2017-07-08(Sat)

1707九州豪雨  被災者の救援に全力を

人命の救助に全力を  「命を守る行動」最優先に 異常気象への対策急務  

<各紙社説>
朝日新聞)九州豪雨 人命の救助に全力を (7/8)
毎日新聞)九州の記録的な豪雨 避難態勢の点検が必要だ (7/8)
北海道新聞)九州の豪雨 異常気象への対策急務 (7/8)
信濃毎日新聞)九州の豪雨 土砂災害 身に迫る怖さ (7/8)
中国新聞)九州豪雨 被災者の救援に全力を (7/8)
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読売新聞)九州北部豪雨 被害の拡大防止を最優先に (7/7)
秋田魁新報)九州記録的豪雨 経験則避けまず避難を (7/7)
河北新報)九州豪雨/どこでも起き得る災害だ (7/7)
京都新聞)九州豪雨  どこでも降りかねない (7/7)

神戸新聞)九州豪雨/急ぎたい孤立住民の救助 (7/7)
愛媛新聞)九州豪雨 わがこととして防災の見直しを (7/7)
徳島新聞)九州北部豪雨 大水害の備えは十分か (7/7)
高知新聞)【九州の豪雨】常に防災意識の点検を (7/7)

西日本新聞)九州記録的豪雨 「命を守る行動」最優先に (7/7)
熊本日日新聞)九州豪雨 先を見越した防災行動を (7/7)
南日本新聞)[西日本で豪雨] 住民救援に全力挙げよ (7/7)




以下引用



朝日新聞 2017年7月8日05時00分
(社説)九州豪雨 人命の救助に全力を


 九州北部に記録的な大雨が降り、被害が拡大している。土砂崩れが各地で発生、複数の集落が孤立し、安否を確認できない人も多数出ている。
 救助を待つ人の疲労は増しているだろう。行方不明者の捜索や孤立者の救出に、消防や自衛隊、各自治体は全力をあげてほしい。降り続く雨や土砂崩れへの懸念から、作業は難航している。政府は関係省庁の力を集め、支援にあたるべきだ。
 被害の全体像は降り始めから3日たっても十分にわかっていない。それが、いかに大変な豪雨に見舞われたかを物語る。
 1日で7月の雨量の1・5倍が降った福岡県朝倉市では、通信手段がとだえ、情報が伝わっていない集落もある。あちこちで山肌が崩れ、大分県日田市では川の増水で鉄橋が流された。
 被害は高齢者が多い中山間地に多いようだ。自力での避難が難しい人もいるだろう。避難所に身を寄せた人も1千人を超す。
 福岡、大分両県は運営などにあたる支援要員を現地に派遣したが、政府とも連携を密にし、不足しているものを素早く供給してもらいたい。
 今回の雨は、台風3号が列島を横断した後に激しさを増した。積乱雲が帯状に並び、同じ地域に集中豪雨をもたらす「線状降水帯」が原因だ。朝倉市では時間雨量が130ミリ、24時間雨量の最大値が545ミリというすさまじい雨量となった。
 まずは救助が第一だが、避難勧告や指示が適切に出されたのか、それがうまく伝わっていたのかなど、事後の検証もしっかりする必要がある。
 線状降水帯は2012年の九州北部豪雨や、14年の広島土砂災害、15年の関東・東北豪雨でも災害を引き起こした。こうした局地現象は、スーパーコンピューターを使った今の予報技術でも予測が難しい。
 地球温暖化に伴う気候変動で、今後、極端な降水がより頻繁に起きるともいう。全国どこでも発生しうる現象だ。
 大切なのは、避難勧告を待つのではなく、時間的な余裕がない事態も想定し、ふだんから備えておくことだ。自分が住んでいる場所についての災害のリスクや、地形なども把握し、災害ごとの避難の仕方を事前に確認しておくことが重要だ。
 今月から、気象庁は河川の氾濫(はんらん)や浸水の恐れがある地域を5段階で色分けして地図で示す情報提供を始めた。情報が、よりきめ細かくなるのは結構なことだ。だが、それを生かすのは住民であることを肝に銘じたい。
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毎日新聞2017年7月8日 東京朝刊
社説:九州の記録的な豪雨 避難態勢の点検が必要だ


 九州北部地方が記録的な大雨に見舞われている。河川の氾濫や土砂崩れにより、多くの死者や安否不明者が出た。冠水や流木で各地の道路が寸断され、孤立状態の中で助けを待っている人も少なくない。
 政府は関係閣僚会議で、警察や自衛隊などによる救助部隊を1万2000人態勢に拡大した。まずは救助を急ぎたい。
 冠水のため、長期間の避難生活を多くの住民が強いられそうだ。政府や自治体は、きめ細かな支援を継続する必要がある。
 線状降水帯と呼ばれる積乱雲の連なりが上空に居座ったことで、大雨につながった。福岡県朝倉市では7月の月間平均の1・5倍もの雨量を短時間で記録した。
 こうした局地的な豪雨は予測が難しい。気象庁が福岡県と大分県に「数十年に1度の重大な災害」に当たる大雨特別警報を出した時は、大雨のピークが過ぎていた。判断は適切だったのか。検証が必要だろう。
 被害が大きかった朝倉市や大分県日田市では、特別警報が出る前に住民に避難指示を出すなど、早めの対応が取られた。
 それでも人的被害を防げなかった。この地域では、5年前の7月にも死者30人を出す集中豪雨に襲われた。その時の教訓は今回、生かされたのだろうか。
 高齢者ら要援護者を迅速に避難させられたかどうかも大切な点だ。
 昨年8月に東北地方を襲った台風で、洪水から逃げ遅れた岩手県岩泉町のグループホームの9人が亡くなった。それを機に、内閣府は避難勧告のガイドラインを見直し、避難準備情報を出すのと同時に、高齢者に避難を始めるよう促す運用に改めた。また、施設と行政の間で、災害時の連絡体制を事前に決めておくことにした。
 こうした仕組みが機能したのかも、点検しておきたい。
 短時間の集中豪雨による土砂災害や河川の氾濫が近年、毎年のように発生している。一昨年、鬼怒川が氾濫したように、東日本を含め全国どこでも起こりうる。
 どう命を守るのか。一人一人が住んでいる地域の危険度を知り、避難の方法を事前に考えておくことだ。自主的な備えも欠かせない。
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北海道新聞 2017/07/08 08:50
社説:九州の豪雨 異常気象への対策急務


 九州地方を襲った記録的な豪雨が、大きな爪痕を残した。関係機関は行方不明者の捜索や孤立した人たちの救助に、全力を挙げてもらいたい。
 現場は中山間地域で「災害弱者」の高齢者が多い。避難生活は長期化が懸念される。健康維持などきめ細かな対応も欠かせない。
 今回の豪雨を含め、近年の気候変動は異常と言うほかない。地球温暖化の影響もあるのか、大型の台風やゲリラ豪雨が後を絶たず、政府は、日本の気候が「新たなステージ」に入ったと分析した。
 気象予測の技術を向上させ、避難のあり方を検証する―。さまざまな視点で備えを充実させ、早急に防災・減災対策を練り上げる必要がある。
 九州の豪雨は、梅雨前線に湿った空気が流れ込み、次々と生まれる雨雲(積乱雲)が連なる「線状降水帯」の発生が原因という。
 鬼怒川が氾濫した2015年の関東・東北豪雨や、土砂災害で多くの犠牲者が出た14年の広島豪雨も同様だ。
 異常気象を象徴する現象だが、それがいつ、どこに、どの程度の規模で発生するか、現在の科学では詳細に把握できない。
 気象庁は観測データや知見を積み上げて、予報の精度を高める努力を続けてほしい。
 自治体にも課題がある。
 今回は、逼迫(ひっぱく)した事態を示す「特別警報」が発令された。
 しかし、既に濁流が押し寄せており、避難は困難だったと証言する住民が少なくない。
 昨年の台風10号による水害で、避難勧告の遅れにより、岩手県内の高齢者グループホームが濁流に襲われたことも記憶に新しい。
 状況は急激に変化する。避難の「空振り」も恐れず、早い段階で、住民が素早く、スムーズに行動に移れるよう、自治体は検討を重ねなければならない。
 豪雨は甚大な土砂災害の引き金にもなる。住民に丁寧に説明しながら、遅れている土砂災害警戒区域の指定を加速させるべきだ。
 避難勧告・指示を出すタイミングや避難所開設の時期などを、時間軸に沿って決めておく「タイムライン」も、新たな防災行動計画として磨きをかけたい。
 福岡、大分両県に特別警報が出ていた6日、稲田朋美防衛相が「政務」を理由に防衛省を一時不在にしたのは、理解に苦しむ。
 九州の災害対応は長期化する見通しだ。緊張感を欠いた対応は許されない。
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信濃毎日新聞 (2017年7月8日)
社説:九州の豪雨 土砂災害 身に迫る怖さ


 泥水が流れ込んだ家の周りに積み重なる流木。鉄橋を濁流にさらわれ、ぐにゃりと曲がって垂れた線路…。九州北部での記録的な豪雨は、山あいの地域に甚大な被害をもたらした。
 川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、死者や行方不明者が出ている。大分県日田市の小野地区では大規模な山崩れが起きて消防団員が亡くなり、多くの住民が孤立した。
 気象庁は、数十年に一度の重大な危険が差し迫ったとして5日に特別警報を福岡、大分両県に出していた。避難指示は熊本を含む3県で最大44万人余に及んだ。
 特別警報は6日に解除されたが、雨はその後も断続的に激しく降り、8日も大気の不安定な状態が続くという。被害がさらに広がらないか心配だ。
 家が流されたり壊れたりして戻れない住民は多い。道路は至るところで寸断され、田畑も泥に埋まった。日常の暮らしを取り戻すめどは立たない。手だてを尽くして被災地域の復旧を支えたい。
 猛烈な雨は、積乱雲が帯のように連なる「線状降水帯」によるものだ。南西からの湿った風が、北西からの海風とぶつかって積乱雲が次々と発生した。帯が9時間以上も停滞したために大雨が降り続いたという。
 同じ現象は、梅雨の時期などに国内のほかの地域でも起こり得る。2014年の広島の土石流災害や15年の関東・東北の豪雨災害も線状降水帯が原因だった。
 気候変動による局所的な大雨が今後さらに増えることも懸念される。今回の豪雨は山間部での土砂災害の怖さをあらためて示した。信州に暮らす私たちにとって、よそ事と済ませられない。
 特別警報は13年に運用が始まって以来、長野県内では出ていないが、1995年以降で基準を満たす大雨は3件ある。06年の集中豪雨では岡谷の土石流などで10人以上が亡くなった。その基準に達しなくても、大雨による災害は繰り返し起きている。14年の南木曽の土石流では4人が死傷した。
 何より大事なのは住民の命を守ることだ。避難の勧告や指示を出す判断は市町村長に委ねられている。基準は適切で明確か、被災地の経験を踏まえて再確認し、判断が遅れないようにしたい。高齢者や障害者の避難を助ける態勢を整えることも重要だ。
 住民自身の備えも欠かせない。過去には千曲川や天竜川が決壊した大水害も起きている。身近にどんな災害の危険があるかを知り、防災への意識を新たにしたい。
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中国新聞 2017/7/8
社説:九州豪雨 被災者救援に全力を


 濁流に流された鉄橋、土砂にのみ込まれた家々、無数の流木…。茶色に染まったむごたらしい光景が広がる。またしても自然の猛威を見せつけられた。
 九州北部を襲った記録的な豪雨である。福岡と大分両県で、きのうまでに10人を超す犠牲者が出た。依然連絡が付かない人や行方不明の人も大勢いる。
 両県では、警察や消防、自衛隊など1万2千人態勢での捜索や支援活動が続いている。とにかく人命救助を第一に、全力を挙げてほしい。
 西日本は引き続き大気の状態が不安定で、今後も地盤の緩みによる土砂災害などが懸念されるという。国や自治体には、被害拡大を防ぐ対策にも万全を期してもらいたい。
 被害が大きかったのは、県境の山あいの地である。道路の寸断などでアクセスができないため、今なお孤立している集落が複数あり、心配だ。住民の安否も含めて、被害の全容が把握し切れておらず、救援活動も難航しているようだ。
 山間部の災害対策への課題があらためて突き付けられたともいえよう。まずは孤立した地域の状況を把握して、支援を届けなくてはならない。道路などインフラやライフラインの復旧も急務である。
 今回甚大な被害をもたらしたのは、「線状降水帯」と呼ばれる積乱雲の帯である。5日未明にかけては広島、島根両県にも大雨を降らせ、広島市安佐北区でも死者が1人出た。その帯が梅雨前線とともに南下し、九州北部が記録的豪雨となったとみられている。
 狭い範囲に長時間雨を降らせるのが特徴である。河川の氾濫などを起こして、大きな災害につながりやすい。5年前の九州北部豪雨や、3年前の広島土砂災害、一昨年栃木県の鬼怒川の堤防が決壊したのも、この現象が原因という。
 「線状降水帯」はもはや特別なものではなく、しばしば起こり得る気象現象といえる。メカニズムの解明や、対策を急ぐ必要がある。近年の災害は、従来の常識や経験に基づく「想定」が通用しない。あらためて肝に銘じたい。
 気象庁が今回、福岡、大分両県に発表した「大雨特別警報」は2013年に新設された。「数十年に一度の重大な災害」の危険が迫っていることを明確に伝えるのが目的で、最大級の警報である。だが温暖化など地球規模の気候変動で、今や「数十年に一度」起き得る危険だとは言ってはおれまい。
 しかも気象庁が発表したのは大雨のピークを過ぎてからだった。「空振り」が懸念されたという。いかに正確な情報を出すかも重要だが、命に関わる事態にスピードは欠かせない。
 実際、大分県では、避難所に向かう途中、土砂に巻き込まれた犠牲者もいる。少しでも早く行動できていれば、命を失わずに済んでいたかもしれない。
 自治体も「空振り」を恐れず、警報や特別警報に縛られることなく、避難指示を出すなど、早めの判断を求めたい。
 梅雨前線は依然、日本列島に居座っており、なお厳重な警戒が必要だ。中国地方でも、またいつどこで同様の事態が起きても不思議ではない。私たち一人一人も、災害への認識を改め、心構えを新たにしたい。
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読売新聞 2017年07月07日 06時00分
社説:九州北部豪雨 被害の拡大防止を最優先に


 政府と自治体は被害の全容を早急に把握し、被災者の救助と支援に全力を挙げてもらいたい。
 九州北部を襲った記録的豪雨で、河川の氾濫や住宅の流失・浸水が相次いだ。
 土砂崩れなどにより、死者や不明者が出ている。福岡、大分、熊本の3県では一時、約45万人に避難指示が発令された。
 外遊中の安倍首相の臨時代理を務める麻生副総理は、6日の関係閣僚会議で「想像を超えるものになり、事態は深刻だ」として、対応に万全を期すよう指示した。
 警察と消防、自衛隊が約7800人態勢で救助・捜索を始めた。政府調査団も現地入りした。自治体と連携し、道路が寸断されて孤立した地域の救援や、避難住民へのきめ細かい支援に努めたい。
 気象庁は、福岡、大分両県に大雨特別警報を出した。福岡県朝倉市では、1時間雨量が130ミリ近くに達した。80ミリ超で、人は雨に圧迫感や恐怖を覚える。
 6日午前までに降った24時間の雨量も、平年の7月の月間雨量を上回る約540ミリを観測した。想像を絶する猛烈な雨が長時間、降ったことがうかがえる。
 雨が小降りになっても、地盤は緩んでいる。さらなる土砂崩れに警戒を怠ってはならない。
 大雨の原因は「線状降水帯」だ。幅20~50キロ、長さ50~300キロの範囲内に積乱雲が次々と発生し、雨を降らせる。今回、九州北部の山と、南下する梅雨前線に沿って降水帯が形成された。
 5年前に九州北部を襲った豪雨も、線状降水帯が原因だった。2014年の広島土砂災害や、15年の関東・東北豪雨でも猛威を振るった。気象災害をもたらす新たな現象として、発生メカニズムの研究を進める必要がある。
 地球温暖化などで海水面の温度が上昇傾向にあることが、影響しているのではないか。大気中の水蒸気が増えると、豪雨災害が増えるとの指摘もある。
 梅雨前線は依然、列島に居座っている。大雨が襲来する気象条件は揃っている。九州以外でも油断は禁物である。気象情報を踏まえて、速やかに避難するなど、身を守る行動を心がけたい。
 気象庁は4日から、大雨などの危険度を、色分けした地域の地図を使って予測する取り組みを始めた。運用の開始から間もなく、大雨になったため、効果を十分に発揮できなかった。
 的確な情報提供は、住民の安全確保に役立つ。新システムを有効に機能させることが大切だ。
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秋田魁新報 2017年7月7日 掲載
社説:九州記録的豪雨 経験則避けまず避難を


 活発な梅雨前線の影響で、福岡、大分両県を中心に九州北部などで記録的な豪雨となった。死者が出ているほか、冠水や土砂崩れで孤立する地域が相次ぎ、自衛隊や消防、警察などが懸命の救助活動に当たっている。
 濁流に住宅や車が流されたり、集落が土砂に埋まったりと、自然の脅威の前には立ちすくむ思いだ。前線は6日夜も九州北部に停滞したままで、被害の拡大が懸念される。住民の安全を願うばかりだが、地元自治体や政府は人命を最優先に救助活動などに全力を挙げてほしい。
 福岡県朝倉市では、6日午前8時までの24時間で542ミリの雨を記録した。秋田市で一年のうち最も雨が多い7月の平年降水量188ミリの3倍近い雨がわずか1日で降った計算だ。想像するのさえ難しい量だが、時としてこうした豪雨になるということを改めて心に刻みたい。
 県内でも、家庭や福祉施設など、それぞれが避難場所やそこまでの経路を確認してもらいたい。川のそばや低い場所、斜面などに注意し、冠水などを想定して経路の安全性を見直すことが重要だ。
 秋田地方気象台によると、本県は6月21日ごろに梅雨入りしたとみられるが、これまでのところ梅雨前線の影響を受けた日は多くない。今年は太平洋高気圧の張り出しが弱く、前線は日本列島の南の方に停滞しているという。
 今回は、その前線に南から暖かく湿った空気が流れ込み、北から入る冷たい空気とぶつかって積乱雲が次々と発生。「線状降水帯」となって長時間にわたって雨が降り続き、記録的豪雨となった。一昨年9月、鬼怒川の堤防が決壊するなどして大きな被害を出した関東・東北豪雨も線状降水帯によるものだ。
 同気象台によると、一般的に西日本の方が湿った空気が入り込みやすく、線状降水帯ができやすい。ただし、台風が近づいている場合などには、本県でも発生する可能性があるといい、油断は禁物だ。
 今後、梅雨前線がどう動くのか予想は難しいが、県内でも大雨への備えは欠かせない。同気象台は気象に関する情報、警報や特別警報に注意するよう呼び掛ける。市町村が出す避難情報についても自ら確認し、早めの避難行動に結び付けてほしいとしている。
 大雨特別警報は、数十年に1度の降水量になることが予想されるときに発表される。今回も福岡、大分両県の多くの市町村に出された。被害状況を見れば、「これまではこうだった」という経験則が通じないことは明らかだろう。
 まずは身を守ることを最優先に、行動を起こすことが何より大切だ。市町村が避難指示の発令をためらうことがあってはならない。指示には、大きな被害に至らない「空振り」が付きものであることを住民に説明し、大雨への備えを万全にしたい。
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河北新報 2017年07月07日金曜日
社説:九州豪雨/どこでも起き得る災害だ


 濁流と共に大量の流木に埋め尽くされた集落、無残に押し流されたJR線の鉄橋、避難所で不安にかられている住民…。またしても、自然の猛威を見せつけられた。
 異例の経過だった。4日から5日にかけ、西日本を横断した台風3号が足早に東海上に去ったと思ったら、息つく間もなく中国地方と九州北部を豪雨が襲った。
 「数十年に1度程度」の大災害が迫っているとして気象庁は5日午前、「大雨特別警報」を島根県に発表。昼には解除した。しかし、夕方には福岡、大分の両県に「飛び火」した形で再び同警報が出され、豪雨は九州北部を中心に甚大な被害をもたらした。
 6日午前までの24時間雨量が、540ミリ超という記録的豪雨を観測した福岡県朝倉市では、川が氾濫。流木などに埋もれていた男性の遺体が見つかった。隣接する大分県日田市でも土砂崩れに巻き込まれた男性が亡くなった。
 行方不明者や安否が確認できない人がまだいる。
 土砂崩れの危険が拭えず雨がまた降りだすかもしれない中、自衛隊などによる孤立者の救助、不明者の捜索が行われている。時間との闘いになる。全力を尽くしてほしい。
 台風や大雨の常襲地とされ度々、災害に見舞われてきた九州の住民ですら、「これほどの大雨は人生で初めて」「どうしてこんなことに」と悲嘆するほどの豪雨だった。
 気象庁によると、活発な梅雨前線が、九州の北に長時間停滞したのが原因だ。そこに大量の水蒸気を含んだ空気が流れ込み、積乱雲が次々に発生。猛烈な雨を降らせた。
 雨雲が数時間にわたり帯状に並び、同じ地域に集中豪雨をもたらすことから「線状降水帯」と言われる。専門家の間では2014年8月の「広島豪雨」、15年9月の「関東・東北豪雨」なども含め、大災害を引き起こす近年の集中豪雨は、この現象が作用しているとの見方が強い。
 海水温など列島周辺の微妙な環境変化が雨の降り方に影響を与えているとすれば、これらの豪雨も「異常気象」とは言えない段階に入っている。地震・津波だけでなく、豪雨災害も、もはや日本全国どこででも起こり得ると考えた方がいいのではないか。
 今回の被害の全容はまだ十分に見通せないが、特別警報の発表のタイミングは適切だったか。計20回近くに上った記録的短時間大雨情報の出し方が、住民の避難行動にどう生かされたかを検証し、今後の対策の教訓にしてほしい。
 台風シーズンはまだ始まったばかりだ。1時間100ミリクラスの豪雨に、その場で対処するのは難しい。気象庁は「避難場所や避難にかかる時間を普段から考えておくことが大切」と指摘している。
 一人一人の命を守るため、家族や地域と声を掛け合って行動する。自助と共助。防災の基本に立ち返りたい。
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[京都新聞 2017年07月07日掲載]
社説:九州豪雨  どこでも降りかねない


 濁流によって川があふれ、家屋や車がのみ込まれていく。避難した人たちの表情は固く、暗い。
 またしても、大雨による大水害が起きてしまった。
 活発な前線の影響で記録的な大雨に見舞われた福岡、大分の両県などで、犠牲者の遺体が発見されたほか、行方不明者が出た。
 大規模な河川の氾濫や、これに伴う住宅、高齢者施設などの孤立が相次ぎ、知事の災害派遣要請を受けて現地入りした自衛隊、消防、警察による救助、救援活動が続いている。
 鉄道、道路の寸断など、生活基盤への影響も深刻だ。内閣府は先遣隊を派遣し、情報の収集に努めている。
 しかしながら、被害の全容は、いまだに分からないままだ。状況の確認を急ぎ、一人でも多くの命を救ってほしい。
 今回の大雨は、南北の高気圧に挟まれた梅雨前線が、長時間、九州北部に停滞、そこに湿った空気が流れ込んで積乱雲が次々と発達し、「線状降水帯」を形成したことで降り続いたとされる。
 福岡県朝倉市では、6日午前までの24時間に、500ミリを大きく超える降雨があり、観測史上最大の雨量を記録した。
 線状降水帯ができて動かなくなると、こうした局所的な大雨になるという。
 いつ、どこで降ってもおかしくない、ということを胸に刻んでおきたい。
 気象庁は、中国地方に続き、九州北部の大気が不安定な状況をみて、5日の段階で両県の広い範囲に「特別警報」を出し、「最大級の警戒」を求めていた。
 直前の台風3号通過に安心せず、その後の降雨にも注意を払う必要があった。
 特別警報は、数十年に一度の非常に重大な災害が起きる恐れがあることを伝え、直ちに命を守るための行動を取るよう促すもので、気象庁が2013年から運用を始めている。
 開始直後の同年9月、台風18号が猛威をふるった京都府と滋賀、福井の両県に初めて出された。
 京都では桂川、由良川が氾濫し、約70万人に避難指示や避難勧告があったことは、まだ記憶に新しい。滋賀では、土砂崩れによって1人が死亡した。
 せっかくの特別警報だったが、京滋の4市町で住民に周知されず課題とされた。今回はどのように伝わり、避難行動に生かされたのか、検証を忘れてはならない。
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神戸新聞 2017/07/07
社説:九州豪雨/急ぎたい孤立住民の救助


 記録的な豪雨に見舞われた九州北部の福岡、大分両県で救助、救援活動が本格化した。被災エリアは広域で、警察、消防、自衛隊を合わせて約7800人が入っているが、活動は難航している。
 全体の被害はまだ明らかになっていない。押し寄せた濁流と土砂によって道路はあちこちで寸断され、JR久大線の鉄橋が流された。そして複数の犠牲者が確認され、行方不明者は十数人に上る。
 多数の住民が、孤立した集落や施設で助けを待つ。豪雨と土砂災害を逃れた命を救い出すことが、何より急がれる。
 病気を抱えた人、体調を崩した人はどこにいるのか。人命に関わる情報の入手が困難なことがもどかしい。
 今回の豪雨は、停滞する梅雨前線に湿った空気が流れ込み、積乱雲が次々と生まれる「線状降水帯」がもたらした。
 梅雨前線は先に中国地方に大雨を降らせ、大陸側の高気圧に押されて南下した。雨は7日も降り続く見通しで、厳重な警戒が必要だ。さらに長崎、佐賀、熊本の各県でも積乱雲が発生しやすい状態で、心配が募る。
 中国地方でも九州地方でも、数十年に1度の大災害が予想される場合の「大雨特別警報」が発令された。
 九州での避難指示は一時、45万人に上った。これから暑さが増す中、厳しい避難生活が予想される。水害や土砂災害の被災地では後片付けが大変だ。物資やボランティアの支援も視野に入れたい。
 福岡県朝倉市では、5日午前0時から6日午後2時までの総雨量が観測史上最大の555ミリに達した。一昨年、北関東や東北で起きた水害では48時間の雨量が500ミリに達したが、それを上回る急激な豪雨だ。
 バケツをひっくり返すどころか、私たちの常識や想像を超えている。短時間のうちに河川から水があふれ、山が崩れて土砂が集落を襲う。それが近年の豪雨被害の特徴である。
 大雨の予報があれば、気象庁や地元自治体の情報を細かくチェックすることが大事だ。何より「念のために」と近所や知り合い同士で声を掛け合い、早めの避難を心がけたい。
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(愛媛新聞) 2017年7月7日(金)
社説:九州豪雨 わがこととして防災の見直しを


 あっという間に氾濫した川、鉄橋をなぎ倒し、民家や田畑をのみ込む濁流―。自然の猛威に打ち震える。九州北部を襲った記録的な豪雨で犠牲者が出た。まだ安否が確認できない人もいる。まずは行方不明者の捜索や孤立住民の救助に全力を挙げてもらいたい。地盤の緩みによる新たな土砂災害にも十分な警戒が必要だ。
 福岡、大分両県では、数十年に1度の甚大な被害の恐れがあるとして、気象庁が31市町村に大雨特別警報を出し、約20時間にわたって「最大級の警戒」を呼び掛けた。自治体による避難指示の対象は、両県と熊本地震の被災地、熊本県南阿蘇村も含め約45万人に上った。情報網も寸断されたため、埋もれた被害はまだあると思われる。自治体や国は被害の全容把握を急ぎ、被災者の生活支援と復旧にきめ細かく当たらねばならない。
 豪雨は、前線の動きに伴って積乱雲が帯になった「線状降水帯」が、九州北部に停滞したのが原因だ。通常は30分から1時間程度で衰弱する積乱雲が連続発生して形成され、一定範囲に長時間の大雨を降らせる。74人が死亡した2014年8月の広島市の土砂災害を引き起こした大雨も同様だった。翌年9月の関東・東北豪雨では、二つの台風で運ばれた湿った空気で少なくとも10個の線状降水帯ができたとされ、鬼怒川の堤防が決壊するなどして計8人が犠牲になった。近年こうした極端な気象現象が相次いでおり、重い警鐘として受け止める必要がある。
 気象庁は昨年、気象衛星の最新機器による観測データの活用を進め、天気予報や警報の決め手となる基礎情報の精度を大幅に改良した。それでも線状降水帯を生む水蒸気の流れは予測が難しいとされる。異常事態はどこでも突然起こり得るとの認識を深め、全国で「わがこと」として対策を強化しなければならない。堤防などインフラの再点検や危険性に関する住民への情報提供、災害時の周知体制の確認などに改めて取り組みたい。
 「10分くらいで、あっという間に家が水に漬かった」。住民が証言するように、命運を分けるのは一刻も早い避難だ。自治体は避難勧告や指示をためらわずに出して、ただちに命を守る行動を促さなければならない。今回いち早い対応が取られたことは過去の教訓が生かされたと言えよう。
 だが万全ではない。雨脚は激しく、道路の冠水も早かった。1人暮らしの高齢者など避難所へ行くのも危険な上、夜になり個々の状況判断はさらに難しかった。普段から地域ごとに状況を想定して行動計画を定め、住民一人一人が関わって連携体制を整えておくことが大切だ。
 そのためにもあらゆる角度からの検証が欠かせない。米国には災害の事後検証制度があり、連邦政府、州政府などが法改正や新たな対策につなげているという。日本でも教訓を確実につなぐ体制を構築したい。
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徳島新聞 2017年7月7日付
社説:九州北部豪雨 大水害の備えは十分か


 中国地方から九州北部にかけて大雨が降り、福岡、大分両県を中心に河川の氾濫や土砂崩れなどが相次いでいる。引き続き厳重に警戒しなければならない。
 気象庁は数十年に1度の甚大な被害の恐れがあるとして、両県の広い範囲で大雨特別警報を出し、「最大級の警戒」を求めた。
 福岡県朝倉市では、観測史上最大の545・5ミリの24時間雨量を記録した。住宅が浸水し、道路が寸断され、一帯には流木が散乱している。豪雨で亡くなったとみられる男性の遺体も発見された。
 大分県日田市でも、土砂崩れ現場で消防団の男性が見つかり、死亡した。JR九州久大線の鉄橋が流されるなど、交通機関への影響も大きい。
 孤立状態となった住民もおり、自衛隊や消防、警察などが救助活動に当たっている。
 安否が分からない人たちのことが気掛かりである。ほかに災害に巻き込まれた人はいないか、確認を急ぎたい。
 子どもやお年寄りも抱えた被災者は不安だろう。行政の手厚い支援が欠かせない。
 今回の大雨は、前線の動きに伴って、積乱雲が帯になった「線状降水帯」が、九州北部に停滞したのが原因だ。
 線状降水帯は、長時間ほぼ同じ場所を通過または停滞するため、注意が必要である。
 2015年9月の関東・東北豪雨は、茨城県で鬼怒川の堤防が決壊するなど東日本に大水害をもたらした。この時は、少なくとも10個の線状降水帯ができたとされる。
 徳島県でも、たびたび豪雨災害が起きている。
 14年夏には、台風による豪雨で那賀川が増水。那賀町や阿南市加茂谷地区では、民家や特別養護老人ホーム、加茂谷中学校の校舎など、大規模な浸水被害が出た。
 04年夏の台風豪雨も、すさまじい爪痕を残した。那賀町の旧木沢村では土石流などが発生し、2人が亡くなった。
 梅雨末期の大雨が懸念される時期である。県市町村や消防団、自主防災組織は災害への備えを強めてほしい。
 今回、九州などを襲った豪雨でも、災害弱者であるお年寄りの安否が心配された。
 豪雨の際には、早めの避難が、被害の拡大を防ぐ道である。地域の避難経路が確保されているか、1人暮らしのお年寄りらを支援・誘導する態勢は整っているか、しっかりと確認しておきたい。
 徳島県や国土交通省四国地方整備局などは5月、豪雨災害を想定した情報伝達演習を行った。県は、市町村に避難情報を迅速に発信してもらうため、首長に速やかに情報を伝えて被害を防ぐ構えだ。
 公的機関と地域住民が連携を密にして、災害に対処することが大切である。
 ただ、予期しない災害では行政による「公助」が間に合わないこともよくある。
 日ごろから、隣近所と手を携えて、「自助」「共助」の力を養い、地域の防災力を高めていきたい。
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高知新聞 2017.07.07 08:00
社説:【九州の豪雨】常に防災意識の点検を


 福岡県、大分県を中心とする九州北部を、住民たちがかつて経験したことのない猛烈な豪雨が襲った。
 自衛隊や警察、消防などが救助活動に当たっているが、道路が寸断されたり、河川の氾濫による漂流物に行く手を阻まれたりする場所が多く見受けられる。
 7月5日昼ごろから長時間降り続けた大雨で、死者や行方不明者、連絡の取れない人たちが出た。雨はきょう7月7日まで続く見通しで、引き続き厳重な警戒が必要だ。
 二次災害にも注意しながら、住民の救助や救援に全力を挙げてほしい。大雨で地盤が緩んだ場所では、土砂災害の危険もある。
 福岡県朝倉市では1時間に129・5ミリという、この地点では統計を開始して以来最多の記録的豪雨となった。気象庁によると、1時間に80ミリ以上の雨は「猛烈な雨」と定義され、人が強い圧迫感や恐怖を感じるレベルだ。今回の雨がいかに強いかが分かる。
 記録的大雨になった原因は、大陸側の高気圧に押されて南下した梅雨前線を太平洋高気圧が押し返す形となり、前線がほとんど動かず停滞したためとみられる。そこに積乱雲が次々に発生した。
 2年前の9月に起きた関東・東北豪雨でも見られた「線状降水帯」と呼ばれる現象だ。気象庁は数十年に1度の甚大な被害の恐れがある「特別警報」を出した。
 2013年8月に運用を開始した特別警報は、「命の危険を知らせる」最大級の警報だ。2015年からは「緊急速報メール」として対象地域の住民らのスマートフォンや携帯電話への一斉配信も始まった。
 当初は住民や自治体に「分かりにくい」という声もあった特別警報だが、その後いくつかの自然災害で運用されてきた。今回の九州豪雨でどう機能したのか、後日、検証し今後に生かすべきだ。
 特別警報が出た場合、住民は直ちに避難することが求められる。既に外出が危険な状態なら、無理をせず家の2階に上がったり、土砂崩れの危険がある山側の部屋を避けたりするなど、少しでも安全な場所にとどまる必要がある。
 近年、日本列島を襲った自然災害では、住民から「かつて経験したことがない」という声をよく聞く。しかしそれまでなかったからといって、油断すれば被害は拡大する。
 こと災害に関しては、想定外の事態を一つ一つつぶしておくに越したことはない。それには国や自治体などの情報伝達や住民の早期避難の面で、やはり日ごろの訓練がものをいうはずだ。
 住民は避難所や避難経路の確認はもちろん、身の回りの危険な場所を把握しておくなど、防災意識を絶えず点検することを心掛けたい。
 梅雨末期は地面が雨を吸い込み、大きな災害が起きやすい。本格的な台風シーズンも控えている。各地の災害から教訓を得ることも、防災への大事な備えとなる。
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西日本新聞 2017年07月07日 10時43分
社説:九州記録的豪雨 「命を守る行動」最優先に


 観測史上最大の雨量をもたらしている豪雨の被害は、時間の経過とともに拡大していく様相だ。自然の猛威に驚かざるを得ない。
 梅雨前線が停滞し、狙い澄ましたように九州北部に大雨を降らせ続ける。雨は続く見通しだ。土砂崩れで孤立した人々は辛抱強く救出を待っている。人命救助を最優先に被害の拡大を防ぐとともに、災害の長期化にも備えたい。
 気象庁は一昨日、福岡、大分両県に九州で初の「大雨特別警報」を出した。特別警報は「直ちに命を守る行動」を住民に促すため2013年に新設された。「数十年に1度」の災害が差し迫ったときに発表される最大級の警報だ。
 12年7月の九州北部豪雨を思い出す。福岡、熊本、大分3県で死者31人、行方不明3人を出した。特別警報はまだなかったが、「命を守る行動」の大切さを私たちは学んだ。5年前の教訓を改めてかみしめたい。特別警報はきのう午後に解除されたが、なお厳重な警戒が必要である。
 今回の記録的豪雨で福岡県朝倉市や大分県日田市などでは多くの民家が濁流にのまれた。複数の集落が孤立している。犠牲者が相次いで確認される一方、安否不明や連絡の取れない人もいる。まずは救急救命活動に全力を挙げ、被災者支援にも手を差し伸べたい。
 近年、従来の常識や経験が通用しない災害が増加している。福岡管区気象台によると、九州・山口では2000年代に入って「非常に激しい雨」(1時間50ミリ以上80ミリ未満)の降る回数が1980年代の約1・4倍に増えた。地球温暖化などの影響とみられる。今回の豪雨も、積乱雲(雨雲)が次々に発生して線状に降水帯が延びる「線状降水帯」がもたらした。
 昨年の熊本地震など度重なる災害で私たちは教訓も得てきた。河川の氾濫や土砂の流出など地域の危険箇所はどこか。お年寄りの避難ルートは大丈夫か。各地で防災計画も練り直されてきたはずだ。
 官民を問わず九州で培った相互援助の力を結集して今回の苦難も粘り強く克服していきたい。
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熊本日日新聞 2017年07月07日
社説:九州豪雨 先を見越した防災行動を


 活発な梅雨前線の影響で九州北部を記録的な豪雨が襲い、各地で甚大な被害が出ている。梅雨前線は7日にかけて西日本に停滞する見込みで、引き続き厳重な警戒が必要だ。
 5日から6日にかけての豪雨で福岡、大分両県では冠水や土砂崩れが起き、複数の死者が出た。両県には数十年に1度の災害の危険があるとして、気象庁が大雨特別警報を出していた。家屋の被害が相次ぎ、道路の寸断などで孤立状態になった地域も出ている。
 まずは孤立した住民の救助に全力を挙げてほしい。復旧には時間がかかりそうで、国と自治体は連携して被災者の支援にも全力を尽くしてもらいたい。
 今回の豪雨で熊本県内でも洪水や土砂崩れの危険性が高まっている。昨年の地震で河川の堤防が傷み、山間部の地盤は緩んでいる。氾濫の恐れのある河川や土砂崩れの危険がある場所には近づかないようにすることが重要だ。
 自治体ではハザードマップ(危険予測地図)を作っている。これを基に住民への注意喚起を徹底してもらいたい。また、住民も避難先をあらかじめ確認し、早めの避難を心掛けたい。
 災害弱者への対応も忘れてはならない。今年5月には、高齢者や障害者らが入る施設に避難計画の策定、訓練を義務付ける改正水防法が成立した。努力目標のため計画策定は進んでいないが、浸水想定区域が設定されていない中小河川でも、市区町村長が過去の大雨による浸水状況を住民らに周知するよう求めている。差し迫った危険がなくても、万一に備えた対応が必要だろう。
 5年前の九州北部豪雨では、阿蘇市で大規模な土砂崩れが発生し、熊本市市街地で白川が決壊するなど、23人が死亡、2人が行方不明になった。その教訓を忘れてはならない。県では夜間に大雨が予想される場合、明るいうちに住民に自主的避難を呼び掛ける「予防的避難」に取り組んでいる。被害に遭ってからでは遅い。重要性を改めて肝に銘じたい。
 今回の大雨は、前線の動きに伴って積乱雲が帯になった「線状降水帯」が停滞したのが原因だ。被害の大きかった福岡県朝倉市と大分県日田市では24時間雨量が観測史上最大となった。
 豪雨への対応で最近注目を集めているのが、事前防災行動計画(通称・タイムライン防災)だ。自治体や防災機関が連携し、「いつ」「誰が」「何を」を合言葉にして、先を見越して災害対応を取る。このタイムラインに照らせば、線状降水帯によって大雨が予想され警報が発表された段階で、態勢をつくり、明るいうちに住民の避難行動を促すことも可能だ。県内でも検討の動きはあるが、広域的な導入を急ぎたい。
 これまで災害が起きる度にさまざまな課題が指摘されてきたが、同じ失敗を繰り返してきた苦い過去がある。災害は身近に起こるとの前提に立ち、先を見越した防災行動を取ることが求められる。
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南日本新聞 ( 2017/7/7 付 )
社説:[西日本で豪雨] 住民救援に全力挙げよ


 活発な梅雨前線の影響で西日本一帯は5日から6日かけ、豪雨に見舞われた。大規模な河川の氾濫や土砂崩れなどが続発し、被害は甚大だ。
 福岡、大分、島根の3県には数十年に1度の災害の危険があるとして、大雨特別警報が出された。九州北部を中心とした自治体による避難指示は一時、40万人以上に上った。
 福岡、大分両県で6日夕の時点で死者2人、行方不明者1人、広島で死者、行方不明者各1人となった。
 交通網への爪痕も大きく、大分県日田市のJR九州久大線の鉄橋が流された。道路の寸断や冠水で孤立する地域が相次ぎ、住民の安否が懸念されている。
 被害状況の全容把握が急がれる。政府や自治体は、不明者の捜索はもとより住民の救援活動やライフラインの復旧に全力を挙げなければならない。
 今回の豪雨は台風の通過後、不意打ちを食らった格好だった。福岡県朝倉市では、24時間雨量で観測史上最大の545.5ミリの雨が降った。
 記録的な豪雨をもたらしたのは「線状降水帯」と呼ばれる気象メカニズムである。積乱雲が幅20~50キロ、長さ50~300キロの帯状に連なったものだ。
 九州北部地方では前線に向かって湿った空気が流れ込み積乱雲が発生。一つの雲が衰退しても次から次へ雲ができる状態が続いた。この雲の帯が狭い範囲で長時間の大雨を降らせることになった。
 気を付けたいのは、線状降水帯はどこで形成されてもおかしくないことだ。鬼怒川の堤防が決壊した2015年9月の関東・東北豪雨でもみられた。
 折しも梅雨末期である。今後も警戒は怠れない。ただでさえ地盤が緩んでいるところに雨が追い打ちをかけ、土砂災害などに結びつくケースが多いからだ。
 九州北部は12年7月にも豪雨災害があり福岡、熊本、大分の3県で死者・行方不明者が32人に上った。当時の教訓はどう生かされたのか検証が欠かせない。
 早めの避難こそ防災の鉄則だろう。避難指示を出すタイミングは適切だったか、障害者やお年寄りら弱者のサポートは十分だったかなどをチェックすることが求められる。
 南九州もよそごとでは済まされない。線状降水帯が南にずれていれば、同様の災害が起きる可能性もあった。
 1993年の8・6水害などの被災体験を風化させず、防災への関心を高めることが必要だ。
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