言いながら、文科省に「ご意向」を伝えたとされる、国家戦略特区担当の内閣府の調査は不要だというのは納得できない。
 特区は首相肝いりの政策であり、国民が知りたいのは、そこに首相の個人的な思いや人間関係が入り込んだか否かにある。行政が公正・公平に行われたことを説明する責任は政権全体にあり、内閣府についても調査を尽くすのは当然である。
 再調査では、前川氏をふくむ関係者に協力を依頼するのはもちろん、以下のような取り組みが求められる。
 まず、信頼性を担保するために外部識者を調査に加えることだ。このような場合、第三者にすべて委ねるのが筋だ。それが難しいとしても「外の目」の存在は必須だ。文科相は消極的だが、世間では常識である。
 次に、調査を最大限急ぐことだ。拙速はよくない。しかし、国会は会期末が迫る。再調査を口実に、ずるずる日を過ごすようなまねは許されない。
 そして調査結果がまとまったら、首相らも出席して報告と検証の国会審議を行うことが不可欠だ。そのための会期延長も検討されてしかるべきだ。
 政権の姿勢が問われている。
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東京新聞 2017年6月10日
【社説】「加計」再調査 「首相の意向」の究明を


 獣医学部新設をめぐり、文部科学省が省内で作成したとされる文書の再調査をする。国民の声が後押ししたというなら、安倍晋三首相の意向が働いていたのか否かを含め、徹底的に究明すべきだ。
 公平、公正を期すべき行政判断が「首相の意向」を盾に歪(ゆが)められたのではないか。国民として当然の疑問に答えざるを得ない状況に政権は追い込まれたのだろう。
 首相の「腹心の友」が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部を愛媛県今治市に新設する計画である。
 内閣府から文科省に「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」と働き掛けたとする文書が明らかになってからも、安倍政権は出所や入手経路が明らかにされていないとして、詳しい調査を拒んできた。
 松野博一文科相は再調査の理由を「国民から文科省に追加的調査が必要だろうとの声が寄せられ総合的に判断した」と説明した。
 国民の声に応えるのは当然としても、本来なら自ら進んで究明すべきではなかったか。
 前川喜平前事務次官や複数の現役職員らが文書を省内で共有していたと証言してもなお、再調査を拒んでいた自浄能力の欠如を、まずは反省すべきである。
 究明すべきは文書の真偽にとどまらず、学園理事長と首相との関係が、学部新設をめぐる行政判断に影響を及ぼしたか否かである。
 真相の究明には、文科省に「首相の意向」を伝えたとされる内閣府側の調査も欠かせないが、山本幸三地方創生担当相は、内閣府は追加調査しない意向を表明した。
 多くの国民が疑問を持つに至っているにもかかわらず、調査を拒むとは信じ難い対応だ。内閣府も直ちに調査を始め、国会による調査にも真摯(しんし)に対応すべきである。
 政府の国家戦略特区諮問会議が昨年「獣医学部設置の制度改正」を決めた際、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」学部新設を認めると、文言が修正されたことも分かっている。
 なぜ、獣医学部がない四国に計画する加計学園以外の大学を排除するような修正が行われたのか。学園理事長と首相との親密さは本当に無関係だったのか。
 この問題は安倍政権の強権ぶりのみならず、日本政治の在り方をも問うている。通りいっぺんの調査でなく、徹底究明が必要だ。国会は関係者の証人喚問も含めて、国政調査権を存分に行使すべきときである。それが国民の期待だ。
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信濃毎日新聞 (2017年6月10日)
社説:加計学園文書 洗いざらい公表し解明を


 ごまかし続けるのは限界―との判断か。
 学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡る文書について、松野博一文部科学相が再調査を表明した。
 これまで「入手経路が明らかにされていない」として再調査の要求を拒んできた。こんな言い分が通るわけがない。実施するのが当然で、遅すぎる決定だ。
 もう一方の当事者である内閣府でも改めて調査し、事実関係を明らかにする必要がある。
 政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に獣医学部を設ける計画だ。学園は安倍晋三首相の友人が理事長を務める。
 問題の文書は5月中旬に判明した。早期開学について、特区を担当する内閣府から「官邸の最高レベルが言っていること」などと伝えられたと記されている。問題が明るみに出た直後の調査で文科省は「存在を確認できなかった」と結論付けていた。
 一転、きのうの閣議後記者会見で松野氏は「国民の声に真摯(しんし)に向き合い、追加調査をする」と述べた。首相に申し入れたところ「徹底した調査を速やかに実施するよう」指示されたという。言葉通りに進めなくてはならない。
 まずは早期の公表だ。事務方のトップだった前川喜平前事務次官が「確実に存在する」と記者会見で証言した。複数の現役職員も取材に対し、省内で共有していたことを認めている。見つけるつもりになれば、それほど手間取るとは思えない。
 追加調査の具体的な範囲や方法を今後、検討するという。国会は18日の会期末が迫っている。時間稼ぎは許されない。
 調査の仕方も問われる。現に取り上げられている文書の確認だけでは足りない。前川氏は「行政がゆがめられたと思っている」とも語った。内閣府をはじめ関係省庁との間でどんなやりとりがあったのか、経過が分かる文書を洗いざらい公表すべきだ。
 納得できないのは、内閣府側の対応である。山本幸三地方創生担当相は、再調査しない意向を示した。文科省の再調査について「私がコメントすることではない」と述べている。当事者でありながらまるで人ごとだ。
 萩生田光一官房副長官は、実在したとしても「書かれたことが正しいかどうかは次の話だ」と述べている。文書が確認されても、知らぬ存ぜぬで押し切ろうというのか。関係者の証人喚問など徹底解明が必要だ。中途半端な形で幕引きにさせるわけにはいかない。
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南日本新聞 ( 2017/6/10 付 )
社説: [「加計文書」調査] 遅きに失した方針転換


 あまりにも遅きに失した政府の方針転換である。
 国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、「総理の意向」などと記載された文書の存在について、松野博一文部科学相が再調査を表明した。
 安倍晋三首相から「徹底した調査を速やかに実施するよう」指示があったという。世論の反発を受け、政権の足元を揺るがしかねない状況に追い詰められた末の決断だろう。
 文書は内閣府が文科省に計画手続きを促す内容で、先月17日に表面化した。菅義偉官房長官は「怪文書」と切り捨て、松野文科相も「存在が確認できなかった」とする調査結果を2日後に公表した。
 しかし、前川喜平前文科次官が「確実に存在した」と会見で証言した。複数の文科省職員もこれに続き、報道機関に存在を認めた。
 それでも政府は「出所や入手経路が明らかにされていない」と強弁し、存在の確認や内容の再調査は「必要ない」との立場を崩さなかった。
 疑惑解明に及び腰な政府の態度に、野党に加えて与党内からも批判や疑問の声が上がり始めたのは当然である。
 文科省は先月、担当職員7人に聞き取りを行い、資料を共有する電子フォルダなどを調べた。この調査結果は疑問視されていただけに、今回は職員個人のパソコンも含めて徹底的な調査が不可欠だ。
 前川氏や複数の職員の証言を取り合わなかった政府の姿勢は、公益通報制度の精神にも反する。官公庁でも企業でも、内部告発による自浄作用を十分に機能させてこそ、組織の健全性が保たれる。
 菅官房長官は前川氏の証言後の会見で、次官時代の「出会い系バー」通いを批判した。告発者の素行を批判して信用をおとしめ、文書は信ぴょう性を欠くと印象づける思惑が透ける。政権のスポークスマンの振る舞いとして、大いに疑問がある。
 前川氏や文科省職員にとって、官邸の不誠実な姿勢に耐えかねた捨て身の告発だったに違いない。政府は文書の存在確認はもちろん、内閣府からの働きかけと文科省の対応の詳細を解明し、速やかに公表すべきだ。
 硬直化した岩盤規制に穴を開ける国家戦略特区制度の性質を考えれば、政治主導で計画が進むこと自体は不思議ではない。問われているのは、そこに公平性や透明性が担保されているかどうかだ。
 真相解明への消極姿勢を続ければ、「不都合な真実」を隠蔽(いんぺい)する意図が疑われるばかりである。
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