ダム代替案 現実的な提案だ

地元の浸水被害を防ぐには大戸川ダムより確実 

滋賀県が独自の洪水対策案をまとめた。
「輪中堤」や宅地かさ上げなどにより浸水被害を防ぐという案だ。
国交省などがこれからの治水対策のあり方だとする流域治水の考えに沿ったものだ。

過去に浸水被害にあった現地に行ってみればよくわかる。
大戸川の河道には島ができ密林のような樹木が生い茂っていた。
堤防の役目を果たさないのではないかと思えるほどだった。

住戸は、山のふもと側に張り付くように広がっていた。
川沿いには田んぼが広がり、数戸が堤防道路沿いにあるだけだった。

浸水被害を防ぐには、まず現地の対策こそ最優先するべきだ。
ダムができるまで放置するやり方は直ちに改めるべきだ。

大戸川ダムができても下流の淀川の流量に大きな差はない。
大阪市北区〜守口市付近では、流量の高さは、19cmの効果しか生まない。
しかも、計画高水位をわずか2cmを下回るだけだという。

流域委員会がいうように「効果は限定的」だ。
ならば、堤防補強や「輪中堤」、宅地かさ上げなど現実的な対策こそ急ぐべきだ。


朝日新聞 2008年8月7日6時10分

滋賀県が大戸川ダム代替案 新堤防など97億円

 国土交通省近畿地方整備局が淀川水系で計画している大戸川(だいどがわ)ダム(大津市、総事業費約1080億円)について、滋賀県がダム計画の中止を想定し、独自の洪水対策案をまとめていることがわかった。同市内の大戸川流域に限った対策で、既存堤防の外側に「第2堤防」を築造し、住宅の土地をかさ上げして浸水被害を防ぐ。事業費は約97億円と試算している。国直轄事業に対して地元自治体が代替策を練るのは異例。国が今後、計画の賛否について意見を聴く流域の他府県知事の判断にも影響を与えそうだ。

 整備局は淀川水系で大戸川など4ダムの建設・再開発を計画中だが、諮問機関の淀川水系流域委員会はダム計画を「不適切」と指摘している。また、流域の嘉田由紀子・滋賀県知事と橋下徹・大阪府知事、山田啓二・京都府知事は地元に多額の負担金が生じることや、整備局と流域委が対立した状態のままで国が最終の計画を策定することには慎重姿勢を示している。

 このため、滋賀県は大戸川ダムの建設中止を視野に入れる一方、地元ではダム建設を求める住民の声もあることから、県庁内部でダムに頼らない代替策を検討していた。

 代替策は、大戸川下流域で最大規模の1958年の洪水を基に約670戸が浸水すると想定。対策として、既存堤防の外側に、住宅集積地の約480戸を囲む「輪中堤」と呼ばれる別の堤防をさらに築く。点在している約190戸は家屋の床下を高くしたり、地盤改良などで宅地自体をかさ上げしたりして被害を防ぐ。新堤防は延べ約7キロで建設費は約40億円、かさ上げは1戸につき約3千万円で計約57億円と試算した。

 整備局は淀川下流で100〜200年に一度の規模の洪水が起きた場合に備え、上流に大戸川ダムの建設を計画した。このため淀川全体の洪水対策が目的の同ダムの総事業費と、大戸川流域に限った滋賀県の代替策との費用を単純比較することはできない。

 整備局は6月に計画案を嘉田知事に説明した際、大規模な洪水をもたらした82年の台風10号を基に試算した結果、大戸川下流で481戸の浸水被害が出ると説明。これに対し、嘉田知事は「当時の下流域の被害は10戸ほどだった。実態と違い、被害を強調したデータで大変不満」と疑問点を指摘していた。

 代替策について嘉田知事は「あらゆるケースを想定し検討している。環境に対し劇薬とも言えるダムは治水対策の最後の手段。県内同規模の河川と比較し、97億円をかける必要があるかどうかも課題だ」と話し、費用を絞った案も検討する方針を示した。整備局によると、大戸川ダムを建設した場合の滋賀県負担額は約14億円とされる。

 整備局は6月に、大戸川▽丹生(にう)(滋賀県余呉町)▽川上(三重県伊賀市)▽天ケ瀬(京都府宇治市)の4ダムを含む河川整備計画案を発表した。(新井正之)

滋賀県ダム代替案イメージ 朝日080807

大戸川ダム計画など 朝日080807

theme : 政治・時事問題
genre : 政治・経済

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