2017-06-30(Fri)

子どもの貧困 7人に1人 ひとり親世帯 貧困率50.8%

国際的に高い水準  OECD加盟36カ国中23番目 

◇「子どもの貧困」7人に1人 母子家庭「生活苦しい」82%
----厚生労働省が二十七日発表した二〇一六年国民生活基礎調査で、「子どもの貧困率」は一五年時点で13・9%(七人に一人)だった。三年おきに調査しており、過去最悪だった前回から2・4ポイント下がった。改善は十二年ぶり。厚労省は「雇用状況が良くなり、子育て世帯の所得の増加が主な要因」と分析している。ただ先進国の中では依然として高めの水準。特にシングルマザーなどひとり親を取り巻く状況は厳しく、引き続き対策が求められそうだ。
(東京新聞 2017年6月27日 夕刊)


◇子ども貧困なお高水準 学習、生活 地道な支援必要
----厚生労働省が27日公表した国民生活基礎調査によると、2015年時点の「子どもの貧困率」は13・9%と前回12年の調査より2・4ポイント低下し、12年ぶりに改善した。景気回復による所得の増加などが要因とみられるが、貧困率は国際的にはまだ高い水準にあり、子どもの貧困対策に取り組む団体や専門家は、景気だけに頼らない継続的な支援や対策を政府に求めている。

----教育無償 財源が課題
 今回公表された子どもの貧困率13・9%は、経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国中23番目に当たる数値で、前回(同26番目)より改善したが、それでもまだ7人に1人という高い水準にある。
 
----貧困家庭に育った子は、十分な教育や生活習慣が身につけられず、成人後に再び生活が苦しくなる「貧困の連鎖」に陥る可能性が高いと指摘されている。子どもの貧困対策は、将来の収入改善などの効果が高いとされ、逆に15歳の子どもの貧困を放置すると、生活保護費など国の財政負担は1・1兆円増えるとの試算もある。

----子どもの貧困対策は現金給付だけでなく、学習や生活支援など多岐にわたる。未来の担い手を社会全体で支えるため、安定的な財源を確保し、継続的な対策を打っていくことが求められている。
(毎日新聞 2017年6月28日)




以下引用

平成28年 国民生活基礎調査の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html
報道発表資料 [155KB] http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/15.pdf
概況全体版 [4,694KB] http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf

毎日新聞2017年6月28日 東京朝刊
安心のかたち
子ども貧困なお高水準 学習、生活 地道な支援必要
 厚生労働省が27日公表した国民生活基礎調査によると、2015年時点の「子どもの貧困率」は13・9%と前回12年の調査より2・4ポイント低下し、12年ぶりに改善した。景気回復による所得の増加などが要因とみられるが、貧困率は国際的にはまだ高い水準にあり、子どもの貧困対策に取り組む団体や専門家は、景気だけに頼らない継続的な支援や対策を政府に求めている。
 経済的に困窮する家庭の子ども向けに学習支援などを進めているさいたま市。生活保護世帯の中高生らを対象に、無料の学習教室を開いているNPO法人「さいたまユースサポートネット」の市内に11ある教室には、常時300~400人が通ってくる。学校での授業で分からない内容や生活の困りごとなどの相談を受けているが、その数は12年のスタートから増えることはあっても減ることはない。
 こうした困窮世帯の子どもを対象とした支援事業は、14年の子どもの貧困対策大綱の策定や15年の生活困窮者自立支援法の施行以降、国や地方の予算が付くようになったこともあり、全国的な広がりをみせている。
 しかし、青砥恭代表は「子どもの貧困率が改善している実感は全くない。貧困から抜け出す意欲を持てない一番困難な層に支援がまだまだ届いていないからだ」と説明する。
 市内の生活保護世帯の子どものうち、中学生教室は21・4%、高校生教室には13・7%(いずれも2016年4月時点)しか通っておらず、支援からこぼれる子どももかなりいるとみている。青砥さんは「改善には長い期間をかけ、地道に学びや生活を共にする支援が必要だ」と話す。
 全国でも特に子どもが厳しい状況におかれている沖縄県。14年の収入を基に、県が実施した調査によると、県内の子どもの貧困率は約3割と全国平均を大きく上回っていた。
 こうした状況を改善しようと、同県南風原町(はえばるちょう)は16年5月から民間団体に委託し、家庭環境や生活習慣に見守りが必要な世帯の子どもを対象に、居場所「子ども元気ROOM(ルーム)」を開設した。ルームでの支援は学習に限らず、食事提供や生活指導、キャリア形成に向けたサポートにまで及ぶ。将来に向けて生活の基盤を固め、貧困の連鎖を断ち切るのが狙いだ。
 子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人あすのばの小河光治代表理事は「子どもの貧困は世帯収入だけでなく、進路選択の幅の広さや、学校の授業料負担など、多様な指標で見ていくことが必要だ。貧困率の数値だけで『問題は解決しつつある』という認識が広がってほしくない」と懸念している。【西田真季子】
教育無償 財源が課題
 今回公表された子どもの貧困率13・9%は、経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国中23番目に当たる数値で、前回(同26番目)より改善したが、それでもまだ7人に1人という高い水準にある。
 貧困家庭に育った子は、十分な教育や生活習慣が身につけられず、成人後に再び生活が苦しくなる「貧困の連鎖」に陥る可能性が高いと指摘されている。子どもの貧困対策は、将来の収入改善などの効果が高いとされ、逆に15歳の子どもの貧困を放置すると、生活保護費など国の財政負担は1・1兆円増えるとの試算もある。
 しかし、国連児童基金(ユニセフ)によると、日本の社会保障の現金給付による貧困率の削減幅は、先進37カ国中31位と低い位置にある。16年に児童扶養手当の一部が増額されたが、18年度実施に向けて検討中の生活保護基準の改定では、ひとり親家庭への加算見直しを求める動きもあり、貧困対策が後退しかねないのではないかとの不安の声も上がる。
 また、賃金上昇の影響で貧困率が改善されたとはいえ、ひとり親世帯は依然、半数が貧困状態にある。これはOECD加盟国の中で最低水準だ。
 特に子どもを抱えた女性は不安定で低収入の非正規の仕事にしか就けないことが多く、母子家庭では、所得が200万円以下の世帯が4割弱にも上る。就労支援の強化も必要だ。
 政府は子どもの貧困対策として、今年度から返還不要な給付型奨学金制度を対象者を絞って導入。さらに「教育無償化」を施策の柱に掲げる。幼稚園や保育の無償化に加え、貧しい家庭に育っても意欲があれば大学や専修学校への進学を保障する仕組みの創設を目指し、有識者会議や担当閣僚を置く方針だ。
 しかし、財源の確保が大きな課題だ。幼児教育・保育の無償化にかかる費用について、内閣府は国と地方で計約1兆2000億円と試算している。財政の効率化や増税などから確保する案も挙がるが、19年10月に予定される消費税率引き上げの増収分の使途は既に決まっている。政府はさらに社会保険料に上乗せする「こども保険」や、授業料を無料にし、卒業後に所得に応じ拠出金を納付する「高等教育拠出金制度」の創設なども検討する方針だ。
 子どもの貧困対策は現金給付だけでなく、学習や生活支援など多岐にわたる。未来の担い手を社会全体で支えるため、安定的な財源を確保し、継続的な対策を打っていくことが求められている。【堀井恵里子、桐野耕一】
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政府の子どもの貧困対策の経緯
2009年10月 厚労省が貧困率を初めて公表
2013年 6月 子どもの貧困対策法が成立
2014年 8月 子供の貧困対策大綱を閣議決定
2015年度   大綱に基づき生活困窮世帯の子どもを対象にした学習支援事業などを拡充
2016年 8月 ひとり親世帯に支給する児童扶養手当の2人目以降分を増額
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 ■ことば
子どもの貧困率
 世帯所得から税や社会保険料などを除いた1人当たりの手取り収入を順に並べ、真ん中となる金額(2015年は245万円)の半分(貧困線)に満たない収入で暮らす17歳以下の子どもの割合。相対的貧困率は国民全体の中で貧困線に届かない収入で暮らす人の割合で、子どもの貧困率の方が、年金で暮らす高齢者を含めた国民全体の貧困率より景気の影響を受けやすいとされる。


朝日新聞 2017年6月28日05時00分
ひとり親世帯、貧困率50.8% 15年、主要国最悪レベル
国民生活基礎調査のポイント
 厚生労働省が27日発表した2016年の国民生活基礎調査で、ひとり親と暮らす子どもへの支援の必要性が改めて浮かび上がった。3年に1度調べる貧困率(15年)で、ひとり親世帯は50・8%に上った。子どもの貧困率全体は13・9%で12年ぶりに改善したが、子どもをめぐる環境はまだ厳しい。
 「経済が好転し、雇用も大きく増加している」。菅義偉官房長官は記者会見で貧困率の改善を誇ったが、担当の塩崎恭久厚労相は「引き続き水準が高いことをしっかりおさえないといけない」と神妙だった。
 貧困率は、相対的に算出している。世帯の可処分所得などから子どもを含む国民一人ひとりの所得を仮に計算して順番に並べ、真ん中の人の額の半分(今回は122万円)に満たない人の割合だ。今回は約3万4千世帯の所得を調べ、有効回答率は71・76%だった。
 18歳未満の子どもの貧困率は13・9%。過去最悪だった前回12年の調査から2・4ポイント改善したが、経済協力開発機構(OECD)が13年にまとめた平均13・2%を上回る水準だ。
 ひとり親世帯はとりわけ厳しい。12年から3・8ポイント改善したが、50%超という水準はOECDのまとめでは主要国最悪レベルだ。
 ■子への支援「拡充を」
 「シングルマザーが安定した給与で働きやすい仕事に就くのは難しい。生活はぎりぎり。副業も考えている」。高校2年の長女(16)と2人で東京都内で暮らすアルバイトの女性(46)は、こう打ち明ける。
 長女が小学3年の時に離婚。事務職から転職し、4月から飲食店で働き始めた。月の手取りは約10万円。元夫からの養育費、児童扶養手当などを足しても収入は17万円ほどだ。
 今回の調査では母子世帯のうち、16年時点で「貯蓄がない」のは前回13年の調査から1・1ポイント増の37・6%に。「借入金がある」は4・3ポイント増の28・1%で、生活の苦しさが目立つ。
 背景の一つには女性を取り巻く労働環境の厳しさがある。15年の雇用者所得は母子世帯の平均209万3千円に対して、全世帯は373万6千円。NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は「子育て世帯にかかる教育費などの経済的負担はひとり親世帯にはとりわけ重い」とし、「男女間の賃金格差、子育てのために非正規社員にとどまらざるを得ない状況などを解消する必要がある」と指摘する。
 現在、ひとり親世帯には子ども1人の場合で最大月約4万2千円の児童扶養手当が支給されている。浅井春夫・立教大名誉教授(児童福祉論)は「子どもへの投資は、将来的な所得の増加が期待でき、生活保護を回避することにもつながる。政府は、ひとり親世帯への現金給付のさらなる拡充を検討すべきだ」と語る。
 (畑山敦子、高橋健次郎、井上充昌)
 ■増える老老介護、75歳以上30%超
 今回の調査では「老老介護」が広がっている実態も浮き彫りになった。16年時点で同居する人が主に介護を担う世帯で、介護する人もされる人も75歳以上の割合は30・2%となった。前回13年の調査より1・2ポイント増で、01年の調査開始以来、初めて3割を超えた。
 介護に関する調査は7573人が対象(有効回答率89・66%)。ともに65歳以上の老老介護の世帯は3・5ポイント増の54・7%で、過去最高を更新した。
 

日テレNEWS24- 2017年6月27日 17:22
子ども7人に1人が「貧困」~厚労省の調査
 高齢化が進むなか、介護する側もされる側も高齢者という、いわゆる「老老介護」のうち、75歳以上同士の世帯が初めて3割を超えたことが厚生労働省の調査で分かった。
 厚労省が去年、地震で被災した熊本県を除く46都道府県で行った国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者世帯は、1327万1000世帯で、全世帯に占める割合は26.6%にのぼり、いずれも過去最高だった。また、いわゆる「老老介護」の割合は、65歳以上同士で54.7%、75歳以上同士で30.2%といずれも過去最高だった。
 塩崎厚労相は会見で、「高齢者が出来る限り支え手として活躍出来る環境を整えることと、社会保障制度を持続可能なものとして維持することが大事だ」との考えを示した。
 一方、生活意識の調査で、「生活が苦しい」と答えた世帯は2年連続で減少しているものの、全体の6割近くを占め、特に母子家庭では8割以上が「苦しい」と答えている。
 さらに、「子どもの貧困率」は改善傾向にあるものの、2015年時点で13.9%と、OECD(=経済協力開発機構)の直近の平均を上回る水準だった。子ども7人に1人が「貧困」にあたる計算。


東京新聞 2017年6月27日 夕刊
「子どもの貧困」7人に1人 母子家庭「生活苦しい」82%
 厚生労働省が二十七日発表した二〇一六年国民生活基礎調査で、「子どもの貧困率」は一五年時点で13・9%(七人に一人)だった。三年おきに調査しており、過去最悪だった前回から2・4ポイント下がった。改善は十二年ぶり。厚労省は「雇用状況が良くなり、子育て世帯の所得の増加が主な要因」と分析している。ただ先進国の中では依然として高めの水準。特にシングルマザーなどひとり親を取り巻く状況は厳しく、引き続き対策が求められそうだ。
 子どもの貧困率は、平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす十八歳未満の割合を示す。同じ方法で算出した全世代の「相対的貧困率」も0・5ポイント減の15・6%。世帯類型別では、大人一人で子どもを育てる世帯の貧困率が50・8%と極めて高かった。
 経済協力開発機構(OECD)の直近のデータでは、加盟国など三十六カ国の平均は子どもの貧困率が13・3%、相対的貧困率が11・4%で、日本はこれらを上回っている。
 一五年時点で全世帯の平均所得額は一二年比1・6%増の五百四十五万八千円。子育て世帯は七百七万八千円で5・1%増えた。生活状況は「大変苦しい」「やや苦しい」との回答は計56・5%だった。
 子どもがいる女性のうち、仕事がある人は67・2%で、前回調査から4・1ポイント増。子どもの年齢が上がるにつれ、働く割合は増えるが、非正規雇用が大半を占める。
 調査は全国世帯(震災があった熊本県を除く)を対象に一六年六、七月に実施。世帯構成は約二十二万四千世帯、所得は約二万五千世帯から有効回答を得た。
<解説> 悪化が続いていた子どもの貧困率が十二年ぶりに改善した背景には、景気や雇用状況の好転があるとみられる。だが、ひとり親家庭の貧困率は依然50%を超えており、きめ細かい実態把握と対策が求められる。
 貧困率は所得の状況を表すものだが、今回の国民生活基礎調査でローンを含む借金や貯蓄の状況を見ると、母子家庭では二〇一三年の前回調査に比べ、「借金がある」「貯蓄がない」と答えた割合がいずれも増えた。「生活が苦しい」という割合も母子家庭では82・7%に上り、厳しい状況に置かれていることが分かる。
 政府は一四年に子どもの貧困対策推進法を一五年には生活保護の手前の人向けに生活困窮者自立支援法を施行。対策が進んでいるが、一方で見かけ上は他の子と同じような物を持っていても、百円ショップの商品ばかりといったように、現代の貧困は見えにくいと指摘される。
 経済状況だけでなく、社会的なつながりを持てているか、適切な食事が取れているか、教育の機会は均等に与えられているかなど多角的な視点で取り組む必要がある。 (共同・市川亨)


NHK  2017年6月27日 18時41分
子どもの貧困率13.9% 12年ぶり改善も依然高水準
17歳以下の子どものうち、貧困状態にある割合を示す「子どもの貧困率」はおととし、推計で13.9%と12年ぶりに改善したものの、依然として7人に1人にのぼることが厚生労働省の調査でわかりました。
子どもの貧困率は所得が一定の水準を下回り貧困状態にあるとされる世帯で暮らす、17歳以下の子どもの割合を示すもので、厚生労働省が3年ごとに調査しています。
 厚生労働省が全国およそ2万4000世帯を調査した結果、おととしの時点の子どもの貧困率は推計で13.9%となり、およそ7人に1人に上りました。
これは、調査を始めてから最も高かった前回の5年前の時点より2.4ポイント低く、12年ぶりに改善しました。
 しかし、先進国などで作るOECD=経済協力開発機構が平成25年に公表した、貧困状態にある子どもの割合は、36カ国の平均で13.3%となっていて、日本はこれを0.6ポイント上回り、依然として高い水準となっています。
 また、ひとり親世帯の貧困率はおととしの時点で50.8%となり、前回の5年前より3.8ポイント改善したものの依然として全体の半数を超えています。
 厚生労働省は「子どもの貧困率が改善したのは、景気の改善や、働く母親の増加が要因と見られるが、ひとり親世帯など生活が苦しい家庭は依然として多く、子どもが貧困に陥らないよう対策を進めていきたい」としています。
官房長官「雇用所得が増加」
菅官房長官は午後の記者会見で、「子どもの貧困率が大きく低下した要因としては、この3年間で経済が好転し、雇用も大きく増加している中で、現役世帯、特に児童のいる世帯の雇用所得が増加し、低所得を含む所得の分布が高いほうにシフトしたことが挙げられる」と述べました。
 そのうえで菅官房長官は、「政府としては、雇用の改善や賃金の上昇が一層加速し、アベノミクスによる経済の好循環によって、景気や国民生活が向上するよう全力で取り組んでいきたい」と述べました。
 一方、菅官房長官は、記者団が、3年前より発表が1か月早まった理由を質問したのに対し、「相対的貧困率が公表される今回の調査については各方面の関心も高く、国会や質問主意書で質問され、『7月ごろには公開する』と期限を切った答弁を行っている。このため厚生労働省においても準備作業を早期に進め、公表したということだ」と述べました。


朝日新聞 2017年6月27日12時14分
子どもの貧困率、12年ぶり改善 主要36カ国で24位
相対的貧困率の推移
 子どもの貧困率(相対的貧困率)は2015年に13・9%となり、過去最悪だった前回の12年調査から2・4ポイント改善したことが27日、厚生労働省が発表した16年の国民生活基礎調査でわかった。労働環境がよくなって親の所得が増えたためで、改善は12年ぶり。ただ主要国の中では依然として高く、ひとり親世帯は過半数が貧困状態のままだ。
 調査は16年6~7月に実施。直前に地震で大きな被害が出た熊本県は除き、貧困率は約3万4千世帯の15年の所得を調べ、有効回答率は71・76%だった。
 18歳未満の子どもの貧困率は03年の13・7%から上昇が続き、12年調査で16・3%に達した。今回は全世帯の年間の平均所得が8万6千円増えて545万8千円となり、改善につながった。母親に正規の仕事がある世帯が2・6ポイント多い22・0%となったことなどが背景にある。
 ただ、それでも子どもの7人に1人が所得が少なくて生活が苦しい貧困状態で、先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)の平均13・2%(13年)を上回る。デンマークの2・7%や韓国7・1%などに及ばず、主要36カ国で24位にとどまる。
 現役世代(18歳以上65歳未満)が1人いるひとり親世帯の貧困率も、前回より3・8ポイント改善して50・8%となったが、過半数を占める状況が続く。大人も含めた全体の貧困率は前回より0・5ポイント改善して15・6%。主要36カ国では29位だった。
 また7573人が対象の介護の調査(有効回答率89・66%)では、同居する家族が主に介護を担う世帯で、介護される人とする人がいずれも65歳以上の「老老介護」の割合が54・7%だった。13年の調査より3・5ポイント増えて過去最高を更新した。介護が必要になった主な原因は認知症が18・0%で、脳血管疾患を上回って01年の調査開始から初めて最も多くなった。
 高齢者世帯は全世帯の26・6%を占め、平均所得は308万4千円だった。
 一方、喫煙に関する調査項目もあり、男女合わせた喫煙者の割合は1・8ポイント減って19・8%。01年の調査開始から初めて2割を切った。(井上充昌)
     ◇
 〈相対的貧困率〉 世帯の可処分所得などをもとに子どもを含めて家族一人一人の所得を仮に計算し、順番に並べた時、真ん中の人の額の半額(貧困線)に満たない人の割合。子どもの貧困率は、18歳未満で貧困線に届かない人の割合のこと。今回の貧困線は122万円だった。1985年から3年に1度、厚生労働省が国民生活基礎調査で調べている。


毎日新聞6月27日(火)11時51分
<国民生活調査>子どもの貧困13.9%、12年ぶり改善
 ◇7人に1人と、なお高水準
 厚生労働省は27日、2016年の「国民生活基礎調査」を公表した。経済的に厳しい家庭で育つ17歳以下の子どもの割合を示す「子どもの貧困率」(15年時点)は13.9%と前回調査(12年時点)より2.4ポイント低下し12年ぶりに改善した。国民全体の中で生活の苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」(15年)は前回より0.5ポイント下がり15.6%だった。子どもの貧困率の改善について、厚労省は「景気が回復し、子育て世帯の雇用や収入が上向いたため」とみている。
 貧困状態にある子どもは7人に1人となった。経済協力開発機構(OECD)が14年にまとめた加盟国など36カ国の平均は13.3%で、日本はそれをまだ上回る。
 ひとり親世帯の貧困率(15年)は50.8%と12年より3.8ポイント低下したものの、依然5割を超えている。暮らし向きは、母子世帯の82.7%が「苦しい」と答え、37.6%の世帯は「貯蓄がない」と回答した。政府はひとり親世帯に支給する児童扶養手当の2人目以降分を昨年8月から増額したが、今回の調査にその効果は反映されていない。
 ◇介護必要の原因で、認知症が脳卒中抜き、初めて1位
 世帯構成では、主に年金で暮らす高齢者世帯の割合が全世帯の26.6%を占め過去最高を更新。65歳以上の高齢者が65歳以上を介護する「老老介護」世帯は要介護者のいる世帯の54.7%と前回13年より3.5ポイント上昇し、過去最高になった。75歳以上同士の介護は30.2%と初めて3割を超えた。介護が必要になった原因では、認知症が脳卒中を抜き、初めて1位となった。
 ◇喫煙率は19.8%、初めて2割を切る
 喫煙率は時々吸う人を含め19.8%と前回13年より1.8ポイント下がり、初めて2割を切った。がんの検診率では、国が目標とする50%を達成したのは男性の肺がん検診だけ。女性は肺がんを除き、いずれも検診率が40%を下回り、乳がんは36.9%、子宮頸(けい)がんは33.7%にとどまった。
 調査は16年6〜7月に実施し、世帯構成は約29万世帯のうち約22万世帯から、所得は約3万世帯のうち約2万世帯から有効回答を得た。熊本地震があった熊本県は調査対象外。貧困率などを割り出す大規模調査は3年に1度実施している。【桐野耕一】
 ◇相対的貧困率
 世帯所得から税や社会保険料などを除いた1人当たりの手取り収入を順に並べ、真ん中となる人の金額(2015年は245万円)の半分(貧困線)に満たない人の割合。その割合が高いほど、国民の間の経済格差が大きいことを示す。子どもの貧困率は、17歳以下の子ども全体のうち、貧困線に届かない収入で暮らす子どもの割合。


日本経済新聞 2017/6/27 11:38
子供の貧困なお高水準 15年13.9%、12年ぶり改善
 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす17歳以下の子供の割合を示す「子供の貧困率」が、2015年に13.9%だったことが27日、厚生労働省の国民生活基礎調査で分かった。過去最悪だった前回調査(12年)から2.4ポイント改善した。改善は12年ぶり。厚労省は「景気回復で子供のいる世帯の雇用者所得が増えたため」と分析している。
 だが先進国の中では依然として高水準で、引き続き対策が求められそうだ。
 調査は全国の世帯を対象に無作為抽出し、16年7月に所得についての調査票を配布。2万4604世帯(有効回答率71.8%)が回答した。
 子供の貧困率を巡っては、1985年に10.9%だったが、その後、上昇傾向が続き、2009年に15.7%、12年に16.3%と2回連続で過去最悪を更新していた。だが直近は雇用環境の改善により働く母親が増え、月額給与やパートの時給も上がったことから、貧困率の改善につながったという。
 大人も含めた所得の低い人の割合を示す「相対的貧困率」は15.6%と、前回調査から0.5ポイント改善した。子供の貧困率と比べ改善幅が小幅にとどまったのは、貧しい高齢者が増えているからだという。
 経済協力開発機構(OECD)が13年に取りまとめたデータによると、加盟国平均の相対的貧困率は11.4%、子供の貧困率は13.3%だった。日本の現状は、改善したとはいえこの時のOECD平均を上回っており、厚労省はさらなる対策が必要だとしている。
 首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターの阿部彩教授は「今回の調査でも、ひとり親家庭の貧困率は改善したとはいえ、なお5割を超えている。支援の拡充が必要だ」と話している。

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