2017-08-03(Thu)

森友学園問題 籠池夫妻逮捕 国有地売却疑惑が本筋だ

値引きこそ疑惑の核心だ 国有地売却を徹底して調べよ  「神風」の真相に迫れ  忖度せず疑惑解明せよ 

<各紙社説・主張>
朝日新聞)籠池夫妻逮捕 国有地問題を忘れるな (8/1)
毎日新聞)「森友」前理事長夫妻を逮捕 値引きこそ疑惑の核心だ (8/1)
読売新聞)籠池容疑者逮捕 「教育者」が公金を私したのか (8/1)
日本経済新聞)国有地売却を徹底して調べよ  (8/2)

産経新聞)籠池夫妻を逮捕 事実の徹底的な解明図れ (8/1)
東京新聞)籠池夫妻逮捕 「神風」の真相に迫れ (8/2)
北海道新聞)籠池夫妻の逮捕 疑惑の核心に迫らねば (8/2)
河北新報)森友問題で夫妻逮捕/捜査は緒に就いたばかりだ (8/1)

京都新聞)籠池夫妻逮捕  国有地問題こそ焦点だ (8/2)
神戸新聞)籠池夫妻の逮捕/国有地売却疑惑が本筋だ (8/2)
中国新聞)「森友」籠池夫妻逮捕 忖度せず疑惑解明せよ (8/2)




以下引用



朝日新聞 2017年8月1日05時00分
(社説)籠池夫妻逮捕 国有地問題を忘れるな


 多額の公金をだまし取っていたなら、教育者としての資質も問われる。検察は国や大阪府の関係者からも話を聞き、事実の解明に尽くしてほしい。
 大阪の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典(やすのり)と妻諄子(じゅんこ)の両容疑者がきのう、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。
 両容疑者は小学校を建設するとして、実態より高額の契約書を国に提出し、補助金約5644万円をだまし取った疑いがある。府には幼稚園の教員数や障害のある園児数を偽って申告し、約6千万円を詐取した疑いでも告訴されている。
 泰典容疑者はこれまで「行政当局や関係各位との協議のなかで進めた」「故意ではない」などと説明してきたが、言い分は一方的だ。行政の誰と相談し、どう受給に至ったのか、具体的な解明が必要だ。
 一連の問題で忘れてはならないのが、国有地の安値売却だ。
 小学校建設用地として、財務省は鑑定価格9億5600万円の土地を1億3400万円で学園に売り渡した。その値引きの経緯は今もなぞのままだ。
 国は地中のごみ撤去費として8億1900万円を差し引いたというが、相応する量のごみはなく、不当な値引きではないかと国会で野党が追及した。
 財務省は肝心の経緯の記録は「廃棄した」と押し通している。本省や近畿財務局と学園側との間でいつ、どんなやりとりが交わされたのかを具体的に詰めない限り、国民の共有財産が適正、適法に処分されたかどうかは判断できないだろう。
 焦点は、小学校の名誉校長を務めていた安倍首相の妻・昭恵氏の存在だ。学園の幼稚園で複数回講演してその教育内容を称賛し、学校建設を支援した。
 売却契約の成立にむけ、国が学園側の意向をくむ場面はなかったのか。政治家やその関係者の関与はあったのか。必要に応じて財務省や財務局を捜索し、資料収集と職員からの聴取を尽くし、明らかにしてほしい。
 地元の大阪府豊中市議らは、財務省や財務局の職員を背任容疑で告発している。事件の本質に迫るために、本件と並行して調べを尽くすべきだ。
 国会の責任も大きい。この問題では、泰典容疑者の証人喚問と、当時の理財局長ら財務省幹部の参考人招致が1度ずつあった。だが財務省幹部が「報告がなかった」などと繰り返し、8億円値引きの経緯が明らかになることはなかった。
 昭恵氏の招致を含め、国会は独自に事実関係を明らかにするために動き出すべきだ。
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毎日新聞2017年8月1日 東京朝刊
社説:「森友」前理事長夫妻逮捕 値引きこそ疑惑の核心だ


 国政を揺るがした国有地の値引き疑惑である。捜査を尽くし、核心に迫るべきだ。
 大阪市の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典容疑者と妻諄子容疑者が詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された。
 開校を計画していた小学校建設に関して金額の異なる3通りの契約書を作り、最も高額の分を国に提出し補助金を不正受給したとされる。
 容疑は公金の不正だ。補助金の使途とともに行政がなぜチェックできなかったのかの解明が欠かせない。
 森友学園問題は2月に国会での真相究明が始まり、特捜部も告訴や告発を受けて捜査を進めてきた。
 その中でいまだに解明されていない最大の疑惑が、大阪府豊中市の国有地が学校用地として学園に格安で売却されたいきさつだ。
 財務省近畿財務局は、鑑定価格からごみ撤去費として約8億円を差し引いて、1億3400万円で学園に売った。その交渉は学園側の要求通りに進み、籠池容疑者は「神風が吹いた」と国会で証言している。
 ところが佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は、学園との交渉記録について「売買契約を受けて既に破棄した」と答弁した。「パソコン上のデータもない」とも述べて説明を拒み続ける一方で「処理は適正だ」と繰り返した。
 学園からどんな要望があり、国はどう応じたのか。そこに何らかの政治力が関与したのか。これが問題の核心部分だ。言い分が食い違ったままで終わらせるべきではない。
 籠池容疑者は複数の政治家の名前を挙げて学校建設の支援を求めていた。安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時、小学校の名誉校長に就いたことなどから、官僚が政権の意向をそんたくした可能性が指摘されている。
 不当に安く国有地を売却し、国に損害を与えたとして財務局幹部らが背任容疑で告発され、特捜部は捜査している。立証のハードルは高いだろうが、価格や決め方が適正だったかどうかを明らかにしてほしい。
 「昭恵氏から100万円の寄付を受けた」という籠池容疑者の証言をはじめ、多くの疑問が残されたままだ。昭恵氏は公式の場できちんと説明すらしていない。国会は引き続き、究明に努める必要がある。
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読売新聞 2017年08月01日 06時08分
社説:籠池容疑者逮捕 「教育者」が公金を私したのか


 多額の公金を食い物にした、との容疑である。事実であるなら、教育者として言語道断だ。
 大阪地検特捜部が、学校法人「森友学園」の前理事長、籠池泰典容疑者を逮捕した。学園が運営する幼稚園で副園長を務めていた妻も、共犯として逮捕した。
 詐欺の疑いが持たれている。小学校の建設に際し、実際よりも高い工事費を記した虚偽の工事請負契約書を国土交通省に提出して、国の補助金約5600万円を詐取した、とされる。
 問題は、工事費の額が異なる3通の契約書が作成された点だ。
 国交省に提出された契約書には、23億8400万円と記載されていた。施工業者は、15億5500万円が正しいと証言した。大阪府に対する契約書には、7億5600万円とあった。
 国から多額の補助金を引き出すため、工事費を高く偽った。府に学園の財務状況を良く見せるために、安い金額を記した。財務体質が脆弱(ぜいじゃく)な森友学園が、不正に頼った構図が透けて見える。
 だれが不正を主導したのか。補助金の申請は小学校の設計会社が代行し、工事費を増額した契約書を作成するよう、施工業者に依頼していた。設計会社は国交省に、「増額は施主(森友学園)から指示された」と説明している。
 補助金の不正受給で、一義的に利を得るのは森友学園だ。それを考えれば、学園の意向が働いたとみるのが自然だろう。籠池容疑者は「設計会社が主導し、私は判を押しただけ」と強調していたが、にわかには信用できない。
 森友学園は小学校開設を断念し、補助金を全額返還した。
 大阪府や大阪市は、別の補助金などの詐欺容疑で籠池容疑者を刑事告訴している。不正を見抜けなかった行政自身の責任も、極めて重いことを忘れてはならない。
 森友学園を巡る疑惑の発端となったのは、大阪府豊中市の国有地売却問題だ。地中の廃棄物撤去費用について、国は、鑑定評価額から8億円余を差し引き、1億3400万円で売却した。
 特捜部は、市民らからの背任容疑の告発を受理している。近畿財務局の職員らが不当な値引きで国に損害を与えた、との内容だ。
 売却の過程で政治的な関与があったなどと、籠池容疑者は真偽不明の発言を繰り返してきた。口封じのための国策捜査だとも主張している。的外れも甚だしい。
 特捜部は、疑惑の全容解明を粛々と進めるべきである。
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日本経済新聞 2017/8/2付
社説:国有地売却を徹底して調べよ


 大阪の学校法人「森友学園」をめぐる問題で、大阪地検特捜部が学園の籠池泰典前理事長と妻の2人を詐欺の疑いで逮捕した。
 小学校を建設する際、工事費を水増しした契約書を国に提出して約5600万円の補助金をだまし取った、というのが直接の逮捕容疑である。籠池容疑者は逮捕前、不正への関与を否定していた。
 森友学園はほかにも、幼稚園の運営に関して大阪府から補助金を不正に受けた疑いなどが持たれている。検察には補助金を支給する際のチェック体制強化につながるような徹底した捜査を求めたい。
 ただし一連の問題の核心は、あくまで国有地の売却にある。森友学園は近畿財務局との交渉を経て、小学校の用地として大阪府豊中市の国有地を評価額より8億円余り安い1億3400万円で購入した。値引きの理由は「地中のごみの撤去費用」とされている。
 この取引について、政治家の関与や、官僚の「忖度(そんたく)」がなかったかどうかが大きな問題となったが、詳しいいきさつは依然分からないままだ。
 補助金の不正受給容疑の立件はもちろん、国有地売却の問題についても検察は捜査を尽くし、経緯を明らかにしていく必要がある。
 大阪地検特捜部はかつて証拠品の改ざん・隠蔽事件を起こし、検察への信頼を大きく傷つけている。一方の籠池容疑者は逮捕前、検察の捜査について、口封じのための「国策捜査」などと批判していた。森友事件は同地検にとっても力量が問われる正念場になる。
 刑事責任の有無とは別に、国会には国政調査権にもとづき、幅広い問題について事実を解明、追及する権限がある。だが森友問題では証人喚問などを行ったものの尻すぼみに終わってしまった。
 閉会中の国会では、獣医学部の新設や自衛隊の国連平和維持活動(PKO)の日報をめぐる問題で議論が続いている。国会の場での事実解明を怠り、結局捜査当局が乗り出すという事態が続けば、責任放棄のそしりは免れない。
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産経新聞 2017.8.1 05:03
【主張】籠池夫妻を逮捕 事実の徹底的な解明図れ


 事実をもって疑惑に結論を出すべきである。捜査による、学園を取り巻く疑惑全容の徹底的な解明を求めたい。
 大阪地検特捜部は、国の補助金を不正に受給したとする詐欺容疑で、「森友学園」の籠池泰典前理事長と諄子夫人を逮捕した。
 籠池容疑者はこれまで「籠池劇場」とも称された言動の数々で国会を巻き込み、混乱を広げてきた。しかし、3月の国会証人喚問や、7月の大阪府議会の参考人招致では、疑惑の核心について、刑事訴追の可能性に言及して説明を拒んできた。
 事実の証明には背を向ける一方で、安倍晋三首相夫妻らの関与や協力を口にし、世間を困惑させてきた。問題の本質は何であったのか。司直の手による解明が必要である。
 直接の逮捕容疑は、小学校校舎の建設工事をめぐり、金額の異なる契約書を作成して国土交通省に補助金を申請し、国の補助金を不正に受給したとするものだ。
 このほか学園が運営する幼稚園で勤務実態のない職員を申請するなどして補助金を受けたとする詐欺の疑いももたれている。
 特捜部はまた国有地を不当に安く学園に売却し、国に損害を与えたとする財務省近畿財務局関係者の背任罪についても告発を受理している。騒動の本丸ともされた国有地の払い下げの経緯についても、徹底的な検証が必要だ。
一連の疑いが事実とすれば、安倍昭恵夫人が一時期就任していた「名誉校長」の肩書が詐欺行為の舞台回しに利用されたことは否定できまい。軽率な行動を、改めて厳しく批判したい。
 国会審議などで「記録がない」「記憶にない」を連発した政府関係者も、後の加計学園問題や陸上自衛隊の日報問題の対応と併せて政権の信用をおとしめた責任を痛感し、捜査には全面的に協力すべきである。
 国会などの審議は、膨大な時間を森友学園の問題に費やしたにもかかわらず、事実の解明に資することはできなかった。
 いたずらな国会の混乱は、大いに国益を損なった。ただしその責めは、容疑者らの言動や、印象操作に終始した野党側の質問姿勢ばかりが負うのではなく、官邸や政府側の木で鼻をくくるような乱暴な説明に起因した反省も、忘れてはならない。
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東京新聞 2017年8月2日
【社説】籠池夫妻逮捕 「神風」の真相に迫れ


 「教育勅語」の奉唱など復古調の教育方針を掲げる学校法人を舞台に、どんな「神風」が吹いたのか。検察が前理事長夫妻の逮捕に踏み切った。疑惑の全容を解明すべく、捜査を尽くしてほしい。
 大阪市の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典(やすのり)容疑者と妻諄子(じゅんこ)容疑者が詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された。
 小学校建設に関して金額の異なる三通の契約書を作り、最も高額の契約書を国に提出して補助金をだまし取った、とされる。
 事は厳正であるべき公金の支出である。なぜ、行政のチェックが利かなかったのか。学園側と行政の間で重ねられた具体的なやりとりを解明する必要がある。
 森友学園の小学校計画をめぐっては、いくつもの「特別扱い」が明らかになっている。その最たるものが国有地の格安売却だ。
 建設用地として、財務省は鑑定価格九億五千六百万円の国有地を一億三千四百万円で学園に払い下げた。国は、ごみ撤去費八億円余を差し引いたと説明するが、その経緯ははっきりしていない。
 財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)は学園との交渉について、国会答弁などで「記録は既に破棄した」などとし、説明を拒み続けてきた。
 一方で、関係者の話から、近畿財務局が学園側との交渉で買い取り可能な金額を尋ね、双方が具体的な数字を出して協議していた疑いも新たに浮上。八億円値引きをめぐる疑惑は深まる一方だ。
 多くの国民が注目するのは、小学校の名誉校長を務めていた安倍晋三首相の妻昭恵氏の存在であろう。国有地の交渉に際し、昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせていたことも発覚している。契約の成立に向け、官僚が政権の意向を忖度(そんたく)したのか、否か。
 逮捕容疑となった補助金問題ばかりでなく、特捜部は、国有地問題についても背任容疑の告発状を受理している。背任の立件には、職員が自己または第三者の利益を図る故意の立証が必要となり、ハードルは高いとされる。だが、不可解な特別扱いをうやむやにしておくことは許されまい。
 財務省との交渉進展について、泰典容疑者は三月、国会の証人喚問で「神風が吹いた」と証言している。それで国民の財産たる国有地が格安で売却されてしまうのであれば、とても納税者は納得できまい。検察には、捜査を尽くして「神風」の真相に迫り、疑惑の全容を解明してもらいたい。
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北海道新聞 2017/08/02 05:00
社説:籠池夫妻の逮捕 疑惑の核心に迫らねば


 容疑が事実だとすれば、教育者としてあるまじき行為だ。
 学校法人「森友学園」の小学校建設を巡り国の補助金をだまし取ったとして、大阪地検特捜部が、詐欺の疑いで前理事長の籠池泰典、妻諄子両容疑者を逮捕した。
 2人は黙秘しているという。特捜部は捜査を尽くして、真相を明らかにしなければならない。
 加えて、看過できないのは、学園が大阪府にあった国有地を、鑑定評価額より約8億円も安く購入できたという不可解な事実だ。
 これこそ疑惑の核心ということを繰り返し指摘する必要がある。
 安倍晋三首相の妻昭恵氏が、学園の小学校の名誉校長に一時就任していた事実などと関係はないのか。特捜部は捜査を詐欺事件にとどめることなく、疑惑の全容を解明するべきだ。
 籠池容疑者らは、小学校の校舎建設工事に関して、実際より高い金額が記載された契約書を提出し、国の補助金約5600万円を詐取した疑いが持たれている。
 特捜部の捜査は当面、この事件の取り調べや証拠固めに向かうことになろう。
 だが、これだけでは、国民の疑問に答えたことにはならない。
 肝心の国有地売却の件で、これまでに納得できる説明がなされたとは、到底言えないからだ。
 それどころか、政府側の言い分にはほころびも目立つ。
 財務省の佐川宣寿・前理財局長は国会で、「先方にあらかじめ価格について申し上げることはない」と断言したが、近畿財務局が、買い取り可能な金額を尋ねていた疑いが浮上している。
 首相夫人付の政府職員が国有地について、財務省に照会していた事実もある。
 土地の価格などについて、入念なやりとりがあったと見るのが自然だろう。
 国有地は国民の共有財産だ。当然ながら、公正で公平な取り扱いが求められる。
 政府も「詐欺事件の捜査を見守る」として、事態を傍観するだけでは済むまい。
 首相への忖度(そんたく)が、行政をゆがめることはなかったのか。こうした数々の疑問について、丁寧に説明する責務がある。
 政府を監視すべき国会の姿勢も問われよう。首相夫人の国会招致はなぜ、実現しないのか。
 国有地が破格の安値で取引された理由に、国民は依然厳しい視線を注いでいる。政府も国会も重く受け止めなければならない。
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河北新報 2017年08月01日
社説:森友問題で夫妻逮捕/捜査は緒に就いたばかりだ


 学校法人「森友学園」(大阪市)を舞台にした疑惑が新たな段階を迎えた。
 大阪地検特捜部はきのう、補助金をだまし取ったとして詐欺の疑いで、前理事長の籠池泰典(64)、妻の諄子(60)両容疑者を逮捕した。
 ついに政官や自治体を巻き込み、世間を騒がせた人物の逮捕に至ったが、全容解明の緒に就いたばかりと言わざるを得ない。地検は国有地の払い下げ疑惑など「核心」とされる部分の捜査も併せて進展させていくべきだ。
 法人が大阪府豊中市の国有地で計画していた小学校の校舎建築を巡っては、国の補助金約5600万円を不正受給したとする補助金適正化法違反容疑の告発状が、地検に提出されていた。系列の幼稚園運営でも詐欺容疑の告訴状が出されている。
 ただ、こうした容疑は法人の経営を巡る疑惑の「枝葉」の部分ではないか。
 学園は、小学校開設に当たって国と大阪府から破格の厚遇を受けていた。その第一は豊中市の国有地が2016年6月、当初の鑑定価格より8億円余り値引きされ、学園に売却されたことだ。
 開校予定の小学校の名誉園長に一時就いていた、安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与の有無が、当初から取り沙汰されていたことが問題視された。
 15年には昭恵氏付け職員が間に入り、学園の要望を財務省とやりとりしていたことが判明している。「その後の土地取引が順調に進んだ」と、籠池容疑者は3月の国会での証人喚問で述べた。
 さらに大阪府の私学審議会は、学園の小学校設置認可で14年12月にいったん「認可保留」とした継続審議の決定を、1カ月後に「条件付き認可適当」と変更し答申した。
 先月、府議会に参考人として出席した籠池容疑者は「(答申で)財務局が動きだし、建設業者の選定、銀行の契約など具体的な動きが始まった」と、学校新設のポイントだったことを明かした。
 証人喚問でも複数の政治家の実名を挙げ、働き掛けていたことを証言した。「首相夫人」の存在が、役所の対応に影響を及ぼしたかどうかが大きな焦点と言えよう。
 地検は、財務省近畿財務局が不当に安く売却し、国に損害を与えたとする背任容疑の告発状を受理している。既に財務局の関連書類は破棄処分されているというから、捜査の出遅れは致命的だ。
 それでも、土地価格の根拠の正当性や売買に至る過程が適切だったかどうか、明らかにしなければ、国民は納得しないだろう。
 「本筋は国有地問題」と述べていた籠池容疑者は逮捕前に容疑を否定、「説明できることは説明する」と話していた。事実関係について洗いざらい供述すべきだ。
 籠池容疑者らを「人身御供」にして、事件を終わらせてはならない。
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[京都新聞 2017年08月02日掲載]
社説:籠池夫妻逮捕  国有地問題こそ焦点だ


 小学校建設をめぐり国の補助金をだまし取ったとして、大阪地検特捜部が、詐欺の疑いで、学校法人「森友学園」(大阪市)前理事長の籠池泰典容疑者と妻の詢子容疑者を逮捕した。
 逮捕容疑は、校舎の工事費を水増しした工事請負契約書を提出して約5600万円をだまし取った疑い。この問題では金額が異なる3通の契約書の存在が判明しており、森友学園は最も高い約23億8千万円の工事費で契約書を提出したが、実際は15億5千万円だったと特捜部はみている。
 これとは別に、学園が運営する幼稚園に大阪府や大阪市が出した補助金をだまし取った詐欺の疑いで、府や市が告訴している。
 事実なら、教育現場にあってはならない不正だ。学園は小学校設置許可申請を取り下げ、補助金を返還したが、多額の負債を抱え、4月から民事再生手続き中になっている。幼稚園児や小学校に入学予定だった児童への影響も大きい。事件の全容解明は不可欠だ。
 ただし、一連の疑惑の発端は、小学校の予定地だった大阪府豊中市の国有地の不透明な取引だったことを忘れてはならない。
 財務省近畿財務局は2016年6月、ごみ撤去費などとして約8億円も値引きし、1億3400万円で学園に売却した。財務省は適正と主張するが、交渉記録は「廃棄した」で押し通している。
 ところが、近畿財務局が、学園側との交渉の中で、国有地の買い取り可能な金額を尋ねていた疑いが浮上している。学園側は上限として1億6千万円を提示し、担当者は国が学園に支払う土壌改良事業費1億3100万円を上回る売却額を求めたとされる。
 これでは、これまでの財務省の説明と大きく食い違い、当初から大幅な値引きを想定していたことになるのではないか。
 さらに、こうした対応には、小学校の名誉校長に一時就いた安倍晋三首相の妻昭恵氏の意向が影響したのではないかと国会で追及された。政権は首相や昭恵氏の関与を否定したが、説明が尽くされたとは言えず、疑念は拭いきれない。
 特捜部は、不当に安い価格で国有地を売却し、国に損害を与えたとして背任容疑で近畿財務局長らに対する告発も受理している。
 国民の財産である国有地が不正に処分された疑いがある重大な問題だ。交渉に関する資料などの証拠を保全するため、近畿財務局への強制捜査も検討すべきではないか。徹底した捜査を求めたい。
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神戸新聞2017/08/02
社説:籠池夫妻の逮捕/国有地売却疑惑本筋だ


 国の補助金をだまし取ったとして、学校法人「森友学園」の前理事長籠池(かごいけ)泰典容疑者と妻の諄子(じゅんこ)容疑者が詐欺容疑で、大阪地検特捜部に逮捕された。籠池容疑者は不正への関与を否定していたが、公金をだまし取っていたのなら悪質である。教育者としてあるまじきことだ。
 ただ、森友学園を巡っては、さまざまな疑惑が持ち上がっている。発端となったのは、大阪府豊中市の小学校用地が国から売却された際、8億円余り値引きされた問題である。これが核心部分であり、本筋だ。特捜部はこの疑惑にも捜査のメスを入れ、徹底解明しなければ、国民の納得は得られないだろう。
 逮捕容疑は小学校の校舎建築で工事費を水増しし、国の補助金5600万円をだまし取ったというものだ。金額が異なる契約書が3通存在しており、正しい金額を大幅に上回る契約書を国に提出し、夫妻が不正を主導したとみられている。
 なぜ国有地が大幅に値引きされたのかは不透明なままだ。
 当初は「安倍晋三記念小学校」を設立するとして寄付を集めていた。安倍首相夫人の昭恵氏が一時名誉校長に就任し、夫人付の政府職員が財務省に問い合わせをしている。籠池容疑者はこうした動きが影響して事態が進んだとして、「想定外の値下げにびっくりした」「神風が吹いた」と話していた。
 ところが、一方の当事者の財務省は「記録を破棄した」として詳しい説明を拒んだうえ、それでも売却は「適正だった」と国会で答弁している。
 ほかにも前例がない10年間の分割払いなど、売却を巡る財務省の対応は異例ずくめだ。首相夫人の「関与」を役人が忖度(そんたく)したのか。政治的な圧力があったのか。依然多くの謎は残る。
 特捜部は、国有地の安値売却で国に損害を与え、交渉記録を廃棄したとして、財務省近畿財務局担当者に対する背任容疑などの告発を受理している。刑事事件の立件には消極論もあるが、公正であるべき行政がゆがめられたのなら許されない。
 籠池容疑者は「国策捜査」「トカゲのしっぽ切り」と検察を批判していた。信頼をつなぎとめるためにも、法と証拠に基づき捜査を尽くすべきだ。
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中国新聞 2017/8/2
社説:「森友」籠池夫妻逮捕 忖度せず疑惑解明せよ


 ついに捜査のメスが入った。大阪市の学校法人「森友学園」の小学校建設を巡る疑惑である。報道で表面化して約半年。国の補助金をだまし取ったとして詐欺の疑いで、大阪地検特捜部は、学園前理事長の籠池泰典容疑者と妻を逮捕した。
 今回の容疑は小学校校舎の工事費水増しによる約5600万円の補助金詐取だが、国民の大きな関心は国有地がなぜ、鑑定価格より8億円余りも安く払い下げられたのかということだ。
 この土地取得がなければ、当然ながら校舎建設はかなわなかった。疑惑の核心部分といえよう。財務省職員が国有地を不当に安く学園に売却して国に損害を与えたとする背任容疑の告発も、特捜部は受理している。補助金詐取と国有地払い下げは根が同じだ。特捜部は同時並行で捜査するのが筋ではないか。
 焦点は、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の存在である。小学校の計画段階で名誉校長に就き、学園系列の幼稚園で、その教育内容を持ち上げる講演をするなど学校建設を支援していた。
 籠池前理事長は財務省との交渉で、昭恵夫人との親密さをことさらアピールしていた。交渉内容を夫人に逐一報告し、夫人付の政府職員を通して財務省からの回答を受け取っていた。財務省の幹部が学園との契約を「特例」と述べた音声記録も残っている。
 国会の証人喚問で、籠池前理事長は一連の経緯を振り返り「神風が吹いた」と語った。えこひいきや、官僚による忖度(そんたく)はなかったのか。国民が知りたいのは、まさにこの点だろう。
 今回の逮捕が、籠池前理事長が言うように「トカゲのしっぽ切り」で終わらぬよう、特捜部には徹底した疑惑解明を求めたい。そのため、昭恵夫人への事情聴取も視野に入れるべきだ。
 野党も再三、国会招致を求めてきたが、政府・与党は首相夫人は「私人」との立場を崩さず応じていない。首相が、国会の場で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と断言し、引っ込みが付かなくなったのではないか。反省や謙虚という言葉をどれほど首相が口にしようとも、説明責任と向き合わない限り、不信の払拭(ふっしょく)はかなうまい。
 一方で、特捜部の動きには解せない点がある。家宅捜索の時期と対象だ。国会閉会の翌6月19日に籠池夫妻宅に踏み込んだが、財務省は対象から外した。不公平だとか国策捜査だとか、野党などが批判したのも無理はない。この時期に財務省を捜索しなかったことが後々、疑惑解明の障害にならないか心配だ。
 というのは、財務省が国有地売却の交渉当時に使っていた省内の情報システムや職員貸与のパソコンを更新し、7月31日までにデータを物理的に消去するよう業者に求めていたからだ。
 財務省はかねて交渉記録は廃棄、消去したと繰り返してきたが、パソコンなどを押さえておけば電子データを復元できる可能性もあった。敏腕検事ぞろいの特捜部が証拠保全の重要性に目が向かなかったはずがない。
 データやパソコンが実際どうなったか定かではないが、おとといの逮捕がデータの消去期日だったのは偶然の一致だろうか。司法が忖度などするはずないと国民は信じている。大阪地検特捜部の責任は重い。
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