2017-06-18(Sun)

加計学園問題  各紙社説等(11)  「幕引き」は納得できぬ

政権の言葉が信用できぬ   「うそ」放置は許されない  深まる疑惑の徹底解明求める

<各紙社説・論説・主張>
東奥日報)文科省文書の検証尽くせ/加計問題再調査結果 (6/17)
秋田魁新報)加計問題集中審議 真相解明は政府の責任 (6/17)
岩手日報)存在した「加計文書」 「幕引き」は納得できぬ (6/17)
新潟日報)加計文書 政権の言葉が信用できぬ (6/17)
福井新聞)「加計疑惑」文書存在 閉会中審査で解明すべき (6/17)

山陰中央新報)加計問題再調査/疑念残したままにするな (6/17)
愛媛新聞)加計問題再調査 深まる疑惑の徹底解明求める (6/17)
徳島新聞)「加計」巡る再調査 ようやく結果は出たが (6/17)
高知新聞)【加計再調査】真相は見えないままだ (6/17)
佐賀新聞)加計問題再調査  文科省文書の検証尽くせ (6/17)

熊本日日新聞)加計文書再調査 記載内容の真偽未解明だ (6/17)
南日本新聞)「加計」再調査 真相解明はこれからだ (6/17)
琉球新報)加計「総理の意向」 「うそ」放置は許されない (6/17)
沖縄タイムス)「総理の意向」文書]再々調査で検証尽くせ (6/17) 




以下引用



東奥日報 2017年6月17日(土)
社説:文科省文書の検証尽くせ/加計問題再調査結果


 加計学園が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、松野博一文部科学相は「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記録したとされる一連の文書が再調査で確認されたと明らかにした。個人メモやメールも含め計14の文書が担当課や個人のパソコンに残っていたという。
 民進党などが入手した文書は19あり、大半が「怪文書」ではなく、文科省内で作成・保存されていたことが裏付けられた。萩生田光一官房副長官から獣医学部新設を認める要件の修正で指示があったようだと記載したメールも新たに見つかった。この修正で、加計学園以外の申請は事実上不可能になったとされる。
 内閣府も調査結果を公表。続いて参院予算委員会の集中審議で野党が追及を強める中、安倍晋三首相は友人が理事長を務める加計学園の学部新設計画について「具体的に指示をしたり、働き掛けをしたことはない」と述べた。
 しかし否定を重ねるだけでは、疑念を解消できない。文書の内容について検証を尽くし、国民がその真偽を見極めるのに必要となる判断材料を十分提供することが求められる。国会が閉じても、閉会中審査で解明を継続すべきだ。
 獣医学部新設に慎重だった文科省に首相周辺や内閣府が設置認可の手続きを早めるよう働き掛けを強めていたとの疑念は今も残されたままだ。松野文科相は文書の真偽について判断を示さなかったが、再調査の聞き取りで「総理のご意向」文書などを作成したとみられる担当者は「こうした趣旨の発言があったと思う」と話したという。その真意まで突き詰めなかったというが、文科省側が押し込まれているとの認識を持ったのは想像に難くない。
 山本幸三地方創生担当相は急きょ内閣府の調査結果を発表し「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」とし、獣医学部の新設要件の修正についても「私が判断した」と述べた。だが、この説明をすんなり受け入れるのは容易でない。文書の内容を否定するため調査の体裁を取り繕ったともみられるからだ。
 ここで解明を打ち切るのは許されない。実際に「総理のご意向」があったか、官僚が忖度(そんたく)して動いただけか、そして行政の公正公平が損なわれることはなかったかをしっかり見定めなければならない。
ページのトップへ戻る



秋田魁新報 2017年6月17日 9時20分
社説:加計問題集中審議 真相解明は政府の責任


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画に関し、官邸からの指示や官僚の忖度(そんたく)はなかったのか。参院予算委員会で昨日、集中審議が行われたが、わずか3時間という短いやりとりで、疑問は解消されなかった。
 野党は、新設計画の扱いについて「公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられた」と批判した文部科学省の前川喜平前事務次官の参考人招致を求めたが、自民党は応じなかった。政府、与党には疑念を払拭(ふっしょく)しようという姿勢が感じられない。
 国会閉会直前というタイミングで短い審議を行い、事実関係をうやむやにしたまま幕引きを図ろうというのであれば許されない。政府は国民への説明責任を自覚し、徹底的に真相を解明すべきだ。
 国家戦略特区への獣医学部新設計画について、これまでは、「総理のご意向」などと記された文書の存否が焦点になっていた。存在が指摘された19文書のうち、文科省の再調査で14文書が省内の共有フォルダーなどにあることが判明。焦点は書かれた内容の真偽に移った。
 確認された主な文書やメールの内容をまとめるとこうだ。2018年4月の獣医学部開設はスケジュール的に難しそうだと心配する松野博一文科相の指示で、担当者が特区を所管する内閣府に問い合わせると、「『最短距離で規制改革』を前提としたプロセスを踏んでいる状況であり、これは総理のご意向だと聞いている」との回答を受けた。
 さらに、内閣府審議官との打ち合わせでも文科省側は「逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」と求められた。特区諮問会議に提出する文書の文案に、同審議官の指示で修正が加えられたが、指示は「審議官曰(いわ)く、官邸の萩生田(光一)副長官からあったようです」という。
 集中審議で野党は、修正により新設計画が加計学園に限定され、初めから加計学園ありきだったのではないかなどと追及。萩生田氏や審議官は「指示していない」と内容を否定、安倍首相も「個別具体的な指示をしたことはない」と述べた。
 特区担当の山本幸三地方創生担当相は、打ち合わせなどに関する内閣府側の記録は残っていないと答弁したが、文科省側が細かく文書を残していたことを考えれば、にわかには信じ難い。本当に内閣府に文書が残っていないのか文科省並みに調べ、内容を突き合わせるべきだ。
 いずれ、「怪文書のようなもの」とまで言われた文書が本物であることが分かった。ならば書かれた内容も「本物」と考えるのが自然だろう。真相解明に後ろ向きな政府、与党の姿勢が、国民の不信感を増幅させている。前川氏ら関係者の証人喚問に応じ、事実を明らかにしてもらいたい。
ページのトップへ戻る



岩手日報 (2017.6.17)
論説:存在した「加計文書」 「幕引き」は納得できぬ


 「隠すより現る」。物事は隠そうとすれば不自然さが目立ち、かえって他人に知られてしまうということわざが、これほどぴったりくる事例もない。
 学校法人「加計学園」が政府の国家戦略特区制度を活用して計画した獣医学部新設に関する文書が、会期末ぎりぎりになって文部科学省の再調査で見つかった。
 文科省が特区担当の内閣府から「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と伝えられた文書も含む。松野博一文科相は前回調査で存在を否定していた。いいかげんな調査で済ませてきた同省の責任は大きい。
 公表された文書には、萩生田光一官房副長官が獣医学部新設を認める条件を、加計学園に有利なように修正を指示したという生々しいメールもある。
 萩生田官房副長官は否定。16日になって山本幸三地方創生担当相が自らの判断で条件を追加したことを明らかにしたが、その真偽も、なぜその判断が必要だったのかもはっきりしない。
 一方、内閣府も調査結果を発表し、文書にある発言をした職員はいないとした。では文科省の文書は偽りなのか。16日に参院予算委員会で集中審議が行われたが、1日だけでは真相が見えない。
 この日で今国会は事実上閉幕。疑惑を解明せずに幕引きするなら、国民から厳しい批判を浴びるだろう。閉会中審査を行って究明すべきだ。
 この問題への政権の対応は異常ともいえるものだった。「総理のご意向」文書が明らかになると、菅義偉官房長官は「怪文書」と切り捨てた。前川喜平前文科事務次官が存在を証言すると、人格攻撃にも等しい表現で証言の信頼性を否定し続けた。
 過剰な反応はかえって疑惑を招く。加計学園の理事長が安倍晋三首相の友人であることは紛れもない事実。それによって行政がゆがめられたのか否かが最大の焦点だ。曇りがないならば、初めから丁寧に説明すればいい。
 いつか見た風景だ。南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の「日報」は当初、廃棄したとしていたが、実は存在していた。その内容は、「駆け付け警護」の新任務付与を左右しかねない重大なものだった。
 この政権は、不都合なことは隠そうとしているとしか思えない。加計学園問題で問われているのは、政治の公正さだ。国民の信頼が失われれば政治は成り立たない。
 しかし、「1強」にあぐらをかくうちに国民の負託を受けて絶大な権力を預かっている自覚と謙虚さを忘れたのではないか。不誠実な対応は政治不信を招くばかりだ。
ページのトップへ戻る



新潟日報 2017/06/17
社説:加計文書 政権の言葉が信用できぬ


 安倍政権の言うことは信頼に足るのか。不都合を隠蔽(いんぺい)しようとしていたのではないか。疑念を募らせた国民も少なくないはずだ。
 16日に開かれた参院予算委員会の集中審議では疑問が一層深まった。事実の解明へ、さらなる調査が不可欠である。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める岡山市の学校法人「加計(かけ)学園」の国家戦略特区への獣医学部新設計画を巡り、内閣府が文部科学省に早期開学を促したとされる文書はあった。
 文科省の再調査で、特区担当の内閣府側発言として「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」と書かれたものなど14の文書が省内に存在していたことが分かった。
 先月、文書が発覚した直後、松野博一文科相は文書の存在は確認できないとする省内調査の結果を公表していた。
 それが覆った。最初の調査はアリバイ作りだったのか。ずさんな調査で疑問を封印しようとしたとも見える。松野文科相の責任は免れまい。ところが、その自覚は乏しいようである。
 文書があった以上、次は「総理のご意向」などの記述の真偽が問題と考えるのが当然だ。政策がゆがめられたかどうかに関わる重要なポイントだからだ。だが文科相はそこに踏み込まなかった。
 文科省の再調査を受け、もう一方の当事者といえる内閣府も文書を巡り調査を行った。
 戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相は、「総理のご意向」などと発言した職員はおらず、裏付ける文書も見つからなかったとの結果を発表した。
 両者の食い違いは、真相がまだ明らかになっていないことの証左といえる。
 新たな疑問も浮上した。萩生田光一官房副長官が文科省に、獣医学部新設条件の修正を指示したことをうかがわせるメールが明らかになった。
 修正により加計学園に有利になったとの指摘もある。萩生田氏は否定し、指示したのは山本担当相とされるが、文科省の混乱を見れば素直に納得できない。
 内閣府と獣医学部新設予定地の愛媛県今治市が、新設方針の決定前に10回以上協議していたことも分かっている。
 それにしても依然理解できないのは、この問題を巡る政権や与党の態度である。
 文書の発覚当初、菅義偉官房長官は「怪文書」と切り捨てた。文書の存在を明言した前川喜平前文科事務次官への人格攻撃発言もあった。前川氏は証人喚問に応じる姿勢にもかかわらず与党は消極的な姿勢に終始した。
 「共謀罪」法の成立を急いだのも、加計文書問題が長引き、23日告示の都議選にマイナスになることへの懸念があったとされる。大半の国民に関係ない地方議会選挙を国政と絡めるのはおかしい。
 自らの正当性は強調するが、異論や疑問は封じ込めようとする。加計文書を巡る問題は、安倍政権の独善的体質への反省を厳しく迫るものでもある。
ページのトップへ戻る



福井新聞 2017年6月17日 午前7時30分
論説:「加計疑惑」文書存在 閉会中審査で解明すべき


 【論説】学校法人「加計(かけ)学園」が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記したとされる文書の存在が文部科学省の再調査で確認された。
 これを受け16日の参院予算委員会などで野党が追及を強めたが、文科省の文書と内閣府の主張の食い違いがあらわになっただけで、「加計学園ありき」の疑惑は払しょくされないままだ。国会を閉じても閉会中審査で解明すべきだ。
 解せないのは内閣府の対応だ。文科省が再調査結果を発表したのを受け急きょ、内閣府でも調査を行った。その結果、山本幸三地方創生担当相は「官邸の最高レベル」「総理のご意向」との発言をした内閣府職員はいないとした。
 文科省側が「真意は分からない」としながらも「こうした趣旨の発言はあったと思う」としたのを真っ向否定した形だ。文書と職員のヒアリングのどちらが正しいのか真偽を確かめる必要がある。
 さらに、昨年11月の国家戦略諮問会議で「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る」との要件が出され、今治市で計画する加計学園に絞り込まれたとされる件では、文科省の文書には、修正を指示したのは「官邸の萩生田(光一官房)副長官」とある。
 しかし、山本氏は「私が判断した」と述べ、メールの送信者について「文科省からの出向職員で、陰に隠れ本省にご注進したもの」と語気を荒らげた。自らが所管する組織の職員をスパイ扱いするのはいかがなものか。経緯を明らかにすべきだ。内閣府の調査自体が、文書を否定するため取り繕ったとしか思えない。
 安倍晋三首相は参院予算委で「個別具体的に指示したことはない。法律にのっとった意思決定だったことに一点の曇りもない」などと強調。国会の事実上の閉会日に集中審議に応じたのも自らの主張を印象づけたかったからではないか。NHKの直近の内閣支持率は3ポイント減の48%、不支持率は6ポイント増の36%。機を見るに敏なりだろう。
 だが、これで幕引きでは国民は納得しないし、許されるはずがない。今治市が野党の情報公開請求に応じて開示した文書などには、かなり早い時期から「加計ありき」で進められてきたことがうかがえるものも含まれている。行政の公正公平が損なわれることがなかったのか、しっかり解明しなければならない。
 そのためにも、閉会中審査の場に、「文書は本物」と証言した前川喜平前文科次官、文科省や内閣府で関わった担当者らを呼ぶ必要がある。再調査などに関して首相は「対応に批判があることについて真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。「国会が決めること」などと逃げずに、閉会中審査を自ら主導すべきだ。
ページのトップへ戻る



山陰中央新報 ('17/06/17)
論説:加計問題再調査/疑念残したままにするな


 加計学園が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、松野博一文部科学相は「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記録したとされる一連の文書が再調査で確認されたと明らかにした。個人メモやメールも含め計14の文書が担当課や個人のパソコンに残っていたという。
 民進党などが入手した文書は19あり、大半が「怪文書」ではなく、文科省内で作成・保存されていたことが裏付けられた。萩生田光一官房副長官から獣医学部新設を認める要件の修正で指示があったようだと記載したメールも新たに見つかった。この修正で、加計学園以外の申請は事実上不可能になったとされる。
 内閣府も調査結果を公表。続いて参院予算委員会の集中審議で野党が追及を強める中、安倍晋三首相は友人が理事長を務める加計学園の学部新設計画について「個別具体的な指示をしたり、働き掛けをしたりしたことはない」と述べた。しかし会期末ぎりぎりまで、まともな調査をしようとしなかった政府に対する不信は根強い。
 否定を重ねるだけでは、疑念を解消できないだろう。文書の内容について検証を尽くし、国民がその真偽を見極めるのに必要となる判断材料を十分提供することが求められる。国会が閉じても、閉会中審査で解明を継続すべきだ。
 今回の文書確認で、獣医学部新設に慎重だった文科省に首相周辺や内閣府が設置認可の手続きを早めるよう働き掛けを強めていたとの疑念はより深まった。松野文科相は文書の真偽について判断を示さなかったが、再調査の聞き取りで「総理のご意向」文書などを作成した担当者は「こうした趣旨の発言があったと思う」と話したという。
 その真意まで突き詰めなかったというが、文科省側が押し込まれているとの認識を持ったのは想像に難くない。さらに「萩生田副長官から指示があったようです」とし、加計学園に有利になるよう獣医学部の新設要件が修正された経緯を説明したメールも出てきた。
 要件は最終的に「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る」となり、これに当てはまる事業者は、今治市で計画を進める加計学園に絞り込まれたと指摘されている。山本幸三地方創生担当相は急きょ内閣府の調査結果を発表し「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」とし、修正についても「私が判断した」と述べた。
 だが山本担当相の説明をすんなり受け入れるのは難しいだろう。世論の反発に追い込まれる形で文科省が再調査を表明したときも、内閣府は動かなかった。それが一連の文科省文書が出てくると一転、調査を始めた。文書の内容を否定するため調査の体裁を取り繕ったようにも見える。
 ここで「問題ない」と解明を打ち切れば、国民の疑念は残ったままになる。本当に行政の公正公平が損なわれることはなかったのかをしっかり見定めるためにも、「文書は本物」と証言した前文科次官の前川喜平氏はもちろん、文科省や内閣府などで加計学園の計画に関わった担当者、幹部らを閉会中審査の場に呼び、詳しい証言を求めることが必要だろう。
ページのトップへ戻る



(愛媛新聞)2017年6月17日(土)
社説:加計問題再調査 深まる疑惑の徹底解明求める


 疑惑は一層深まっている。国会閉幕の時間切れを狙い、真実を明らかにしないまま幕引きを図ることは断じて許されない。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省が一転して「総理の意向」などと記された文書の存在を認めた。さらに、今治市に限定する新設要件の起案に、安倍晋三首相に近い萩生田光一官房副長官が関与していたことをうかがわせるメールも公開した。国家戦略特区の選定を巡り、公平性を欠いたのではないかとの疑惑の核心に触れる重大な資料だ。
 だが、昨日の参院予算委員会の集中審議でも文科省と内閣府の言い分は食い違い、メールの真偽は明らかにされなかった。問題の本筋は文書の有無ではなく、「腹心の友」が理事長を務める加計学園に決めるため、首相の関与や官僚の忖度(そんたく)によって「行政がゆがめられた」かどうかである。国会はあす会期末を迎えるが、国民が納得できるまで、徹底検証しなければならない。閉会中審査や関係者の証人喚問も強く求めたい。
 新たなメールは、新設を認める条件を記した文書の原案を事前調整する内容で、藤原豊内閣府審議官の発言として、萩生田氏から「広域的に存在しない地域に限る」と修正するよう指示があったと記載されている。この修正によって、今治市と並んで京都で設置を希望していた京都産業大は申請の断念を余儀なくされた。事実上加計学園だけが残れる仕組みに変えられた重大なポイントだ。
 萩生田氏は指示を否定し、山本幸三地方創生担当相は自らの判断で条件を付けたと述べた。一方で、事業者が決まる以前から加計学園ありきで計画が進んでいたとうかがえる状況が、今治市が開示した文書などによって次々浮かび上がっている。選考に当たって中立性はどう担保されたのか、政府には具体的に説明する責務がある。
 安倍首相は集中審議で「個別具体的に指示したことはない」と繰り返した。そうだとしても周囲が首相の名をかたって行政に不当に介入しているとしたら首相の監督責任は免れず、うやむやにはできないはずだ。
 政府はこれまで文書が明らかになるたび「怪文書」扱いして切り捨ててきた。「確認できなかった」とした最初のずさんな調査に関しては、隠蔽(いんぺい)の意図を疑わざるを得ない。今回の発表も国会閉幕直前。世論の反発をにらみ、調査の「実績」を残した上で早々に収拾させ、国民が忘れるのを待つ思惑が透ける。
 告発した前川喜平前文科事務次官への執拗(しつよう)な個人攻撃に加えて、調査のさなかには、義家弘介文科副大臣が、文書の存在を証言した職員に関して守秘義務違反での処分を示唆。口封じの脅しとも受け取れる言動は全く看過できない。不公正な行為を表に出し、改善していこうとする「公益通報者」の身分を守った上での、中立的な第三者による調査を改めて実施すべきだ。
ページのトップへ戻る



徳島新聞 2017年6月17日付
社説:「加計」巡る再調査 ようやく結果は出たが



 これで国民は納得するだろうか。不信感がますます深まったといえる。
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡って、文部科学省が再調査結果を公表した。国家戦略特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したとされる19の文書のうち、14の文書が省内にあったとしている。
 文書の存在が指摘されてから約1カ月。文科省が「確認できない」としてきた文書はやはり存在した。
 前回調査のずさんさとともに、「怪文書」と切り捨てるなど再調査を否定してきた菅義偉官房長官の対応のまずさも改めて浮き彫りになった。
 国会会期末を控えて、十分な説明をしないまま、幕引きを図ろうとした姿勢は厳しく問われよう。
 政府は当初から、この問題と真摯(しんし)に向き合うつもりはなかったと言わざるを得ない。
 文書の発覚後、前川喜平前文科事務次官が「昨年9~10月に部下から受け取ったものと同じ文書」と証言し、現役職員も追認した。
 省内で文書を共有したとするメールの存在も明らかになったが、政府は再調査を否定し続けた。
 安倍晋三首相も「(加計学園の)理事長は昔からの友人だが、政策に影響を与えたというのは印象操作だ」と反論し、前川氏に対しては「(次官当時に)なぜ反対しなかったのか」と批判した。
 政府は、かたくなに文書の存在を認めようとせず、記載内容の真偽の解明に後ろ向きな態度を示してきたことを大いに反省すべきである。
 もとより、文書の存在が確認されただけで終わる問題ではない。肝心なのは、「総理の意向」などと記された内容の真偽であり、行政が不当にゆがめられた事実がなかったのかという点だ。
 今回、文科省の再調査で新たに発覚した内閣府から送られたメールには、萩生田光一官房副長官の指示で新設条件の文言が修正されたとする記述があった。
 だが、萩生田氏や内閣府はメールの内容を否定した。
 内閣府の調査結果では、「総理の意向」などと発言した職員はいないとしている。しかし、文科省職員が省内で共有する文書に書き残している以上、疑問が解消されたとは言い難い。
 両者の調査結果が、食い違ったままでは真相の解明はおろか、政治に対する国民の信頼が失われるばかりだ。政府は検証が不十分なことを認識すべきである。
 きのうの参院予算委員会の集中審議で、安倍首相は、野党が求めている前川氏の国会招致を巡っては「どう審議を進めるかは国会で決めること」として、事実上拒否したが、なぜ招致を受け入れないのか。
 国会は事実上閉幕したが、獣医学部新設計画を巡る問題の解明はこれからである。国民の厳しい目が注がれているのを忘れてはならない。
ページのトップへ戻る



高知新聞 2017.06.17 08:10
社説:【加計再調査】真相は見えないままだ


 国会会期末を前に、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡る問題はさらに疑惑が深まった。
 文部科学省と内閣府が内部文書の新たな調査結果を相次いで発表したが、双方の主張が大きく食い違う内容となった。
 文科省は、内閣府側の発言として「総理の意向」などと書かれた文書が存在することをようやく認めた。対する内閣府は「発言した者はいない」と結論付けた。
 学園の理事長は安倍首相の「腹心の友」とされる。最大の問題は、手続きに官邸の働き掛けや官僚の忖度(そんたく)があったかどうかだが、松野文科相は問題はないとしている。
 疑惑の真相は依然、見えないままだ。文科省の前事務次官が「行政がゆがめられた」とまで発言した問題である。このまま幕引きになることは許されない。
 文科省は、5月の調査では文書の存在を完全否定していた。前事務次官や現職の職員が存在を認めたが、松野氏はかたくなに再調査を拒否してきた。
 世論の批判によって再調査を余儀なくされた結果が今回だ。担当職員は聞き取りに対し、内閣府側から総理の意向とする趣旨の「発言があったと思う」と回答したという。
 松野氏は対応を謝罪したが、最初の調査がいかにずさんであったかが分かる。
 内閣府の調査は文科省の再調査結果を受けて急きょ実施された。多くの部分で文科省の公表内容を否定したが、内閣府側の文書などは示しておらず説得力を欠いている。
 山本地方創生担当相は文科省文書は「作成者の受け止めを記したものと考えられる」とも述べた。文科省の担当職員に責任を押し付けるかのような発言だ。
 獣医学部の新設は50年以上認められてこなかった。加計学園は国家戦略特区の制度を利用し、愛媛県今治市に設置を目指している。
 特別に認めるのだからこそ、公正公平で慎重な審査が求められるが、加計学園ありきと疑われても仕方がない文書や証言は少なくない。調査結果を信用したとしても、両府省は意思疎通も不十分なまま手続きを進めていたことになる。
 こうした疑問に対し、政府の対応はあまりに不誠実だ。
 菅官房長官は文書を「怪文書」と切り捨て、前事務次官の個人攻撃までした。自民党の高村副総裁は野党の追及を「げすの勘繰り」と表現した。義家文科副大臣は、省内の内部告発者が国家公務員法違反に問われる可能性も指摘した。
 会期末が迫っての調査や、「共謀罪」法を強引に成立させた混乱の中で発表したことも、政権の姿勢が疑われよう。
 きのう参院予算委員会では集中審議が行われたが、疑問は募るばかりだ。学部新設の条件を記した文書を加計学園が有利になるよう加筆した疑いも出ている。国会の閉会中審査は不可欠だ。
ページのトップへ戻る



佐賀新聞 2017年06月17日 05時00分
論説: 加計問題再調査  文科省文書の検証尽くせ


 加計学園が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡り、松野博一文部科学相は「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記録したとされる一連の文書が再調査で確認されたと明らかにした。個人メモやメールも含め計14の文書が担当課や個人のパソコンに残っていたという。
 民進党などが入手した文書は19あり、大半が「怪文書」ではなく、文科省内で作成・保存されていたことが裏付けられた。萩生田光一官房副長官から獣医学部新設を認める要件の修正で指示があったようだと記載したメールも新たに見つかった。この修正で、加計学園以外の申請は事実上不可能になったとされる。
 内閣府も調査結果を公表。続いて参院予算委員会の集中審議で野党が追及を強める中、安倍晋三首相は友人が理事長を務める加計学園の学部新設計画について「個別具体的な指示をしたり、働き掛けをしたりしたことはない」と述べた。しかし会期末ぎりぎりまで、まともな調査をしようとせず、幕引きを急ぐ政府に対する不信は根強い。
 否定に否定を重ねるだけでは、疑念を解消することはできない。文書の内容について検証を尽くし、国民がその真偽を見極めるのに必要となる判断材料を十分提供することが求められる。国会が閉じても、閉会中審査で解明を継続すべきだ。
 今回の文書確認で、獣医学部新設に慎重だった文科省に首相周辺や内閣府が設置認可の手続きを早めるよう働き掛けを強めていたとの疑念はより深まった。松野文科相は文書の真偽について判断を示さなかったが、再調査の聞き取りで「総理のご意向」文書などを作成した担当者は「こうした趣旨の発言があったと思う」と話したという。
 その真意まで突き詰めなかったというが、文科省側が押し込まれているとの認識を持ったのは想像に難くない。さらに「萩生田副長官から指示があったようです」とし、加計学園に有利になるよう獣医学部の新設要件が修正された経緯を説明したメールも出てきた。
 要件は最終的に「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る」となり、事業者は、これに当てはまる今治市で計画を進める加計学園に絞り込まれたと指摘されている。山本幸三地方創生担当相は急きょ内閣府の調査結果を発表し「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」とし、修正についても「私が判断した」と述べた。
 だが山本担当相の説明をすんなり受け入れるのは難しい。世論の反発に追い込まれる形で文科省が再調査を表明したときも、内閣府は全く動かなかった。それが一連の文科省文書が出てくると一転、調査を始めた。文書の内容を否定するため調査の体裁を取り繕ったとしか見えないからだ。
 ここで「問題ない」と解明を打ち切るなど許されない。実際に「総理のご意向」があったか、官僚が忖度(そんたく)して動いただけか、そして行政の公正公平が損なわれることはなかったかをしっかり見定めなければならない。
 真相究明に向けて「文書は本物」と証言した前文科次官の前川喜平氏はもちろん、文科省や内閣府などで加計学園の計画に関わった担当者、幹部らを閉会中審査の場に呼び、詳しい証言を求めることが必要になろう。(共同通信・堤秀司)
ページのトップへ戻る



熊本日日新聞 2017年06月17日
社説:加計文書再調査 記載内容の真偽未解明だ


 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省が「確認できない」としてきた文書は再調査の結果、やはり存在していたことが分かった。ただし、問われているのは、文書の存否ではなく「総理の意向」などと書かれた記載内容の真偽であり、これで幕引きとすることは許されない。
 民進党などが示した19文書のうち、個人メモやメールも含め計14の文書が担当課や個人のパソコンに残っていたという。文書の存在が指摘された段階で十分に調査されていなかったことは明らかだ。
 松野博一文科相は、「官邸の最高レベルが言っている」と記載された「内閣府からの伝達事項」という文書や、「総理の意向」と記された「内閣府の回答」という文書は省内で確認されたとしたものの、文書の真偽について判断を示さなかった。しかし、作成したとみられる職員は、聞き取りに「こうした趣旨の発言があったと思う」と話したという。
 山本幸三地方創生担当相も急きょ、内閣府の調査結果を公表。「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」とした。その上で、規制改革全般を後押しする安倍晋三首相の発言に言及することはあったとし、「内閣府職員が時として使用する強い口調」を文科省職員が文書に反映させたのではないかと結論付けた。
 文科省では新たに、加計学園に有利になるよう獣医学部の新設要件が修正された経緯を説明したメールも見つかった。要件を記した文書の原案を事前調整する内容で、内閣府の藤原豊審議官の発言として、萩生田光一官房副長官から「広域的」の文言を追加するよう指示があったと記載されている。これにより、獣医学系大学が存在しない四国の愛媛県今治市で計画を進める加計学園以外の申請は、事実上不可能になったと指摘されている。
 これに対し、山本担当相は、修正は「私が判断した」と述べ、内閣府の担当外の職員が事実関係を確認せず伝聞を記したもので、萩生田副長官の指示はなかったと説明した。
 だが山本担当相の説明をすんなり受け入れるのは難しい。世論の反発に追い込まれる形で文科省が再調査を表明したときも、内閣府は全く動かなかった。それが一連の文科省文書が出てくると一転、調査を始めた。文書の内容を否定するため調査の体裁を取り繕ったとしか見えない。
 参院予算委員会の集中審議で、安倍首相は加計学園の学部新設計画について「個別具体的に指示をしたことはない」と述べた。しかし会期末ぎりぎりまで、まともな調査をしようとせず、幕引きを急ぐ政府に対する不信は根強い。
 行政の公正公平が損なわれることはなかったのか、否定に否定を重ねるだけでは国民の疑念は消えない。文書の内容について検証を尽くし、国民がその真偽を見極めるのに必要な判断材料を十分提供することが求められる。閉会中審査の場で解明を継続すべきだ。
ページのトップへ戻る



南日本新聞 ( 2017/6/17 付 )
社説: [「加計」再調査] 真相解明はこれからだ


 「怪文書」とされた文書が、約1カ月で本物に変わった。まさに奇々怪々である。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、内閣府の幹部が発言したという「総理の意向」と書かれた記録文書など14の文書が、文部科学省の再調査で確認された。
 松野博一文部科学相は陳謝したものの、計画手続きに問題はないとの見解は変えず、菅義偉官房長官も「行政がゆがめられたことは一切ない」と強調した。
 しかし、「ない」とされていた文書が確認されたのである。記載内容の真偽の解明が急務だ。
 安倍首相らが出席して行われた、きのうの参議院予算委員会の集中審議でも真相は解明されず、むしろ疑惑は深まった。
 政府の狙いは、国会の会期末を控えたタイミングで再調査の結果を公表し、時間切れで逃げ切りを図ることに違いない。
 だが、国会は閉幕しても閉会中審査はできる。文書の存在を証言した前川喜平前文部科学事務次官や国家戦略特区を担当する内閣府の担当者らを証人喚問し、事実関係を検証すべきだ。
 文書が明らかになったのは5月17日だ。すぐに菅官房長官は「出どころが明確でない怪文書じゃないか」と切り捨てた。松野文科相も「文書の存在を確認できなかった」と結論づけた。
 しかし、前川氏が「部下から受け取ったものと同じ文書」と証言し、現役職員も追認した。
 野党の追及を受けて実施した最初の調査がずさんだったことは明らかだ。それでも政府は再調査に応じようとしなかった。
 だが、世論の反発の高まりや、来週に迫った都議選告示への影響などを踏まえ、再調査に追い込まれたといえよう。
 内閣府が急きょ、公表した調査結果にも納得できない。文書の中身を否定するために調査の体裁を取り繕ったとしか見えない。
 再調査では、内閣府から文科省に送信された新たなメールの存在も分かった。
 藤原豊内閣府審議官の発言として、萩生田光一官房副長官から「(獣医学部は)広域的に存在しない地域に限る」と修正するよう指示があったと記載されている。
 この修正によって、獣医学系大学が存在しない四国の愛媛県今治市で計画を進める加計学園以外の申請は、事実上不可能になったとみられる。
 政府の一連の対応に国民は不信感を募らせている。幕引きを図ることは許されない。
ページのトップへ戻る



琉球新報 2017年6月17日 06:01
<社説>加計「総理の意向」 「うそ」放置は許されない


 調査結果が食い違うのは、どちらかの調査に「うそ」があるからにほかならない。自浄能力のない組織に任せることはできない。あらゆる手だてを尽くし、真相を徹底解明すべきだ。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画の記録文書を巡り、文部科学省と内閣府の調査結果が異なっている。両者の調査が不十分なことの証しである。
 文科省は再調査で「総理の意向」と記された「内閣府の回答」文書や、「官邸の最高レベルが言っている」との記述がある「内閣府からの伝達事項」文書の存在を確認した。だが、担当の課長補佐は「総理の意向」について「発言者の真意は分からない」としている。発言の真意が理解できないとは、にわかには信じ難い。
 一方、内閣府は職員への聞き取りで「総理の意向」などと「発言した者はいない」と結論付けた。
 事実は一つしかない。文科省、内閣府の言い分の食い違いはあまりにも醜い。いずれかの職員が事実を覆い隠していることは明らかだ。
 国家公務員法は「すべての職員は国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務」することを求めている。関係職員は「一部の奉仕者」であってはならないことを改めて認識すべきだ。国民に「うそ」をつき通すことは許されない。
 「総理の意向」の真偽が不明なままで、幕引きにしてはならない。菅義偉官房長官が言う「怪文書」ではなかったことで、行政への圧力があった可能性は高まった。問題の核心部分である獣医学部新設に「総理の意向」が働いたのかとの疑惑を放置することがあってはならない。行政がゆがめられたと証言した前川喜平前文科事務次官をはじめ、関係者の証人喚問の早期実施は当然だ。第三者機関の公正な調査も必要である。
 文書問題で浮き彫りになったのは、安倍政権の隠蔽(いんぺい)体質だ。その責任は厳しく問われなければならない。
 文書発覚後、不十分な調査で幕引きを図り、再調査を否定した松野博一文科相だけではない。文書を怪文書扱いした菅官房長官、内閣府での再調査を拒んでいた山本幸三地方創生担当相の責任も重大である。どう抗弁しようとも、真相究明に後ろ向きだった事実は覆らない。閣僚失格だと断じるほかない。
 「総理の意向」文書の存在が確認されても、安倍首相は獣医学部新設計画に関して「個別具体的に指示したことはない。法律にのっとった意思決定だったことに一点の曇りもない」と述べている。
 安倍首相は「文書は確認できなかった」との文科省のずさんな先月の調査を正当化していた。自らの関与を否定する安倍首相の言葉を信じる国民が現時点で、どれだけいるだろうか。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2017年6月17日 09:30
社説:[「総理の意向」文書]再々調査で検証尽くせ


 松野博一文部科学相は15日、「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた記録文書が確認されたと発表した。
 政府の国家戦略特区制度を活用した「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る内閣府側の発言である。5月の調査から一転、再調査で文書の存在が明らかになった。
 翌16日、今度は内閣府が調査結果を公表。国家戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相は、このような発言をした職員はいないことを確認したと述べた。 
 両者の言い分は食い違っており、どちらかが嘘(うそ)をついていることになる。なかった発言を記録に残すのは考えにくいというのが、世間一般の受け止め方ではないか。
 これまで政府は一連の文書の存在を認めず、真相究明に及び腰だった。
 最初から「怪文書」と切り捨てた菅義偉官房長官、前回調査で「存在は確認できなかった」と早々と収拾を図ろうとした文科省、調査に否定的だった内閣府、今となっては疑惑にふたをしようとしたとしか思えない。
 世論に押し切られる形で文科省が着手した今回の再調査では、民進党などが入手した19文書のうち14文書が省内にあったことが確認されている。
 「存在しない」としていた文書が確認されたのだから、政権へ不信感が募るのは当然だ。事実に向き合うことなく「怪文書」と切り捨てた責任は厳しく問われなければならない。
■    ■
 文科省の再調査では、萩生田光一官房副長官が獣医学部新設を認める要件の修正を指示したとする新たなメールも見つかっている。「広域的に存在しない地域に限る」との修正により、加計学園以外の申請が事実上不可能になったと指摘されている。
 この修正について萩生田氏は指示を否定、山本担当相は自らの判断で追加したことを明らかにした。
 不可解なのは調査に後ろ向きだった内閣府が文科省文書が出ると、半日で調査を終え結果を公表したことだ。
 文科省と内閣府の調査にこれだけ矛盾があるのだから、内容が本当なのか、忖度(そんたく)が働いていないのかきちんと検証しなければならない。
 国民は行政がゆがめられたのではないか、疑念を持っているのである。「文書は本物」と証言した前川喜平前文科事務次官の証人喚問を含め、関係者を呼び再々調査するのが筋である。
■    ■
 16日の参院予算委員会で山本担当相が、萩生田氏の指示があったとするメールの送信者を「文科省からの出向者で、陰に隠れ本省にご注進した」と非難する場面があった。
 自分たちにとって都合の悪い人物には、人格攻撃を加えるのが政権のやり方なのか。
 問題の核心は獣医学部新設で行政の公正公平が損なわれることがなかったかである。
 数の力による強引な国会運営で、国民の疑問は完全に置き去りにされている。逃げるかのように国会を閉じ、問題の幕引きを図ることは許されない。
ページのトップへ戻る


//////////////////////////////////////////////////
関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 加計学園問題 幕引き 安倍政権 疑惑 文科省

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン