2017-07-12(Wed)

「共謀罪」法施行 違憲の法律は廃止こそ

国会解散廃止論議を  市民自由 圧迫するな  常に危うさへの監視

<各紙社説・主張>
朝日新聞)「共謀罪」施行 危うさを問い続ける (7/11)
東京新聞)「共謀罪」施行 市民の自由 圧迫するな (7/11)
しんぶん赤旗)「共謀罪」法の施行  違憲の法律は廃止こそが必要 (7/11)
北海道新聞)「共謀罪」法施行 常に危うさへの監視を (7/11)

信濃毎日新聞)共謀罪法施行 乱用許さぬ厳しい目を (7/11)
京都新聞)「共謀罪」法施行  乱用への懸念を拭えぬ (7/11)
山陽新聞)「共謀罪」施行 捜査権の乱用を防ぐには (7/11)
琉球新報)「共謀罪」法施行 国会解散し廃止論議を (7/11)




以下引用



朝日新聞 2017年7月10日05時00分
(社説)「共謀罪」施行 危うさを問い続ける


 「共謀罪」法があす施行される。政府・与党が委員会での審議と採決を省略し、いきなり本会議に持ち込むという、強権的な手法で成立させたものだ。
 経緯をふり返る。
 政府は、国連の組織犯罪防止条約に加盟し、テロを封じ込めるには、この法律が不可欠だと主張した。だが当の国連の専門家から疑義が寄せられると、ほおかむりを決めこんだ。すでに加盟している他国がどんな法整備をしたのか、詳細はついに説明されず、計画段階から処罰できる犯罪類型を277もつくることについても、説得力のある理由は示されなかった。
 こうした不誠実な態度に加え、国会審議を通じてあらためて浮かびあがったのは、捜査当局が重ねてきた基本的人権を踏みにじる行いである。
 犯罪とまったく関係のない環境保護団体やイスラム教徒の動向を見張る。野党の機関紙を配布する人を長期にわたって徹底尾行する。選挙のとき、労働団体が入る建物の前に監視カメラを設置する――。
 いずれも警察が実際に手を染め、近年、人々の知るところとなった驚くべき行為だ。
 捜査や摘発の前倒しをねらう共謀罪法は、こうした警察の不当・違法な動きを助長することになりかねない。法律の必要性を説く前に、まず「過去」を検証し、謝罪する。それが当然踏むべき手順だった。
 ところが松本純国家公安委員長は、市民監視の実態について「今後の警察活動に支障を及ぼすおそれ」があるとして最後まで説明を拒み、「責務を果たすため必要な情報収集を行っている」と開き直る答弁をした。
 公安委員会は、警察の民主的運営を保障し、独善化を防ぎ、政治的中立性を確保するために設けられた組織だ。そのトップが使命を忘れ、チェック機能を放棄し、当局と一体化する。そんなことで人々の懸念をぬぐえるはずがない。松本氏以外の5人の委員の見識も問われる。
 法律が動き始めようとするいま、安倍首相の国会での発言をもう一度確認しておきたい。
 「一般の方々が処罰対象となることはない」「新たな捜査手法を導入することは予定していない」「捜査機関が国民の動静を常時監視する社会になるなどということは決してない」
 この国民への約束が確実に履行されるか、一人ひとりが目を光らせなければならない。
 施行されても、共謀罪法がはらむ危うさと成立に至る経緯の不当性は変わらない。忘れず、今後も問い続ける必要がある。
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東京新聞 2017年7月11日
【社説】「共謀罪」施行 市民自由 圧迫するな


 「共謀罪」法が十一日から施行された。政府が「テロ対策」に看板を掛け替え強引に通した法律だ。反政府活動などに対する国民監視が強まる懸念は募る。何より自由の声を萎縮させてはならない。
 この法がどう運用されるか、まだわからない。警察の捜査が変化するのは確かだろう。
 今まで「既遂」が大前提だった刑事捜査が、「未遂」よりもっと前の段階の「計画」段階の捜査に移ることになることが予想される。
 そのために警察などは、携帯電話やメールなどの通信傍受などができるように法改正を求めてくるだろう。衛星利用測位システム(GPS)捜査も求めてこよう。個人がいつ、どこにいて、何を話したか、そこまで警察は入り込んでくる-。まさに内心の自由に踏み込んでくるのではなかろうか。
 そうしないと、二人以上の計画(共謀)などつかむことはできないからだ。もちろん法律で密告が奨励されているのも、共謀の中身を暴露してもらうためだ。
 だが、もともとはマフィアの人身売買、麻薬取引など金銭目的の犯罪対策の法だ。これを安倍晋三内閣は「テロ防止法」だと国民に訴えた。これは虚偽である。当初の法案に「テロ」の文字がなかったことが何よりの証左である。
 では、何のための「共謀罪」だったのか。おそらく警察など捜査当局にとって新しい捜査の武器とするためだろう。国民監視を強め、犯罪が起こる前に容疑者の身柄を拘束することができる。
 むろんテロにもマフィア捜査にも使われるだろうが、一般市民を含んださまざまな団体の活動にもこの法律は駆使されるのではないかと心配する。組織犯罪が対象といっても、二人組以上でいい。
 基地反対運動や原発反対運動、反政府運動など、「反権力」の色彩を帯びた活動はとくに狙われやすくなるのではないだろうか。さまざまな市民運動の中で、何らかの疑わしい一点を見つければ、それが犯罪になっていなくても取り締まる可能性が出てくる。そんな危険性を覚えるのだ。
 でも市民は正義の声を上げる。そんな活動を警察が意図的に狙い撃ちにして、共謀罪を使ってくるなら弾圧に他ならない。欧米では共謀罪が労働運動の弾圧に利用された歴史がある。あいまいな計画や危険性が極めて低い準備行為まで処罰の対象となるなら、憲法の精神に反する疑いも出てくる。そのような危うさを覚える。
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しんぶん赤旗 2017年7月11日(火)
主張:「共謀罪」法の施行  違憲の法律は廃止こそが必要


 6月の通常国会で安倍晋三政権が数の力で強行成立させた「共謀罪」法はきょう施行です。「心の中」を処罰対象にする憲法違反の法案に国民の批判と不信が高まる中、国会ルールをねじ曲げた乱暴極まるやり方で議論を封じて強行した安倍政権の暴挙に対し国民の怒りはますます広がり、東京都議選で首都の有権者は自民党の歴史的大惨敗という厳しい審判を下しました。国民多数が「共謀罪」法に納得しておらず、受け入れていないことは明白です。それにもかかわらず法律施行に踏み切った安倍政権の民意無視の姿勢は重大です。
恣意的運用の危険は明白
 「共謀罪」法は、日本の刑法の大原則と相いれない法律です。これまでの刑法体系では、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されることが基本でした。ところが「共謀罪」法は277もの犯罪を対象に、実際に事件が起きていない段階でも2人以上で「計画」し、うち1人が「実行準備行為」をしたと捜査機関が判断すれば全員処罰できるという仕組みです。
 「計画」を犯罪として立証するには、「内心」を捜査せざるを得ません。電話やメール、LINEなどの会話を傍受する盗聴の拡大にもつながります。「共謀罪」法は、憲法が保障する思想・良心の自由、表現の自由、通信の秘密を侵害する紛れもない違憲立法です。
 政府は「一般の人は対象外」「組織的犯罪集団に限った」などと繰り返しました。しかし国会審議では、環境保護団体も「隠れみの」とみなされれば取り締まられ、「組織的犯罪集団」の構成員でない「周辺者」も対象になることが判明しました。警察の恣意(しい)的判断で「一般の人」が監視され逮捕・処罰される危険はあまりに明白です。
 法務省は6月末、「共謀罪」法施行を前に全国の検察に対して、「留意事項」を通達しました。しかし、どんな行為が犯罪とみなされるのか具体的に示しておらず、乱用の恐れは払しょくされません。
 警察は、これまで普通の市民を長期間尾行して個人情報を収集したり、労働組合事務所前にビデオカメラを設置したりする違法・不法な監視活動を行ってきました。それが大問題になると政府は「通常業務」と開き直るばかりで全く無反省です。「共謀罪」法によって捜査権限を拡大した警察の暴走を絶対に許さないため、国民側がチェックと監視を強めることがますます必要となっています。
 「テロ対策」とか「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)」締結のためという口実は成り立ちません。むしろ国連の特別報告者からはプライバシー侵害の危険が指摘されたのに、それにも一切答えようとせず法律を施行する安倍政権の態度は国際的にも通用しません。
「戦争する国」を許さず
 安倍政権は、特定秘密保護法(2013年)、安保法制=戦争法(15年)と違憲立法を次々強行し、「戦争する国」づくりを加速させてきました。違憲の「共謀罪」法は、その動きの一環です。
 「共謀罪」法施行の目前、全国各地で安倍政権打倒を掲げた集会やデモなどが行われました。憲法9条改憲に執念を燃やし、「国政を私物化」する安倍政権の暴走を許さないたたかいと結び、秘密保護法も戦争法も「共謀罪」法もすべて廃止に追い込む世論と運動を広げることが求められます。
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北海道新聞 2017/07/11 08:55
社説:「共謀罪」法施行 常に危うさへの監視を


 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設した改正組織犯罪処罰法が施行された。
 既遂の処罰を原則とする刑事法体系を大きく転換し、犯罪の計画段階で広く処罰の対象とする。
 「内心の自由」を脅かし、発言や行動を萎縮させかねない。憲法の理念に反する法律である。
 国民の懸念をよそに、与党は、参院の委員会採決を省略する「中間報告」という奇手に訴えてまで採決を強行した。国会軽視、国民不在のそしりは免れない。
 多くの問題をはらみ、危険な「共謀罪」法は廃止すべきだ。
 その危うさを指摘し続けると同時に、法の運用への監視を怠らず、人権侵害や言論統制につながる動きを許してはならない。
 共同通信社の世論調査では、与党の採決強行を67%が「よくなかった」と批判した。
 政府が法を十分説明しているかどうかについては「思わない」が実に81%を占めている。
 東京都議選での自民党の歴史的敗北も、政府・与党の独善的な国会運営への反感が一因だろう。
 安倍晋三首相は、通常国会閉会後の記者会見で「共謀罪」法について、「必ずしも国民的な理解を得ていない」と認めた。
 しかし、その後、誠意ある説明は全くなされていない。
 「反省」や「丁寧」といった言葉を口にするだけで、特定秘密保護法や安全保障法制の成立後と同様のことが繰り返されている。
 テロ対策については、既存の法律や空港の保安強化などで対処できるとの指摘は少なくない。政府は多様な意見に耳を傾け、対策を一から練り直す必要がある。
 「共謀罪」法は、適用される「組織的犯罪集団」の定義や「何が罪に問われるのか」が非常にあいまいなため、捜査機関による恣意(しい)的な運用が懸念される。
 逮捕や家宅捜索など、当局からの令状請求を審査する裁判官の責任は極めて重大だ。
 厳格な審査で乱用を防ぎ、捜査の行き過ぎを制御、監視する役割がこれまで以上に求められる。
 「共謀罪」法を戦前・戦中に思想や言論を弾圧した治安維持法に重ね、警戒する声も根強い。
 政府は、「一般市民は捜査の対象外」と強調するが、治安維持法も成立当初は「善良なる国民には関係ない」とされた。
 権力の意向で「拡大解釈」に歯止めが利かなくなる事態こそ、歴史の示す教訓だ。決して油断してはならない。
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信濃毎日新聞 (2017年7月11日)
社説:共謀罪法施行 乱用許さぬ厳しい目を


 共謀罪法がきょう施行される。内心の処罰につながり、民主主義を根幹から脅かす重大な懸念が指摘されながら、政府与党が力ずくで押し切った立法である。運用に厳しい目を向け、廃止を見据えた取り組みを強めたい。
 一般の方々が処罰対象となることはない―。安倍晋三首相は法成立後に国会であらためて強調した。「捜査機関が国民の動静を常時監視するなどということは決してない」とも述べている。
 なぜそう言い切れるのか。審議過程で根拠は何も示されていない。二転三転した法相らの答弁はむしろ、警察権限が歯止めなく拡大する恐れを際立たせた。
 適用対象の「組織的犯罪集団」とは何か。何をもって計画に合意したと判断するか。法の核心を成す部分が明確でない。
 市民団体やNPOも「目的が一変した」として組織的犯罪集団とみなされ得る。構成員に限らず「関わりのある周辺者」も対象になると政府は答弁している。
 「対象を限定した」という説明のほころびはあらわだ。そもそも「一般の人」が誰を指すのか分からないのに、累は及ばないといくら言っても意味はない。
 277にも上る対象犯罪のどれかに関連づけ、政府に異を唱える市民運動の関係者を一掃することさえ可能だ。そこに戦時下の治安維持法に通じる危うさがある。
 共謀を察知するには、あらかじめ目をつけた組織や個人の動向をつかむことが欠かせない。協力者に内情を探らせる、ひそかに市民の情報を収集する、といった公安警察的な活動が広がるだろう。
 通信傍受(盗聴)のほか、室内に盗聴器を仕掛ける会話傍受の導入にもつながる恐れがある。また、法は密告を促す規定を置いている。思い通りの運用を許せば、息苦しい監視・密告社会に行き着くのは避けられない。
 実行行為を罰する刑法の原則を覆し、憲法の人権保障規定の意味を失わせかねない立法である。正当化する根拠はどこにもない。
 東京五輪に向けたテロ対策の必要性を政府は繰り返してきたが、法はテロ対策の実体を備えていない。国際組織犯罪防止条約を締結するためという説明にも偽りがある。条約は国内法の基本原則に反する法整備を求めてはいない。
 廃止を視野に、人権侵害や市民運動の圧迫につながらないよう運用をきつく縛る必要がある。国民が厳しく見つめ、声を上げていくほかない。警戒を怠れば、権力の暴走は防げない。
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[京都新聞 2017年07月11日掲載]
社説:「共謀罪」法施行  乱用への懸念を拭えぬ


 犯罪を計画段階で罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法がきょう施行された。
 参院で先月、委員会採決を省略した乱暴な手法で可決されたのは記憶に新しい。これにより犯罪実行後の処罰を原則としてきた日本の刑法体系は大きく変容する。捜査機関による乱用に対する懸念を拭えないまま施行されることに強い危惧を抱かざるを得ない。
 政府は、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠として共謀罪の新設を急いだ。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、テロを防ぐためにも必要だとし「テロ等準備罪」の呼称を使った。
 ところが条約の目的はマフィアなどの経済的犯罪だ。テロ対策という国民が受け入れやすいイメージを先行させ、共謀罪の必要性を問う根本的な論点さえも十分に審議されたとは言い難い。
 政府は、共謀罪の適用対象がテロ集団や暴力団などに限られ、一般市民に適用されることはないと説明した。だが国会審議で一般人かどうかの線引きははっきりしなかった。逆に組織的犯罪集団や準備行為の定義が曖昧なため、一般の団体や市民も捜査の対象になりかねないとの疑念は深まった。
 共謀を立証するのは難しく、捜査が肥大化する可能性がある。メールやLINEに捜査が及び、通信傍受やGPS捜査の拡大も心配される。法務省は共謀罪事件では可能な限り取り調べの録音・録画を実施するよう全国の検察庁に求めた。国会の付帯決議に留意した措置だが、果たしてこれで捜査機関の恣意(しい)的、あるいは過剰な運用への歯止めとなるだろうか。
 共謀罪は、戦後民主主義の基本である「内心の自由」を脅かす恐れがある。共謀罪に異を唱えてきた日本ペンクラブの吉岡忍会長は「文学者だけでなく、テレビやインターネットを含めた、市民社会全体の言論表現の自由の問題」と危機感を募らせる。
 先日の東京都議選で、自民党は歴史的大敗を喫した。国政選挙と異なるとはいえ、森友、加計両学園問題などに加え、共謀罪を巡る強権的な政治手法にも東京都民がノーを突き付けたと言える。それは各種世論調査で内閣支持率が急落していることからもうかがえる。
 このまま共謀罪が運用されれば市民活動を萎縮させ、思想の自由やプライバシーを脅かす監視社会を招くことになる。施行後も共謀罪がはらむ問題点から目をそらさず異議申し立てを続けたい。将来に禍根を残してはならない。
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山陽新聞 (2017年07月11日 08時00分 )
社説:「共謀罪」施行 捜査権の乱用を防ぐには


 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法がきょう施行された。
 共謀罪は過去3回、国会に提出され、廃案になった。政府は今回、共謀罪の目的はテロの未然防止と強調し、「テロ等準備罪」と言い換えたが、本質は変わっていない。
 過去の法案に比べて「組織的犯罪集団」などの構成要件が加わったものの、条文では「テロリズム集団その他」と書かれている。政府は「その他」には暴力団などが含まれるとするが、市民団体や労働組合も対象になるのでは、との懸念は残ったままだ。
 多くの疑問や不安が国会審議では拭えず、しかも政府、与党は参院での委員会採決を省くなど異例の手法で採決を強行した。「成立ありき」の強引な国会運営が、都議選での自民党惨敗を招いたことは否めない。
 懸念される捜査機関による乱用が行われないよう、法施行後も、国民がその危うさに関心を持ち続ける必要があるだろう。
 共謀罪で何が変わるのか。一般的に犯罪は、共謀(計画)―予備―未遂―既遂の4段階がある。日本の刑法体系ではこれまで既遂後の処罰を原則としてきたが、今後は対象となる277の犯罪について共謀段階から処罰可能になる。共謀での処罰は「準備行為」があることが要件とされているが、下見などが準備行為に当たるかどうかの見極めは難しく、事前の監視が必要になると指摘される。
 国会審議では、政府は「一般の人々は処罰対象にならない」「捜査機関が国民の動静を常時監視することはない」と説明した。「裁判所がチェックするので恣意(しい)的な運用はない」とも強調している。
 だが、大分県では昨年、参院選で野党を支援する労働組合などが入る建物の前に警察が監視カメラを仕掛けていたことが発覚した。岐阜県では風力発電施設の建設に反対しそうな市民の情報を警察が集め、企業側に提供していた。
 衛星利用測位システム(GPS)を使った捜査では最高裁が今年3月に「令状なしは違法」と判断するまで、警察は裁判所の令状がいらない「任意捜査」を行っていたことも分かっている。
 こうした現実をみると、共謀罪新設で捜査権限が拡大すれば、適用対象がなし崩し的に広がっていくのではないかとの心配が出てくるのも当然だ。裁判所は捜査の在り方をこれまで以上に厳しくチェックする姿勢が求められよう。
 亡命した米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン氏は米国家安全保障局(NSA)が情報監視システムを日本側に供与したと証言した。事実なら日本政府は個人のメールや通話などの大量監視が可能な技術を既に手にしていることになる。
 監視社会の入り口に立っているのではないか。その自覚を、まずは国民一人一人が持たねばなるまい。
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琉球新報 2017年7月11日 06:01
<社説>「共謀罪」法施行 国会解散廃止論議を


 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法がきょう施行される。
 この法律は監視社会を招き、憲法が保障する「内心の自由」を侵害する。捜査機関の権限が大幅に拡大し、表現の自由、集会・結社の自由に重大な影響を及ぼす。
 国会で法案審議の際、政府は立法府と真摯(しんし)に向き合わず、曖昧な説明に終始した。審議時間が不十分なまま、与党が参院法務委員会の採決を省く「中間報告」という奇策を使って強行採決し、成立させた。共謀罪を巡る問題を置き去りにしたまま施行されることに強く抗議する。
 国会審議の機会を奪って「数の横暴」で成立させたことは、立法府としての責任放棄である。責任が持てないのだから、国会を解散して新しい議員によって廃止に向けた議論をすべきである。
 政府は共謀罪法の必要性をテロ対策強化と国際組織犯罪防止条約の批准に必要だと説明した。しかし条約はテロ対策ではなく、マフィアや暴力団による金銭的利益を目指した組織犯罪を対象としている。テロ対策に必要だというのはごまかしにすぎず、法律をつくる正当な目的がない。
 政府は法律の適用対象を「組織的犯罪集団」としている。犯罪集団のメンバーらが2人以上で犯罪を計画し、少なくとも1人が現場の下見などの「準備行為」をすれば全員が処罰される。犯罪実行後の処罰を原則としてきた日本の刑法体系を大きく変える。
 安倍晋三首相は当初、一般市民は対象外と説明したが、後に「犯罪集団に一変した段階で一般人であるわけがない」と答弁を変えている。そもそも誰が誰を「一般市民」と決めるのか。
 警察が風力発電計画に関する勉強会を開いた地元住民の個人情報を収集したり、選挙違反を調べるため労働組合事務所を隠し撮りしたりしたケースが国会審議で取り上げられた。政府は通常の警察活動だと言い切ったが、通常でもこのような行き過ぎた捜査が行われている。
 共謀罪法によって、犯罪が行われていない段階で捜査機関が故意の有無を判断するのは、「心の中」に踏み込むことになる。このままでは広範かつ日常的に室内盗聴や潜入捜査などによって市民が監視される恐れがある。法律が拡大解釈されて冤罪(えんざい)を生む可能性は消えていない。
 国連も法案を懸念している。プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがあるとして、国連特別報告者が安倍首相宛てに書簡を送った。日本政府が「不適切」と抗議すると「深刻な欠陥がある法案をこれだけ拙速に押し通すことは絶対に正当化できない」と批判している。
 東京都議選で自民党は安倍政権の強引な国政運営が影響して、議席を減らした。民意に向き合わない「安倍1強」政治について、国民の審判を仰ぐ時期にきている。
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