2017-07-14(Fri)

1707九州北部豪雨 流木20万トン 被害を拡大 


死者30人 不明18人(7/13時点)  土砂崩れ300カ所超 河川被害479件

◇不明18人の捜索継続=死者30人-九州豪雨
----九州北部豪雨の被災地では14日も、不明者の捜索が続けられた。福岡、大分両県では計30人の死亡が確認され、行方不明者は福岡県で18人。13日時点で福岡県で約1000人、大分県で約180人が避難を続けている。

----一方、不明者がいなくなった大分県では、孤立住民の支援などの活動に当たっていた自衛隊が13日中に撤収。14日からは県や日田市の職員らが、引き続き道路の復旧や農業被害の状況調査などの活動を進める。
(時事通信 2017/07/14-05:12)

土砂崩れ300カ所超 流木被害拡大 
----九州北部豪雨被害が大きかった福岡県朝倉市と東峰(とうほう)村の山中で、少なくとも300カ所以上の表層崩壊(土砂崩れ)が起きていたことが九州森林管理局などの調査で分かった。一方、福岡県は13日、豪雨により両市村に流れ出た倒木が20万トン超になるとの推計を発表。短時間の記録的な豪雨が同時多発的な土砂崩れを引き起こし、その結果流れ出した大量の流木が川をせき止め、被害拡大させたことが数字上も浮き彫りになった。
(毎日新聞2017年7月14日 09時22分)

◇堤防、大規模損壊8件 国・福岡県が緊急工事に 発生1週間 河川被害が少なくとも479件
----九州北部豪雨の発生から12日で1週間。福岡、大分両県で、堤防や護岸の損壊などの河川被害が同日現在、少なくとも479件に上っていることが両県などへの取材で分かった。今回の豪雨被害で河川を巡る具体的な被害状況が明らかになったのは初めて。その中でも、福岡県と国は、堤防が大規模に削られるなどした8件は危険性が高いと判断。両者は緊急の工事に着手しており、新たな被害防止に向けた対策を急いでいる。
(毎日新聞2017年7月13日 07時30分)


NHK 2017年07月12日
「山間部の住民をどう守るのか~九州北部豪雨1週間」(時論公論)





以下引用

日本経済新聞 2017/7/14 0:52
九州豪雨、福岡の流木20万トン 死者30人に
 九州北部豪雨で、福岡県は13日、朝倉市と東峰村の流木は少なくとも36万立方メートル、重さにして20万トンとの推計値を公表した。幅25メートル、水深2メートルある50メートルプールの容積の144倍に匹敵する。多くは上流域の山林に植樹されたスギやヒノキで、土砂崩れとともに川に流され、道路や水田などに積み重なっている。
 福岡県朝倉市は13日、下流の有明海で8日見つかった遺体の1人が市内の坂本純子さん(68)と分かり、豪雨の犠牲者と認定した。大分県と合わせ死者は30人となった。
 有明海では8日に男女5人の遺体が発見され、このうち1人は坂本さんの夫とみられる坂本行俊さん(79)と判明しており、有明海の遺体の身元判明は2人目となった。
 土砂や流木が復旧活動の妨げとなり、依然として18人と連絡が取れず、自衛隊などが捜索を続けている。県は13日、東峰村で仮設住宅10戸の建設工事を19日から始めると発表した。
 流木量はこの日、県庁での関係省庁との合同会議で示された。航空写真を基に一部河川流木量の分布を計測し、全体の量を推計した。実際の量は今後増加する可能性もあるという。県は処分方法として、流木を砕いてバイオマス発電の燃料用チップなどに活用する案の検討も始めている。〔共同〕


NHK 7月13日 21時41分
九州北部豪雨 福岡と大分で30人死亡 安否不明10数人
九州北部を襲った記録的な豪雨のあと佐賀県鹿島市の有明海で見つかった遺体は福岡県朝倉市の68歳の女性と、13日、新たに確認され、今回の豪雨災害で死亡した人は、福岡県と大分県で合わせて30人になりました。福岡県では依然、安否不明の人が10数人いて警察などが捜索を続けています。
13日に身元が確認された人
警察によりますと、九州北部を襲った記録的な豪雨のあと、福岡県から佐賀県にかけての有明海で今月8日、5人の遺体が見つかっていました。
 佐賀県鹿島市の有明海の海岸近くで見つかった女性の遺体について、警察が確認を進めたところ、安否がわからなくなっていた福岡県朝倉市杷木林田の坂本純子さん(68)と、13日、新たに確認されました。警察は、坂本さんが豪雨災害に巻き込まれ、有明海に注ぐ筑後川の上流から流されたものと見ています。
 今回の豪雨災害で死亡した人は午後8時の時点で、福岡県で27人、大分県で3人の合わせて30人となっています。


NHK 7月14日 4時59分
豪雨で流された流木の量は20万トン以上か
記録的な豪雨で被害を受けた福岡県の朝倉市と東峰村では、川に押し流された流木の量が、少なくとも20万トンに達することが県の調査でわかりました。
福岡県は、記録的な豪雨で被害を受けた朝倉市と東峰村で撮影された航空写真を基に、川に押し流された流木の量を推計しました。
 その結果、県によりますと、朝倉市と東峰村を流れる合わせて10の川の流域では、少なくとも20万トンに達することがわかったということです。また、容積は36万立法メートルで、標準的な50メートルプールで、144杯分に相当すると見られということです。
 推計には、土砂に埋まったり、海に流れ出たりした木は含まれておらず、実際の量はさらに増える見込みだとしています。
 豪雨のあと、福岡県は朝倉市内の7か所に流木の仮置き場を設けていますが、推計の結果、すべてを撤去するには仮置き場を増やす必要があるとして、朝倉市と周辺の合わせて20か所を候補地に調整を進めることにしています。


朝日新聞 2017年7月14日05時00分
流木20万トン超 九州豪雨、死者30人に
猛暑のなか、大量の流木で覆われた住宅付近を捜索する消防隊員=13日午前9時56分、福岡県朝倉市杷木林田、福岡亜純撮影
 九州北部の豪雨災害で、福岡県は13日、県内の被災地の流木が少なくとも推計20万トンになると発表した。大半が朝倉市の河川流域で確認されたという。一方、有明海で見つかった1人を含む3人の遺体の身元が判明し、福岡、大分両県での死者は計30人となった。
 福岡県によると、有明海への流木の流出分などは含まず、さらに量は増える見込み。国交省によると、6~13日に有明海で272本、大分、福岡、山口各県の沖合の周防灘で226本を回収した。
 ■迫る水、高台の家も流された
 5日の豪雨で被害が集中した福岡県朝倉市杷木(はき)松末(ますえ)。18世帯59人が暮らしていた石詰集落では、川幅が10倍ほどにも広がった乙石川に、住宅の半数以上が流された。今も4人の安否がわかっていない。
 観光バス会社社長の小嶋嘉則さん(73)が、ひどい雨にあわてて自宅へ戻ったのは5日午後1時ごろ。自宅は、道や隣家を挟んで、川から約30メートルの高台にあった。だがまもなく、上流から押し寄せた土砂が川床に積もって水かさが増し、小嶋さんがいた母屋に向かうように川が流れを変えた。川とは別の谷の方向からも、えぐられた田んぼが押し寄せてきた。
 「これはいかん」。カッパを着て外に出たが、母屋の隣の土蔵も流されていた。妻の文代さん(70)や、小嶋さん宅に避難していた隣人ら計5人で山に登ることを決めた。
 「登れー」という小嶋さんの声を聞いた文代さんは「あっという間だった」と振り返る。母屋に水が入り始めていた。小嶋さんはキャンプ用のテントを担ぎ、毛布を持って近くの石段を上がり、家より20メートルほど山手にテントを張った。それでも危険を感じ、尾根の近くまで更に登り、テントの中で肩を寄せ合った。
 雨が小康状態になった夜中、自宅の方を見ると、母屋はなくなっていた。翌6日午前5時過ぎ、いくぶん水が引いた集落の中を下り、山陰にわずかに残っていた民家に避難。7日にヘリコプターに救助された。(荻原千明)
 ■九州北部の主な大雨被害
 (福岡、大分両県などまとめ)
        死亡 負傷 連絡取れず
福岡県東峰村   3  2   0
 〃 朝倉市  24  5  17
 〃 うきは市  0  0   1
大分県日田市   3  4   0
 (ほかに有明海で見つかった3人の遺体の身元を確認中)
 ■亡くなられた方々
 豪雨災害で亡くなり、13日に身元がわかったのは次の方々。
 【福岡県朝倉市】坂本純子さん(68)=杷木林田▽藤本千代香さん(64)=杷木松末▽小嶋ミツ子さん(92)=同


毎日新聞2017年7月14日 09時22分
九州豪雨:土砂崩れ300カ所超 流木、被害拡大 
 九州北部豪雨で被害が大きかった福岡県朝倉市と東峰(とうほう)村の山中で、少なくとも300カ所以上の表層崩壊(土砂崩れ)が起きていたことが九州森林管理局などの調査で分かった。一方、福岡県は13日、豪雨により両市村に流れ出た倒木が20万トン超になるとの推計を発表。短時間の記録的な豪雨が同時多発的な土砂崩れを引き起こし、その結果流れ出した大量の流木が川をせき止め、被害を拡大させたことが数字上も浮き彫りになった。
 被災地上空からの8、10日の調査に加わった森林総合研究所九州支所の黒川潮(うしお)・山地防災研究グループ長によると、両市村の筑後川水系上流の山腹部で、長さ数メートル~数十メートルの比較的小規模な表層崩壊が多発していた。大分県日田市では数十カ所にとどまっており、黒川グループ長は、福岡県側の狭い地域に豪雨が集中し、山の谷筋に雨水が集まって斜面が削られ、同時多発的な表層崩壊が発生したとみている。今後の精査で発生箇所がさらに増える可能性があるという。
 一方、福岡県が13日発表した朝倉市と東峰村の流木の量は推計で20万トン(36万立方メートル)以上。8日撮影の航空写真から被害が大きかった筑後川水系10河川の流木の量を推計し、東京ドームの容積の3分の1に相当する流木が確認された。ただ土砂に埋まったり海に流れ込んだりした流木はカウントしておらず、実際の量ははるかに多いとみられる。現在両市村には流木の仮置き場が7カ所あるが、今後不足が見込まれ、大量の流木が復興の足かせになる恐れも出てきた。【平川昌範、西嶋正法】


毎日新聞2017年7月13日 07時30分
九州豪雨:
堤防、大規模損壊8件 国・福岡県が緊急工事に
発生1週間 河川被害が少なくとも479件
 九州北部豪雨の発生から12日で1週間。福岡、大分両県で、堤防や護岸の損壊などの河川被害が同日現在、少なくとも479件に上っていることが両県などへの取材で分かった。今回の豪雨被害で河川を巡る具体的な被害状況が明らかになったのは初めて。その中でも、福岡県と国は、堤防が大規模に削られるなどした8件は危険性が高いと判断。両者は緊急の工事に着手しており、新たな被害防止に向けた対策を急いでいる。【遠山和宏】
 福岡県の管理分では、豪雨時の激流によって、朝倉市の妙見川の堤防は約200メートルにわたって川に面した部分が厚さ数メートル削られた。同市を流れる桂川と、荷原(いないばる)川の2カ所でも、約50~70メートルにわたって堤防が削られた。
 国土交通省九州地方整備局の管理河川でも、福岡県添田町や大分県日田市などの彦山川や佐田川、花月川、山国川の7カ所で堤防被害を確認。そのうち彦山川の1カ所と花月川の3カ所の被害が大きく、約30~120メートルにわたって削られた。削られた幅は約3~5メートルに達している。削られた幅は場所によって異なるが、花月川ではかなり薄くなっている部分もあるという。
 福岡県と九州地方整備局は、大雨になれば危険があるとして、ブロックや土砂を詰めるなどの緊急工事を進めている。福岡県は妙見川など全4カ所について22日までの完了を目指している。
 九州地方整備局も2カ所はすでに完了し、残る花月川の2カ所で実施している。両者とも今後、本格的な復旧工事に着手する予定。
 ただ大分県が被害状況を確認中のほか、福岡県河川課も「特に上流域で流木が入り込んで、状況が確認できていないところが多い」としている。今後、緊急対応が必要な損壊箇所がさらに増える可能性はある。
 入江光輝・宮崎大教授(水工水理学)は「強い豪雨が降ったことに加えて、流木が細い川や橋脚で詰まったことで、河川の被害が広がった可能性が高い。堤防などに被害がある状態では今回より少ない雨でも被害が出るリスクがあり、対策を急ぐ必要がある」と話している。

産経ニュース 2017.7.12 23:16
【九州北部豪雨】「数百メートルおきに表層崩壊」 根の浅いスギの流木が川せき止めて被害拡大

 九州北部の豪雨では、山間部で地表の浅い部分が崩れる「表層崩壊」が多発し、大量の流木が中小河川に流れ込んだことで浸水被害が拡大した可能性があることが12日、現地調査した専門家らへの取材で分かった。狭い範囲に記録的大雨が集中し、流木の量を大幅に増やしたとみられる。
 「ものすごい数の山崩れが起きた。数百メートルおきに1カ所くらいのペースで崩れている」。福岡県朝倉市の山間部で現地調査を行った九州大の久保田哲也教授(治山学)はこう説明する。多くが深さ2メートル以内の表層崩壊とみられる。
 崩れた土砂は根の浅い杉とともに谷川へ流れる。土木学会調査団メンバーで九州大の矢野真一郎教授(河川工学)によると、同市内のある川では大量の流木が約50メートルにわたって橋の下でせき止められ、川の水が住宅地にあふれていた。
 また、別の川とつながる農業用ため池では、上流から流れてきた流木がたまった後に一気に決壊して水とともに流出した可能性があることも判明。矢野教授は「流木量は桁外れに多い。流木が浸水被害を拡大したと推察できる」と話した。産業技術総合研究所の地質調査総合センターによると朝倉市の地質は風化しやすい花崗(かこう)岩で表層崩壊が起こりやすかったとみられる。
 また、火山性の地質の大分県日田市では、表層崩壊とは異なる大規模な崩壊が1カ所で発生。手入れ不足で山林の根張りが不十分だったとの指摘もある。日田市は「日田杉」の産地で朝倉市も林業が盛んな土地だが、近年は人手不足などで間伐といった手入れが行き届かないという。
 九州大の久保田教授は「一般論で手入れされないと崩れやすいといえるが、今回は太さ50センチまで成長した杉も多く流れた。主な要因は地質と雨量だろう」と話した。


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NHK 2017年07月12日 (水) 
解説アーカイブス これまでの解説記事
「山間部の住民をどう守るのか~九州北部豪雨1週間」(時論公論)


松本 浩司 解説委員
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/275444.html
時論公論です。九州北部の豪雨災害から1週間になりました。この災害では大きな被害を受けたなかで、住民たちの日頃の備えで命が守られたケースも少なくないことがわかってきました。同時に、それでも人的被害を防ぎきれない山間部での防災のむずかしい現実も突きつけられました。これまでの取組みのどこが生かされて、何が足りなかったのか。被害が集中した福岡県朝倉市の松末地区のケースを検証します。

解説のポイントです。
▼避難勧告などの情報がどのように出され、どう伝えられたのか
▼住民の命を守った防災マップなどの取組みについて
▼それでも多くの人が犠牲になっていて、山間部での被害を減らすためにさらに何が必要なのか、この3点です。

【避難情報はどう伝えられたのか】
VTR
松末地区は朝倉市山間部の川沿いに集落が点在し、680人の住民の4割が高齢者です。
おととい取材しましたが、氾濫によって川の両岸の多くの家が流されたり、大量の流木で壊されたりしていました。背後の山が崩れて押しつぶされた家も見られました。松末地区では4人が死亡し、今も15人の安否がわからなくなっています。

この松末地区に避難勧告などの情報はどのように伝えられたのでしょうか。
この地区で災害が多く発生したのは午後5時から7時ごろだったと見られています。

午後1時過ぎに大雨洪水警報が出た後、気象台から「記録的な雨が降った」ことなど2回、警戒を促す連絡がありました。これを受けて朝倉市は午後2時26分に避難勧告を出しました。さらにレーダーで猛烈な雨雲が確認されたため4時20分に松末地区に、強く避難を指示する避難指示を出しました。これより前に、松末地区の住民協議会も独自に「安全な場所に身を寄せる」よう防災無線で呼びかけていました。
過去の豪雨災害では避難勧告が災害発生に間に合わなかったケースが非常に多いのですが、今回、朝倉市は被害が相次ぐ2時間あまり前には避難勧告を出していました。

朝倉市は5年前の九州北部豪雨の経験から早めに情報を出すよう心がけてきました。また気象台や、川やダムを管理する事務所が、危険が迫っていることを口頭で伝える「ホットライン」も判断を助けました。ここ数年、各機関が力を入れてきた取組みです。

【命を守った自主防災マップ】
こうした情報を受けて住民はどう行動したのでしょうか。松末地区の人たちの避難を助けたのが自主防災マップでした。

朝倉市は6年前から防災マップづくりをはじめました。地区ごとに住民に集まってもらい、市がつくったベースとなる地図を元に話し合ってもらいました。市が示した氾濫や土砂災害の危険箇所に対して、住民たちが過去の経験から感じている危険箇所を追加したり、より現実的な避難所やそこへのルートを書き加えたりして、地区ごとの自主防災マップを完成させました。


松末地区の自主防災マップがこちらです。松末地区は山間を流れる3本の川に沿って11の集落が点在しています。赤と黄色の部分が土砂災害の危険箇所ですが、集落のほとんどが入っています。

話し合いの中で、ひとつの集落では「市が示した避難場所は遠すぎて、いざというときにそこまで行けない」と問題になりました。公民館は土砂災害の危険が大きく避難所にできません。そこで危険箇所の中ですが、高い所にあって集落の中では一番安全と見られる、民家3軒を「自主避難所」に決めました。

VTR
これがその住宅です。今回の豪雨で、集落に残っていたほぼ全員、32人がここに避難しました。集落は濁流が流れ込んで建物が流されたり、土砂崩れで住宅が全壊するなど大きな被害を受けました。しかし、ここに避難をしていた人は全員無事でした。


また松末地区では、お年よりなど、ひとりで避難できない人を全員把握し、避難させる役割の住民をあらかじめ決めていました。ひとり暮らしの82歳の女性を担当の住民が集落の一番高いところにある家まで行って、避難所に連れて来たケースもありました。
その後、家は土砂崩れで押しつぶされました。


このように松末地区では自主防災マップをつくり、避難の方法を話し合っていたことで多くの住民の命が守られました。
しかし、この自主防災マップには大きな課題も残されていました。さきほどの集落のように比較的安全な民家を避難所にしようとしても、そうした家すら確保できない集落が少なくなかったのです。住民で話し合いをしても、川と山に挟まれていたり、集落全体が急斜面にあったりして、豪雨のときに身を寄せる家を決めることができなかったのです。


今回の豪雨で、そうした集落で大きな被害が出てしまいました。
ある集落では18世帯のうち6軒の家を残してすべて流され、5人の行方がわかっていません。


避難所と決めた家がないので近くの家に集まったものの、その家の土台が崩れはじめて別の家に移動し、そこも危険になってさらにほかの家に移るというように、豪雨の中、集落内を逃げ惑った人たちもいました。


大雨警報や避難勧告などが出た頃、若い人はほとんどが仕事で地区の外に出ていて、車を運転できないお年寄りたちが残されていました。松末地区のコミュニティ協議会会長の伊藤睦人さんは「お年寄りたちに2キロ離れた避難所まで避難しろとは言えず、安全な場所に身を寄せるよう、呼びかけるしかなかったが、それでよかったのか」と自問自答しています。

【さらに必要な取組み】
松末地区の状況は決して特別なケースではありません。全国の山間部で同じ問題を抱えています。東日本大震災のあと災害の種類に応じて避難所を指定するこが市町村に義務付けられました。しかし山間部では公共施設が少ないうえ市町村合併などで減少していて、適した建物を確保できてきないのが現状です。住民たちが民家を避難所にするという取組みも少しずつ広がっていますが、それでも安全な場所を確保できないところが少なくありません。

ではどうしたらよいのでしょうか。

集会所や公民館が危険個所にある場合は移転や新設を検討すべきでしょう。
公的施設がなく、安全な民家も確保できない場合は、住民が話し合って避難所に決めた民家を国や自治体が負担して災害に耐える構造にするという方法もあると思います。
現在も、土砂災害の危険箇所にある住宅が山側にコンクリートの壁を作るなどの対策をする場合には補助金が出ます。こうした制度を広げるなどして山間部の集落ごとに最低1ヶ所は安全性を高めた避難所を確保するべきです。

【まとめ】
今回の災害では自主防災マップづくりや、防災機関と自治体のホットラインなど過去の失敗から学んだ地道が取り組みで、大勢ではありませんが、確実に命を守ることができるということが示されました。一方で、山間部集落の避難場所の確保という難しい課題をあらためて突きつけられました。今後、成果があがった取組みを着実に進めるとともに、課題に正面から向き合うことが求められます。
(松本 浩司 解説委員)
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