2017-07-27(Thu)

「加計」「日報」で閉会中審査(1) 信頼性欠く首相の答弁

裏付けなき政権の弁明  国民の不信の解消には程遠い  特区の認定白紙に戻せ  防衛相の資格が疑われる 

<各紙社説・主張>
朝日新聞)閉会中審査 裏付けなき政権の弁明(7/26)
朝日新聞)「加計」「日報」で閉会中審査 特区の認定白紙に戻せ(7/25)
朝日新聞)「加計」「日報」で閉会中審査 最高指揮官の重い責任(7/25)
読売新聞)参院閉会中審査 決め手を欠いた「加計ありき」(7/26)
読売新聞)衆院閉会中審査 政権の信頼回復につながるか(7/25)

毎日新聞)「加計」問題で閉会中審査 首相は包み隠さずに語れ(7/25)
毎日新聞)混迷する陸自日報問題 防衛相の資格が疑われる(7/25)
日本経済新聞)有権者の政権不信の声に謙虚に向き合え (7/25)
産経新聞)水掛け論には終止符を打て 閉会中審査、いったい何をやっているのか(7/26)

東京新聞) 「加計」集中審議 信頼性欠く首相の答弁(7/26)
東京新聞)揺らぐ「安倍一強」 国民の目は厳しく(7/25)
しんぶん赤旗)閉会中審査と首相  国民の不信の解消には程遠い(7/25)




以下引用



朝日新聞 2017年7月26日05時00分
(社説)閉会中審査 裏付けなき政権の弁明


 いくら口調をやわらかくしても、根拠を示して正面から答えなければ「丁寧な説明」をしたことにはならない。
 2日間に及んだ衆参両院の閉会中審査で、加計学園問題をめぐる疑念は晴れなかった。
 原因ははっきりしている。
 安倍首相や官邸、内閣府など政権側の説明に、記録の裏付けがまるでなかったからだ。
 大きな疑問がいくつも積み残されている。例えば昨年9月、「総理は自分の口からは言えないから私が代わって言う」と和泉洋人・首相補佐官から対応を迫られたとする、前川喜平・前文部科学次官の証言である。
 前川氏は面会の日時を再確認し、時刻の記憶違いまで修正して答弁した。ところが和泉氏の方は「記憶はまったくない。従って言っていない」と根拠を示さず否定した。ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問で、両氏の言い分を聞く必要がある。
 面会予約が要る首相官邸を、愛媛県今治市の職員が特区に決まる前になぜ訪問できたのか。この疑問にも、当時の首相秘書官が「私の記憶する限りはお会いしていない」とひたすら繰り返し、まともに答えなかった。ならば今治市関係者に真相を聞きたい。
 そして、今年1月の決定直前まで加計学園が手を挙げているのを知らなかったという首相答弁だ。過去の国会答弁との矛盾を野党に突かれたが、首相の発言が事実なら、昨秋の時点で首相周辺から「総理のご意向」などの声が出ること自体がおかしいことになる。
 一方、農林水産相と地方創生相は昨年8~9月に、首相の友人で学園理事長の加計孝太郎氏自身から計画を聞いていた。加計氏の証言も聞く必要がある。
 不都合な「記録」はあれこれと理屈をつけて葬ろうとする。自衛隊の日報問題や森友学園の問題とも共通する安倍政権の姿勢は変わっていない。2日間の審査で説明責任を果たしたとは到底言えない。
 疑念をぬぐいたいなら、首相は自らの指導力で関係省庁に記録を探させるべきだ。行政文書の作成・保存・開示のルールを見直すことも欠かせない。
 同時に、野党が憲法53条に基づき求めている臨時国会召集にただちに応じる必要がある。
 首相は予算編成や法案準備を理由に後ろ向きだが、この規定は少数党の権利を保障するためにある。拒否は許されない。
 自民党自身、5年前にまとめた憲法改正草案で「20日以内」の召集をうたったではないか。有言実行を首相に求める。
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朝日新聞 2017年7月25日05時00分
(社説)「加計」「日報」で閉会中審査 特区の認定白紙に戻せ


 安倍首相の「腹心の友」に便宜を図るために、公正であるべき行政がゆがめられたのか。
 首相が出席したきのうの衆院予算委員会の閉会中審査でも、疑念が晴れることはなかった。
 内閣支持率の急落と相次ぐ選挙での敗北を受け、低姿勢で臨んだ首相だが、肝心な点になると、政府側の答弁はあいまいな内容に終始した。約束した「丁寧な説明」にほど遠い。
 このまま加計学園による獣医学部の新設を進めても、多くの人の納得が得られるはずがない。国家戦略特区の認定手続きをいったん白紙に戻し、プロセスを踏み直すべきだ。
 首相は、加計学園が特区に手を挙げていること自体、知ったのは、学園が事業主体に決まった今年1月だと答弁した。
 にわかに信じがたい。
 首相は特区諮問会議の議長でもある。15年12月の資料には、既に愛媛県今治市に獣医学部を造る計画が明記されていた。県と市は10年前から加計学園による獣医学部新設を訴えており、関係者の間では「今治=加計」は共通認識になっていた。首相だけが知らなかったのか。
 資料が作成され、審査が進んでいる間も、首相は学園の加計孝太郎理事長と会食やゴルフを繰り返していた。首相は親密な間柄を改めて認めた。2人の仲で、特区の件は話題にすらならなかったのだろうか。
 きのうの審議では、首相側の思惑とは逆に、「加計ありき」を疑わせる新たな事実が明らかになった。昨年11月、諮問会議が獣医学部の規制緩和を決める前日に、文部科学省が加計学園に対し、さまざまな助言をした文書が残されていることを、松野文科相が認めたのだ。
 この「優遇」の理由についても説得力ある説明はなかった。
 加計理事長や今治市の関係者に確かめたいことは多い。官邸や内閣府とどんなやり取りをしてきたのか。なぜ事業主体に決まる前から、予定地のボーリング調査を開始できたのか。国会でぜひ説明してもらいたい。
 きのうも政府側からは「記憶にない」「記録がない」が連発された。首相秘書官だった柳瀬唯夫氏は、15年春に今治市職員と官邸で面会したのではないかと野党議員に問われ、「記憶にない」と述べた。入館記録も「ない」と首相が答弁し、官邸のセキュリティーは大丈夫かと議員から皮肉られた。
 都合の悪い「記録」が出てくるたびに、「記憶がない」でそれを否定しようとする。こんな態度をとり続ける限り、国民の信頼は取り戻せない。
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朝日新聞 2017年7月25日05時00分
(社説)「加計」「日報」で閉会中審査 最高指揮官の重い責任


 稲田防衛相はもちろん、自衛隊の最高指揮官である安倍首相の責任が問われる局面だ。
 南スーダン国連平和維持活動に派遣された陸上自衛隊部隊の日報をめぐって、防衛省・自衛隊の混乱がやまない。
 「廃棄した」とされた日報のデータが陸自に保管されていた事実が、2月中旬の幹部会議で陸自側から稲田氏に報告された可能性が報道で発覚した。
 だが、きのうの閉会中審査で問われた稲田氏は「私が報告を受けて隠蔽(いんぺい)を了承するということはない」と否定した。
 なぜそう言えるのか。稲田氏は「私は報告を受ければ、必ず公表をすべしという考えだ。私の政治姿勢と真逆(まぎゃく)の隠蔽をするということはない」と述べた。この説明に説得力があると感じる国民がどれほどいようか。
 幹部会議の前日、稲田氏は国会で野党から日報データの有無を追及されていた。稲田氏の側から報告を求めることが当たり前ではないか。
 それもしていなかったとすれば論外だし、報告を受けていたなら、3月の国会審議で「報告されなかった」と述べていたことが虚偽答弁になる。
 報告を受けていたのに、その認識がないとすれば、防衛相としての資質が疑われる。
 一方、防衛省・自衛隊が稲田氏に報告もせずに非公表を決めていたとすれば、稲田氏に統率力がないことが明白になる。
 いずれにしても、文民統制が機能しているとは到底言えない異常事態である。
 さらに疑問なのは、首相のどこかひとごとのような態度だ。
 陸自に日報データが保管されていたことを、首相はいつ知ったのか。きのう国会でただされた首相は「まだ報告は受けていない」と繰り返した。
 確かに、防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を行っている。だが日報データが組織的に隠蔽されていたのではという疑惑は、多くの国民の不信を招いている喫緊のテーマだ。
 首相には稲田氏への任命責任のみならず、自衛隊の最高指揮官として、適正な文民統制を取り戻す重大な責任があることを忘れてもらっては困る。
 来月早々に予定される内閣改造を待つことなく稲田氏を更迭し、一刻も早く事態を収拾することを首相に求める。
 監察を命じた稲田氏自身が疑惑の対象となり、監察の信頼性と実効性が揺らぐなか、国会の使命も重い。稲田氏や黒江哲郎事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長ら関係者を招致し、徹底した究明に取り組むべきだ。
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読売新聞 2017年07月26日 06時07分
社説:参院閉会中審査 決め手を欠いた「加計ありき」


 安倍政権への不信感の解消には、行政の透明性向上が欠かせない。
 安倍首相が参院予算委員会の閉会中審査に出席した。加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは1月20日の国家戦略特区諮問会議だった、と改めて説明した。
 6月には、愛媛県今治市の特区申請の段階で認識したと答弁していたため、「学部新設の提案者は今治市であり、学園と市で混同があった」と釈明、陳謝した。
 首相が計画を認識した時期は一つのポイントかも知れない。だが、より重要な点は、首相による学園への便宜供与の指示や、行政のねじ曲げの有無である。それらを冷静に検証することが大切だ。
 前川喜平・前文部科学次官は、「『加計ありき』は間違いない」と強調した。「広域的に獣医師養成系大学の存在しない地域」という学部新設の条件などが理由だ。しかし、競合した京都産業大は、こうした見方を否定している。
 野党は、1月の事業者の認定前に学園が開学準備を進めたことを問題視し、政府を追及した。
 山本地方創生相は「それぞれ自らのリスクでやっている」と指摘した。前川氏も「学校法人のリスクで(教員募集を)やるケースはあるかも知れない」と語った。
 野党は、2日間の質疑で「加計ありき」を浮き彫りにしようとしたが、決め手を欠いた。
 政府も、疑惑を払拭(ふっしょく)できたわけではない。引き続き丁寧な説明を尽くすことが求められよう。
 首相は、特区を巡る各省間の調整について「透明性に欠け、国民的な疑念を招いた」と指摘し、改善する意向を示した。後日、必要に応じて情報公開できるよう、行政文書を一定期間保存するなど、適切に管理せねばならない。
 南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事した陸上自衛隊の日報問題で、稲田防衛相は「隠蔽(いんぺい)や非公表を指示することはあり得ない」と重ねて明言した。
 陸自は、廃棄したはずの日報を実際は保管していた。防衛省の防衛監察本部に対しては、「データ保管の事実を稲田氏に報告した」などと説明しており、稲田氏の主張と食い違っている。
 安倍首相は、稲田氏の罷免(ひめん)を否定する一方で、「厳正かつ公正に徹底的な調査を行い、事実関係の全容解明を行う」と表明した。
 特別防衛監察の結果は近く、公表される。稲田氏は、日報問題の真相を国民が納得できるよう説明すべきだ。防衛省の混乱も早期に収拾させねばなるまい。
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読売新聞 2017年07月25日 06時03分
社説:衆院閉会中審査 政権の信頼回復につながるか


 安倍政権の信頼を回復するには、様々な疑念に対して、首相や閣僚が丁寧な説明を積極的に続けることが欠かせない。
 安倍首相が衆院予算委員会の閉会中審査で、加計学園の獣医学部新設への関与を改めて否定した。友人の学園理事長から「働きかけや依頼はなかった」とし、「個別の案件に指示することは全くない」と語った。
 一方で、「私の友人が関わることだから、国民から疑念の目が向けられるのはもっともだ。今までの答弁はその観点が欠けていた」と反省の弁を述べた。
 内閣支持率の低下に関して「私の答弁の姿勢についての批判もあろう」とも語った。首相は従来、野党の批判に「印象操作だ」などと反論することが目立ったが、この日は終始、低姿勢だった。
 問題の焦点は、国家戦略特区による獣医学部新設を巡って、加計学園への便宜供与があったかどうかだ。複数の参考人が答弁したが、行政の違法性を示す明白な事実は指摘されなかった。
 前川喜平・前文部科学次官は、昨年9月に和泉洋人首相補佐官から早急な対応を求められたと改めて語った。和泉氏が「総理は自分の口から言えないから、私が代わりに言う」と述べたという。
 和泉氏は、この発言自体を否定したうえ、規制改革全般について「スピード感を持って取り組むこと」を求めたと反論した。首相と理事長の友人関係を認識したのは今年3月だったと述べた。首相も、学園による学部新設申請を知ったのは今年1月だと説明した。
 首相らの発言は不自然ではないか、との見方もあるが、事実なら、首相の友人を優遇したという批判は成り立つまい。
 和泉氏ら首相官邸スタッフが各省庁に対し、規制改革を急ぐことを求めるのは理解できる。その際は、一部地域や業者を不当に特別扱いしたと取られぬよう、細心の注意を払う必要がある。
 疑問なのは、政府側に依然として、「記録がない」「記憶がない」との答弁が多いことだ。
 首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官は、学園を誘致した愛媛県今治市の職員との面会について「覚えていない」と繰り返した。官邸入館記録などをさらに精査して説得力ある説明をすべきだ。
 首相は「国民の疑念を晴らすうえで、何ができるか真剣に考えたい」と語った。便宜供与がないことを証明するのは簡単ではない。政権全体で、踏み込んだ説明を尽くすしかあるまい。
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毎日新聞2017年7月25日 東京朝刊
社説:「加計」問題で閉会中審査 首相は包み隠さずに語れ


これまでと一転して、安倍晋三首相は終始、低姿勢だった。しかし、首相らの説明そのものは相変わらず説得力に乏しかった。
 学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を中心に、きのう衆院予算委員会の閉会中審査が行われた。
 内閣支持率の急落が続く状況を意識したのだろう。首相は「国民から疑念の目が向けられるのはもっともなことだ」と認めた。
 だが、その言葉とは裏腹に、逆に疑念を深める結果となったのは、加計学園が獣医学部新設を申請しているのを首相が知った時期について「今年1月20日の国家戦略特区諮問会議だった」と答弁したことだ。
 今、問われているのは昨夏以来、首相官邸や内閣府の主導により、「はじめに加計ありき」で強引に獣医学部新設の手続きが進められたのではないかという問題である。
 一方、首相と学園理事長の加計孝太郎氏は古い友人で、昨夏以降も再三ゴルフや食事をともにしている。しかも首相は諮問会議の議長だ。にもかかわらず同学園が長年希望してきた獣医学部新設について具体的に話題になったこともないという。それはかえって不自然ではないか。
 首相は自らは関与せず、同学園に便宜もはかったわけではないことを強調するため無理な答弁をしているのではないかと疑問が残る。
 疑念を晴らすには、まず首相が取り繕わずに率直に語ることだ。またこの答弁の真偽を明らかにするためにも、いまだに記者会見もしていない加計氏の国会招致が不可欠だ。
 質疑では、前川喜平前文部科学事務次官が改めて官邸の関与を証言したのに対し、和泉洋人首相補佐官らがそれを「記憶にない」「言っていない」と否定する場面も続いた。
 官邸側は、前川氏や一連の文書を残した文科省が「勝手な思い込みをしている」と言いたいようだが、前川証言を覆す記録文書などは出せないままだ。
 閉会中審査はきょう参院予算委員会でも行われる。解明に進展がなければ、虚偽の証言が罰せられる証人喚問を検討しなくてはならない。
 首相はこの日、「計画を白紙にすることは考えていない」とも明言した。そうであるなら、より納得のいく説明が必要となる。
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毎日新聞2017年7月25日 東京朝刊
社説:混迷する陸自日報問題 防衛相の資格が疑われる


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐり、稲田朋美防衛相が、自ら指示した特別防衛監察の聞き取り調査を受けた。
 「廃棄した」とした日報の電子データが陸上自衛隊内に保管され、その事実を公表せずデータを消去した経過に、稲田氏も関与したのではないかと疑われたためだ。
 そもそも監察は「防衛相の特命事項」であり、防衛相直轄の防衛監察本部が実施している。
 監察の命令を下す防衛相が疑惑を持たれる異例の事態である。これで調査の中立性や信頼性が確保されるといえるだろうか。
 問題の陸自の日報データは、防衛省が情報開示請求に対していったんは不開示を決定した後の今年1月に見つかったとされる。
 防衛省は陸自とは別に統合幕僚監部で見つかった同じデータを2月に公表したが、陸自での保管の事実は伏せられた。
 この後、防衛省は非公表を決めたが、この経過をめぐり、陸自は稲田氏に報告し、了承を得たという認識を持っているという。
 一方、稲田氏は「報告はなかった」と、非公表を了承したとの疑惑を否定したうえで「報告を受けていれば当然に公表するよう指示した」と主張している。
 だが、仮に報告がなかったとしても、報道でデータ保管が発覚する3月中旬まで官僚側が主導したとされる隠蔽(いんぺい)を稲田氏は把握していなかったことになる。
 陸自は稲田氏に報告したという内容の報告書を防衛監察本部に提出したが、監察の報告書原案には反映されなかったため不満があるという。
 実力組織である自衛隊が文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱することはあってはならない。今回の騒動が陸自の組織防衛を背景としているなら由々しきことだ。
 しかし、混乱の根源は自らの不用意な発言で統率力を失っている稲田氏にある。
 調査の当事者になった稲田氏に監察を統括する資格があるとは思えない。本来なら調査を外部機関に委ね、公平性を担保すべきだろう。
 それができないなら、稲田氏は進退を明確にすべきだ。任命した安倍晋三首相にも重い責任がある。
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日本経済新聞 2017/7/25付
社説:有権者の政権不信の声に謙虚に向き合え


 国家戦略特区を活用した獣医学部新設を巡り、国会でようやく主な関係者が出席した閉会中審査が実現した。政策判断の経緯や不当な政治介入の有無はなお分からない点が多い。有権者の不信感をぬぐうには謙虚な姿勢で事実を解明していくしかない。
 衆院予算委員会は24日、学校法人「加計学園」問題の集中審議を開いた。安倍晋三首相は加計孝太郎理事長について「学生時代からの友人だが、働きかけや依頼はまったくなかった」と強調した。同学園の特区申請に関しては「知ったのは1月20日の国家戦略特区諮問会議だ」と述べた。
 和泉洋人首相補佐官は特区を推進する政権の立場を当時の前川喜平文部科学次官に伝えたと認める一方で、「総理は自分の口からは言えないから私が代わって言う」と発言して早期開学を促した事実はないと否定した。
 野党は文科省の内部文書に記載された政策調整の経緯を中心にただした。政府関係者は首相からの指示や忖度(そんたく)を否定しつつ、個別の面会や発言内容については「記憶がない」といったあいまいな答弁が目立った。
 野党が入手した情報に基づいて具体的に質問しても、検証できるデータが政府側に残っていなければ政策決定の過程は検証できない。政府内の情報管理を見直すルールづくりが不可欠である。
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題も議題となり、稲田朋美防衛相は「私は一貫して公表すべきとの立場だ。隠蔽や非公表を了承することはない」と強調した。野党は防衛省・自衛隊の組織ぐるみの隠蔽を指摘し、稲田氏の罷免を要求した。
 民進党は加計問題で加計理事長、学校法人「森友学園」問題で名誉校長だった安倍昭恵首相夫人、共産党はPKO日報問題で防衛省や自衛隊の幹部の証人喚問や参考人招致を求めた。与党は前向きに検討すべきだ。
 日本経済新聞社とテレビ東京による7月の世論調査で内閣支持率が39%と前月より10ポイント下がった。23日投開票の仙台市長選では与党が支持する候補が、元民進党衆院議員の候補に競り負けた。
 有権者は首相や閣僚の言動に長期政権のおごりや緩みを感じ取っている。急落した支持率の回復は簡単でないとしても、説明責任を果たしながら地道に政策を実現していくしか道はない。
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産経新聞 2017.7.26 05:03
【主張】水掛け論には終止符を打て 閉会中審査、いったい何をやっているのか


 いったい何をやっているのだろう。衆参両院の予算委員会で2日間にわたり行われた、閉会中審査の印象である。
 集中審議の大半は「加計学園」問題に終始し、豪雨被害や拉致問題など重大かつ喫緊の課題に質問を割いたのは、主に与党側に限られた。
 問題の根幹について、大きな真相が解明されるなどの具体的成果はない。そろそろ、いいかげんにしてほしいと考える人は多いのではないか。
 加計問題をめぐる政府側の対応の不備が、国民の不信を招いたのは事実である。内閣支持率の急落や地方の首長選の与党敗退など、目に見える影響が出ている。
 安倍晋三首相も「足らざる点があったことは率直に認めなければならない」と述べた。
 一方で、追及する野党はどうだったか。世論調査では、民進党も政党支持率を落としている。不毛な論争は政治不信を増幅させているだけではないか。
 国家戦略特区を活用した獣医学部の新設をめぐり、政策判断に不当な政治介入の事実があったかどうか。加計学園の理事長が安倍首相の友人であったことから、忖度(そんたく)の有無が焦点となっている。
 攻める野党側に決め手はなく、守る政府側は「記憶にない」「記録はない」を連発する。
 水掛け論には終止符を打つべきだ。仮に、議論の泥沼化そのものが野党の目的とすれば、政治全体への不信はさらに高まろう。
 前川喜平前文部科学事務次官が「政治に行政がゆがめられた」と話せば、同じ文科官僚出身の加戸守行前愛媛県知事は「ゆがめられた行政が正された」と述べる。
 同じ事象でも、異なる立場で見れば全く違うものに映る。これを証言の不一致とはいわない。見解の相違であり、着地点はない。
 多くの議論がこれに類するものだと考えれば、それは証人喚問を行っても同じ結果を招こう。法的な瑕疵(かし)も見当たらない。
 安倍首相は「『李下(りか)に冠を正さず』という言葉がある。私の友人が関わることだから、疑惑の目が向けられるのはもっともなことだ」と語り、「丁寧なうえにも丁寧に説明を続けたい」と低姿勢で臨む考えを強調した。
 政権に「1強」のおごりがあったならば、この反省は数少ない成果である。重要課題の克服にもこれを生かしてほしい。
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東京新聞 2017年7月26日
【社説】 「加計」集中審議 信頼性欠く首相の答弁


 「加計学園」問題をめぐり、安倍晋三首相が過去の答弁を修正した。つじつまが合わなくなったためだが、修正で済む話ではない。首相の答弁は信頼性を欠く。真相解明の手綱を緩めてはならない。
 学校法人「加計学園」による愛媛県今治市での獣医学部新設計画を首相がどの時点で知ったのか。
 それを解明することは、公平・公正であるべき行政判断が「首相の意向」や、官僚による忖度(そんたく)で歪(ゆが)められたか否かを判断する上で、重要な要素となる。
 首相は二十四日の衆院予算委員会で加計学園の計画について、政府が獣医学部新設を認める事業者を同学園に決定した今年一月二十日に「初めて知った」と述べた。
 民進党議員に「答弁が偽りなら責任を取って辞任するか」と迫られ「首相として責任を持って答弁している」と胸を張った答弁だ。
 しかし、この答弁は過去の答弁と明らかに矛盾する。
 首相は以前、獣医学部を今治市に新設したいという加計学園側の意向を知った時期を問われ、次のように答えているからだ。
 「安倍政権になってから、国家戦略特区に今治市とともに申請を出した段階で承知した」(六月五日、参院決算委員会)
 「構造改革特区で申請されたことについて私は承知している」(六月十六日、参院予算委員会)
 首相はきのう参院予算委員会で「急な質問で混同した」と釈明した上で、過去の答弁を修正し、計画を知ったのは一月二十日だと重ねて主張した。
 しかし、にわかには信じ難い。学園の加計孝太郎理事長は、首相が「腹心の友」と呼ぶ三十年来の友人だ。第二次安倍内閣発足後、判明分だけで十五回、食事やゴルフを共にしている。加計氏側から全く言及がなかったのか。
 首相は自らの関与や加計氏への便宜供与を否定するために無理な答弁を重ねているのではないか。つじつま合わせでころころ変えるような首相の答弁を、そもそも信頼するわけにはいくまい。
 衆参両院で二日間にわたった集中審議で、政府側の参考人は個別の面会や発言内容については「記憶がない」「記録がない」との答弁を繰り返した。首相が言う「丁寧な説明」には程遠い。
 このまま幕引きは許されない。加計学園による新設認可をいったん見送るとともに、憲法に基づく野党の要求に応じて臨時国会を召集し、真相解明を進めるべきだ。加計氏の証人喚問も求めたい。
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東京新聞 2017年7月25日
【社説】揺らぐ「安倍一強」 国民の目は厳しく


 「安倍一強」の構図が揺らぎ始めた。自治体選挙で示され続ける「自民党敗北」は、安倍内閣の下での信頼回復が険しいことを示しているのではないか。
 いくら自治体の選挙だとはいえ安倍晋三自民党総裁(首相)には厳しい結果だったに違いない。
 自民党の東京都議選での歴史的大敗に続き、仙台市長選でも党県連などが支持した候補が、民進党県連などが支持し、共産党県委員会などが支援する候補に敗れた。
 二週間前の奈良市長選でも、自民党推薦候補は惨敗している。
 仙台市長選から一夜明けた二十四日、菅義偉官房長官は記者会見で、「極めて残念」としながらも「直ちに国政に影響を与えるとは思っていない」と強調した。
◆自治体選挙では連敗
 自治体選挙では、それぞれの地域の事情や政策課題が優先して問われるのは当然だが、東京都や、仙台などの政令指定都市、奈良のような県庁所在地など大きな自治体では、政権に対する有権者の意識が反映されるのも事実である。
 共同通信社が今月十五、十六両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は前回六月の調査から9・1ポイント減の35・8%と、二〇一二年の第二次安倍内閣発足後で最低となった。二月時点では61・7%と高水準にあり急激な下落だ。
 一連の自治体選挙の結果は、全国的な世論動向の反映と見た方がいい。安倍政権は「自民党敗北」を地域の事情だと矮小(わいしょう)化せず、安倍首相による政権や国会運営に対する厳しい批判だと、深刻に受け止めるべきである。
 「安倍一強」とされてきた政治状況がなぜ揺らぎ始めたのか。
 それは、現行の日本国憲法を含む民主主義の手続きを軽視もしくは無視する安倍政権の態度が、有権者の見過ごせない水準にまで達したためではないのか。
◆民主主義手続き軽視
 一五年には憲法学者ら専門家の多くが憲法違反と指摘したにもかかわらず安全保障関連法の成立を強行し、今年の通常国会では参院委員会での採決を省略する「中間報告」という強引な手法を使って「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法を成立させた。
 強引な国会運営に加え、政権不信の要因となったのが、衆院予算委員会できのう、国会閉会中の集中審議が行われた学校法人「加計学園」による愛媛県今治市での獣医学部新設問題である。
 これまで認められてこなかった「岩盤規制」の獣医学部新設を、国家戦略特区制度に基づいて首相主導で認めるという手法だったとしても、加計学園の理事長は首相が「腹心の友」と呼ぶ人物だ。
 首相がいくら「個別の案件について一度も指示したことはない」と釈明しても、自身が認めるように「私の友人にかかわることなので、国民から疑念の目が向けられることはもっともなこと」だ。
 公平・公正であるべき行政判断が「首相の意向」を盾に歪(ゆが)められたと疑われることがあってはならない。関係者の証言も食い違う。
 ならばいったん加計学園による新設認可を見送り、他大学による獣医学部新設計画を含めて、学部新設や定員増の必要性を検証し直してはどうか。民主主義は、結果はもとよりその過程も重要だ。
 安倍内閣は、野党による憲法五三条に基づく要求を無視せず、臨時国会の召集に応じて、進んで真相解明に努めるべきである。
 政権不信のもう一つの理由は稲田朋美防衛相を擁護する態度だ。稲田氏は都議選応援で「防衛省・自衛隊として」自民党候補を支援するよう呼び掛けた。
 自衛隊を政治利用し、行政の政治的中立性を著しく逸脱する憲法に反する発言であり、都議選大敗の一因ともなった。撤回すれば済む話でもない。南スーダンPKO部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題と合わせ、野党の罷免要求は当然である。
 しかし、首相は罷免要求を拒否している。稲田氏の政治的立場が首相に近く重用してきたからだろうが、憲法に反する発言をした閣僚を擁護するのは、憲法を軽視する首相自身の姿勢を表すものだ。
 来月三日にも行う内閣改造での交代で済ませてはならない。
◆批判集約へ選択肢を
 首相が今後いくら丁寧な説明や政権運営に努めたとしても、憲法軽視の政治姿勢を改めない限り、弥縫(びほう)策にすぎない。「安倍政治」の転換は、首相自身が進退を決断しないと無理かもしれない。
 世論調査結果が示すとおり、安倍内閣継続の大きな要因は「他に適当な人がいない」からだ。都議選のように受け皿さえあれば批判票は集約できる。
 来年九月には自民党総裁選、十二月までには衆院選がある。そのときまでに「安倍政治」に代わる選択肢を示せるのか。与野党ともに存在意義が問われている。
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しんぶん赤旗 2017年7月25日(火)
主張:閉会中審査と首相  国民の不信の解消には程遠い


 東京都議選での自民党の歴史的な大惨敗、マスメディアの世論調査での内閣支持率の相次ぐ大幅下落、日本共産党など野党からの臨時国会開催要求…安倍晋三政権への国民の怒りが広がる中で、衆参両院の予算委員会で国会閉会中の審査が行われています。首相の親友が理事長を務める「加計学園」の獣医学部開設問題や、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派兵された陸上自衛隊の日報隠しなどで、安倍首相や関係閣僚の答弁は説明責任を果たすどころか、「不正はなかった」「記憶がない」などと無責任極まるものです。国民の不信解消とは程遠い姿です。
「加計」問題で疑惑は深い
 都議選に先立つ通常国会の最中から大きな問題になってきた「加計」疑惑は、文部科学省が作成した文書に、開設は「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと内閣府側に言われたと明記されていたことが示すように、首相や官邸の関与で行政がゆがめられたことが疑われている重大問題です。安倍首相は閉会中審査でも、「加計学園」の理事長について「彼が地位や立場を利用して、何かを成し遂げようとしたことは一度もない」と居直り、「加計学園」が獣医学部の開設を計画していたことさえ、今年1月まで知らなかったと言い張る無責任なものです。
 首相官邸や内閣府から獣医学部開設の圧力を受けてきたと証言してきた前川喜平前文科事務次官は、同氏が「キーパーソン」と指摘する首相側近の和泉洋人首相補佐官から昨年9月、「総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」と言われたなどと発言しました。閉会中審査でも前後の経過を明らかにしました。ところがそれに対して和泉氏は、「記録がない」「記憶がない」と根拠も示さず全面否定です。前川氏が詳しく説明しているのに「記憶がない」で済まそうという姿勢は通りません。前川氏は国会の証人喚問に応じることも明らかにしており、和泉氏らの証人喚問も実現すべきです。
 「総理は平成30年(2018年)4月開学とおしりを切っていた」と語ったとされる文科省内の文書が残っていた萩生田光一官房副長官らも、首相の発言についても自らの発言についても全面否定です。国会に証人として喚問し、疑惑を解明することが重要です。
 「加計」疑惑をめぐっては、国家戦略特区担当の山本幸三地方創生相が、事業者が「加計」に絞られることが正式に明らかになる2カ月も前に、獣医学部の開設に反対していた日本獣医師会を訪ね、「加計学園」の名前を挙げて、開設の方針を伝えていたことも最近明らかになりました。山本氏は獣医師会側の「思い込み」などと発言を否定していますが、“初めに「加計」ありき”で進められていた疑惑はいよいよ明らかです。
臨時国会で徹底審議こそ
 南スーダンPKOの日報を陸上自衛隊が隠蔽(いんぺい)し、稲田朋美防衛相も了承していた疑惑についても、安倍首相は「特別防衛監察」中であることを理由に、稲田防衛相の責任を問おうとさえしません。
 国民の間では「加計」疑惑などで政治がゆがめられてきたという批判が7、8割に上ります。閉会中審査でも証人喚問などで疑惑を徹底解明するとともに、野党が憲法にもとづいて要求する臨時国会の開催がいよいよ不可欠です。
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