2017-07-11(Tue)

加計学園問題 閉会中審査(2) やはり証人喚問が必要だ

各紙社説等(17)  「丁寧な説明」全く足りぬ  政府説明納得できない 
疑惑晴れず臨時国会開き説明を


<各紙社説・論説>
東奥日報)応酬続けても疑念拭えず/加計問題閉会中審査(7/11)
秋田魁新報)加計問題審査 政府の説明は不十分だ(7/11)
新潟日報)加計閉会中審査 今度は首相が答える番だ(7/11)
福井新聞)加計問題の閉会中審査 「丁寧な説明」全く足りぬ(7/11)
愛媛新聞)「加計問題」閉会中審査 疑惑晴れず 臨時国会開き説明を(7/11)

徳島新聞)「加計問題」審査  やはり証人喚問が必要だ(7/11)
高知新聞)【加計問題と国会】さらなる究明が必要だ(7/11)
佐賀新聞)政府は根拠示し反論を 加計問題閉会中審査(7/11)
熊本日日新聞)加計閉会中審査 政府は根拠示して反論を(7/11)
南日本新聞) [加計閉会中審査] 政府説明納得できない(7/11)




以下引用



東奥日報 2017年7月11日(火)
社説:応酬続けても疑念拭えず/加計問題閉会中審査


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り衆参両院で閉会中審査が行われ、文部科学省に首相官邸や内閣府から圧力がかかったとする前川喜平前文科事務次官が野党側の参考人として出席した。
 与党側も国家戦略特区ワーキンググループ委員らを参考人に立て、質疑は両院合わせ約7時間に及んだ。しかし双方の主張はかみ合わず、焦点の首相官邸の関与の有無などは明らかにならなかった。
 特区の愛媛県今治市で加計学園が事業者に選定される過程に次官として関わった前川氏は、首相補佐官らに手続きを早めるよう迫られ、内閣府との調整で文科省が萩生田光一官房副長官を頼った経緯などを踏まえ「担当は内閣府だが、背景に官邸の動きがあった」と指摘。「行政がゆがめられた」との認識を示した。
 与党側の参考人は「『加計ありき』は全くの虚構」と主張。萩生田氏は働き掛けや指示を否定し、特区制度を担う山本幸三地方創生担当相も「何ら問題はない」と強調した。だが裏付けに乏しく、「早期開学」を迫ったとされる萩生田氏や内閣府側の発言を記録した一連の文科省文書と前川氏の証言を打ち消すほどの説得力はなかった。
 安倍首相も出席する閉会中審査や予算委員会の集中審議が欠かせないのは言うまでもないが、「言った」「言わない」という応酬を繰り返しても、らちが明かない。
 文科省文書や前川氏の証言などによると、獣医学部新設について内閣府側が強硬な姿勢に出るのは昨年9月。10月に入り、萩生田氏が調整役として内閣府や首相補佐官と話をするが、下旬になり「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」「官邸は絶対やると言っている」と文科省幹部に告げたとされる。
 前川氏は、萩生田氏が「私の方で整理しよう」と調整を引き受けたとする文書を「在職中に目にした」と証言。萩生田氏は文科省側から相談を受けたことは認めながらも「発言の記憶はない」とした。
 前川氏の証言が一連の文科省文書の内容と重なり合うのに対し、内閣府や萩生田氏が、記録はない、記憶もない-では、いつまでたっても疑念は拭えない。今後、国会が外部の第三者に参加を求め、官邸や内閣府、文科省など関係府省庁で記録文書確認や聞き取り調査を進めることも考えるべきではないか。
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秋田魁新報 2017年7月11日 9時37分
社説:加計問題審査 政府の説明は不十分だ


 「初めから加計(かけ)学園ありきで、加計に決まるようにプロセスが進められた」とし行政がゆがめられたと指摘する文部科学省の前川喜平前事務次官に対し、山本幸三地方創生担当相ら政府側は国家戦略特区への獣医学部新設の決定は「適正なプロセスだった」と主張し、議論は平行線をたどった。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画に、安倍首相や官邸が関与したのではないかとの疑惑が指摘されていることを受け、衆参両院で閉会中審査が行われた。6月の全国世論調査では加計学園問題に関する政府の説明について、7割以上の人が「納得できない」と答えた。この日の政府の答弁を聞く限り、国民の理解が進んだとはとても思えない。
 野党側の参考人として出席した前川氏は、学部新設の主体として加計学園が選ばれる過程が不透明で不公平だったと問題視した。だが、政府側は「特区制度に個人の意向が入る余地はない」などと外形的な手続き論に終始した。
 政府に疑惑を解明しようという姿勢は感じられない。首相は先日、加計問題について「しっかり説明責任を果たしていく」と述べた。説明責任とはポイントをずらし、説明したいことだけを話すことではない。前川氏が指摘する疑惑を否定するのなら、きちんと根拠を示すべきだ。
 前川氏は在職中、和泉洋人首相補佐官から特区への獣医学部新設を早く進めるよう働き掛けを受けたと説明し、「総理は自分の口から言えないので私が言う」と伝えられたと証言。「特区担当は内閣府だが、背景に官邸の動きがあった」と述べた。
 加計問題では、文科省と内閣府などとのやりとりを記したとされる文科省の文書が多数公表されている。文書には「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などの記載があり、学部新設に慎重な文科省が圧力を受けたことが読み取れる。
 萩生田光一官房副長官が高等教育局長と会った際の発言をまとめたとされる昨年10月の文書に「(開学時期が)平成30年4月は早い。無理だと思う。要するに、加計学園が誰も文句が言えないような良い提案をできるかどうかだな」と記されている。萩生田氏は「具体的な日付を話したことはない」と内容を否定したが、文書として残された記録より個人の記憶を信じろというのには無理がある。
 これまでに明らかになった文書や前川氏の証言には説得力があり、首相や官邸の意向を背景に加計学園ありきで突き進む様子が浮かび上がる。根拠も示さず単に否定する政府のやり方では国民の理解は得られない。
 政府・与党には疑惑を払拭(ふっしょく)するため、より積極的な対応が求められる。この日出席しなかった安倍首相が直接説明することはもちろん、証人喚問などの必要性を真剣に検討すべきだ。
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新潟日報 2017/07/11
社説:加計閉会中審査 今度は首相が答える番だ


 真相究明が期待される国会審議の場で、改めて疑惑が指摘された事実は極めて重い。さらに、最大の「当事者」といえる安倍晋三首相が不在では、国民の納得は到底得られまい。
 野党側は、首相が出席する予算委員会の集中審議を開くよう求めている。政府・与党はまず、それに応じることが不可欠である。
 安倍首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」の国家戦略特区への獣医学部新設計画を巡り、衆参両院で閉会中審査が開かれた。ようやくである。
 参考人として出席した前文部科学事務次官の前川喜平氏はこれまでの記者会見に続き、首相官邸の関与を強調した。
 前川氏は、和泉洋人首相補佐官の名前を挙げ「さまざまな動きをしていた」と振り返った。
 新設の選定経緯については「プロセスが不透明で不公正だと思っている。初めから加計学園と決まっていた」と述べた。
 特区への獣医学部新設に必要とされた4条件と学園側の計画の整合性に関しても十分な議論がされていなかったとし、「不公平で、国民から見えないところで決定された」と批判した。
 前川氏の主張に新味はない。だが事務方トップとして文部科学行政を束ねていた人物が、国会の場で行政の公正性や公平性に疑義を呈したことは看過できない。
 これに対し政府側は前川氏の主張を否定することに終始し、これまでの姿勢から全く変化はうかがえなかった。
 一方で政府の調査が十分なのか疑問を抱かせる場面があった。文科省の調査で未確認の「10/7萩生田副長官ご発言概要」文書について、前川氏が「担当課から受け取った」と説明したからだ。
 いずれにしても議論は平行線をたどり、真相が明らかにされたとはいえない。
 問題の発端は、計画を巡り、文科省が内閣府側から「総理のご意向」と伝えられたなどとする文書が発覚したことだ。
 その後も官邸側の意向をうかがわせる文書が見つかり、「加計ありき」で計画が進んだのではないかとの疑念が深まっている。
 最大の焦点は、首相や官邸の意向で行政がゆがめられたのかどうかである。にもかかわらず、ポイントがずれたような議論があったことは残念だった。
 安倍首相や和泉氏、文科省と並ぶもう一方の当事者である内閣府の関係者を国会に呼び、事実経過を詳しくただす必要がある。
 首相には、真相究明に消極的な政府や自民党の姿勢に関する認識も問いたい。
 菅義偉官房長官は文書が発覚した当初、「怪文書」と切り捨てた。文科省も詳しい調査に及び腰だった。閉会中審査に応じることにしたのも、都議選で自民党が惨敗してからだ。しかも首相が外国訪問中の審査である。
 政権や政策に対する不信がこれほどまでに高まったこと自体、首相の責任は免れないだろう。問題をすり替えず、本気で説明責任を果たすべきである。
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福井新聞 2017年7月11日 午前7時30分
論説:加計問題の閉会中審査  「丁寧な説明」全く足りぬ


 【論説】政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡る衆参両院の委員会による閉会中審査が開かれた。野党側の参考人として出席した前川喜平前文部科学事務次官が、「総理のご意向」などと記された文科省の文書の信ぴょう性を改めて証言し、背後に首相官邸の働きかけがあったと強調した。
 一方、政府側はプロセスに「何ら問題はない」、関与の肝心な部分は「記憶にない」などとこれまでの答弁を繰り返すのみで、安倍晋三首相が通常国会の閉幕時などに述べた「丁寧な説明」からは程遠いと言わざるを得ない。
 とりわけ不誠実なのは、この問題の渦中にいた官僚らを野党が出席させるよう求めていたのにもかかわらず、「異動」などを理由に欠席させたことだろう。これでは「加計隠し」のための異動だったとしか言いようがない。
 こうした中での審査は、かえって前川氏の証言の真実味を際立たせる結果にもなったといえよう。
 特に文科省が「確認できなかった」とした「10/7萩生田副長官ご発言概要」について、前川氏は「担当課から説明を受けた際に受け取った文書に間違いない」と断言。文書には「四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明がつくのか」などとあり、その後、地域限定での新設を認めた「加計ありき」をうかがわせるものだ。
 これに対して、萩生田光一副長官は10月7日に文科省幹部と会ったことは認めたものの、発言については「記憶はない」とした。だが、他の文書にも内閣府側に沿ったとされる萩生田氏の発言があり、真っ向否定するだけの根拠がないままでは、文書の方がよほど説得性を持たないか。
 前川氏は加計学園の計画が「獣医師の需要動向」など新設の4条件が十分検証されなかったと指摘。規制緩和と称しながら「広域的に存在しない地域に限り」「平成30年4月開学」と規制し、「京都産業大の計画との比較検証も不十分だった」と、改めて「行政がゆがめられた」と強調した。
 さらには「総理は自分の口から言えないから、自分が代わって言う」と圧力をかけられた和泉洋人首相補佐官を“キーマン”に挙げた。働き掛けを受けたという学園理事の木曽功内閣官房参与はむろん、理事長の加計孝太郎氏らの証人喚問も必要だ。
 菅義偉官房長官は「国会が決めること」と答弁したが、幕引きは許されない。審査は安倍首相の不在のもとで行われた。そのことで不信感を募らせた国民も少なくないはずだ。
 「記録はない」「記憶もない」を繰り返す前に、記録を徹底的に洗い出し反論すべきだ。いつまでたっても疑念が拭えない状況は、安倍政権自らを追い込むことにほかならない。それができないならば、かねて前川氏が指摘していたように第三者による調査に委ねる方法もある。「逃げるが勝ち」を国民は許さない。
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(愛媛新聞)2017年7月11日
社説:「加計問題」閉会中審査 疑惑晴れず 臨時国会開き説明を


 学校法人「加計学園」の今治市への獣医学部新設計画問題を巡って、衆参両院で閉会中審査が開かれた。官邸の意向によって行政の手続きがゆがめられたと主張している文部科学省の前川喜平前事務次官は「初めから加計学園に決まっていた」「内閣府の背景に官邸の動きがあった」と改めて強調した。しかし政府は明確な根拠を示さないまま否定し、疑惑は何一つ晴れなかった。
 加計学園理事長は首相の「腹心の友」。問題の核心は、政府の国家戦略特区制度を利用した学部新設手続きが「加計学園ありき」で進められていたかどうかである。文科省の事務方トップを務めていた前川氏の発言は非常に重い。ただ真相解明には程遠く、首相が出席しての国会質疑が不可欠だ。愛媛県民が憂慮なく大学を迎え入れられるよう、政府は真相を早急に明らかにしなければならない。
 焦点の一つは首相や側近からの指示の有無だ。前川氏は、萩生田光一官房副長官が政府内の調整について「私の方で整理しよう」と発言したとする文科省内部文書の存在を認めた。萩生田氏は文科省幹部との面会は認めたが「発言した記憶はない」と曖昧な答弁を繰り返した。複数の関係者が同席する中での発言が、食い違うのはあまりに不自然で、ふに落ちない。
 政府が獣医学部の新設の前提とする「獣医師の需要動向の考慮」など4条件を満たしたか否かでも食い違いをみせた。前川氏は「合致するか十分な議論がされていない」と指摘。見切り発車は許されないはずだが、山本幸三地方創生担当相は「需要動向の数字をはっきり示すのは無理だ」と条件を曲げた上で、「(条件を満たすと)最終的に私が確認した」と答弁した。何をもって確認したのかは明確にせず、説得力はなかった。
 前川氏に対応を迫ったとされる和泉洋人首相補佐官は野党の求めに応じず審査を欠席した。「和泉氏がさまざまな動きをしていた」(前川氏)と指摘するように鍵を握る一人だ。疑念に正面から答えるべきで、欠席は許されない。和泉氏を含め文科省や内閣府、加計学園の関係者を国会に呼ぶ必要がある。
 そもそも自民党が本気で真相解明に取り組んでいるとは思えない。閉会中審査に応じたのは都議選で惨敗を喫したから。それも、あえて首相が外遊中の日程を選んだ。「安倍隠し」で、時間がたてば世論は沈静化すると思っているのだろう。これで幕引きしようとするなら、逆風はさらに強まると肝に銘じるべきだ。
 加計学園問題を巡り、首相は「丁寧に説明する」と誓ったはず。特定秘密保護法や安全保障関連法などでも繰り返し口にしたが、約束が果たされたことはない。首相は「一点の曇りもない」と強調する以上、閉会中審査ではなく、憲法に基づき野党が要求している臨時国会を召集し説明を尽くさねばならない。
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徳島新聞 2017年7月11日付
社説:「加計問題」審査  やはり証人喚問が必要だ


 政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、衆参両院の委員会がそれぞれ閉会中審査を開いた。
 最大の焦点は、首相官邸の働き掛けがあったのかどうかである。だが、予想通り真偽は分からなかった。
 安倍晋三首相が外遊中で出席せず、鍵を握る首相補佐官らも呼ばないのでは、疑問は到底解消されまい。
 ここはやはり、じっくりと審査できる臨時国会を召集すべきだ。併せて、偽証すれば罪に問われる証人喚問で関係者らに話してもらう必要がある。政府、与党は早急に対応しなければならない。
 委員会で注目されたのは、問題の表面化以来、初めて参考人として国会に出てきた前川喜平・前文部科学事務次官の証言である。
 前川氏は「背景に官邸の動きがあった」と強調した。
 根拠に挙げたのが、昨年8月に学園理事で当時内閣官房参与だった木曽功氏から新設の話を「早く進めてほしい」と促され、9、10月には和泉洋人首相補佐官からも同様の要請を受けたことだ。
 その中で、和泉氏は「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と話したという。
 これに対して、木曽、和泉の両氏とも発言を否定しているが、委員会にその姿はなかった。国会で説明を尽くす責任がある。
 前川氏は、文科省の調査で確認されなかった文書「10/7萩生田副長官ご発言概要」が存在したとも明言した。
 国家戦略特区の諮問会議が獣医学部新設の方針を決めたのは、昨年11月9日だ。それなのに、文書には加計学園の予定地・愛媛県今治市を前提としたような表現があった。
 萩生田光一官房副長官は、発言の「記憶はない」とし、計画への関与も否定した。
 萩生田氏と前川氏の説明には食い違う点が多い。どちらが正しいのか。前川氏は証人喚問を受ける構えだ。萩生田氏も応じるべきである。
 政府が2015年に示した獣医学部新設の4条件に、加計学園の計画が合致しているかも焦点の一つだった。
 これについて、前川氏が「十分な議論がされていない」と批判したのに対し、山本幸三地方創生担当相は「(条件を満たすと)私が確認した」と胸を張った。
 石破茂担当相の主導で4条件が設けられた当時、農林水産省は「現状で対応できている」とし、獣医師を増やす環境にはないとの認識だった。
 新設に向けて動きだしたのは、昨年8月に担当相が山本氏に代わってからだ。その後、一体どんな環境変化があったのか。
 前川氏は、加計学園だけに当てはまるような条件が加わったことなども挙げ、「行政がゆがめられた」と語った。
 このままでは国民の納得は得られまい。1日だけで審査を終わらせれば、不信感は募るばかりだ。
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高知新聞 2017.07.11 08:00
社説:【加計問題と国会】さらなる究明が必要だ


 政府への疑念は払拭(ふっしょく)されるどころか、深まったのではないか。学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、7月10日衆参両院で閉会中審査が開かれた。
 参考人として出席した前川喜平・前文部科学事務次官は「初めから加計学園と決まっていた」「首相補佐官がさまざまな動きをしていた」と答弁した。
 前川氏の国会招致は初めてだ。文科省の元事務方トップが国会で、政策決定の不透明な流れと官邸の不適切な関与を指摘した事実は重い。
 一方で、政府側は「(手続きは)適正だった」「総理からの指示はなかった」と従来通りの説明を繰り返したが、根拠も具体性も乏しい答弁だったと言わざるを得ない。
 そもそも加計学園の理事長は安倍首相の「腹心の友」であり、首相の関与をうかがわせる複数の内部文書が明らかになっている。にもかかわらず首相は欧州歴訪中で、与党は補佐官の招致にも応じなかった。
 これでは国民は納得できない。国会によるさらなる究明が必要だ。首相や補佐官の出席も強く求める。
 加計学園は国家戦略特区によって愛媛県今治市に獣医学部を開設する事業者に選定されている。獣医学部は半世紀以上新設が認められておらず、安倍政権が「岩盤規制」改革の一環として進めてきた。
 ところが、内部文書や前川氏の告発によって加計学園ありきの選定だった疑念が生じている。
 安倍政権は2015年に獣医学部新設に対し、近年の獣医師の需要動向を考慮するなどの4条件を決定。前川氏は答弁で、加計学園は4条件に合致するのか「十分な論議がされていない」と指摘した。
 山本地方創生担当相は「文科省は4条件に反すると立証しておらず、(選定は)問題ない」と反論したが、選定過程の不透明さが解消されたとは言い難い。
 内部文書に名前が登場する萩生田官房副長官らも、官邸の関与を強く否定し、前川氏と政府側の主張の対立が最後まで際立った。
 自民党は、前川氏がなぜ現役次官の時に声を上げなかったのかなどについて疑問を呈しているが、前川氏は「行政がゆがめられた」とまで指摘している。言った、言わないの応酬や平行線の議論のまま終わらせてはならない。
 当初、自民党は閉会中審査を求める野党の要求を拒否していたが、東京都議選で大敗し、応じることを余儀なくされた。政府与党に厳しい目が向けられているのは最近の世論調査を見ても明らかだ。
 安倍首相は先の通常国会の閉幕に当たり、「今後も丁寧に説明していく」と述べた。これは国民への約束である。
 今回の質疑では、山本氏が長い答弁書を早口で延々と読み上げるなど国民への説明姿勢を疑わざるを得ない場面も散見された。政府としての約束を首相自ら先頭に立って国会で果たすべきだ。
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佐賀新聞 2017年07月11日 05時00分
論説:政府は根拠示し反論を 加計問題閉会中審査


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り衆参両院で閉会中審査が行われ、文部科学省に首相官邸や内閣府から強い圧力がかかったとする前川喜平前文科事務次官が野党側の参考人として出席した。与党側も国家戦略特区ワーキンググループ委員らを参考人に立て、質疑は両院合わせ約7時間に及んだ。
 特区の愛媛県今治市で加計学園が事業者に選定される過程に次官として関わった前川氏は首相補佐官らに手続きを早めるよう迫られ、内閣府との調整で文科省が萩生田光一官房副長官を頼った経緯などを踏まえ「担当は内閣府だが、背景に官邸の動きがあった」と指摘。「行政がゆがめられた」との認識を示した。
 与党側の参考人は「『加計ありき』は全くの虚構」と主張。萩生田氏は働き掛けや指示を否定し、特区制度を担う山本幸三地方創生担当相も「何ら問題はない」と強調した。しかし記録文書などの裏付けに乏しく、「早期開学」を迫ったとされる萩生田氏や内閣府側の発言を記録した一連の文科省文書や前川氏の証言ほどの説得力はない。
 安倍首相も出席する閉会中審査や予算委員会の集中審議が欠かせないのは言うまでもないが、「言った」「言わない」という応酬を繰り返しても、らちが明かない。政府は記録など具体的な根拠を示し反論すべきだ。
 文科省文書や前川氏の証言などによると、獣医学部新設について内閣府側が強硬な姿勢に出るのは昨年9月。「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」として文科省に「平成30(2018)年4月開学」を迫った。前後して、前川氏は内閣官房参与や首相補佐官から認可の手続きを早めるよう促された。
 10月に入り、萩生田氏が調整役を引き受けて内閣府や首相補佐官と話をするが、下旬になり「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」「官邸は絶対やると言っている」と文科省幹部に告げた。また、そのころ萩生田氏の指示により、加計学園に有利になるよう獣医学部新設の要件が修正されたという。
 萩生田氏が「私の方で整理しよう」と調整を引き受けたとする文書は文科省の調査で確認されていないが、前川氏は「在職中に目にした」と証言した。萩生田氏は文科省側から相談を受けたことは認めながらも「発言の記憶はない」とした。
 その後、安倍首相が11月に特区諮問会議で獣医学部新設に向け制度見直しを表明。今年1月には加計学園が事業者に選定された。
 前川氏は「獣医学部新設の要件が次々に付され、加計学園に決まるようプロセスが進んだように見える」とし、15年に閣議決定された「獣医師の需要動向」など新設の4条件が十分検証されなかったと述べた。
 前川氏の証言は一連の文科省文書の内容と無理なく重なり合う。だからこそ「加計ありき」の疑念が深まっている。しかし内閣府は当初から、その内容をことごとく否定する一方で、文科省とのやりとりや内閣府内の議論を記録した文書はないと繰り返すばかりだ。
 記録はない、記憶もない-では、いつまでたっても疑念は拭えない。今後、国会が外部の第三者に参加を求め、官邸や内閣府、文科省など関係府省庁で記録文書確認や聞き取り調査を進めることも考えるべきだろう。(堤秀司)
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熊本日日新聞 2017年07月11日
社説:加計閉会中審査 政府は根拠示して反論を


 政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、衆参両院で10日、閉会中審査が開かれた。野党側の参考人として出席した文部科学省の前川喜平前事務次官は首相官邸の関与があったとの認識を示したが、政府側は否定。与党側の参考人は「『加計ありき』は全くの虚構」と主張した。
 行政は首相官邸の働き掛けによってゆがめられたのか、そうではないのか-。求められているのは真相の解明である。「言った」「言わない」という応酬を繰り返しても、らちが明かない。
 安倍晋三首相は6月19日の記者会見で、加計学園問題の記録文書調査で政府対応が二転三転し国民の不信を招いたことを認め、「指摘があればその都度、真摯[しんし]に説明責任を果たしていく。国会の閉会、開会にかかわらず、分かりやすく丁寧に説明していきたい」と述べた。今回は外遊中で出席しなかったが、野党が求める予算委員会の集中審議に速やかに応じ、説明責任を果たすべきだ。
 獣医学部新設を巡っては、首相自身の関与や、首相の意向と捉えた官僚の忖度[そんたく]がなかったかが問われている。首相は「私が介入する余地はない」と強調しているが、文科省がこれまでに確認した文書には、首相の意向をうかがわせる記載が複数ある。
 前川氏はこの日の審査でも「特区担当は内閣府だが、背景に官邸の動きがあった。和泉洋人首相補佐官がさまざまな動きをしていた」と証言。文科省が確認できなかったとしている文書「10/7萩生田副長官ご発言概要」も「担当課から説明を受けた際に受け取った文書に間違いない」と述べた。
 この文書には「四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明がつくのか」といった、加計学園の予定地・愛媛県今治市を前提としたような表現もある。だが、萩生田光一官房副長官は「発言した記憶はない」と述べた。
 前川氏の証言は一連の文書の内容と無理なく重なり合う。だからこそ「加計ありき」の疑念が深まっている。政府も疑念を晴らしたいのであれば、記録など具体的な根拠を示して反論するべきだ。
 安倍政権は2015年に閣議決定した「日本再興戦略」で、既存の獣医師養成でない構想が具体化し、新たな分野の具体的需要が明らかになり、既存の大学では対応が困難な場合に、近年の獣医師の需要動向も考慮して-という四つの条件付きで獣医学部の新設に道筋を示した。山本幸三地方創生担当相は、加計学園の計画は4条件を満たしており「何ら問題ない」と強調したが、選定のプロセスは不透明で国民に分かりにくい。
 また、首相は6月24日の講演で獣医学部新設について「速やかに全国展開を目指したい。意欲があるところにはどんどん新設を認める」と述べた。「加計ありき」との疑念を解消する狙いがあったようだが、4条件との整合性などさまざまな問題をはらむ発言だ。この点も丁寧な説明を求めたい。
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南日本新聞 (2017/7/11 付 )
社説: [加計閉会中審査] 政府説明納得できない


 「規制緩和をすべきかどうかの問題ではなく、選定の過程が不透明、不公正だと思っている。初めから加計学園と決まっていた」
 国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を巡る衆参両院の閉会中審査が行われ、参考人として出席した前川喜平前文部科学省事務次官が述べた。
 国民の抱いている疑問もまさにこの部分である。選定の背景に安倍晋三首相の意向や首相官邸の働きかけがあったのかどうか、という点だ。
 政府側はプロセスは適正だったと繰り返し、官邸の関与を否定した。だが、根拠に乏しく、国民を納得させたとは言い難い。
 やはり首相自らが出席する委員会開催が必要だ。前川氏や、前川氏が「さまざまな動きをしていた」と指摘する和泉洋人首相補佐官らに対する証人喚問を行い、真実を明らかにするべきだ。
 審査の焦点の一つは、加計学園の計画が、獣医学部新設の4条件に合致しているかどうかだった。
 安倍政権は2015年に閣議決定した「日本再興戦略」で(1)既存の獣医師養成ではない構想が具体化(2)近年の獣医師の需要動向を考慮する(3)新分野における具体的需要が明らか(4)既存の大学では対応が困難、を挙げた。
 前川氏は「(条件に)合致するか十分な議論がされていない。不公平で、国民から見えないところで決定された」と批判した。
 山本幸三地方創生担当相は「(条件を満たすと)最終的に私が確認した」と述べた。しかし、文書を延々と読み上げる答弁もあり、国民に対して真摯(しんし)に理解を求める姿勢は感じられなかった。
 安倍首相は先月、獣医学部について、加計学園に限らず、「2校でも3校でも、意欲があるところにはどんどん新設を認める」と発言している。
 加計学園だけに配慮しているわけではないと言いたいのだろうが、新設条件には触れず、ここでも4条件との整合性は不明なままだ。何を根拠に一層の新設を主張しているのか、首相は説明責任を果たすべきだ。
 前川氏は文科省の調査で確認されなかった、萩生田光一副長官が調整を引き受けたとされる文書も「在任中に目にした」と証言。萩生田氏は「発言した記憶はない」と否定した。
 だが、「記憶はない」と述べるだけでは疑念は拭えない。
 政府が「加計ありきではなかった」と主張するなら、記録文書など具体的な根拠を示さなければならない。
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