2017-08-09(Wed)

国際金融都市・東京構想 外資金融誘致 フィンテック企業など

兜町大改造 虎ノ門 開発  都市計画の手続きを迅速化する「国家戦略特区」てこに 

◇虎ノ門に外資金融誘致 森ビル、新駅と一体開発
----森ビルは東京・虎ノ門に超高層オフィスビルを建設する。2022年度の完成予定で小池百合子東京都知事が掲げる「国際金融都市構想」の一環として、外資金融企業などの誘致拠点にする。森ビルはインドネシアでも超高層ビルを建設。東京や中国・上海に次ぐ同社の第3の拠点となる。事業費はあわせて1500億円を超える見通し。
(日本経済新聞 2017/8/9付)

◇「国際金融都市へ」兜町を大改造 中央区が計画
----日本を代表する金融街・兜町の再開発が始まる。東京都中央区が外資系を含む金融関連企業の誘致に向け、新たな地区計画を策定する。容積率の緩和や外国人向け子育て施設の誘致などが柱。第1弾として平和不動産が2018年度、地上15階建て複合ビルの建設に着手する。再開発のスピードアップをめざす国家戦略特区をてこに、東京都の小池百合子知事が標榜する国際金融都市構想の一翼を担う。
(日本経済新聞 2017/8/8 11:01)

◇都、フィンテック企業誘致 金融都市構想を発表
----東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、アジアの金融ハブをめざす「国際金融都市構想」の骨子を正式に発表した。新興の資産運用会社や金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック企業誘致・育成を柱に位置づける。外資系金融機関の参入障壁となっている日本独特の商慣行の見直しや税制・規制改革を包括的に進める。
 都の金融都市構想は11月をメドに最終的に決定し「東京版金融ビッグバン」として公表する。焦点となっている税負担の問題では都税である法人2税(法人事業税、法人住民税)の引き下げを検討すると明記した。骨子には、行政手続きの英語対応の拡充、外国人の生活環境の整備など幅広い観点で企業活動を支援する施策を盛り込んだ。
(日本経済新聞 2017/6/9 23:48)

 ◆「国際金融都市東京構想」骨子(平成29年6月9日発表)
     本文 (PDF:361KB)
      http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/GFCT/japanese/pdf/20170609interimreport.pdf







以下引用

東京都政策企画局
国際金融都市・東京」構想骨子の策定について
2017年06月09日 
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/06/09/01.html
東京都では平成28年11月、国内外の有識者により構成される「国際金融都市・東京のあり方懇談会」(以下、「懇談会」という。)を設置し、金融の活性化や海外の金融系企業が日本に進出するにあたって障害となる課題や、課題解決に向けた方策について幅広く議論を行ってまいりました。
この度、本年5月に懇談会から出された中間のとりまとめを参考に、「国際金融都市・東京」構想骨子を策定しましたので、下記のとおりお知らせします。

1 概要
「アジアの金融ハブ」、「金融関係の人材・資金・情報・技術の集積」、「資産運用業とフィンテック企業に焦点」、「社会的課題の解決への貢献」の4つの都市像の実現に向け、以下の取組を推進していきます。
(1) 魅力的なビジネス面、生活面の環境整備
海外の金融系企業や有能な人材が惹きつけられ定着するよう、金融系企業に対する税負担の軽減を検討するとともに、金融系行政手続の相談体制及び英語化対応の強化、生活環境整備などを推進していきます。
(2) 東京市場に参加するプレーヤーの育成
事業者間の競争促進により、都民にとって低廉かつ良質な金融サービス、商品が提供されるよう、官民一体となった海外プロモーション活動等を通じて海外金融系企業の誘致を促進するとともに、資産運用業やフィンテック産業の育成、金融系人材の育成を推進していきます。
(3) 金融による社会的課題解決への貢献
投資家・顧客本位の視点を徹底し、ESG投資など社会的課題解決に資する取組を積極的に推進する東京市場の実現に向け、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の徹底などを図っていきます。
2 本文
 別紙(PDF:360KB)のとおり
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/06/09/documents/01_01.pdf
3 今後の予定
懇談会の議論や最終提言を参考に、本年秋に「国際金融都市・東京」の実現に向けた新たな構想を策定します。
「2020年に向けた実行プラン」事業
http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp/actionplan_for_2020/
本件は、「2020年に向けた実行プラン」に係る事業です。
「スマート シティ 政策の柱4 国際金融・経済都市」
問い合わせ先
政策企画局調整部渉外課
電話 03-5388-2177

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日本経済新聞 2017/8/9付
虎ノ門に外資金融誘致 森ビル、新駅と一体開発
 森ビルは東京・虎ノ門に超高層オフィスビルを建設する。2022年度の完成予定で小池百合子東京都知事が掲げる「国際金融都市構想」の一環として、外資系金融企業などの誘致拠点にする。森ビルはインドネシアでも超高層ビルを建設。東京や中国・上海に次ぐ同社の第3の拠点となる。事業費はあわせて1500億円を超える見通し。
 「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(仮称)」は、東京五輪前に利用が始まる東京メトロ・日比谷線「虎ノ門新駅(同)」に直結する。地上48階建てで高さは265メートル。都内で最も高いオフィスビル「虎ノ門ヒルズ 森タワー」を超える。事業費は1000億円規模で18年度にも着工する。
 国際水準のホテルを整備して海外からのビジネスマンなどを受け入れる。最高層部分は起業家らが革新的なビジネスを発信できる拠点にする。
 都市計画の手続きを迅速化する国家戦略特区のプロジェクトに位置づけられており、容積率は2000%程度まで緩和を受ける。週内にも計画案が公表される。虎ノ門ヒルズは36階や54階建ての超高層ビルが東京五輪までに相次ぎ完成。総延べ床面積が80万平方メートル規模のビジネス拠点になる。


日本経済新聞 2017/8/8 11:01
国際金融都市へ」兜町を大改造 中央区が計画
 日本を代表する金融街・兜町の再開発が始まる。東京都中央区が外資系を含む金融関連企業の誘致に向け、新たな地区計画を策定する。容積率の緩和や外国人向け子育て施設の誘致などが柱。第1弾として平和不動産が2018年度、地上15階建て複合ビルの建設に着手する。再開発のスピードアップをめざす国家戦略特区をてこに、東京都の小池百合子知事が標榜する国際金融都市構想の一翼を担う。
 対象地域は東京証券取引所周辺で、面積は約10ヘクタールと東京ドーム約2個分。区は早ければ17年度中に審議会で地区計画を認める見通し。
 地区計画の目玉は地区内の容積率緩和だ。現状の容積率は600~700%だが、一定の条件を満たせば1000%程度まで引き上げる。兜町では企業や投資家が会議やセミナーなどで使う施設が足りない。新たな再開発ビルへ誘致した場合、容積率を緩和する。
 外国人に照準を定めた金融人材の受け入れ策も検討する。ホテルや、洗濯やベッドメークなどのサービスを受けられるサービスアパートメントのほか、外国人の児童が学ぶインターナショナルスクールなども誘致する。
 第1弾として、東京証券取引所のビルなどを保有する平和不動産が高さ90メートルの複合ビルを建設する。容積率は1000%まで緩和し、延べ床面積は約3万8000平方メートル。20年度に完成する。
 計画は手続きの一元化などで再開発の加速をめざす国家戦略特区のプロジェクトにも位置づけられており、17年度中にも認定される見通しだ。
 小池知事が掲げる国際金融都市構想は、金融とIT(情報技術)を融合するフィンテックに関する企業や、資産運用会社などを誘致する地域として兜町を含む東京駅周辺などを想定している。中央区は企業誘致に加え、金融機関で働く外国人材が住む街としての再開発を進める。
 兜町は日本の株式市場の代名詞で、かつては取引所で手を使って株価情報などをやり取りする「場立ち」と呼ばれる証券マンらでにぎわった。ただ株取引の電子化が進み、拠点を兜町から移す証券会社が相次いだ。区は「にぎわいが低下している」と懸念しており、新たな地区計画の策定を決めた。

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日本経済新聞 2017/6/10 7:01
都が「国際金融都市構想」で骨子、知事、問われる実行力
 東京都が9日発表した「国際金融都市構想」の骨子は、税負担の軽減や商慣行の見直しなど官民にまたがる網羅的な施策を打ち出した。国税の引き下げなど政府との連携が不可欠なものも多く、小池百合子知事の実行力が問われそうだ。7月2日投開票の都議選の結果も構想の推進に影響するとみられる。
 金融都市構想は「東京の成長戦略の中核」との位置付けだ。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックや資産運用業などを成長分野と見込み、誘致に力を入れる。資産運用については新興業者の育成支援プログラムや資金提供の仕組みづくり、フィンテック関連では技術革新を促す集積拠点の整備などを進める。
 最終構想は11月をメドにまとめる。ただ、都単独では実現が困難な施策も少なくない。金融行政手続きの迅速化や英語対応の強化など金融庁との協力を前提に盛り込んだ項目がある一方で、不透明な部分もある。
 例えば、アジアの金融都市でライバルとなるシンガポールや香港などと比べ重い税負担の軽減。大部分を占める国税の法人税の扱いが焦点となるが、小池知事も「国税にタッチするのは難しい」と認める。構想策定を支える有識者の懇談会でも減税実現には悲観的な見方が出ていた。都幹部は「小池知事の発信力や調整力にかかっている」と知事のリーダーシップに期待する。
 フィンテック振興策として掲げた「レギュラトリー・サンドボックス」(規制の砂場)も規制を特例的に一時停止する試みで、関係省庁との調整が欠かせない。
 当面の焦点は都議選だ。小池知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」がどこまで勢力を拡大できるか。対立する都議会自民党との力関係によっては、都税の引き下げなど都が独自に対応できる施策の実行も難航する可能性がある。知事周辺は語る。「まずは都議選だ」


日本経済新聞 2017/6/9 23:48
都、フィンテック企業誘致 金融都市構想を発表
 東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、アジアの金融ハブをめざす「国際金融都市構想」の骨子を正式に発表した。新興の資産運用会社や金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック企業の誘致・育成を柱に位置づける。外資系金融機関の参入障壁となっている日本独特の商慣行の見直しや税制・規制改革を包括的に進める。
 都の金融都市構想は11月をメドに最終的に決定し「東京版金融ビッグバン」として公表する。焦点となっている税負担の問題では都税である法人2税(法人事業税、法人住民税)の引き下げを検討すると明記した。骨子には、行政手続きの英語対応の拡充、外国人の生活環境の整備など幅広い観点で企業活動を支援する施策を盛り込んだ。
 小池知事は記者会見で「都だけではできない。国や民間事業者の力が不可欠」と指摘。官民が一丸となり「アジアナンバーワンの金融都市」をめざす姿勢を強調した。
 外資系企業の誘致では資産運用とフィンテック関連企業に重点を置く。2020年度までの4年間で40社を誘致する目標を掲げた。具体的な誘致策として事業計画の策定に関し無料でコンサルティングを提供するほか、人材採用の経費を補助する制度も打ち出した。都の支援に沿って創業する場合は、在留資格の要件を緩和するなどして優秀な人材を引き寄せる。
 このほかにも新興の独立系資産運用会社を誘致するため、国内の機関投資家とのマッチングサービスや一定の運用資金の提供も検討する。


日本経済新聞 2017/6/10付
解説:法人2税下げ検討、公平性の確保課題
 法人実効税率は国税と地方税を合算した企業のトータルの税負担の重さを示す割合だ。東京都23区は現在30.86%。アジアで金融都市を競うシンガポールや香港に比べて高い水準にとどまる。
 このうち国税の法人税が22.55%分と大半を占める。都の法人2税(法人事業税、法人住民税)は4.53%分だが、都税条例を改正すれば、都が単独で引き下げを実現できる部分になる。
 ただ、国税部分は国の意向次第で財務省などの反発は必至。このため都は国家戦略特区を活用し、法人所得が20%控除される優遇税制の適用も想定する。様々な手法を駆使して実質的に競争力を高める狙いだ。
 実現には別の課題もある。税の公平性の観点などから慎重論が出る可能性もあるからだ。
 石原慎太郎元知事時代には、大手銀行への外形標準課税(銀行税)が訴訟になり、都側が加算金を含め返還することになった。都は今回、新たに立地する企業を対象にした時限的な政策税制として理解を得たい考え。

日本経済新聞 2017/6/9 14:33
小池都知事、国際金融都市構想を正式発表
 東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、アジアの金融ハブを目指す「国際金融都市構想」の骨子を正式に発表した。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの先端企業や新興資産運用業者などの外資誘致の促進に向けて、都税の法人二税軽減の検討を盛り込んだ。特区税制などによる国税の軽減も掲げた。
 構想骨子は具体的な施策を網羅的に列挙。金融を社会的課題の解決に役立てるため、都民生活の向上や持続可能な街づくりなどに貢献する業者を表彰する「東京金融賞」(仮称)の創設も明記。民間のグリーンファイナンス(環境金融)促進も打ち出した。


日本経済新聞 2017/6/8 23:10
都、20年度に外資40社誘致 金融都市構想
 東京都の「国際金融都市構想」の骨子が8日、明らかになった。アジアの金融ハブを目指す総合改革「東京版金融ビッグバン」の具体策として法人2税の引き下げや特区による優遇税制の活用を明記。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックや資産運用業の集積・育成を重視し、2020年度までに外資40社を誘致する目標を掲げる。
 小池百合子知事が9日の記者会見で発表する。都内への外資系資産運用会社の進出数は、最も多いリーマン・ショック前でも年10社に満たなかったという。今後は海外の金融系企業にとってビジネス面、生活面で魅力的な環境を整備することで、資産運用業やフィンテック関連の外資を年平均で10社誘致。独自のノウハウを持つ外資参入で東京市場の魅力を高め、競争を促進する。
 ビジネス環境を整備するため都税の法人2税(法人事業税、法人住民税)の軽減を検討するほか、国税の法人税の引き下げを国に働きかける。法人所得を20%控除する特区税制の金融分野への適用も視野に入れる。
 東京23区内の企業の税負担の重さを示す法人実効税率は現在30%超。アジアのライバル都市である香港やシンガポールの10%台に比べて高いため見直しを進め、ロンドン(20%)並みの水準としたい考えだ。
 一連の施策は国内外の金融業界のトップや官民の金融関係者らを集めた「国際金融都市・東京のあり方懇談会」(座長・斉藤惇KKRジャパン会長)の中間報告を受けてまとめた。さらに今後、小池知事がモルガン・スタンレー・ホールディングスなどの外資系金融機関トップらと意見交換するなどして取り組みを具体化。11月をメドに最終構想をまとめる。
 東京は20年に五輪の開催を控え、人口流入や外国人旅行者の増加が続く。ただ五輪後には人口減少や急速な高齢化が予想され、活力の低下が懸念される。小池知事はシンガポールなどとの激化する都市間競争を勝ち抜く成長戦略の柱として金融産業を育てる考えだ。


ハフィントンポスト- 2017年06月22日 16時58分
「国際金融都市・東京」構想と不動産市場~日本版金融ビッグバンから東京版金融ビッグバンへ:研究員の眼
去る6月9日、東京都から「国際金融都市・東京」構想骨子が公表された。
 冒頭の序論では、「金融」の活性化が都市の魅力や競争力維持のために不可欠なものであるとし、具体的施策として、①魅力的なビジネス面、生活面の環境整備、②東京市場に参加するプレーヤーの育成、③金融による社会的課題解決への貢献を掲げている。
 この構想と不動産市場との関係で、まず思い浮かぶのは、建設中あるいは建設計画中のオフィスビルにおけるテナント需要の拡大である。
 ①では、海外の金融系企業や有能な人材を惹きつけ定着するよう、税負担の軽減や金融手続きの迅速化、英語対応の強化に加えて、特区を活用した生活環境整備も推進するという。
 また②でも海外金融系企業の誘致促進等を標榜しており、実現すればオフィス床需要増がみこまれる。
そして、この構想骨子のサブタイトルは、~「東京版金融ビッグバン」の実現へ~であり、1996年に当時の橋本内閣が掲げた「日本版・金融ビッグバン」を想起させる。
 当時の日本版・金融ビッグバンでは、2001年までにわが国金融市場が、ニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場として復権することを目標として金融システム改革が標榜された。しかしその後、不良債権問題が深刻化する中、国際金融センター論は縮小。
 一方で、不良債権問題への対応としての施策が、各種規制緩和とともに実行に移されたことから、不動産市場では証券化や投資運用のための法制度等が整備されることとなった。
 具体的には、2000年の投資信託法の改正による不動産投資信託(リート)の実現や、2007年の金融商品取引法制定により投資運用業者として不動産運用会社も位置づけられたこと等である。現在の不動産取引市場では、こうしたリートや不動産運用会社が運用するファンド等による不動産取引が市場の牽引役になっている。
 資産運用の対象として不動産が位置づけられ、不動産投資市場が拡大してきた発端が日本版・金融ビッグバンにあったとも思われる。
 頓挫してしまった国際金融市場としての復権については、東京国際金融センター構想に継承され、この度の構想骨子発表に繋がっている。
 国際金融センター論は、リーマンショック前の好況時にも再燃した経緯がある。
 当時も様々な国際金融センターのあり方が議論されたが、この度の構想骨子では、魅力的なビジネスや生活面の環境整備として税制に加え、金融系外国人材の職住近接といった就労者個人にも目を向けた環境向上に言及している点が目新しい。
 これについては、不動産開発との関連性も高い。英語でも円滑にビジネスや生活ができるようになることで、都市力は底上げされ、不動産市場の持続的成長にも繋がる。
 もうひとつ、これまでより一歩踏み込んでいるのが資産運用業の取り込みだ。国内で蓄積した富が預金に滞留している現状を脱し、投資資金として運用されることが国際金融センター構想の核となっている。
 そのための海外金融系企業の誘致目標も示され、さらに新興の資産運用会社や小規模な資産運用会社の育成、サポート、機関投資家との連携にも言及されている。
 不動産運用の分野は、前述のリート等の国内不動産を対象とした投資商品に加えて、近年は海外不動産への投資の関心も高まっており、次の段階へと進みつつある。
 国内資金に限らずアジアからの資金を集める、あるいは海外不動産の特定の領域を得意分野とするというような内外不動産運用会社が存在感を増す可能性もある。
 国際金融センター構想の中で、不動産を対象とした資産運用業はその一翼を担うものであり、海外金融系企業等の誘致はテナント需要を底上げし不動産市場の成長をもたらす。
 その誘致のために魅力ある都市づくりがなされれば、不動産市場の優良なストックとなるだろう。東京国際金融センター構想に、不動産市場は多面的に関わっていくように思う。
加藤 えり子


日本経済新聞 2017/6/16付
2017都議選 点検 東京の課題(4) 金融 成長エンジンに 構想実現にはハードルも
 「WHY NOT TOKYO?」。米紙ニューヨーク・タイムズに今春、東京・渋谷のスクランブル交差点から人文字で「さあ東京へどうぞ」と伝える写真が載った。東京都が打った広告だ。
 世界の金融関係者が5月8日、都内のホテルに集まった国際金融協会(IIF)の総会。東京都の小池百合子知事は講演で、その紙面をスライドに映しながら熱弁をふるった。「東京の魅力にさらに磨きをかけて世界から人材、資金をもっと引き付けていきたい。輝ける都市にしていくことで、激しい都市間競争にも打ち勝っていきたい」
 小池知事は昨夏の知事選以来、看板政策として「国際金融都市構想」を掲げる。政治家転身前のテレビキャスター時代に体感したバブル経済の熱気が原点にある。バブル崩壊後、シンガポールや香港などに奪われた「アジアの金融ハブ」の地位を取り戻す。この構想こそ小池都政の成長戦略の中核だ。
 金融を将来の成長エンジンに据えること自体はとっぴな発想ではない。舛添要一前知事も金融に着目し、「国際金融センター構想」を掲げていた。ただ、東京を世界有数の金融都市にするにあたって「自治体である都ができることには限りがある」(都幹部)との冷ややかな見方も付きまとう。舛添氏の場合、任期途中で辞任に追い込まれたこともあり、これといった成果を上げることなく、構想は頓挫した。
 「私は本気だ」と語る小池知事は昨秋、肝煎りの有識者会議「国際金融都市・東京のあり方懇談会」を発足。斉藤惇KKRジャパン会長を座長に国内外から金融トップや現場第一人者を集めた。
 懇談会の議論を踏まえて今月9日にまとめた金融都市構想の骨子は、新興の資産運用会社や金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック企業の誘致・育成、外国人の生活環境の整備、高度金融人材を対象とした規制緩和など多様な施策を打ち出した。
 官民にまたがる網羅的な内容に都幹部も「隔世の感がある」と舌を巻く。これまで聖域とされた都税の法人2税(法人事業税、法人住民税)の引き下げの検討にも踏み込んだ。金融庁の協力を取り付け、外資の誘致で連携する体制も整えた。
 ただ、企業の税負担の大半を占める国税の法人税の引き下げなどは非常に高いハードルだ。小池知事も「都だけではできない」と認める。様々なメニューを実行に移せるかどうかは小池知事の調整力と突破力にかかっている。都議選の結果次第で、その「知事力」は大きくも小さくもなり得る。


日本経済新聞 2017/4/17 13:23
高さ390メートル、日本一の高層ビル計画始動 三菱地所
 三菱地所が東京駅北側の常盤橋街区で計画している高さ約390メートルに及ぶ日本一の高層ビルの建設プロジェクトが始動した。17日、計画する4棟の建物のうち、下水ポンプ所などを備えた最初の1棟の新築工事が着工した。東京都が東京駅周辺を世界的な金融集積地域とする構想を掲げる中、その一翼を担うと期待されている同プロジェクトの10年に及ぶ再開発計画が本格的に始まった。
 今回着工したのは4棟あるうち、下水ポンプ所や事務所などを備えたD棟。地上9階、地下3階建てで延べ床面積は約3万平方メートル。2021年12月の完成を目指す。
 三菱地所の平井幹人常盤橋開発部長はD棟について「東京の国際競争力の強化、都市を支える重要なインフラの更新という2つの意義がある」と話す。D棟の下水ポンプ所は、64年から稼働している東京都下水道局の同ポンプ所を更新する意味もある。下水ポンプの機能を維持しながら建設を進める難工事となる。D棟の完成後は下水道局が所有し、地上階は同局などの事務所となる。
 同プロジェクトは東京駅周辺では最大となる敷地面積3.1ヘクタールに及ぶ大規模な再開発案件だ。18年1月には事務所や店舗を備えた高さ約230メートルのA棟、変電所などを備えた地下4階建てのC棟が着工。高さ約390メートルのB棟の着工は23年度、全面開業は27年度を予定している。東京駅とは地下でつながり、雨にぬれずに移動ができる予定。平井氏は「行政手続きは順調だ」と話す。
 英民間機関が発表する国際金融センター指数の最新の調査によると、東京は5位にとどまっている。ロンドンやニューヨークに加えて、香港やシンガポールにも後れをとっているのが現状だ。東京都は東京駅のある大手町・丸の内一帯から東京証券取引所がある兜町周辺を金融やビジネスの交流拠点とする「東京国際金融センター」構想を掲げるなかで、同プロジェクトはその一翼を担うと期待されている。
 三菱地所は常盤橋街区の下層部について、国際金融センターとしてのビジネス交流施設、高層部は展望機能の導入を検討するなど観光施設として発信する方針だ。一方で全面開業を予定する27年度はリニア中央新幹線の品川~名古屋間の完成が見込まれ、東京の中心軸は南へのシフトも見込まれる。東京駅周辺の引力を放ち続けられるか、常盤橋街区プロジェクトの成功がそのカギを握る。
(加藤宏一)

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