2017-06-19(Mon)

長崎新幹線 JR九州 フリーゲージ導入断念

 「フル規格化」長崎で再燃  佐賀は「負担できぬ」  財政負担など課題に  政府・与党 是非判断へ

長崎新幹線FGT困難、JR九州 コスト懸念
----2022年度に開業予定の九州新幹線長崎(西九州)ルートについて、JR九州が、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入は困難と判断していることが関係者への取材でわかった。FGTは一般の新幹線に比べて2・5~3倍程度のコストがかかると試算されており、収益確保が難しいと判断したとみられる。
 博多―長崎間を結ぶ長崎ルートについては、博多―武雄温泉間は在来線特急を利用し、その先は新幹線に乗り継ぐ「リレー方式」で22年度に暫定開業する予定。幅が異なる在来線と新幹線の線路を走行できるFGTを一部で先行導入し、25年度には全車両をFGTにして全面開業する予定だった。
 しかし、これまでの走行試験で車軸の摩耗が見つかり、コスト高も課題に上がっていた。
(読売新聞 2017年06月15日)

JR九州フリーゲージ導入断念 「フル規格化」長崎で再燃  財政負担など課題に
----JR九州が九州新幹線長崎ルートでのフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を断念する方針を固めたことで、長崎県内では全線を通常の新幹線と同じフル規格での整備を求める声が強まりそうだ。ただ実現には政府・与党、地元での同意が前提。フル規格になれば建設費の一部を負担することになる佐賀県の山口祥義知事は財政負担増に反対の立場で、課題は山積する。
 長崎県では「歓迎したい」(八江利春九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟会長)との声が出ている。JR九州が導入断念を表明すればフル規格化に向けて動きやすくなるからだ。フル規格化の議論が再燃している。

---フル規格化に対し、佐賀県は原則、反対だ。新幹線の建設費用は地元も一定の割合で負担するが、佐賀県は博多駅から距離が近く、フル規格化による時間短縮効果が小さいからだ。
 佐賀県は、フル規格になった場合の建設費の県負担分が800億円に上ると見込む。13日、取材に応じた副島良彦副知事も「(フル規格は)県の負担があまりにも大きい」と述べ、FGTを導入すべきだとの考えを重ねて強調した。
(日本経済新聞 2017/6/14付)




以下引用

佐賀新聞 2017年06月15日 07時21分
リレー方式の固定化回避を 国交相に長崎県知事
新幹線長崎ルート
 長崎県の中村法道知事や県選出国会議員らが14日、国土交通省で、石井啓一国交相と会談した。九州新幹線長崎ルートでのフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)導入を見送る案がJR九州で浮上している件には触れず、開発スケジュールがこれ以上遅れないよう求めるにとどめた。
 2018年度政府予算編成の概算要求に反映させるための要望活動の一環で、各省庁を回った。
 国交省で中村知事は「ネットワークにつながってこその新幹線。リレー方式が固定化されないように」と要望した。FGTが山陽新幹線への直通運行を疑問視されている点や、武雄温泉駅のホームで在来線特急から新幹線に乗り換える22年度の暫定開業時のリレー方式を固定化しないことを念頭に置いた要望で、石井国交相はFGTの開発状況を説明したという。
 農林水産省では、国が諫早湾干拓の堤防排水門を開門しない政治決断をして以降、初めて山本有二農相と中村知事が面会した。山本農相は「心配をかけたが協力に感謝申し上げる。開門によらない基金による和解に向け、さまざまな機会を捉え、関係者の理解を得られるよう真摯(しんし)に努力していくので、協力をお願いしたい」と述べた。


佐賀新聞 2017年06月15日 10時18分
県、戸惑い「断念ない」 フル規格化「負担できぬ」
新幹線長崎ルート FGT見送り案
 九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関してJR九州で導入見送り案が浮上し、佐賀県や沿線自治体の首長からは困惑の声が聞かれた。FGT導入を前提に整備が進められており、断念となれば事業は根本的な軌道修正を迫られることになる。
 「そうした意思決定をした事実はないとJRに確認している」。佐賀県の副島良彦副知事は13日、「JR九州がFGT導入断念」との一部報道に関し記者団に答えた。
 FGTは昨年12月から今年3月まで営業路線で検証走行試験を行っており、5月に開発主体の鉄道・運輸機構から県へ「技術的に大きな課題は上がっていない」と報告があったという。
 武雄温泉駅で在来線と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業することなどを佐賀、長崎県や国などと、JR九州を含む6者で合意しており、副島副知事は「6者合意のまま進んでいると認識している」と強調した。
 FGT断念となれば全線フル規格化の議論が持ち上がる可能性は高い。フル規格化となれば地元負担が800億円以上にもなるとされ、副島副知事は「県として負担できるものではない」と改めて否定した。
 新幹線開業も見据えて佐賀駅周辺整備を進める佐賀市の秀島敏行市長は「新幹線絡みで佐賀駅を整備すると説明してきた。(フル規格化が持ち上がって)今とは違うルートを通るという話になれば、混乱する。内心、穏やかでない部分がある」と戸惑いを隠さない。
 武雄市の小松政市長は「13日から同様の報道があり、14日も市としてJR九州などに事実関係の把握を進めたが、現段階で断念の確認はできていない」とした上で「初夏といわれている技術評価委員会の検証結果に基づく判断を待ちたい」と答えた。
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NHK 6月15日 8時52分
政府・与党 フリーゲージトレイン導入の是非 来月にも判断へ
九州新幹線の長崎ルートに導入が予定されている新型車両「フリーゲージトレイン」について、運行を行うJR九州がコストの面から導入に懸念を示していることから、政府・与党は、これまでの走行試験の結果を踏まえて、来月にも導入の是非を判断する方針です。
博多と長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルートは、新幹線と在来線の線路が混在しており、国土交通省などは、両方を走行できる「フリーゲージトレイン」という新型車両の導入を検討しています。
 しかし、「フリーゲージトレイン」は3年前、車両の走行試験中に複数の台車の車軸付近に傷が見つかり、走行試験が中断したため、開発が大幅に遅れています。
 車両の運行を行うJR九州は、「フリーゲージトレイン」について、車両の維持に通常の新幹線の車両と比べて少なくとも2倍以上のコストがかかると見られることから、安全性を維持すための費用の面で不安があるなどとして、導入に懸念を示しています。
 このため、政府・与党は、「フリーゲージトレイン」について、車両の保守・点検にかかるコストや耐久性などを確認をするため、去年12月から行ってきた走行試験の結果を踏まえ、来月にも導入するかどうか判断する方針です。
 導入を断念した場合、沿線の自治体からは、長崎ルートの全線を新幹線で結ぶいわゆる「フル規格」で整備するよう求める声が強まることも予想されますが、沿線自治体の負担を大幅に増やす必要があり、調整は難航することが予想されます。
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毎日新聞2017年6月15日 西部朝刊
九州新幹線:長崎ルート JR九州、FGT見送り 開発難航、コスト課題
 JR九州が九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)でフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入見送りを固めていることが分かった。高度な技術が必要で開発が難航し、安全性とコスト面で多くの課題を抱えているため。
 FGTはレール幅が異なる新幹線と在来線の両方を車輪の幅を変えることで走行できる新型車両。独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発を進めている。現行のFGTは2014年に実用化へ向け耐久走行試験を開始したが昨年、車軸に摩耗が見つかって中断。不具合対策を施して再び走行試験を実施した後、同機構が台車に異常がないかなどを調査している。
 また、FGTの車両購入の初期投資やメンテナンス費用は、従来の新幹線車両と比べ2・5~3倍程度になり、JR九州幹部は「高コストで実際には使えない」としている。
 長崎ルートは、博多(福岡県)-新鳥栖(佐賀県)を鹿児島ルートと併用し、新鳥栖-武雄温泉(同)は在来線を活用、武雄温泉-長崎(長崎県)はフル規格の新幹線を新設する。FGTの開発の遅れから武雄温泉で在来線特急と新幹線を乗り換える「リレー方式」で22年度に暫定開業する予定。FGTは一部先行導入し、25年度以降には量産車両による全面開業を目指してきた。【石田宗久、神崎修一】


毎日新聞2017年6月15日 西部朝刊
九州新幹線:長崎ルート JR九州、FGT見送り 運行方式不透明に
 JR九州が九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)でフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入見送りを固めたことで、長崎ルートの運行方式が根底からゆらぐことになる。JR九州幹部は「今のところは在来線で武雄温泉まで行き、新幹線に乗り換えるリレー方式を続けるしかない」としている。国と長崎、佐賀両県、JR九州など6者で昨年3月に合意した「リレー方式」はFGT導入が前提だった。今後、沿線自治体や国などとの調整が重要となり、曲折も予想される。【石田宗久、神崎修一】
 FGTの走行試験について、国は今月にも開く専門家委員会の評価を踏まえ、再開するかどうか判断する見込みだ。JR九州の青柳俊彦社長は昨年12月の記者会見で「開発がさらに先に延びるならば、FGTに代わる検討を国の方で進めていただきたい」としていた。
 また、FGTの台車は複雑な構造で、メンテナンスの手間や部品交換のコストもかさむことが予想される。青柳社長は今年5月の記者会見で「効果的な対策は出ていない」と指摘。JR九州は昨年10月に東証1部に上場を果たしており、実質赤字体質である鉄道事業への投資家の視線も無視できない状況にある。
 一方、FGTの導入見送りとなれば、沿線自治体などに与える影響は大きい。FGT開発が順調に進んでも、車両の特殊性からJR西日本の山陽新幹線乗り入れによる新大阪との相互直通運転は難しい。長崎県で全線フル規格化への待望論が再燃している。相互直通運転ができれば、関西の観光需要を取り込む機会にもなるためだ。青柳社長も昨年12月の記者会見で「全線フル規格にという声が地元から出てくることも想像できる」としていた。ただ、全線フル規格化にすると地元負担が増え、佐賀県で費用対効果を巡って議論もある。
________________________________________
 ■ことば
フリーゲージトレイン
 レール幅が異なる新幹線(1435ミリ)と在来線(1067ミリ)の両方を車輪の幅を変えることで走行できる新型車両。時速270キロ以上の安定走行を目標に独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)が開発を進めている。1997年に開発がスタートし、これまでに400億円超の費用が投じられている。
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産経ニュース 2017.6.14 18:33
JR九州、フリーゲージ車見送り案浮上 新幹線長崎ルート
 新幹線区間と在来線区間を組み合わせて計画されている九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)を巡り、両区間を走行できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入を見送る案がJR九州で浮上していることが14日、関係者への取材で分かった。維持コスト高が主な理由で、方針が決まれば長崎ルートの運行方式は不透明になりそうだ。北陸新幹線の延伸ルートでも採用構想があるFGTの開発に影響が出る可能性もある。
在来線と「リレー方式」
 長崎ルートは、博多(福岡)-新鳥栖(佐賀)を現行の九州新幹線と共用、新鳥栖-武雄温泉(佐賀)は在来線を活用し、武雄温泉-長崎はフル規格の新線を建設する計画。在来線と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」による平成34年度の暫定開業と、37年度以降の全面開業を目指している。
 全面開業後の運行車両に位置付けられてきたFGTは「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が開発中。実用化は難航しており、国の専門家委員会は中断している本格的な走行試験再開の可否をこの夏に判断する予定だ。
 だが、JR九州内では開発の遅れへの懸念に加え、複雑な車輪構造に伴い維持・点検費が通常の新幹線の2・5~3倍に上るとされる点から経済性を問題視する意見が強まっている。
 青柳俊彦社長は5月末の記者会見でコスト高に関し「効果的な対策が出ていないのは事実だ」と指摘。昨年12月の会見では、全線フル規格化も検討するよう国に働き掛ける考えを示した。
全線フル規格化は負担大きく
 ただ、全線フル規格化には地元負担の大幅な増額が必要で、時間短縮効果が小さい佐賀県は早くも難色を示す。副島良彦副知事は13日、記者団に「負担できるものではない」と強調した。
 一方、全線フル規格化への期待が強い長崎県では歓迎の声が上がる。長崎県議会の建設促進議員連盟会長を務める八江利春県議は「全線フル規格化に向けて、佐賀県の同意が得られるよう努力していきたい」と話した。
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日本経済新聞 2017/6/14付
JR九州、フリーゲージ導入断念 「フル規格化」長崎で再燃
財政負担など課題に
 JR九州が九州新幹線長崎ルートでのフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を断念する方針を固めたことで、長崎県内では全線を通常の新幹線と同じフル規格での整備を求める声が強まりそうだ。ただ実現には政府・与党、地元での同意が前提。フル規格になれば建設費の一部を負担することになる佐賀県の山口祥義知事は財政負担増に反対の立場で、課題は山積する。
 長崎県では「歓迎したい」(八江利春九州新幹線長崎ルート建設促進議員連盟会長)との声が出ている。JR九州が導入断念を表明すればフル規格化に向けて動きやすくなるからだ。フル規格化の議論が再燃している。
 JR九州の青柳俊彦社長は2016年12月の定例会見で「FGTに代わるものとして全線フル規格化以外のものがあれば可能だが想定できるものはない。フル規格の要望が地元から出てくることは想像できる」と話す。
 ただ、フル規格化に対し、佐賀県は原則、反対だ。新幹線の建設費用は地元も一定の割合で負担するが、佐賀県は博多駅から距離が近く、フル規格化による時間短縮効果が小さいからだ。
 佐賀県は、フル規格になった場合の建設費の県負担分が800億円に上ると見込む。13日、取材に応じた副島良彦副知事も「(フル規格は)県の負担があまりにも大きい」と述べ、FGTを導入すべきだとの考えを重ねて強調した。
 費用対効果の低い新幹線の建設で公費を大量に投じるとなると、県民の理解を得るのは難しいとみている。山口知事は県の負担分が増えなければ認める考えで、国や経済効果の大きい長崎県などが出すスキームができれば容認する意向だが、簡単ではない。
 そもそも新幹線の整備は与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが下部組織の検討委員会での議論をふまえ、計画段階から関与する。予算の確保など政府に事細かな注文を付ける「政治主導」が最も強い分野だ。フル規格化は実現するか分からず、在来線区間を特急列車が走り、武雄温泉駅で新幹線にホーム対面で乗り換える「リレー方式」が長期化しそうだ。
 リレー方式は収益性が低い。地域に最も効果の大きい運行方法は何か。JR九州の事実上の導入“拒否”で、政府・与党の対応が焦点になる。
 ▼フリーゲージトレイン(FGT) 鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発している。線路の幅が違う新幹線と在来線を自由に行き来することができる。本格的な技術開発に着手した1997年からこれまで投じられた開発費は400億円超。国土交通省などは長崎ルートのほか、北陸新幹線でも導入を目指す。


日本経済新聞 2017/6/14付
JR九州、フリーゲージの導入断念 採算見込めず 長崎新幹線 昨年上場、厳しい株主の目
 JR九州は2022年度に開業予定の九州新幹線長崎ルートで、フリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を断念する方針を固めた。車体価格などコストが通常よりも約3倍になるうえ、長崎と新大阪を直通運転することもできない。昨秋に上場し、実質赤字の鉄道事業に株主から厳しい視線を向けられるなか、十分な収益を得られないと判断した。
JR九州が導入を断念する方針を固めたFGT
 FGTは線路の幅が違う新幹線と在来線を行き来できる利便性がある一方、軌間を変換させるために特有の部品を使用することなどから車体価格が高くなる。また、部品交換のために台車の解体が必要で、保守点検も高コストだ。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発し、川崎重工業と日立製作所が試験車両を製作していたが、コストは通常の車体などと比べて約3倍になるとみられる。
 「従前の新幹線と比べ費用がかかるという状況で、効果的な対策が出ていない」。5月、JR九州の青柳俊彦社長は定例記者会見でこのように述べ、FGTの経済性に懸念を表明していた。
 JR九州は長崎ルートでの採用を目指していた。博多から新鳥栖(佐賀県)まで新幹線を走り、新鳥栖から武雄温泉(同県)までは在来線。武雄温泉から長崎までは新幹線を走行する計画だ。
 現状では長崎と新大阪を直接結ぶこともできない。FGTについてJR西日本の来島達夫社長は「山陽新幹線への直接乗り入れは難しい」との見解を示している。FGTの最高速度は時速270キロメートル。「山陽新幹線は同300キロメートル区間で、走行性能が異なる」(来島達夫社長)ためだ。
 山手線や東海道新幹線のようなドル箱路線のないJR九州の17年3月期の鉄道事業は「実力では87億円の赤字」(同社)。長崎ルートの開業が収益の改善につながらなければ、株主から厳しい批判を受けかねない。
 加えて、安全性にも課題が残る。走行試験を始めた直後に不具合が発覚するなど開発は難航している。社内では「万が一事故が起きた際に責任を取るのは我々だ」という意見も根強い。JR九州はこうしたFGTの問題点を説明することで政府・与党や地元自治体から理解を求める考えだ。
 今後長崎ルートの運行方法はどうなるのか。暫定開業する22年度は、博多から武雄温泉まで在来線を特急が走り、武雄温泉で新幹線に乗り継ぐ「リレー方式」で運行することは決まっている。
 JR九州の青柳社長は「今夏に(実用化できると)断定できなければ、対案を示すのが国の仕事だ」と述べ、全線を通常の新幹線と同じフル規格で整備すべきだとの意向を示した。フル規格は収益性は高いが、新幹線の整備に関しては政府・与党や地元に委ねられ簡単には決まらない。このため、リレー方式による運行が長期化しそうだ。
 FGT導入というJR九州にとって“最悪のシナリオ”は脱することになりそうだが、鉄道事業の収支改善に道筋をつけるのはこれからだ。


日本経済新聞 2017/6/13 13:30
長崎新幹線、フリーゲージ車両の導入断念 JR九州
 JR九州は2022年度に開業予定の九州新幹線長崎ルートで、新型車両のフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を断念する方針を固めた。7月にも政府・与党などに正式に伝える。実用化のメドが立たず、安全性や車両コストに課題があると判断した。
 FGTは鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発し、JR九州が採用を目指していた。線路の幅が違う新幹線と在来線を自由に行き来することができるのが特徴だ。
 ただ、走行試験を始めた直後に不具合が発覚するなど開発は難航している。このため、JR九州は16年に安全性が確立できていないとの認識を表明。さらに通常と比べ2.5~3倍とされた車体価格や保守・点検などのコストについても懸念を示していた。
 長崎新幹線は22年度、博多―武雄温泉駅間は在来線区間を特急列車が走り、武雄温泉駅で新幹線にホーム対面で乗り換える「リレー方式」で暫定開業する計画だ。その際、国土交通省などは1編成について直通運転できるFGTを導入し、25年度にFGTによる全面開業を目指している。
 JR九州が自社の判断で導入を見送ることで、今後は地元自治体から全線を新幹線の軌道にする「フル規格」を求める声が高まりそうだ。また、FGTの開発に影響が出る恐れもある。本格的な技術開発に着手した1997年からこれまで投じられた開発費は400億円を超す。国交省などは長崎ルートのほか、北陸新幹線でも導入を目指している。北陸新幹線は雪対策が必要で技術的なハードルは九州よりも高いとみられる。
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朝日新聞デジタル2017年6月14日09時05分
長崎新幹線フリーゲージ断念の方向 安全性や費用ネック
 九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)での新型車両フリーゲージトレイン(FGT)導入について、JR九州が断念する方向で検討していることがわかった。安全性への不安のほか、車両の費用も高く、収益が確保できないとみている。国などにも今後、こうした考えを正式に伝える見通しだ。
• 「フリーゲージ」よりフル規格? 建設中の長崎新幹線
 FGTは、線路幅が違う新幹線と在来線を、車輪の間隔を変えて直通できる新型車両で、国の外郭団体が開発を進めてきた。国や地元自治体などと長崎新幹線への導入でいったん合意しており、JR九州が方針転換するとなれば反発も予想される。
 長崎新幹線は2022年度までに、博多―武雄温泉間を在来線特急が走り、武雄温泉駅で新幹線と乗り換える「リレー方式」で暫定開業の予定だ。FGTは25年度の全面導入を目指していた。
 ただ、400億円超の国費が投入されてきたFGTの開発は、耐久走行試験での不具合などで難航しており、JR九州は安全性を懸念している。維持管理などの費用も一般の新幹線より高く、「効果的なコスト削減策が見つかっていない」(JR九州幹部)。
 ただ、FGTをやめると長崎新幹線の将来像は一気に不透明さが増す。開業時のリレー方式のままで運転することには反発が予想される。博多―長崎間をすべてフル規格にするには財源のめどもなく、佐賀県は地元負担が増えるため難色を示している。
 国土交通省には「JR九州が考える落としどころがわからない」(幹部)との声もあり、今後の協議は難航する可能性がある。
     ◇
 〈フリーゲージトレイン〉 線路幅が異なる新幹線と在来線区間を、車輪の間隔を変えて直通運転できる新型車両。最初の試験車両の完成が1998年で、開発にはこれまでに400億円超の国費が投入されてきた。
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佐賀テレビ2017/06/15 (木) 12:19
JR九州がFGT導入は困難と判断
九州新幹線長崎ルートで導入が検討されている新型車両・フリーゲージトレインについてJR九州が、導入は困難と判断していることが分かりました。
2022年度の暫定開業を予定している長崎ルートでは、線路の幅が違う新幹線と在来線の両方を車輪の間隔を変えて直通できるフリーゲージトレインの導入が検討されています。
しかし、走行実験で不具合が起きるなど、安全面での問題が指摘されているほか、通常の新幹線車両よりも保守や点検に多額の費用がかかると懸念されています。このためJR九州が現時点では実用化のメドが立たず導入は困難だと判断していることが、関係者への取材で分かりました。
JR九州は、来月にも開かれる技術評価委員会での検討の結果をふまえて、導入について最終的に判断する見通しです。

J-CASTニュース 2017/6/14 18:10
フリーゲージ導入は「風前の灯火」 長崎新幹線にさらに暗雲
2022年度の暫定開業を目指している九州新幹線長崎ルート(博多~長崎)の先行きが、さらに厳しくなってきた。
このルートは、在来線と新幹線という、幅が違う2種類の線路を通ることができるフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入がカギだとされてきたが、このFGTの開発が遅れ、導入断念が現実味を帯びているからだ。仮にそうなれば、大幅なコストアップを覚悟で全ルートを新幹線のフル規格で整備するか、在来線とフル規格新幹線の間で乗り換える「リレー方式」のどちらかの選択を迫られる。これまでの計画でも、5000億円の総事業費に対して時間の短縮効果は30分未満。ただでさえ「無駄遣い」の声がある中、さらに新ルートをめぐる声は厳しくなりそうだ。
*現在は「かもめ」が博多~長崎を最速1時間48分で結んでいる
◇総事業費5000億円、短縮効果は28分
長崎ルートは、博多~長崎の全143キロのうち、博多~新鳥栖の約26キロを、すでに開通している九州新幹線鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)と共用し、新鳥栖~武雄温泉の約51キロは在来線の線路を活用。そこから先の武雄温泉~長崎の約66キロは新幹線のフル規格の線路を新設する計画だ。新幹線のレール幅は1435ミリに対して在来線は1067ミリ。FGTの導入で複数の線路を一気に走り、時間短縮とコスト削減を両立させる構想だ。
22年の暫定開業時には、博多から武雄温泉まで在来線車両で走り、武雄温泉で新幹線車両に乗り換えて長崎に向かう「リレー方式」で開業。25年度までにFGTを全面導入して乗り換え解消を目指す。
それでも、新鳥栖駅の改造工事、在来線で単線区間の肥前山口-武雄温泉の複線化などを含めると、総事業費は約5000億円にのぼる。一方で、国交省の試算によると、現行で最速1時間48分の博多~長崎の所要時間は、開業後は1時間20分。30分未満の短縮効果のために5000億円を投じることを疑問視する声も根強い。
FGTは九州内でしか走れない可能性
これに加えて、肝心なFGTの開発が難航している。FGTの開発は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が担当しているが2014年には走行試験中に車軸で不具合が起きて試験が中断。16年11月に開かれた国土交通省の評価委員会でも「耐久走行試験に移行する条件は満たされていない」と判断。17年夏に改めて委員会を開き、耐久走行試験の可否を判断することになっている。
安全面に加えて、経済面での懸念も出ている。FGTは従来の車両に比べて構造が複雑なため、仮に完成したとしてコストは3倍程度になるとみられているためだ。これに加えて、フル規格の九州新幹線鹿児島ルートは新大阪まで乗り入れているのに対して、FGTは九州内でしか走れない可能性が高い。博多~新大阪の山陽新幹線の最高速度は時速300キロだが、FGTの最高速度は270キロ。ダイヤ編成上の問題から、JR西日本が乗り入れに難色を示しているためだ。こういった点を念頭に、JR九州の青柳俊彦社長も記者会見で、繰り返し安全性や経済性への懸念を口にしてきた。
そういった中で、日本経済新聞が6月14日の朝刊で、JR九州がFGT導入を「断念する方針を固めた」、朝日新聞も同日朝刊で「断念する方向で検討していることがわかった」と相次いで報じた。
仮に、この「断念」の検討が本格化すれば、JR九州が取り得る選択肢は大きく(1)新鳥栖~武雄温泉もフル規格で整備する(2)「暫定開業」のまま「リレー方式」を続ける、のふたつだとみられる。前者は数千億円単位の負担増、後者は短縮効果が10分程度に小さくなる結果を招くことになり、いずれも地元の反発を招きそうだ。

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