2018-05-16(Wed)

加計学園問題 「うみを出す」には程遠い

事態の収束には程遠い 安倍首相の説明に説得力ない なぜ中村知事を呼ばない

<各紙社説・主張>
朝日新聞)首相の答弁 これで疑念は晴れぬ
毎日新聞)加計問題で集中審議 なぜ中村知事を呼ばない
しんぶん赤旗)「加計」問題質疑 安倍首相の説明に説得力ない
北海道新聞)首相の国会答弁 うみを出す気あるのか
信濃毎日新聞)加計学園問題 事態の収束には程遠い

京都新聞)加計問題  うやむやでは終われぬ
神戸新聞)国会集中審議/「うみを出す」には程遠い
中国新聞)「加計」問題、予算委審議 全容解明へ調査尽くせ
西日本新聞)加計問題 「うみを出す」約束を守れ
産経新聞)柳瀬氏の国会招致 なぜ区切りをつけられぬ




以下引用



朝日新聞 2018年5月15日05時00分
(社説)首相答弁 これで疑念は晴れぬ


 きのう衆参両院の予算委員会で集中審議があった。柳瀬唯夫・元首相秘書官が先週の参考人質疑で、加計学園関係者との面会を認めた直後である。安倍首相答弁が注目されたが、柳瀬氏の説明を追認するばかりで、「加計ありき」の疑念を晴らすには程遠かった。
 柳瀬氏は首相の別荘のバーベキューで学園関係者と知り合い、その後、首相官邸で3度面会し、獣医学部新設をめぐり意見を交わしたという。「加計優遇」は明らかだ。
 しかも、学園理事長と首相が親しいことを知りながら、首相には一切、この件の報告はしていないという。首相秘書官経験者を含め、「不自然だ」という指摘が相次いでいた。
 きのうの首相答弁はどうだったか。
 「国家の重大事でもない限り、途中段階で説明を受けることはほとんどない」と柳瀬氏の説明にお墨付きを与え、行政の公平性が疑われかねない累次の面会も「問題ない」。柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べたとされる愛媛県文書の内容を否定したことについても、「記憶をひもときながら、正直に話していた」と擁護した。
 この説明で納得する人がどれだけいるだろうか。
 首相はまた、特区選定の過程に瑕疵(かし)はないとの従来の説明を繰り返し、学園の「特別扱い」を否定した。学園の特区希望を正式に決まる昨年1月まで知らなかったという立場も崩さなかった。
 「国民から疑念の目が向けられていることはもっともだ」と一方で認めながら、追及が各論に及ぶと、逃げの答弁に終始する。言葉とは裏腹に、国民の疑念に真摯(しんし)に向き合おうという誠意は感じられない。真相解明にいまだ背を向けていると言わざるを得ない。
 前財務事務次官のセクハラ疑惑も同様だ。首相は「被害者に寄り添った対応、発言が求められるのは当然だ」といいながら、問題発言を繰り返す麻生財務相について「誤解を与える発言は撤回されている」。これでは、麻生氏をかばっていると見られても仕方あるまい。
 国会の残り会期は1カ月余りだ。首相は野党の批判をかわしつつ、このまましのごうとしているのだろう。国民に約束した「丁寧な説明」はどこに行ったのか。
 一つひとつの不祥事について事実関係と責任の所在を明確にし、再発防止策を講じる。政権への信頼を取り戻す道はそこにしかないはずだ。
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毎日新聞2018年5月15日 東京朝刊
社説:加計問題で集中審議 なぜ中村知事を呼ばない


 結果は初めから見えていたのかもしれない。きのう安倍晋三首相が出席して衆参両院予算委員会で行われた集中審議で、「加計学園」の獣医学部新設問題に関する事実解明はほとんど進まなかった。
 なぜか。柳瀬唯夫元首相秘書官の先の答弁に対し、「うそは他人を巻き込む」と批判して矛盾を指摘している中村時広・愛媛県知事の国会招致を与党が拒んだからだ。
 中村知事は、柳瀬氏と面会した県職員のメモは信ぴょう性が高いと主張している。メモは、獣医学部新設は「首相案件」だと柳瀬氏が発言し、県担当者らに具体的なアドバイスをしていたことをうかがわせる内容だ。疑問の核心につながるメモであり、知事は面会した日付も示した柳瀬氏の名刺を公表している。
 一方の柳瀬氏は面会の事実だけはようやく認めたものの、「首相案件」発言は認めず、誰とどんな話をしたのか、答弁はあいまいだ。
 食い違いをただす場が国会だ。中村知事も国会に出る意向を示している。ところが、かつて獣医学部新設を推進し、今回の手続きも適正だったと主張する加戸守行・前知事は進んで招致しながら、今の当事者である中村知事を呼ばないのは全く公平さを欠く。柳瀬答弁にほころびが出るのを恐れているとしか思えない。
 集中審議での首相の答弁は結局のところ、「柳瀬氏と関係者の面会がその後の手続きに影響したわけではない」「私が何か指示したわけではない」の繰り返しだった。
 柳瀬氏が関係者と面会した後、首相に報告しなかったのは事実なのか。首相が加計学園の獣医学部計画を昨年1月に初めて知ったというのは本当か。焦点となっている疑問も解消されたとは到底言えない。
 首相は「加計学園獣医学部の入試倍率は約20倍だった」とも再三強調した。人気があったから手続きは正しかったと言わんばかりの説明だ。
 だが言うまでもなく、問われているのは新設の是非ではなく、「加計ありき」で手続きが進んだかどうかだ。首相はそれを承知で、はぐらかしているように見える。
 解明をまた後戻りさせてはいけない。必要なのは事実の確認だ。自民党総裁である首相が認めれば中村知事の国会招致は実現するはずだ。
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しんぶん赤旗 2018年5月15日(火)
主張:「加計」問題質疑 安倍首相の説明に説得力ない


 「加計学園」の獣医学部開設をめぐり、柳瀬唯夫元首相秘書官が先週の国会での参考人質疑で、学園関係者と3回も官邸で面会したことを認めながら、首相には「報告していない」「指示も受けていない」などと答えたことを受けた衆参予算委員会での安倍晋三首相への質疑を聞きました。首相は「報告を受けていない」と繰り返し、獣医学部開設に関わったことを改めて否定しました。柳瀬氏の答弁については「本件は、首相案件」などと言われたとの面会記録を作成した愛媛県の中村時広知事が反論しています。首相の答弁には説得力がありません。
柳瀬氏との口裏合わせ
 安倍首相と「加計学園」の加計孝太郎理事長が親しい友人であることを知りながら、学園が計画した獣医学部開設を、首相が推進した「国家戦略特区」を使って今治市が申請するよう助言したとされる柳瀬氏の、首相に「報告していない」という先週の答弁は全く信じられない話です。
 柳瀬氏は参考人質疑で、1回目の面会(2015年2~3月)で学園の計画を聞き、愛媛県や今治市の関係者が同席した2回目の面会(同4月)では「国家戦略特区」での獣医学部開設は首相の方針であることを説明し、今治市が「特区」に名乗りを上げた前後の3回目の面会(同6月)ではその報告を受けたと認めました。
 「特区」に申請した事業者で3回も首相官邸で首相秘書官と面会したところはありません。首相秘書官は首相の分身ともいえる公務員で、許認可や補助金で恩恵を受ける「特区」で特定の事業者に便宜を図れば、秘書官はもちろん首相の責任も問われます。首相の方針を熟知し、「加計」だけと3回も官邸で面会しながら何も報告しないというのはありえません。
 安倍首相は「報告を受けていない」と柳瀬氏の発言を肯定し、面会には「問題がなかった」と開き直りました。首相は国会で学園の計画を知ったのは昨年1月だと答弁してきましたが、柳瀬氏の答弁も首相の答弁も、文字通り「加計ありき」で進んだ開設への首相関与を否定するためだけの、口裏合わせのようなものです。
 柳瀬氏が「記憶の限り」愛媛県や今治市の関係者と会った「印象がない」とした2回目の面会については先週末、中村県知事が県職員の受け取った柳瀬氏の名刺や職員の発言メモなど証拠を示して反論しています。県が先に作成した記録には「本件は、首相案件」、「国家戦略特区」の方が「勢いがある」と言われたと明記されています。首相は柳瀬氏の答弁は「ウソではない」と言いましたが、いったい知事の反論をどう説明するのか。
 この問題ではすでに「総理のご意向」などの文部科学省の内部文書も明らかになってきました。否定しようとすればするほど、首相の関与はごまかせなくなります。
証人喚問で徹底究明を
 週明けの世論調査では、「加計」関係者との面会を首相に報告せず指示も受けていないという柳瀬氏の説明に「納得できない」が75・5%(「東京」など)、「疑惑が深まった」が74%(JNN)です。
 首相が関与して政治がゆがめられた疑惑はますます明白です。首相本人が真実を語るとともに、柳瀬氏や加計氏の証人喚問、中村知事らの国会招致が不可欠です。
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北海道新聞  2018/05/15 05:00
社説:首相の国会答弁 うみを出す気あるのか


 「こうしたことが二度と起こらないように、首相としての責任を果たしていきたい」―。
 その「こうしたこと」自体がやぶの中なのになぜ、政府内の調査すら徹底しようとしないのか。
 安倍晋三首相はきのう、加計(かけ)学園問題などを巡る衆参の予算委員の集中審議で答弁に臨んだ。
 先の柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致では、獣医学部新設が当初から「加計ありき」で進んでいた疑念が深まった。愛媛県の中村時広知事は、柳瀬氏答弁と県の面会記録との矛盾を指摘している。
 国民の不信を解消するにはその溝を丁寧に埋めていくしかない。
 なのに首相は、問題は解決済みと言わんばかりの答弁を繰り返した。「うみを出し切る」という約束は、言葉だけだったのか。
 野党側は柳瀬氏に加え、学園理事長の加計孝太郎氏の証人喚問や中村知事の参考人招致を求めている。与党は早急に応じるべきだ。
 柳瀬氏の招致では、獣医学部の事業者公募のはるか以前から、官邸と学園側が面会を重ねていた事実が明らかになった。その結果、半世紀以上認められなかった計画が、異例の急ピッチで進んだ。
 共同通信の世論調査では、柳瀬氏の答弁に「納得できない」との回答が75%にも及んでいる。
 核心にあるのは、首相が掲げた国家戦略特区について、首相の盟友が理事長の学園との協議が官邸内で進んでいたのに、首相は知らなかったとする不自然な説明だ。
 ところが首相答弁は、官邸の異例の対応に「大きな意味はない」、柳瀬氏答弁と面会記録の矛盾は「私としてはお答えのしようがない」と、まるで人ごとである。
 官邸での面会に文科省、農水省の職員が同席していたことも判明したが、首相は「これ以上の調査は意味はない」と拒否した。
 国民の不信を晴らすつもりがあるのか。首相はいますぐ政府内の徹底調査を指示すべきだ。
 一方、財務省のセクハラ問題でも政権の責任回避が目に余る。
 麻生太郎財務相は、省として前事務次官のセクハラを認定した後も「セクハラ罪はない」などと放言し、撤回や陳謝を重ねている。
 きのうは国会で、野党の質問に「自分がしゃべりたいんだよ、この人は」とやじを飛ばした。国民の代表と相対している自らの立場を理解できないのだろうか。
 首相は「陣頭指揮をとって組織を立て直してもらいたい」と麻生氏を擁護したが、その進退が厳しく問われている。
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信濃毎日新聞 (2018年5月15日)
社説:加計学園問題 事態の収束には程遠い


 加計学園の獣医学部を巡る議論はきのうもかみ合わなかった。
 柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致で「加計ありき」の疑いは深まっている。問題の収束には程遠い。与野党ともに真相を解明する責任が重い。
 安倍晋三首相が出席し、衆参両院の予算委員会で集中審議が行われた。参考人招致後、首相が初めて国会で答弁する場だった。
 柳瀬氏は学園関係者と首相官邸で3回面会していたことを認めている。愛媛県、今治市職員との面会について「記憶にない」としてきた発言を軌道修正した。
 衆院予算委で首相は、秘書官と学園側との面会について「問題ない」との認識を示している。学部設置の認可を審査した有識者の議論に「影響を与えたことは一切ない」と主張し、自身の関与も改めて否定した。
 新設された学部の志願倍率に触れ「多くの学生の希望を閉ざしてきた、ゆがめられた行政をただした」とも述べている。
 規制緩和の必要性を強調するのは論点のすり替えだ。問題は、首相の「腹心の友」が理事長を務める学園にだけ獣医学部の新設が認められたことである。
 国会で柳瀬氏は、特区の関係で加計以外に面会した事業者はないと述べた。厚遇ぶりが一段と鮮明になっている。
 学園関係者と面会したことを認める一方、愛媛県や今治市の職員については「随行者の中にいたかもしれない」としていた。県側と言い分は食い違う。
 愛媛県の中村時広知事は、県職員が面会の際、メインテーブルに座り「県の状況をしっかりと発言している」と反論した。「全ての真実を語っていない」と柳瀬氏を批判している。
 共同通信社の世論調査では、柳瀬氏の説明に「納得できない」との回答が75%に上った。獣医学部新設の手続きが「適切だったと思わない」も70%近い。「プロセスに一点の曇りもない」と首相は主張するものの、国民の受け止めとは懸け離れている。
 柳瀬氏招致が終わると政権内から「一定の区切りがついた」などの発言が相次いだ。愛媛県職員の文書にあった「首相案件」発言も真相ははっきりしていない。終止符を打てる状況ではない。
 野党は、中村知事の招致や柳瀬氏の証人喚問を求めている。引き続き関係者から説明を聞き、経緯を明らかにする必要がある。与党も疑惑を拭い去りたいなら野党の要求に応じるべきである。
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[京都新聞 2018年05月16日掲載]
社説:加計問題  うやむやでは終われぬ


 真相をうやむやにしたまま、国会会期末まで乗り切るつもりなのだろうか。
 「加計学園」の獣医学部新設問題を巡る安倍晋三首相の国会答弁を聞いていると、そうとしか思えない。「丁寧な説明」や「うみを出し切る」といった国民への約束はどうなったのか。
 柳瀬唯夫元首相秘書官は、首相の別荘での出会いをきっかけに官邸で学園関係者と2015年に3回面会し、国家戦略特区の話をしたことを先週の参考人質疑で認めた。
 獣医学部新設に関し、民間と面会したケースはほかになく、今治市や愛媛県とともに新設を目指した新潟市、京都府とも面会はしていない。厚遇ぶりは明らかだ。
 面会の報告を首相にしていないと述べた答弁についても、国家戦略特区という安倍政権の看板政策なのに、一言も報告を上げないのは不自然との見方が元官僚らからも出ている。
 加えて、柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べたとされる愛媛県文書の内容を否定したことについては、中村時広知事が「全ての真実を語っていない」などと批判している。
 だが首相は、14日の衆参予算委員会集中審議で柳瀬氏の答弁を擁護し、面会や報告の件を問題にせず、愛媛県文書との矛盾が指摘されても「誠実に答弁した」などとかわし続けた。
 これでは「加計ありき」の疑惑は払拭できないどころか、「うみ」がたまるだけではないか。
 共同通信の世論調査では、柳瀬氏の国会での説明に対し「納得できない」が75%に達した。
 なのに首相は、言葉とは裏腹に一貫して真相解明に消極的だ。野党が中村知事や学園の加計孝太郎理事長の国会招致を求めても「国会が決めること」と突き放し、指導力を発揮しようとしない。
 そもそも首相の関与が疑われるのは、加計氏と長年の友人であるからだ。自民党国対筋からは集中審議後、「新事実は出なかった」と幕引きを図る声が出ているが、疑惑を残したまま終わるわけにいかない。
 首相は、新設された獣医学部の入試倍率が20倍に上ったと強調し、「若い人たちの希望をふさいでいたゆがめられた行政を正した」と開き直りともとれる発言を重ねた。
 だが問題は、獣医学部新設の決定過程が公平、公正に行われたかの一点にある。はぐらかしてはならない。
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神戸新聞 2018/05/15
社説:国会集中審議/「うみを出す」には程遠い


 安倍晋三首相が出席し、きのう衆参予算委員会で集中審議が行われた。先週の柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致を受け、加計(かけ)学園の獣医学部新設を巡る問題が質疑の中心となった。
 柳瀬氏は国家戦略特区の選定前に学園の関係者と面会していたが、首相は「問題ない」と突っぱねた。獣医学部設置認可のプロセスは適正だったと強調するばかりだった。野党は関係者の国会招致を求めたが、与党は応じようとしない。
 次々と疑惑や不祥事が発覚し、首相は「うみを出す」と述べていた。その言葉とは程遠いと言わざるを得ない。
 参考人招致で柳瀬氏は、学園関係者と官邸で半年間に3回面会していたことを認めた。特区の関係で民間業者と会ったのは加計のみで、異例の厚遇だ。
 共同通信社の世論調査で、柳瀬氏の答弁に「納得できない」が75%に達した。政権の不支持率は50%を超えている。多くの国民は疑念を持っている。これを真摯(しんし)な姿勢で説明することが、政府に求められている。
 ところが、集中審議での答弁はどうだったか。
 首相は、「(選定の)プロセスに一点の曇りもない」と特区ワーキンググループ座長が明言していることを挙げ、「加計ありき」を否定した。柳瀬氏から「面会の報告を受けていない」とし、判断を求められたときや国家の重大事以外は、報告はないのが当然としている。
 一方柳瀬氏は、学園関係者との面会を認めながら、愛媛県職員らの同席を覚えていないと発言した。これに中村時広愛媛県知事は、柳瀬氏の名刺を公開して反論している。
 事実をはっきりさせるには、当事者の話を聞くのが一番だ。中村知事の参考人招致を与党は拒んでいる。加戸守行前知事を招致したのに、現知事は呼ばないのでは筋が通らない。
 北朝鮮の核・ミサイル問題も議論になった。しかし、麻生太郎財務相が野党議員にやじを飛ばしたため、中途半端に終わった。改めて品格を疑う。
 麻生氏は、財務次官のセクハラ問題で「セクハラ罪はない」との発言をようやく謝罪した。首相は擁護するが、大臣としての資質が問われている。
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中国新聞 2018/5/15
社説:「加計」問題、予算委審議 全容解明へ調査尽くせ


 安倍晋三首相が出席した衆参両院予算委員会の集中審議が、きのう開かれた。柳瀬唯夫元首相秘書官が加計学園の関係者と面会したことに関して、安倍首相は自らの関与を改めて否定した。疑惑を持たれている獣医学部新設の認可手続きも適正だったと主張した。だが、首相の説明をいくら聞いても、真相解明に近づいた気がしない。
 「腹心の友」が経営する加計学園を特別扱いしたのではないか―。その疑惑を晴らすべき立場にいるのは安倍首相自身である。野党の求める関係者の国会招致も含め、全容解明に本気で取り組む姿勢を示さなければ、国民の信頼は取り戻せまい。
 安倍首相によると、柳瀬氏からは国家戦略特区の制度論や全体像の説明は逐一受けたという。ならば柳瀬氏が官邸で学園関係者と3回会った件も報告を受けるのが自然ではないか。
 柳瀬氏が特区の関係で面会した民間の関係者は加計学園だけだったとしている。不自然さが際立っている。
 安倍首相は「国家の重大事でもない限り途中で報告を受けることはほとんどない」とも強調した。こうした一連の説明は、加計学園の計画を知ったのは事業者決定後の昨年1月という過去の答弁との整合性を維持したいがためのように映る。
 柳瀬氏に「記憶にない」とされた面会相手の愛媛県の説明とも食い違ったままだ。参考人招致の後、中村時広知事は、県職員が柳瀬氏から受け取った名刺を公開するなどしている。
 野党は中村知事の国会招致を求めたが、与党は拒否し、首相も「国会が決めることだ」と後ろ向きだった。逃げていると思われても仕方あるまい。
 さらに、野党は「首相にしか指示できない」として、面会に同席した文部科学省と農林水産省の職員のメモを改めて探すよう求めた。
 しかし首相は、見つからなかったという報告を受けたとして応じる姿勢を一切示さなかった。疑惑を向けられている意識が足りないのではないか。
 柳瀬氏の招致後、政権や与党内では「決定的な証拠は何も出てこなかった」と幕引きを図る雰囲気が広がっている。きのうの審議でも、与党が時間を多く割いたテーマは北朝鮮の核問題など外交分野だった。
 確かに国際情勢が目まぐるしく変化する中、拉致を含む北朝鮮問題が日本にとって重要であることは間違いない。
 しかし共同通信社が12、13の両日で実施した世論調査では、75%が柳瀬氏の国会答弁に「納得できない」としている。有権者は、行政の公平性や透明性に厳しい視線を向けているのだ。国会の存在意義を示すには、真相解明を目指す姿勢や努力が与党にも求められる。
 安倍首相は、一連の不祥事について「うみを出し切る」と決意表明している。きのうの審議では「出し切ったとは考えていない」との認識を示した。ならば、どうすればうみを出し切れるのかを考え、行動すべきだ。
 まだ国会に呼んでいない中村知事や学園の加計孝太郎理事長の招致も一つの手段だろう。全容を浮かび上がらせるため、当事者それぞれから丁寧に話を聴くことが欠かせない。調査を徹底的に尽くしてこそ、国民の納得も得られる。
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西日本新聞 2018年05月16日 10時33分
社説:加計問題 「うみを出す」約束を守れ


 今の政府や与党に、「加計(かけ)学園」が国家戦略特区制度を活用して愛媛県今治市に新設した獣医学部を巡る疑惑を解明する意思は本当にあるのだろうか。
 衆参両院の予算委員会で行われた集中審議を聞く限り、そんな疑問が浮かぶ。これでは政治と行政に対する国民の不信は解消されない。「うみを出し切る」と公言した安倍晋三首相には約束を守る責任がある。
 集中審議では、国家戦略特区を担当する内閣府地方創生推進室の藤原豊次長(当時)が2015年8月に、学園の車で今治市などを視察したことが明らかになった。便宜供与と受け取られかねない行為だ。
 共産党は、1校限定の新設方針が決まる2カ月以上前の16年10月、山本幸三地方創生担当相(当時)が同様に新設を希望した京都府に「1校しか認められない。難しい状況なので理解してほしい」と発言したとする文書を入手したと明らかにした。
 疑惑を巡る状況証拠は次々に判明する。先の参考人質疑でも柳瀬唯夫元首相秘書官は、加計学園関係者らと首相官邸で3度も面会したと明かし、異例の厚遇ぶりを改めて印象付けた。
 それでも首相は「面会は(事業者認定などに)全く影響を与えておらず問題ない」と言い張った。政府内からは「野党は同じ質問ばかりだ」として幕引きを図る声も出ているという。
 共同通信社の世論調査では、参考人質疑での柳瀬氏の説明について、75・5%が「納得できない」と回答した。獣医学部新設に関する政府の手続きが「適切だったとは思わない」との答えは69・9%に上った。
 文部科学省が内閣府から「総理の意向」として大学設置手続きを進めるよう求められた-とする文書が昨年5月17日に見つかって、あすで1年になる。
 疑惑解明が一向に進まないのは政府と与党の責任が大きい。文書を公表しない、疑問に正面から答えない、関係者の国会招致を拒む-。なぜ、そんな不誠実な対応を繰り返すのか。
 愛媛県の中村時広知事は、首相官邸での面会で柳瀬氏が「本件は首相案件」などと話したとする県職員作成の備忘録を公表していた。参考人質疑で柳瀬氏が「首相案件」発言を否定し、愛媛県職員との面会についても曖昧な答弁をしたため、中村知事は県職員が面会で受け取った柳瀬氏の名刺を公開した。
 両者の主張は明らかに食い違う。ならば、中村知事も参考人として国会に呼ぶのが筋だ。
 本人も応じる構えなのに、野党が求める知事の招致を与党は拒んだ。またも後ろ向きである。何か不都合でもあるのか。国民の疑念は深まるばかりだ。
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産経新聞 2018.5.12 05:02
【主張】柳瀬氏の国会招致 なぜ区切りをつけられぬ


 「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題に、いまだに区切りをつけることができない。
 衆参両院の予算委員会で柳瀬唯夫元首相秘書官が参考人招致に応じ、関係者との面会を認めていなかった従来の答弁を修正した。
 浮き彫りになったのは、政権中枢で働く高級官僚が、国会で不誠実な受け答えを重ねていた点である。
 獣医学部新設を実現した国家戦略特区は、省庁の岩盤規制に政治主導で穴を開ける制度だ。首相秘書官が、特区を活用したい関係者と会うこと自体に問題はない。
 にもかかわらず事態がこじれるのは、隠さなくてもよいことを隠そうとするからだ。ひいては「嘘をついている」とみられる。
 安倍晋三首相の指示があったという具体的証拠は示されず、贈収賄など違法性を帯びた問題も指摘されていない。なぜ、柳瀬氏はかたくなに否定し、今になって認めるのか。
 証拠も示さずに騒ぐ野党の行動は非生産的だ。同時に、政府与党側の誤解を招く対応も、北朝鮮危機や重要法案に全力で取り組めない現状をもたらしてきた。
 招致以前の国会答弁で、柳瀬氏は愛媛県や同県今治市職員との面会について「記憶の限りでは会っていない」と否定していた。
 参考人招致では、平成27年に加計関係者と3回面会したことを明かした。県と市の職員には覚えがないとしつつ「随行者の中にいたのかもしれない」と釈明した。
 加計関係者との面会を長く伏せていた理由は、国会から聞かれなかったからだという。経緯をきちんと説明するとした首相の方針に反するのではないか。
 愛媛県の言い分とも食い違う。県は、県職員が27年4月の面会時に柳瀬氏からもらった名刺を公表した。中村時広知事は、県職員がメインテーブルで県の立場を述べたと説明し、「嘘は他人を巻き込む」と柳瀬氏を批判した。異例の事態というしかない。
 衆参予算委の集中審議が14日に行われる。本来は北朝鮮危機などを重点的に論じる場だが、首相は柳瀬氏の面会などで生じた誤解を解く姿勢も示すべきだ。財務官僚のセクハラ問題でも政権としての明確な判断を見せてほしい。
 多数にあぐらをかき、漫然と構えていては、国民世論のしっぺ返しをくらう。
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