2017-07-21(Fri)

稲田防衛相の日報隠蔽問題  「お友達内閣」の限界見えた

即座に更迭すべき事態だ  首相はまだかばうのか  大臣にふさわしくない

<各紙社説・主張>
朝日新聞)稲田防衛相 首相はまだかばうのか(7/20)
読売新聞)防衛省日報問題 混乱収拾へ真相解明が急務だ(7/21)
毎日新聞)稲田防衛相と陸自日報問題 関与の有無を明確にせよ(7/20)
しんぶん赤旗)陸自日報隠蔽問題 稲田氏は疑惑の真相を明かせ(7/20)

北海道新聞)日報隠蔽問題 稲田氏は直ちに説明を(7/20)
河北新報)防衛相の日報隠蔽問題/「お友達内閣」の限界見えた(7/20)
信濃毎日新聞)稲田防衛相 国民を裏切る重大疑惑(7/20)
京都新聞)稲田氏の隠蔽  大臣にふさわしくない(7/20)

神戸新聞)稲田氏隠蔽問題/即座に更迭すべき事態だ(7/20)
中国新聞)PKO日報隠蔽 防衛相は辞任すべきだ(7/20)
西日本新聞)PKO隠蔽疑惑 稲田氏自ら加担したのか(7/20)


以下引用



朝日新聞 2017年7月20日05時00分
(社説)稲田防衛相 首相はまだかばうのか


 防衛省・自衛隊のみならず、安倍政権全体の信頼性が問われる事態である。
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報が、「廃棄した」とされた後も陸自内で保管されていた問題で、対応を協議した2月の幹部会議に稲田防衛相が出席していたことがわかった。
 稲田氏は「隠蔽(いんぺい)を了承したとか、非公表を了承したとかいう事実は全くありません」と述べたが、複数の政府関係者が稲田氏の出席を認めている。
 この問題で組織的な隠蔽があった疑いはかねて指摘されてきた。稲田氏は3月、報道で陸自に日報が保管されていた事実が判明した後に、報告を受けていたかどうかを国会で民進党議員に問われ、「報告はされなかった」と答弁している。
 その稲田氏が幹部会議に出席し、報告を受けていたとすれば、防衛省トップとして公表を指示せず、さらには国会で虚偽答弁をしていた疑いが極めて濃くなる。
 稲田氏は、直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示したとして、国会での野党の質問に対して具体的な説明を拒んできた。だが監察結果は今なお公表されていない。
 そもそも特別防衛監察の対象に防衛相ら政務三役は含まれていない。そこに稲田氏自身の関与が疑われる事態となれば、もはや防衛省内での解明には限界があると言わざるをえない。
 やはり国会での真相究明が不可欠である。
 来週、衆参の予算委員会の閉会中審査が予定されているが、加計学園や森友学園の問題など論点は山積みである。野党が憲法53条に基づき要求している臨時国会をすみやかに召集するよう、安倍内閣に強く求める。
 稲田氏はこれまでも東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と呼びかけるなど、防衛相として不適格な言動を重ねてきた。なのに今も防衛相を続けているのは、任命権者の安倍首相が政治的主張の近い稲田氏をかばってきたからだ。
 今回の事態を受けても、菅官房長官は「今後とも誠実に職務にあたっていただきたい」と稲田氏を続投させる意向だ。
 だが現状をみれば、実力組織である自衛隊への文民統制が機能しているとは到底言えない。この異常事態はただちに収拾する必要がある。
 来月の内閣改造で稲田氏を交代させればいい。首相がもしそう考えているなら、甘すぎる。
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読売新聞 2017年07月21日 06時00分
社説:防衛省日報問題 混乱収拾へ真相解明が急務だ


 従来の説明の前提が崩れかねない事態だ。防衛省は、事実関係の究明を急ぐ必要がある。
 南スーダンで国連平和維持活動に従事した陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、新たな展開があった。
 稲田防衛相が2月中旬、日報の電子データが存在していると陸自幹部から報告を受けていた、と報じられた。データは情報開示対象ではないと説明されたという。
 陸自は当初、日報は廃棄されたとしていたが、実際は保管されていた。稲田氏は3月以降の国会答弁などで、保管に関する「報告はなかった」と一貫して述べてきた。仮に報告が事実であれば、虚偽答弁にも当たりかねない。
 稲田氏は、陸自幹部らとの打ち合わせは認めたものの、「日報が見つかったという報告があったとは認識していない」と全面的に否定した。一方で、詳細に関する説明は避けている。
 稲田氏は、現在の事態を深刻に受け止めるべきだ。疑念を払拭(ふっしょく)するには、報道を否定するだけでなく、陸自幹部らとどんなやり取りをしたのか、丁寧かつ踏み込んで説明することが求められよう。
 昨年8月の就任後、稲田氏は問題発言を繰り返し、野党は罷免(ひめん)を要求している。閣僚、自衛隊の指揮官として資質を問われ続けているのは残念なことである。
 陸自の日報を巡っては、防衛次官、陸上幕僚長ら幹部が「個人データなので公表の必要はない」との方針を決めたとされる。きちんと真相を解明せねばならない。
 防衛相直属の防衛監察本部が3月から、日報問題について特別防衛監察を実施している。近く結果を公表する見通しだ。どこまで真実を明らかにすることができるかが問われよう。
 制度上、稲田氏ら政務三役は、監察の対象に入っていない。だが、稲田氏は、自ら調査に積極的に協力することが欠かせない。
 大切なのは、今の防衛省内の混乱が日本の安全に悪影響を与えないようにすることだ。
 北朝鮮は弾道ミサイル発射を強行し、中国軍艦・公船は日本領海への侵入を繰り返す。豪雨災害も続く。厳しい任務に取り組む自衛官の士気を下げてはなるまい。
 混乱の背景には、稲田氏ら幹部に不満を持つ勢力による“造反”が指摘される。日報公表の不手際に関する内局と陸自の責任の押し付け合いもあるという。
 内輪もめをしている場合ではなかろう。稲田氏らは、一刻も早く事態を収拾させるべきだ。
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毎日新聞2017年7月20日 東京朝刊
社説:稲田防衛相と陸自日報問題 関与の有無を明確にせよ


 稲田朋美防衛相をめぐって、また新たな疑惑が浮上した。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊の部隊が作成した日報を「廃棄した」としながら陸自内に保管されていた問題である。
 稲田氏が防衛省・自衛隊幹部と協議し、保管の事実を非公表とする幹部の方針を了承していたという。
 稲田氏は否定しているが重大な問題だ。防衛省が近く公表する特別防衛監察の報告で全容を解明し、稲田氏の関与の有無を明確にすべきだ。
 防衛省は昨年12月、日報の情報公開請求に対し「陸自は廃棄済み」と不開示を決めた。その後、PKOを統括する統合幕僚監部から電子データが見つかり今年2月に公開したが、3月に陸自での隠蔽(いんぺい)が報道され監察が始まった、というのが経緯だ。
 日報には、首都ジュバで昨年7月に起きた大規模戦闘の状況が「戦闘」の表現を使って記されている。
 もともと陸自のデータは今年1月に保管が確認されたが、その事実は隠され、データは消去された。
 公表すべき情報を統幕の防衛官僚が「今更あったとは言えない」と述べたという。都合の悪いことは隠蔽し証拠を消す。情報公開の精神をないがしろにした対応だ。
 問題は、一連の対応に稲田氏がどこまで関わっていたかだろう。
 本来なら政治的な指導力で明らかにすべきだったが、もし非公開を黙認したり、了承したりしていたなら、肝心なところで指導力を示せなかっただけにとどまらない。
 発覚後の国会答弁で稲田氏は「報告はされなかった」と述べた。この答弁が虚偽だった疑いも出てくる。
 稲田氏は森友学園との関わりを否定した「虚偽答弁」で信頼性を低下させた。不信感は増幅しよう。
 今回の疑惑を否定するのであれば稲田氏はいつ、どうやって知り、どう対応したかを明らかにし、自身の責任をはっきりさせる必要がある。
 幹部たちは「記憶にない」と事実関係を否定するが、当時は日報問題で連日打ち合わせしていたという。
 非公表としたのは隊員個人の収集資料で公文書ではないと判断したためというが、線引きは恣意(しい)的だ。
 むしろなぜ防衛省・自衛隊は積極的に公表しようとしなかったか。その理由を聞きたい。
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しんぶん赤旗 2017年7月20日(木)
主張:陸自日報隠蔽問題 稲田氏は疑惑の真相を明かせ


 陸上自衛隊が、南スーダンPKO(国連平和維持活動)派兵部隊の日報を廃棄したとしながら、実際には保管していた問題で、稲田朋美防衛相が省内の緊急幹部会議で、保管の事実を非公表とする方針を了承していた新疑惑が浮上しました。日報問題をめぐっては、廃棄したとの説明が虚偽だったばかりか、陸自内に日報は存在しないとの説明とつじつまを合わせるためデータを消去したと既に報じられ、大問題になっています。稲田氏が了承した非公表の方針を受け、データを消去した疑いもあります。稲田氏は疑惑を否定していますが、徹底究明が必要です。
防衛相の資格は既にない
 日報は、昨年7月に南スーダンの首都ジュバで起きた政府軍と反政府軍との大規模な武力紛争を「戦闘」と明記し、安倍晋三政権の「衝突」などという説明とは異なり、深刻な内戦状態にあることを生々しく記録しています。
 昨年9月30日のジャーナリストによる情報公開請求に対し、防衛省は12月2日、陸自は日報の文書もデータも既に廃棄したとして不開示を決定しました。ところが、その後、陸海空自衛隊をまとめる統合幕僚監部(統幕)内で日報のデータを見つけたとして、今年2月7日に一部が公表されました。
 一方で、3月に入りメディアの報道で、統幕だけでなく、陸自でもデータを保管していたことが1月中旬に判明し、既に廃棄したという従来の説明と矛盾するため、2月にデータを消去していたことが発覚しました。これを受け、稲田氏は事実解明のため、元検事長を責任者にする特別防衛監察の実施を表明しました。しかし、それから4カ月がたつ今も監察結果は出されていません。
 日報のデータを陸自が保管していた問題は、2月14日の衆院予算委員会で日本共産党の笠井亮政策委員長が追及していました。陸自内の日報データの存在について対応を協議した緊急幹部会議が開かれたのは翌15日で、公表する必要はないとの結論に稲田氏も異議を唱えず、了承したと報じられています。その方針を受け陸自内のデータを消した可能性もあります。
 稲田氏は、日報について陸自内では「用済み後廃棄」となっていると繰り返し国会答弁していました。加えて、統幕で日報のデータが見つかったのは稲田氏が再捜索を指示したからだと、自らの“指導性”を強調していました。
 しかし、陸自のデータ保管を知っていた上、その事実を隠すことを了承していたとなれば、指導性どころか、防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽(いんぺい)に加担し、虚偽の答弁を意図的にしていたことになります。防衛相の資格は全くありません。
問われる首相の任命責任
 稲田氏は、日報をめぐる防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽疑惑だけではなく、森友学園との関係についての国会での虚偽答弁も追及されてきました。先の東京都議選では、自民党候補の応援演説で「防衛省・自衛隊としてお願いしたい」と呼びかけ、自衛隊を“私物化”し、憲法や法律はもちろん、社会的な常識さえ持ち合わせていないことを示しました。
 稲田氏に閣僚の資格がないことは既に明らかとなっており、直ちに辞任すべきです。稲田氏をかばい立てしてきた安倍首相の任命責任も厳しく問われています。
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北海道新聞 2017/07/20 08:55
社説:日報隠蔽問題 稲田氏は直ちに説明を


 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報問題で、稲田朋美防衛相が、陸自が日報を保管していた事実を非公表とする方針を了承していたことが明らかになった。
 稲田氏はきのう「隠蔽(いんぺい)、非公表を了承したとかいう事実は全くない」と否定したが、報道内容に関する詳しい説明はまだない。
 仮に防衛省・自衛隊による組織的隠蔽をトップの稲田氏が容認していたとすれば、政治家が文民として実力組織の自衛隊を統制するシビリアンコントロールの根幹に関わる重大な事態となる。
 日報の隠蔽問題では防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察の結果を近く公表する見通しだ。
 稲田氏は直ちに公表するよう指示し、自身が問題にどのように関わってきたかについて納得のいく説明をすべきである。
 防衛省は日報の情報開示請求に対し昨年12月、「陸自で廃棄済み」と不開示を決定した。その後、統合幕僚監部に電子データが保管されていたことが分かったとし、2月7日に内容を公表した。
 だが、データが実は1月ごろまで陸自にも保管されていたことが3月になって発覚する。
 稲田氏はこの時点の国会答弁で陸自保管の報告は受けていなかったとし、「防衛省・自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と述べた。
 しかし複数の政府関係者によれば稲田氏は2月15日に緊急の幹部会議に出席し、陸自保管の事実の非公表を了承したとされる。
 その2日前にも陸自幹部から事前に報告を受けていたという。
 その通りであれば、国会での説明は明白な虚偽答弁になる。
 そもそも、幹部会議はあったのかどうか、肝心の点について防衛省側の説明は曖昧だ。
 出席者の1人とされる黒江哲郎事務次官は、会議は「記憶にない」と言い、稲田氏が非公表を了承した事実も「ないと思う」と述べた。説明として不十分である。
 特別防衛監察の開始から4カ月が過ぎた。稲田氏は当初中間報告を行う意向を示していたが、それもなく通常国会は閉会した。野党の追及を逃れる時間稼ぎをしてきたのなら、国民軽視も甚だしい。
 稲田氏は東京都議選で「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」と問題発言をするなど、何度も閣僚としての資質が問われてきた。
 内閣改造で交代も取り沙汰されるが、ここは速やかに説明責任を果たすのが最低限の責務だ。
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河北新報 2017年07月20日木曜日
社説:防衛相の日報隠蔽問題/「お友達内閣」の限界見えた


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を破棄したとしながら、陸上自衛隊に電子データが保管されていた隠蔽(いんぺい)疑惑で、新たな問題が浮上した。
 稲田朋美防衛相が2月15日の防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とする幹部からの方針を了承していたという。複数の政府関係者が明らかにした。
 稲田氏は全面否定しているが、事実ならば、本人の辞任はもちろん、安倍晋三首相の任命責任が厳しく問われるのは言うまでもない。
 防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽工作を稲田氏が容認した形になるだけでなく、一連の経緯について報告を受けていないとした国会答弁が虚偽だったことになるからだ。
 国民に対する重大な背信行為が指摘されている以上、稲田氏は説明責任を尽くさなければならない。24日に行われる衆院予算委員会集中審議で一連の問題を丁寧に説明し、疑念を晴らすべきだ。
 防衛省は昨年10月、日報の情報公開を求められ、「破棄済み」として不開示にした。再探索した結果、同12月に統合幕僚監部で電子データが見つかり、その後陸自でも保管されていた事実が発覚した。
 驚くべきことは防衛省の隠蔽体質だ。緊急会議では陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないという理屈で、公表しない方針が決まったという。
 「今更陸自にあったと言えない」という内部の論理を優先する姿勢の背後にあるのは何なのか。森友学園、加計(かけ)学園問題でも指摘された「安倍1強」政治の弊害が浮き彫りになってくる。
 日報には昨年7月、南スーダンの首都ジュバで起きた政府軍と反政府勢力との間の大規模な武力衝突について記載があった。憲法上問題になりかねない「戦闘」という言葉を巡って、稲田氏の不安定な答弁が野党から追及された。
 ここでデータの存在が明るみに出れば、安倍首相の「秘蔵っ子」である稲田氏にさらに傷が付く。批判から遠ざけよう。防衛省内にそんな「壮大な忖度(そんたく)」が働いていたというから、国民不在も甚だしい。
 内向きの体質にメスを入れ、うみを徹底的に出さなければならない。防衛監察本部による特別防衛監察を実施しているが、自浄作用は到底、期待できそうもない。関係者の処分は当然だとしても、幹部の人心一新が求められる。
 そもそも、稲田氏の防衛相としての資質に問題があったのは明白だ。東京都議選で不適切な応援演説をしたり、九州北部を襲った豪雨の際に防衛省を一時不在にしたり、物議を再三醸し出してきた。
 そのたびに安倍首相は更迭に踏み切らず、かばうような姿勢を取ってきた。自衛隊の信頼が揺らいだ今、「お友達内閣」の限界が見えたのではないか。内閣改造の交代では無責任、遅きに失する。
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信濃毎日新聞 (2017年7月20日)
社説:稲田防衛相 国民を裏切る重大疑惑


 稲田朋美防衛相にまた重大な疑惑が持ち上がった。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報について、保管の事実を非公表とする方針を了承していたというものだ。事実なら国民への背信行為である。大臣を続ける資格はない。
 陸上自衛隊部隊が作成した日報は当初「陸自で廃棄済み」とされた。一転、統合幕僚監部での電子データ保管を認め、一部黒塗りで公開したのは2月上旬だ。ところが、3月になって陸自にも保管されていたことが報道で判明、組織的な隠蔽(いんぺい)の疑いが強まった。
 政府関係者によると、2月中旬に防衛省最高幹部による緊急会議が行われ、陸自に残されていた事実を「公表する必要はない」との方針を決定した。隊員個人が収集したもので公文書に当たらないといった理屈だ。稲田氏は異議を唱えなかったという。
 会議の2日前にも陸自側から報告を受けていたとされる。組織のトップとして事実関係の公表を指示すべきなのに、不当な判断を容認したことになる。
 国会で虚偽の説明をした可能性も見過ごせない。陸自でのデータ保管が明るみに出た翌日、衆院の安全保障委員会で「報告はされなかった」と答弁している。「徹底的に調査し、改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」とも述べていた。
 緊急会議について稲田氏は「隠蔽を了承したとかいう事実は全くない」と否定する。黒江哲郎事務次官も「記憶にない。(防衛相が了承したとの)事実関係はないと思う」としており、政府関係者の証言と食い違っている。
 本当に報告がなく、承知していなかったとすれば、組織を統率できていなかったことになる。いずれにしても責任は免れない。
 データの保管や消去、非公表の方針決定にどんな経緯があったのか、事実関係をはっきりさせる必要がある。
 解明に向け、防衛相直轄の防衛監察本部による特別防衛監察が3月から行われている。速やかに結果を公表するよう求める。すぐに報告書を出せないなら、これまでの調査で分かったことを明らかにすべきである。
 稲田氏は都議選の応援で自衛隊の政治利用と取れる発言をするなどこれまでも度々、大臣としての資質が疑問視されてきた。安倍晋三首相の任命責任も問われる。来月早々に行う方針の内閣改造で交代が取り沙汰される。退任でうやむやにすることは許されない。
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[京都新聞 2017年07月20日掲載]
社説:稲田氏の隠蔽  大臣にふさわしくない


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を巡り、稲田朋美防衛相が日報を非公表にすることを了承していた疑惑が浮上した。
 稲田氏は通常国会で、陸上自衛隊が日報を廃棄したとしながら実際には保管していたことについて「報告を受けていない」と答弁し「隠蔽(いんぺい)体質があれば私の責任で改善する」と述べていた。疑惑が事実なら答弁は虚偽だったことになる。国民にうそをつく人物は実力組織のトップとして最もふさわしくない。稲田氏は疑惑を否定しているが、議事録など資料をもとに詳細に説明するべきだ。
 日報問題は、現地部隊の日報についてジャーナリストから情報公開請求を受けたことがきっかけになった。防衛省は一度は「廃棄済み」として不開示決定にしたが、その後省内に電子データで保管されていたことが分かり公開した。
 さらにその直後、陸自内部にも日報のデータが残っていたことが報道で明るみに出た。稲田氏はこの間の経緯について「報告を受けていない」と関与を否定。防衛省トップとして特別防衛監察を指示していた。
 だが実際は違ったようだ。
 陸自の日報データの取り扱いを話し合う防衛省最高幹部の会議があり、稲田氏は幹部らの非公表方針を了承したという。その2日前にも陸自からデータ保管の事実について説明を受けていたという。
 なぜこのような事態になったのか。
 稲田氏は自身の発言などを巡り野党から批判を受けていた。日報問題でさらに窮地に立つ稲田氏に防衛省幹部らが「配慮」し、稲田氏がこれを受け入れたという。
 稲田氏は安倍晋三首相の「秘蔵っ子」とされている。防衛省、自衛隊は安倍政権に忖度(そんたく)したと批判されても仕方がないだろう。
 防衛省と自衛隊の隠蔽体質は度々指摘されてきた。護衛艦乗組員の自殺問題ではいじめの事実を示す文書の隠蔽が明らかになった。
 防衛相は国民の代表として官僚や自衛隊幹部を統制する立場にある。稲田氏は幹部らに公開を指示すべきだった。
 稲田氏の大臣の資質にはすでに赤信号がともっている。森友問題で国会答弁を撤回し謝罪。東京都議選では自衛隊を政治利用するかの発言で批判を浴びた。
 国会の予算委員会集中審議が24日にも予定される。稲田氏はもちろん、任命責任が問われる安倍首相にも丁寧な説明が求められる。
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神戸新聞 2017/07/20
社説:稲田氏隠蔽問題/即座に更迭すべき事態だ


 稲田朋美防衛相の新たな問題が発覚した。「廃棄した」とされた南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報が陸上自衛隊内で保管されていた案件で、保管の事実を非公表とする方針を幹部から説明され、了承していたというのである。
 稲田氏は、日報保管が明るみに出た後の国会で「報告はされなかったということだ」と自身の関与を否定していた。本当は聞いていたのであれば、虚偽の答弁をしたことになる。
 稲田氏は「非公表を了承したような事実はない」と否定している。しかし、複数の政府関係者が、会議で異議を唱えず了承したとしている。大臣として組織的な隠蔽(いんぺい)を容認したとの疑いは深まるばかりだ。
 日報には、昨年7月に南スーダンの首都で起きた政府軍と反政府勢力の衝突が記載され、派遣部隊が「戦闘」に巻き込まれる恐れに言及するなど、当時の緊迫した状況を伝えている。
 その部分の情報開示請求に対し、防衛省は昨年12月、「廃棄済み」を理由に不開示を決定した。しかし再調査を求められ、「範囲を広げて探した結果、別の部署で見つかった」として、今年2月に一部を公表した。
 表向きは、統合幕僚監部で電子データが確認されたためという。実際は陸自でも発見されたが、そのことは内密にされた。
 ところが3月に陸自での保管が発覚し、情報隠しの疑いが浮上した。稲田氏は不正を調査する「特別防衛監察」を指示したが、一方で2月15日の会議で「今更あったとは言えない」とする防衛省・陸自の方針を了承したと指摘されている。
 組織の体面を優先した情報隠しの容認が事実なら、国民への背信行為というしかない。
 これまでも稲田氏の大臣としての統率力には疑問符が付けられていた。東京都議選の応援演説でも「防衛省・自衛隊としてお願いしたい」と自衛隊の政治利用と取れる発言を行い、厳しく批判されたばかりである。
 防衛省・自衛隊は組織の体質を徹底的に見直すべきだが、その前に防衛相の資質と、安倍晋三首相の任命責任が問われる。首相は内閣改造による首のすげ替えでお茶を濁さず、即座に稲田氏の更迭を判断すべきだ。
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中国新聞 2017/7/20
社説:PKO日報隠蔽 防衛相は辞任すべきだ


 組織的な隠蔽(いんぺい)をただす立場の大臣が加担した格好だ。国会でも事実と異なる答弁を重ねていたことになる。稲田朋美防衛相は即刻辞任すべきではないか。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田氏は、保管の事実を非公表とする方針を伝えられて了承した。防衛省最高幹部による2月15日の緊急会議でのことだ。
 その2日前にも、陸自幕僚監部の幹部から日報の電子データが保管されていたという報告を受けていた。いずれも、複数の政府関係者が明らかにした。これまでの稲田氏の国会答弁や、説明とは全く異なっている。
 稲田氏自身はきのう、「隠蔽を了承したとかいう事実は全くない」と否定した。ならば陸自のケースを公表しなかった経緯や理由を説明する必要がある。
 統合幕僚監部に続き、陸自にも保管されていたことは1月に発覚した。統幕でのデータ保管は2月に公表したが、陸自での保管は3月に報道されるまで隠していた。非公表にしておく判断に、稲田氏は関わらなかったのだろうか。本人が言うように関与していなかったとしたら、大臣として省や自衛隊を把握できていなかったといえよう。ガバナンス(統治)やシビリアンコントロールの点で大臣失格ではないか。
 この問題では、防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を進めている。近く公表される結果が待たれるが、第三者機関ではない身内の調査だけに、全容解明ができるのか不安が残る。
 稲田氏は、職責の重みをどれほど感じているのだろう。今月6日昼、九州北部の豪雨で福岡、大分両県に特別警報が出て自衛隊が約1600人態勢で救助活動などに当たっていたのに、1時間余り「政務」を理由に防衛省を離れた。危機管理を軽視しているとしか思えない。重責を担う自覚に欠けている。
 国内外とも多くの懸案を抱えているのが防衛相である。東アジアを見れば、自制を求める国際社会の声を無視して核・ミサイル開発を続ける北朝鮮、中国やロシアをにらんだ日米関係などの課題がある。国内では九州北部の豪雨をはじめ自然災害への対応や備えも求められる。責任を持って対応する気が稲田氏にあるのか、疑問だ。
 安倍晋三首相の「秘蔵っ子」といわれるように、重要ポストが次々あてがわれてきた。「将来の首相候補として頑張ってほしい」と持ち上げられたほどだ。そんな首相の任命責任も問わねばなるまい。
 これまでも、稲田氏の言動は再三問題になってきた。都議選の応援演説で「自衛隊としてもお願いしたい」と政治利用するかのような発言をしたことは、とりわけ深刻だった。歴史的な自民党惨敗や、内閣支持率の続落の一因にもなった。
 森友学園問題を巡っては、事実と異なる国会答弁をした。参院予算委員会で「(森友側の)顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と言い切ったが、後に答弁を撤回し、謝罪した。
 資質や能力については今分かったことではない。本人が辞意を表明しなくても、安倍首相は8月上旬の内閣改造まで引っ張らず即座に罷免すべきだ。
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西日本新聞 2017年07月20日 10時39分
社説:PKO隠蔽疑惑 稲田氏自ら加担したのか


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題で、新たな疑惑が浮上した。
 稲田朋美防衛相が2月15日に開かれた防衛省最高幹部の緊急会議で、日報保管の事実を隠蔽(いんぺい)する方針を幹部から伝えられ、了承していたというのだ。複数の政府関係者が明らかにしたとされる。
 この日報は現地で起きた大規模武力衝突を隊員が「戦闘」と記録した重要な文書である。防衛省は日報について当初「破棄済み」と存在を否定したが、後になって統合幕僚監部と陸上自衛隊で保管していたことが判明した。
 関係者によると、このうち陸自の日報データ保管が判明した時点で、幹部が会議を開いて事実関係を公表するか対応を協議した。幹部らは「公表の必要なし」との方針を決定、出席していた稲田氏も異議を唱えなかったという。
 稲田氏はその後の国会で、防衛省の隠蔽行為への関与を問われると「(自分には)報告はされなかった」ときっぱり否定している。
 もし「会議で了承」の疑惑が事実だとすれば、稲田氏は組織的な隠蔽に加担した上に、国会で虚偽答弁をしたことになる。職責に背き、国民の信頼を裏切る行為だといわざるを得ない。稲田氏が防衛省トップの任に値するかどうか、厳しく問われるべきである。
 稲田氏はこの新たな疑惑について「事実は全くない」と全面的に否定している。しかし事案の重大性を鑑みれば、衆院予算委員会の閉会中審査など公の場で、稲田氏と防衛省幹部から直接事実関係をただすべきである。
 日報隠蔽問題については、稲田氏が主導して省内の特別防衛監察を実施し、近く結果を公表する見通しとなっていた。稲田氏自身が疑惑の当事者となれば、監察の信頼性にも疑問符がつく。
 安倍晋三政権は8月上旬にも内閣改造に踏み切るとみられる。稲田氏が辞任すれば政権への打撃となるため、改造まで稲田氏を守り通し、穏便な交代を図る構えだ。しかし、疑惑をうやむやにしたままの逃げ切りなど許されない。
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