2017-07-15(Sat)

長崎新幹線 暗雲 FGT  新型車両に不具合

九州新幹線長崎ルート 22年度の導入困難 FGT台車の車軸に摩耗 

FGT台車の車軸に摩耗=22年度の導入困難-九州新幹線長崎ルート
----九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)に2022年度導入予定の新型車両フリーゲージトレインFGT)」の台車の車軸に摩耗が見つかり、実用化に向けた耐久走行試験へすぐに戻ることが困難になったことが14日、分かった。国土交通省の専門家委員会が、安全を確認するための試験結果を同日検証。これを受け同省は、予定通りの導入は「難しい」との認識を示した。
(時事通信 2017/07/14-18:38)

長崎新幹線暗雲 新型車両に国が不具合報告
----2022年度に開業を予定する九州新幹線長崎ルート暗雲が垂れ込めてきた。国土交通省は14日開いたフリーゲージトレインFGT、軌間可変電車)の技術評価委員会で、導入を検討する新型車両不具合があると報告。JR九州は車両費が割高なことも踏まえ採用を見送る。長崎ルートをどう走らせるかは、難しい政治判断になる。
(日本経済新聞 2017/7/14 21:10)

毎日新聞2017年7月15日 西部朝刊
九州新幹線長崎ルートFGT困難 国交省、試験再開を見送り
----国は新幹線と在来線の両方を走れるFGT導入による2025年度の長崎ルート全面開業を目指しているが、絶望的になった。
与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会は今月25日にJR九州、28日に長崎、佐賀両県の意見を聴取し、3者の意向も踏まえた上で、8月中にも長崎ルートの整備方針について結論を出す。

東洋経済オンライン)フリーゲージ、国の見方は「完成へあと一息」
コストは倍、試験再開時期は未定だが…(7/15)





以下引用

「軌間可変技術評価委員会」の開催結果について
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr7_000019.html
 軌間可変電車(フリーゲージトレイン)については、平成26年10月から開始した耐久走行試験で発生した車軸摩耗等の不具合に対して、平成28年11月の「軌間可変技術評価委員会」で不具合対策の検証結果等が了承され、その後、検証走行試験やコスト削減策の検討を進めてまいりましたが、本日、その結果が「軌間可変技術評価委員会」に報告され、審議のうえ別添のとおり評価されました。
軌間可変技術評価委員会委員(敬称略、委員50音順)
委員長 谷藤  克也  新潟大学 名誉教授
委  員 石田  東生  筑波大学大学院 教授
  〃   大津山 澄明  大阪産業大学 教授
  〃  河村   篤男  横浜国立大学大学院 教授
〃   古関  隆章  東京大学大学院 教授
  〃   島村  誠    防災科学技術研究所 センター長
  〃   須田  義大  東京大学 教授
  〃   水間  毅    東京大学大学院 特任教授
(参考)
 開催日時:平成29年7月14日(金) 9:30~11:00
 場   所:中央合同庁舎3号館 11階 特別会議室
 議   題:(1)車軸摩耗対策について
        (2)高速走行安定性について
        (3)経済性の検討について
           ・部品再利用に関する検討
           ・コスト削減策を踏まえた経済性の検討
        (4)その他
添付資料
別添資料(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001193666.pdf

国土交通省鉄道局技術企画課技術開発室
電話 :03-5253-8111(内線40756、40752)
直通 :03-5253-8547
ファックス :03-5253-1634

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毎日新聞2017年7月15日 西部朝刊
九州新幹線 : 長崎ルートFGT困難 国交省、試験再開を見送り
 国土交通省は14日、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)に導入を予定しているフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の耐久走行試験について、目標としていた今夏の試験再開を見送る方針を明らかにした。試験車両の部品に不具合が見つかり、部品の改良と検証などの対策に年単位の時間がかかるという。国は新幹線と在来線の両方を走れるFGT導入による2025年度の長崎ルート全面開業を目指しているが、絶望的になった。
 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会は今月25日にJR九州、28日に長崎、佐賀両県の意見を聴取し、3者の意向も踏まえた上で、8月中にも長崎ルートの整備方針について結論を出す。
 JR九州は安全性やコスト面からFGTの導入に否定的で、長崎ルートは、全線フル規格化や秋田、山形新幹線のようなミニ新幹線への変更を含め、大きく方針転換される可能性も出てきた。FGTの導入が予定されている北陸新幹線延伸ルートへの影響も避けられそうにない。
 FGTの開発を巡っては、実用化に向けて14年10月に始まった試験車両を60万キロ走らせる耐久走行試験が、車軸に摩耗が見つかり約1カ月で中断。その後、部品を改良した車両を走らせる検証走行試験を昨年12月~今年3月に実施していた。
 国交省はこの日、専門家委員会に検証走行試験の結果を報告した。車軸6本12カ所のうち8カ所で摩耗があり、うち2カ所では耐久走行試験に耐えられないレベルだった。
 また、FGT車両の製造や維持管理に関するコストは、これまでより圧縮されたものの、一般的な新幹線の1・9~2・3倍とされた。
 専門家委の後に開かれた与党PTの検討委でも結果の報告があり、松山政司委員長(自民)は終了後、「FGT以外での整備方針を含め、早急に結論を出したい」と述べた。JR九州は「25日に当社の見解を示す」とし、長崎県の中村法道知事は「あらゆる選択肢を検討する必要がある」と語った。
 国交省は在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」での22年度の暫定開業については維持する方針。【加藤小夜、浅野孝仁】
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 ■解説
開発20年 実用化は遠く
 FGTの耐久走行試験再開には新たな対策が必要とされたことは、その技術と信頼性がまだ確立されていないことを意味する。コスト圧縮も一定程度にとどまったことを併せて考えると、今回の評価はJR九州のFGT導入見送り方針を裏付ける格好となった。
 列車を安全に運行させるために現場が求めるのは、整備しやすい単純な構造と耐久性だ。新幹線と在来線を相互乗り入れするFGTの構造は複雑で、開発着手以降、20年経過しても実用化に至っていない。経済性の面でも車両購入の初期投資やメンテナンス費用は圧縮されたとはいえ、従来の新幹線車両の約2倍だ。
 JR九州の鉄道事業は基本的に赤字体質であり、九州北部豪雨など災害が多く、復旧費用も膨大だ。全体のコストを考えると、上場企業としてはFGT導入見送りは合理的判断と言えるだろう。
 FGT実用化の見通しが立たず、JR九州が導入見送りの方針を固め、長崎県からは全線フル規格化の声が再燃している。仮にFGTが実用化されても、車両重量などからJR西日本は山陽新幹線への乗り入れを認めないとみられ、長崎-新大阪で直通運転しなければ、観光などへの波及効果も限定的だ。
 先行導入を目指す長崎ルートで問題が山積する中、FGT開発を続けるのか。政府・与党の決断が求められている。【石田宗久】


日本経済新聞 2017/7/14 21:10
長崎新幹線暗雲 新型車両に国が不具合報告
 2022年度に開業を予定する九州新幹線の長崎ルートに暗雲が垂れ込めてきた。国土交通省は14日開いたフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の技術評価委員会で、導入を検討する新型車両に不具合があると報告。JR九州は車両費が割高なことも踏まえ採用を見送る。長崎ルートをどう走らせるかは、難しい政治判断になる。
 FGTは線路の幅が違う新幹線(1.4メートル)と在来線(1メートル)のそれぞれを車輪の間隔を変えて走行する新技術だ。評価委員会は3月までの走行試験(3万キロメートル)の結果、新型車両の車軸に小さな傷が残ると判断。車軸がさびる恐れがあり、新幹線の安全基準にあたる60万キロメートルの走行にまだ耐えられないと結論づけた。
 FGTは約20年前から総額500億円を投じて開発を進め、14年に新型車両が完成した。国交省幹部は「開発は続けるが、新型車両の導入予定は大幅に遅れる」という。
 もろに影響を受けるのが九州新幹線の長崎ルートだ。現状は22年度に博多駅(福岡県)―武雄温泉駅(佐賀県)は在来線の特急に乗り、武雄温泉で長崎駅行きの新幹線に乗り換える「リレー方式」で暫定開業する。
 25年度にFGTだけの全線開業も予定したが、発覚した不具合のため新型車両の投入時期は白紙に戻った。
 FGTの車両コストは通常の2.3倍に上る。運行を担うJR九州は「安全性と経済性について、まだ引き受けられる状況ではない」(青柳俊彦社長)との理由から長崎ルートでの採用を見送る。長崎ルートに続き、北陸新幹線の延伸ルートに適用する構想も宙に浮く。
 長崎ルートの運行には2つのシナリオがあり得る。一つはあくまでFGTの開発を待ち、リレー方式をしばらく続ける案。もう一つは「博多駅―長崎駅」まで全線を新幹線で走行する案だ。
 ただリレー方式は時間短縮の効果が低い。新大阪駅を走る山陽新幹線とも結ばれず、採算性が高まらない。JR九州の鉄道事業は実質赤字の状態が続く。さらに長崎ルートでも採算割れの運行が続けば、上場したばかりのJR九州は株主から批判を受けかねない。
 一方、全線を新幹線にする案は線路の建設費が課題だ。福岡県と長崎県の間にある佐賀県は建設費の地元負担を約800億円と見積もる。
 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームは14日、国交省を呼んで検討委員会を開いた。ある委員は「FGTの可否を含めて検討しないといけない」と指摘。別の委員も「全線新幹線など色々な案があるが、与党として早急に結論を出したい」と言及した。FGTは技術の検証が見切り発車になった格好で、多額の予算を投じただけに国民の批判が高まる可能性がある。


時事通信 (2017/07/14-18:38)
FGT台車の車軸に摩耗=22年度の導入困難-九州新幹線長崎ルート
 九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)に2022年度導入予定の新型車両「フリーゲージトレイン(FGT)」の台車の車軸に摩耗が見つかり、実用化に向けた耐久走行試験へすぐに戻ることが困難になったことが14日、分かった。国土交通省の専門家委員会が、安全を確認するための試験結果を同日検証。これを受け同省は、予定通りの導入は「難しい」との認識を示した。
 車軸の摩耗は、部品の改良で以前より改善したが、走行に支障のあるものが2カ所で見られた。専門家委は「耐久走行試験に移行する場合、新たな対策が必要」と指摘。経済性を検討したところ、車両の製造や維持にかかるコストは一般の新幹線の約1.9~約2.3倍に上ることも分かった。
 同省は、同日行われた与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会に、試験結果や専門家委の判断を報告。委員長の松山政司参院議員は、JR九州や佐賀、長崎両県にヒアリングした上で、来月中にも対応について結論を出す考えを示した。


NHK 2017年7月14日 19時17分
九州新幹線 長崎ルートの車両導入に遅れ
九州新幹線の長崎ルートに導入が予定されている新型車両「フリーゲージトレイン」について、国土交通省の委員会は走行試験で再び車軸に傷が見つかったことから、予定していた2022年度以降の導入は遅れるという見解を明らかにしました。これを受けて与党の検討委員会は新型車両導入の是非も含め来月にも今後の方針を決めることにしています。
博多と長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルートは、新幹線と在来線の線路が混在していて国土交通省などは両方を走行できる「フリーゲージトレイン」という新型車両の導入を検討しています。
 この新型車両について、国土交通省は14日専門家による委員会を開き、3年前の走行試験に続いてことし3月まで国が行った試験でも台車の車軸に傷が見つかったことを報告しました。
 そのうえで、現状では導入に向けた次の段階となる60万キロの走行試験には進めないことから、2022年度以降に予定していた新型車両の導入は遅れるという見解を明らかにしました。
 これを受けて与党の検討委員会は、フリーゲージトレイン導入の是非を含め、九州新幹線の長崎ルートの整備の在り方を検討していくことを申し合わせました。与党の検討委員会では、今後、JR九州や沿線の自治体などからも意見を聞いて、来月にも今後の方針を決めることにしています。

産経ニュース 2017.7.14 16:36
九州新幹線長崎ルート、平成34年度のFGT導入困難 耐久走行試験の再開できず
 国土交通省は14日、九州新幹線長崎ルートに採用予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関し、平成34(2022)年度の先行車導入は困難との見解を明らかにした。早ければ37年度(2025年度)とされた量産車による全面開業も困難とした。今年3月まで実施していた車両の性能を確認する試験で、台車の車軸に摩耗が見つかり、実用化の前提となる耐久走行試験の再開にさらなる対策が必要とされたためだ。
 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム検討委員会の松山政司委員長(自民党参院議員)は14日、8月中にもFGTの導入の可否を含めた長崎ルートの整備方針を決めたいと述べた。

佐賀テレビ 2017/07/14 (金) 18:51
FGT暫定開業時の運行困難か
 九州新幹線・長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレインについて、新たな不具合が見つかったことが14日報告され、2022年度の暫定開業時のフリーゲージトレイン運行は事実上、困難な見通しとなりました。国土交通省は14日の技術評価委員会で、去年12月から行っていた検証走行試験の結果を報告しました。その結果、3年前の12月に続いて今回も車軸に摩耗が見つかり、実用化に向けた耐久走行試験は再び延期される見通しになりました。また、懸念されていた維持管理費は若干圧縮したものの一般の新幹線と比べて最大2.3倍にのぼります。これにより2022年度の暫定開業時と2025年度の全面開業時のフリーゲージトレインによる事実上、困難な見通しとなりました。
【山口知事】「なかなか技術的な問題、開発は難しいんだなということですけれども、今回の状況もふまえて佐賀県の状況についてご説明申し上げたいと思います」。


NHK 7月12日 5時18分
九州新幹線長崎ルート フリーゲージトレイン導入遅れ
九州新幹線の長崎ルートに導入が予定されている新型車両、「フリーゲージトレイン」について、性能を確かめる国の試験で新たに車軸に傷が見つかり安全性に課題があることがわかり当初予定していた2022年度以降の新型車両の導入は遅れることになりました。
博多と長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルートは、新幹線と在来線の線路が混在しており、国土交通省などは両方を走行できる「フリーゲージトレイン」という新型車両の導入を検討しています。
 しかし、安全性を確かめるための国の走行試験で、3年前に複数の台車の車軸付近に傷が見つかったのに続いて、車両を改良して行ったことし3月までの試験でも再び車軸に傷が見つかったことがわかりました。また走行試験では通常の新幹線に比べて車両の維持や修理などに最大で2.3倍のコストがかかることもわかりました。
 専門家などで作る国土交通省の委員会は、14日の会合で現状では安全性に課題があるとして、導入に向けた次のステップとなる60万キロの走行試験には進めないという見解を示す方針です。
 これにより2022年度以降に予定していた新型車両の導入は遅れることになりました。これを受けて九州新幹線の長崎ルートの整備の在り方を検討する与党の委員会は、全線を新幹線でつなぐいわゆる「フル規格」や在来線の線路を走るいわゆる「ミニ新幹線」など、フリーゲージトレイン以外の方法も含め、今後の整備方法について検討を進める方針です。

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東洋経済オンライン 2017年07月15日
フリーゲージ、国の見方は「完成へあと一息」
コストは倍、試験再開時期は未定だが…


http://toyokeizai.net/articles/-/180747
小佐野 景寿 :東洋経済 記者
九州新幹線長崎ルートでの導入を予定しているものの、車軸の摩耗などの不具合により開発が遅れているフリーゲージトレイン(FGT)。国土交通省は7月14日、台車に改良を加えて昨年12月から実施した走行試験でも車軸に磨耗が見つかったことを明らかにし、2022年度の長崎ルート暫定開業時には、FGTの先行車両導入は間に合わないとの見解を示した。
 課題だった車軸の磨耗は「従来の100分の1」(国交省)まで軽減され、国交省の担当者は「もう一息」という一方、専門家による技術評価委員会は、耐久走行試験の再開には引き続き検証が必要と評価。長崎県内などでは、見通しの立たないFGTより「フル規格化」を求める声も出ている。来月中にも方針を決めるという与党の整備新幹線プロジェクトチームは、どのような判断を下すことになるか。
<60万km走行試験、3万kmで不具合>
 FGTは車輪の幅を変換することによって、線路幅が1435mmの新幹線と1067mmの在来線を直通可能な車両だ。3世代目となる現在の試験車は、実用化に向けた経済性や保全性の検証を主な目的として2014年春に完成。同年10月から、車輪幅の変換を行いながら新幹線と在来線を60万km走行する「3モード耐久走行試験」を開始した。
 だが、約3.3万kmを走行した同年11月末、車軸や軸受けに磨耗や欠損などの不具合が発生していることが判明し、試験は中断。原因の調査を踏まえて改良を施した台車を、室内の試験装置で高速回転させる「室内台車回転試験」などで対策の効果を確認したが、実際の線路で60万kmを走行可能な耐久性があるとの判断は難しいとされた。
コストの試算は「一般の新幹線の3倍」
 さらに、経済性についての課題も浮上した。摩耗する車軸などを定期的に交換することを想定すると、交換周期を走行距離60万kmとした場合は一般の新幹線の約3倍、240万kmとした場合でも2.5倍のコストがかかると試算されたためだ。
 このため、耐久走行試験を再開する前提として、2016年12月から今年3月までの間、車両を走らせて車軸の摩耗対策などの有効性を確認する「検証走行試験」を実施。国交省によると、約3.2万kmの走行を終えて3つの台車を分解調査したところ、2014年の耐久走行試験の際には最大約230マイクロメートル(マイクロメートル=1mmの1000分の1)だった摩耗が、今回は最大でも2.5マイクロメートルに抑えられたことが確認された。
<再利用と改良でコストダウン>
 これらの測定値から、車軸を交換せず走行できる距離を予測したところ、一部を除き60万km以上との推定結果が出た。さらに、車軸の交換に合わせて廃棄する前提だった、FGT特有の部品である「車輪スリーブ」と「歯車付外筒」の再利用を検討したところ、以前は一般の新幹線に比べて約3.1倍と試算されていたトータルコストは約2.3倍まで減少。さらに、これらの部品を15年間交換不要と仮定すれば、コストは約1.9倍に抑えられる見通しとなった。車軸の交換も不要なら約1.7倍となる見込みだ。
 国交省鉄道局技術開発室の権藤宗高室長は「もう一息のところまできた。あと一工夫、確認が取れれば実用化にかなり近づく」。JR九州も、FGTの事業性については「収支採算性を算定した上で見解をまとめたい」とした上で、今回の報告そのものについては「(FGT特有の)高価な部品の再利用ができるかできないかはコスト削減の大きな課題で、そこについては一定の効果があったのではと受け止めている」(牛島康博新幹線計画部長)と話す。
耐久走行試験再開にはまだ課題が
 だが、専門家による技術評価委は、耐久走行試験に移行する場合は「車軸の交換周期を延伸するための新たな対策を立案し、その交換を確認することが必要」との評価を下した。実用化に向け不可欠である耐久走行試験を再開するにはまだ一定の試験が必要との判断で、導入できる時期はさらに遅れることになる。コストも下がったとはいえ、一般の新幹線と比べて倍はかかる計算だ。
 FGTの開発スタートは1999年と今から20年近く前。これまでに約500億円を投じて開発されてきた中で、ここに至るまで「車軸の摩耗」という根本的な問題点は検証されてこなかったのだろうか。
<FGTが走る日は来るか?>
 2007年から行われた2次試験車による試験では、在来線で約7万kmを走りこみ、新幹線では時速270km走行の試験も行われた。これらの結果を受けて「基本的な耐久性能の確保にめどがついた」として製造されたのが3次車だ。2次車と3次車の台車はほぼ同じ構造で、車両の重量は3次車のほうが軽量化されている。車軸の摩耗などは予見できなかったのだろうか。
この点について、国交省鉄道局の岸谷克己施設課長は、2次車での時速270km走行試験は「(時速270kmを出すのは)瞬間的だったので、3次車の耐久走行試験とは異なる」と説明。「FGTの構造にとって、高速域での耐久走行は思った以上に過酷だったということに尽きる」と話す。
 技術的な困難を抱えつつ開発が続けられてきたFGT。確かに技術面では進化を続けており「高速走行でなければ問題ない」との声もある。とはいえ、現在のFGTは九州新幹線長崎ルートの実現に向け、新幹線での高速走行を実現すべく開発が進められてきた。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームが示す方針は、長崎ルートの将来像はもちろん、FGTという技術そのものの今後も左右するかもしれない。
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