2017-06-28(Wed)

軽井沢スキーバス事故 バス会社社長ら書類送検

構造的な問題が事故の背景に/再発防止策85項目を実行
“真相”追い求め続けてきた遺族「一歩前に進んだ」 

軽井沢15人死亡バス事故 バス会社社長らを書類送検
----去年1月、大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、警察は、バス会社社長と運行管理担当の元社員が、大型バスの運転に不慣れな運転手への指導を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。死亡した運転手についても、ギアチェンジの操作ミスなどで事故を起こしたとして、過失運転致死傷の疑いで書類送検しました。
(NHK 6月27日 21時48分)

◇“真相”追い求め続けてきた遺族「一歩前に進んだ」 県警が導いた社長らの刑事責任判断に安堵
----15人の若者らの未来を閉ざした長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故から約1年5カ月を経た27日、長野県警は、死亡した運転手だけでなく、バス運行会社の社長と当時の運行管理者も刑事責任があると判断し業務上過失致死傷容疑での書類送検に踏み切った。なぜ、事故は起き、どうすれば防げたのか。国土交通省は再発防止に向けた取り組みを進めているが、遺族はいまなお厳しい姿勢を崩していない。
(産経ニュース 2017.6.27 21:39)

◇構造的な問題が事故の背景に
----バスを運行していた東京の「イーエスピー」が、法令で義務づけられている出発前の点呼を当日行わず、死亡した運転手の健康状態を記した台帳を作成していないなど、運行に関わる多くの法令違反が見つかり、ずさんな安全管理の実態が浮き彫りになりました。
 さらに「イーエスピー」がツアーを企画した旅行会社から、国の基準を下回る安い運賃で受注していたことも明らかになりました。規制緩和で貸し切りバスに多くの業者が参入して受注競争が激化し、旅行会社から仕事をもらう立場のバス会社が受け身になってしまう構造的な問題が事故の背景にありました。
 犠牲になった大学生の家族らは遺族会を結成し、国などに安全対策を求め続け、去年12月、貸し切りバス会社に対する規制強化を盛り込んだ改正道路運送法が成立しました。
(NHK 6月27日 21時48分)

◇国交省 バス事故の再発防止策85項目を実行
----国土交通省はバス事故の後、法律の改正を含む85項目にわたる再発防止策をまとめ、実行しています。
去年1月のバス事故のあと、国土交通省は法律の改正を含む85項目にわたる再発防止策をまとめ、実行しています。このうち去年12月には道路運送法が改正され、貸切バス会社に対する規制が大幅に強化されました。
(NHK 6月27日 15時19分)




以下引用

NHK 6月27日 21時48分
軽井沢15人死亡バス事故 バス会社社長らを書類送検
去年1月、大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、警察は、バス会社社長と運行管理担当の元社員が、大型バスの運転に不慣れな運転手への指導を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。死亡した運転手についても、ギアチェンジの操作ミスなどで事故を起こしたとして、過失運転致死傷の疑いで書類送検しました。
去年1月15日の未明、長野県軽井沢町でスキーツアーのバスがカーブを曲がりきれず道路脇に転落し、乗客の大学生など15人が死亡、26人がけがをした事故で、警察は同型のバスの走行実験などを行い事故原因を捜査してきました。
 その結果、事故で死亡した土屋廣運転手(65)が、現場手前の下り坂でギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かないニュートラルの状態になった疑いがあり、フットブレーキも十分踏み込めなかったことが事故原因だと結論づけたことが警察への取材でわかりました。
 さらにバスを運行していた東京の「イーエスピー」の高橋美作社長(55)と、運行管理担当の荒井強元社員(48)が、土屋運転手が「大型バスの運転は不安だ」と採用面接で話すなど、重大な事故を起こす可能性があると予測できたのに、大型バスの運転技能を十分確認せずに乗務させるなど、適切な指導を怠っていたこともわかりました。
 警察は、高橋社長と荒井元社員を業務上過失致死傷の疑いで、死亡した土屋運転手を過失運転致死傷の疑いで、27日にそれぞれ書類送検しました。
構造的な問題が事故の背景に
事故は、去年1月15日の午前2時ごろに起きました。
長野県軽井沢町の碓氷バイパスで、スキーツアーのバスがセンターラインを越え、時速96キロまで加速して道路脇に転落。乗客の大学生13人と乗員2人の合わせて15人が死亡、乗客26人がけがをしました。
 バスを運行していた東京の「イーエスピー」が、法令で義務づけられている出発前の点呼を当日行わず、死亡した運転手の健康状態を記した台帳を作成していないなど、運行に関わる多くの法令違反が見つかり、ずさんな安全管理の実態が浮き彫りになりました。
 さらに「イーエスピー」がツアーを企画した旅行会社から、国の基準を下回る安い運賃で受注していたことも明らかになりました。規制緩和で貸し切りバスに多くの業者が参入して受注競争が激化し、旅行会社から仕事をもらう立場のバス会社が受け身になってしまう構造的な問題が事故の背景にありました。
 犠牲になった大学生の家族らは遺族会を結成し、国などに安全対策を求め続け、去年12月、貸し切りバス会社に対する規制強化を盛り込んだ改正道路運送法が成立しました。
バス会社社長「もう少し関わっていればよかった」
書類送検されたバス会社の「イーエスピー」の高橋美作社長(55)は、NHKの取材に対し、「書類送検されたことを真摯(しんし)に受け止めている。当時の認識としてはバス事業全体を運行管理者に任せていて運転手が大型バスの運転に不慣れだと聞いたことはなかった。無責任だと言われれば申し訳ございませんと言うしかなく、もう少しバス事業に関わっていればよかった」と話しました。
 そのうえで、「被害者やご遺族にはおわびをささげることしかできず、そういう気持ちで毎日を過ごしている。時間がかかろうと被害者やご遺族には直接、謝罪させていただけるよう誠意をもって対応していきたい」と述べました。
運転手は「特に注意」と診断
バスを運行していたイーエスピーは、平成20年の営業開始当初は、警備業などを手がけていましたが、事業拡大のため事故の2年前の平成26年からバス事業を始め、スキーツアーバスの運行にも乗り出しました。
 イーエスピーは今回、事故を起こして死亡した土屋廣運転手(65)を事故の1か月前のおととし12月に採用しました。
 土屋運転手は当時、運行管理者を務め運行の安全管理にあたっていた荒井強元社員の面接で、「大型バスの運転は不安だ」と話していましたが、入社後まもなく大型バスに乗務させていました。
 土屋運転手は、イーエスピーに採用される直前に受けた運転適性検査で、5段階の評価で最も低い「特に注意」と診断されていたことがわかっています。
 イーエスピーは大型バスの運転に不慣れな土屋運転手を採用した背景に、運転手の人手不足があったことを認めています。
 また、事故を起こしたバスは今回の運行の出発前に高橋美作社長が運転手の健康状態などを把握するための点呼を行うはずでしたが、行っていませんでした。
 ほかにも事故のあと運行ルートを示した運行指示書の記載漏れなど運行にかかわる33項目もの法令違反が見つかり、ずさんな運行管理の実態が浮き彫りになっていました。
 また、今回の事故で、イーエスピーはツアーを企画した旅行会社から法令で定められた下限の価格を大幅に下回る安い運賃で受注していたことも明らかになっています。
 このほか運行管理者だった荒井元社員は、平成15年に静岡県熱海市で大型バスが道路脇に転落し、乗客40人余りがけがをした事故でも運行管理者を務めていました。この事故でハンドルを握っていた運転手は、土屋運転手の指導役として事故を起こしたバスに乗務していて死亡しました。
 国土交通省は事故のあと、イーエスピーに対し、行政処分としては最も重い貸切バス事業の許可取り消しの処分を行い、会社はバス事業から撤退しました。
遺族会「厳罰を強く求める」
事故の遺族でつくる「1.15サクラソウの会」は「バス会社の社長と、運行管理担当の元社員について、検察が業務上過失致死傷の罪で起訴し厳罰に処すことを強く求めます」というコメントを出しました。
 この中で「私たちは、あの日、これから社会に羽ばたこうとしていたかけがえのない命との突然の別れを迫られました。『あの時、あの場所で、いったい何が起こっていたのか』、『なぜ、このような結果となったのか』、『どうすれば、2度とこのような事件を繰り返さないのか』。この17か月間、原因の究明と徹底した責任追及を求めてきましたが、会社の社長と運行管理の元社員に責任があることは明白です」としています。
 そのうえで「会では、厳罰を求める署名活動を始めました。厳格な刑事責任の追及、風化の防止、再発の防止を求め、一般の皆様にも、ご協力をいただきたい」としています。
教え子4人を亡くした教授「一区切りではない」
バス会社の社長などが書類送検されたことについて、事故で教え子4人を亡くした法政大学の尾木直樹特任教授は、「ずいぶん長く待たされたなと思う。亡くなった4人の遺族と私の時間は止まったままだ。けがをした学生の中には苦闘の手術を繰り返し、今も就職できていない人もいて、今の段階で一区切りとは思えない」と述べました。
 会社の安全管理については、「あまりにも甘く、ずさんで、運転手の研修を行っていないのと同じだ。乗客の命を乗せているという自覚があまりにもない。運行管理者はいちばん悪質で逮捕されるべきだと思う」と批判しました。
 また、国などが進めている再発防止策について、「法律が改正され対策が強化されたが、運賃の下限割れがいまも続いていると報道されるなど悪質な業者が知恵を使って法律をくぐり抜けている。それをどうやってなくしていくかが国や関係者の大きな課題だ」と指摘しました。


NHK 6月27日 15時19分
国交省 バス事故の再発防止策85項目を実行
去年1月、15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、警察は27日、バス会社の社長らを業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。国土交通省はバス事故の後、法律の改正を含む85項目にわたる再発防止策をまとめ、実行しています。
去年1月のバス事故のあと、国土交通省は法律の改正を含む85項目にわたる再発防止策をまとめ、実行しています。このうち去年12月には道路運送法が改正され、貸切バス会社に対する規制が大幅に強化されました。
 具体的には、貸切バス会社の事業許可を5年ごとの更新制度とし、会社の安全対策や経営状況をチェックし、不十分な場合は許可を取り消せるようになったほか、国の監査を強化するため、国指定の民間機関がバス会社を巡回・指導する仕組みが新たに作られました。
 さらに違反した場合の処分や罰則も強化され、運行停止になるバスの台数や日数を増やしたほか、罰金の額を100万円から1億円に大幅に引き上げました。
 また、運行に関する安全対策も強化されていて、運転手の技量確保のため、バス会社に対し新たに採用した運転手には適性診断や運転経験に応じた実車研修を義務づけたほか、運行の安全管理を担う運行管理者については、原則として最低2人必要としました。
 一方、今回の事故では、旅行会社の依頼を受けてバスなどを手配する仲介業者、いわゆる「ランドオペレーター」が法令で定められた下限を下回る運賃でバスを手配するなど、安全に対する意識の低さが浮き彫りとなりました。
 このため、先月、旅行業法が改正され、これまで規制のなかったランドオペレーターに対し、国が指導や監督ができる登録制を導入し、安全に問題のある場合、業務改善命令を出し、改善されない場合は登録を取り消すこともできるようになります。
 また、法令で定められた下限を下回る運賃による運行をなくすため、運賃の不正についての通報窓口が設置されました。
ただ、これまでに通報があった36件のうち、調査されたのは6件にとどまり、違法と判断されたケースはないということです。
 ことし8月をめどに民間機関によるバス会社の巡回・指導も始まり、対策が本格化しますが、こうした対策を実効性のあるものにすることが求められています。


産経ニュース 2017.6.27 22:45
軽井沢スキーバス事故】
再発防止策、実技訓練義務化など83項目着手 国交省 
 軽井沢スキーバス事故を受け、国土交通省は85項目の再発防止策をまとめ、これまでに悪質なバス業者に対する厳罰化や新任運転手への実技訓練の義務化など83項目に着手している。石井啓一国交相は27日の記者会見で「対策を実効性のあるものにして二度と悲惨な事故を起こさないことが使命だ」と述べた。
 事故では運転手が大型バスに不慣れで、会社側も適切な指導をしていなかったとされる。対策では運転手の技量チェックの強化を掲げ、新規雇用した運転手に対する適性診断や最低20時間の実技訓練のほか、ドライブレコーダーを活用した指導を義務付けた。
 昨年12月に施行された改正道路運送法では安全確保違反への抑止力を高めるために厳罰化。業者への罰金を「100万円以下」から「1億円以下」に引き上げ、経営者ら個人には罰金の引き上げとともに「1年以下の懲役」を加えた。
 改正法では従来、無期限だった貸し切りバスの事業許可を5年の更新制とした。許可取り消し処分を受けた業者の欠格期間を2年から5年に延長するなど不適格業者の排除も徹底。監査の補完として業者を巡回指導する民間機関を貸し切りバス業者の負担金で運営することを定めた。
 また、課題とされた法定基準運賃の下限を下回る「下限割れ」についても、国交省は通報窓口を設置して、情報を収集。5月には改正旅行業法が成立し、バスや宿泊の手配を代行する業者「ランドオペレーター」の登録を義務化し、下限割れでバス手配をした場合には登録取り消しなどで対応する。


産経ニュース 2017.6.28 07:00
軽井沢バス事故1年半 遺族会が署名活動開始 起訴と厳罰求める 長野
 平成28年1月15日に国道18号碓氷バイパスで発生した軽井沢町のスキーバス事故。大学生ら15人が死亡した悲惨な事故から1年半を迎えるのを前に、県警は27日、業務上過失致死傷の疑いなどで関係者の書類送検に踏み切った。だが、事故の爪痕はなお深く、遺族らの悲しみも癒えていない。
 事故直後に結成された遺族会「1・15サクラソウの会」は同日、書類送検を受け、起訴と厳罰を求める署名活動を開始した。一定数が集まり次第、長野地検に提出する考えだ。
 遺族会の事務局で弁護団長を務める酒井宏幸弁護士(長野市)は、産経新聞の取材に、「今回の送致は『少し前に進んだ』という程度の認識だ。刑事裁判に区切りがつけば、民事裁判の手続きを進める」と述べた。
 事故現場では当時、バスが突き破ったガードレールはひしゃげていたが、新設されたガードレールは、約6倍の強度がある。昨年末には慰霊に訪れる人のための歩道も完成した。
 バスが転落した現場を望める場所には、遺族の負担で慰霊のための祈念碑が建てられる予定だ。遺族会には「慰霊の場としてだけでなく、交通安全の象徴的な碑にしたい」との意向があり、年内の設置を目指している。
 事故の発生後には、国の基準を下回る「下限割れ運賃」で旅行会社から運行を受注しているバス会社側の問題が明るみに出た。このため、国は昨年12月、改正道路運送法を成立させ、安全確保を怠った業者の罰金上限額の引き上げなどを行った。
 アルピコ交通(松本市)の檀原順志・運行管理部安全マネジメント推進室長は「事故前から運転者や運行管理者の講習に当たり、安全管理を徹底してきた。安全第一の業務をさらに徹底する」と話している。
                   ◇
【用語解説】軽井沢スキーバス転落事故
 平成28年1月15日未明、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、県内のスキー場に向かっていたツアーの大型バスが道路脇に転落。大学生13人と乗員2人の計15人が死亡、26人が重軽傷を負った。運行していた「イーエスピー」(東京)に33件の道路運送法違反が見つかり、国土交通省は貸し切りバス事業許可を取り消した。ツアーを企画した「キースツアー」(同)の旅行業登録も取り消された。


産経ニュース 2017.6.27 23:00
【軽井沢スキーバス事故】
操作ミス、ずさん管理…「過失の競合」 長野県警、証拠積み上げ
ガードレールを乗り越え横転したバス。クレーンによりつり上げられ撤去された=平成28年1月、長野県軽井沢町(三尾郁恵撮影)
 深夜の事故で乗客の多くも就寝中で、直前の状況を証言できる人がほとんどなく、ハンドルを握っていた土屋広運転手=当時(65)=も死亡し、原因究明が難航した軽井沢スキーバス事故。長野県警は1年半に及ぶ捜査で、運行記録計(タコグラフ)の精査や走行実験などの詳細な証拠を積み上げ、運転手のギア操作ミスと会社側のずさんな運行管理による「過失の競合」が事故の原因だったと結論付けた。
 捜査関係者によると、事故車両の検証時、バスのギアはエンジンブレーキが利かないニュートラルの状態だった。ギアは高速から低速に急に操作しようとするとニュートラルになるよう電子制御されており、県警は土屋運転手が段階的にギア操作をしなかったことでエンジンブレーキが利かず、減速できなくなった可能性が高いと結論付けた。またフットブレーキが十分に踏み込めていなかったことも事故の一因だったとみている。
 一方で、県警はずさんな運行管理についても問題視した。土屋運転手は平成27年12月に「イーエスピー」に入社前、主に小型や中型バスを運転。入社面接では「大型バスは苦手」と話していた。同社の運行管理者だった荒井強元社員(48)も県警の調べに、土屋運転手の事故当日の乗務は「大型バス運転の技量確認を兼ねていた」と説明。県警は荒井元社員や同社の高橋美作社長(55)が土屋運転手の技術が未熟であることを把握していたにもかかわらず、回避義務を怠ったと判断した。

産経ニュース 2017.6.27 21:39
【軽井沢スキーバス事故】
“真相”追い求め続けてきた遺族「一歩前に進んだ」 県警が導いた社長らの刑事責任判断に安堵
 15人の若者らの未来を閉ざした長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故から約1年5カ月を経た27日、長野県警は、死亡した運転手だけでなく、バス運行会社の社長と当時の運行管理者も刑事責任があると判断し業務上過失致死傷容疑での書類送検に踏み切った。なぜ、事故は起き、どうすれば防げたのか。国土交通省は再発防止に向けた取り組みを進めているが、遺族はいまなお厳しい姿勢を崩していない。
 遺族らでつくる「1・15サクラソウの会」代表で、次男の寛さん=当時(19)=を失った田原義則さん(51)は27日夜、大阪府吹田市内で取材に応じ「『一歩前に進んだよ』と仏壇の前で報告したい。子供たちの死を無駄にしてはいけない。(安全体制の)仕組みを変える必要がある」と語った。
 同会は、原因究明や徹底した責任追及を求め、実証実験に立ち会うなど、“真相”を追い求めてきた。社長らを厳罰に処すことを求め、近く長野地検を訪れるとともに、27日に署名活動を始めたという。
 田原さんは「あの日、何が起こったのかを明らかにし、二度と事故をおこさないため(活動を)続けていきたい」とした上で、社長らに対し「(法廷の場などで)真実を述べ責任を取ってほしい」と力を込めた。
 他の遺族もコメントを出した。長女の真理絵さん=同(22)=を亡くした阿部知和さん(58)は「原因と責任の明確化がなされ、過失が問われるのは当然のこと」と指摘。立件に至ったことで「旅行業界やバス業界が安全に対し、常に緊張感を持って行動することにつながり、事故の再発防止になる」とした。
 西堀響さん=同(19)=を無くした父親(57)は「送致は通過点の一つにすぎない」とし、「裁判で真相を明らかにした上で、(社長らを)実刑に処してほしい。それでこそ響の命の重さが明らかになる」と訴えた。


朝日新聞 2017年6月28日05時00分
社長ら指導怠った疑い バス事故、書類送検 軽井沢15人死亡
 長野県軽井沢町で昨年1月、スキーツアーの大型バスが崖下に転落し、乗客・乗員15人が死亡、26人が重軽傷を負った事故で、県警は27日、死亡したバスの男性運転手(当時65)=東京都青梅市=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで長野地検に書類送検し、発表した。また、運行管理を怠った疑いがあるとして、バスを運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)の高橋美作(みさく)社長(55)=羽村市=と、当時の男性運行管理者(48)=退社、青梅市=も業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。県警は認否を明らかにしていない。
 県警によると、運転手は軽井沢町の国道18号で運転操作を誤り、道路右側のガードレールをなぎ倒し、約5メートル下の崖下に転落させ、スキーツアー客の大学生13人と乗員1人を死亡させ、乗客22人に重傷、4人に軽傷を負わせた疑い。社長と運行管理者は、運転手への適切な指導監督を怠った疑いがあるという。
 捜査関係者によると、運転手は2015年12月に同社の採用面接を受けた際に「大型バスは苦手だ」と伝えていた。また、バスは事故直前、エンジンブレーキが利かない「ニュートラル」の状態だった。県警は、運転手が「フィンガーシフト」と呼ばれる大型車特有の変速ギアによる操作を誤るなどして、バスを制御できなくなり、事故を起こしたと判断。社長と運行管理者は運転手が不慣れだと認識していながら、走行研修を1度しか実施しないなど、必要な指導・監督を怠った疑いがあるとみている。(鶴信吾、津田六平)
     ◇
 書類送検されたイーエスピーの高橋社長は27日、朝日新聞の取材に「(送検を)真摯(しんし)に受け止めております。お亡くなりになられた皆さまのご冥福をお祈り申し上げます。ご遺族さま、被害者さまに心よりおわび申し上げます」と述べた。運行業務については「全般を運行管理者に任せていた」と語った。(関口佳代子)
 ■遺族「安い運賃、安全を軽視」
 「徹底した捜査をしてほしいと訴えてきた。道半ばだが、書類送検が私たちにとってひとつの区切りになることは間違いない」
 事故で次男の西堀響さん(当時19)を亡くした男性(57)は、今の心境をこう語った。事故が発生してから、遺族会「1・15サクラソウの会」の一員として、バス事業や旅行業法の不備を訴え、再発防止にも取り組んできた。
 事故の背景には、バス会社の競争過熱や運賃の切り下げが進み、安全管理がおろそかになった業界の構造が指摘されている。事故を起こしたイーエスピーも、国に届け出た基準運賃を下回る安値での契約が複数あったことが判明し、事業許可を取り消された。「バス会社は基準以下の運賃を悪いとも思わず、安全を軽視した。このような事件で厳罰にならなければ、バス業界に対する警鐘にならない」と男性は憤る。
 おしゃべりで、明るい性格だった響さんは高校から熱心に英語を勉強し、東京外国語大学に進学した。スペイン語を専攻し、「外交官になる」という夢を抱いていた。だが、あの夜、突然の事故が襲った。
 息子が亡くなってから、気持ちを保つことに精いっぱいだった。励ましとなってきたのは、高校時代の後輩や、大学のアメフット部の友人からの声だ。
 「大学に受かりました」 「響と過ごした1年弱は忘れないよ」
 今も響さんのスマートフォンにメッセージが届く。家を訪ねてきてくれる友人も多い。「私たちも知らない響を教えてくれる。本当に感謝している」(辻隆徳)
 ■ルール改正、罰則も強化
 軽井沢の悲劇をきっかけに、貸し切りバスをとりまくルールは変わった。
 未熟な運転手がハンドルを握るのを防ぐため、国土交通省は道路運送法に基づくルールを改正。運転手が、直近1年間に乗務していない車種に乗る場合、実技訓練を受けさせるよう、昨年12月からバス会社に義務づけた。
 新たに運転手を雇う際には、車種ごとの運転経験を申告させ、台帳に残すルールも設けた。今年12月以降、ドライブレコーダーの映像を使った全運転手への指導も義務化する。
 貸し切りバスの事業許可は、一度取れば無期限に有効だったが、5年ごとの更新制に変わった。
 監査体制も強化され、国交省は担当者を今年度から54人増員。年度内に、業者の安全対策を調べる覆面調査も始める。
 ペナルティーも厳しくなった。安全に関する違反が悪質な場合には、事業許可を一発で取り消せるようにした。業務改善に応じない業者への罰金は、「100万円以下」から「1億円以下」に引き上げられた。ただ、対策の効果が問われるのはこれからだ。石井啓一国交相は27日の会見で「再発防止策を実効性のあるものにし、着実に実施していく」と述べた。(伊藤嘉孝)

中日新聞 2017年6月28日 朝刊
軽井沢バス事故で社長ら3人書類送検
 長野県軽井沢町で昨年一月、大学生ら十五人が死亡したスキーツアーバス転落事故で、長野県警は二十七日、業務上過失致死傷の疑いで、バスを運行したイーエスピー(東京)の高橋美作社長(55)と当時の運行責任者の荒井強・元社員(48)、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、バスを運転して死亡した土屋広運転手=当時(65)=を書類送検した。
 送検容疑は、高橋社長と荒井・元社員が土屋運転手に適切な指導を怠り、土屋運転手が二〇一六年一月十五日午前一時五十二分ごろ、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで運転操作を誤り、乗客三十九人の大型バスを道路外に転落させ、大学生十三人と乗員一人を死亡させ、二十六人に重軽傷を負わせたとされる。
 県警は「今後の捜査に支障を来す」として、社長と元社員の認否を明らかにしていない。検察側に起訴を強く求める「厳重処分」の意見を付けた。
 捜査関係者らによると、土屋運転手は事故一カ月前に採用された際に「大型バスの運転は苦手」と会社側に伝えていた。研修は一回だけで、その日のうちに客を乗せて運転した。事故当日は四回目の営業運転で、客を乗せて峠道を走るのは初めてだった。
 県警は同型バスを使って走行実験するなど、事故に至る過程を検証してきた。捜査関係者によると、土屋運転手は峠を上り切って約三百メートル走った後、不慣れな大型バスの変速機(ギア)を高速走行側に操作しようとして失敗した。ギアがニュートラルになり、エンジンブレーキが利かない状態で下り坂を暴走し、制限速度の二倍近い時速九十六キロで左カーブに突入し、曲がりきれなかったとみられる。
 高橋社長は本紙の取材に、送検容疑の認否は「コメントできない」と明らかにしなかった。「多くの方に迷惑を掛けた社会的責任は痛感する」と語る一方、会社のずさんな運行管理や不十分な研修が事故につながったとの見方には「認めるコメントはできない」とした。

日本経済新聞 2017/6/28 1:53
軽井沢事故、バス会社3人書類送検 容疑の社長や運転手
 15人が死亡、26人が重軽傷を負った昨年1月の長野県軽井沢町のスキーバス転落事故で、長野県警は27日、運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)の社長(55)と元運行管理者(48)を業務上過失致死傷の疑いで、死亡した土屋広運転手(当時65)を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いでそれぞれ書類送検した。
 事故は昨年1月15日未明、軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで発生。大型バスが時速96キロでガードレールに激突して道路脇に転落し、乗客の大学生らが死傷した。〔共同〕

日本経済新聞 2017/6/26 12:36
バス社長ら書類送検へ 軽井沢事故、死亡の運転手も
 15人が死亡、26人が重軽傷を負った昨年1月の長野県軽井沢町のスキーバス転落事故で、長野県警が自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで死亡した土屋広運転手(当時65)を、業務上過失致死傷の疑いで運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)の社長(55)と元運行管理者(48)をそれぞれ今週にも書類送検する方針を固めたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、土屋運転手は昨年1月15日午前1時55分ごろ、大型バスの運転操作を誤り、時速96キロでガードレールに激突して道路脇に転落、大学生らを死傷させた疑いがある。
 社長や元運行管理者は、土屋運転手が大型バスに不慣れであることを知りながら、安全対策を怠ったり適切な指導をせずに乗務させたりした疑いが持たれている。
 事故車両の検証時、バスのギアはエンジンブレーキが利かないニュートラルの状態になっていた。高速から低速に無理に変えようとするとニュートラルになるよう電子制御されており、県警は土屋運転手がギア操作をミスした可能性が高いとみている。
 土屋運転手は2015年12月の入社前、主に小型や中型バスを運転。入社面接で「大型バスは苦手」としていたが、会社が実施した研修は長野のスキー場まで運転させた1回のみで、同じ日の帰りは客を乗せて実務をさせていた。県警は同社のずさんな運行管理が事故を招いたと断定した。
 事故の捜査は、土屋運転手ら乗員2人が死亡し、事故当時、乗客の多くが就寝していたため難航した。県警は運行記録計(タコグラフ)を精査するとともに現場で同型バスによる走行実験を実施。元同僚からも聴取し、容疑の裏付けを進めた。〔共同〕

//////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 軽井沢 スキーバス 事故 バス会社 社長 書類送検 再発防止

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン