2009-09-21(Mon)

暫定税率廃止と環境税を考える(1)

「暫定税率を廃止し、環境税を導入する」

民主党は、2010年度予算で、ガソリン税等の暫定税率を廃止するという。
ガソリンは約25円安くなる。国全体では、2・5兆円の減税が行われる事にもなる。
需要喚起という面では、それなりの効果は期待できるかもしれない。

道路特定財源であったなら、無駄な道路をつくるくらいなら、
負担を軽減した方がましという考え方もできる。

だが、自動車の利用を拡大し、温室効果ガスの削減に逆行することにもなる。
鉄道やフェリーといった他の交通機関にも影響が及び、モーダルシフトと矛盾することにもなる。

そこで、考え方を整理する必要がある。
第一は、「暫定税率の廃止」は当然だということ。
道路整備の税源として上乗せされたのだから、特定財源廃止で本則に戻すのは当たり前だ。
したがって、ガソリンだと約25円が安くなる。

第二、課税根拠をどうするか。
一般財源となっているガソリンや軽油の燃料については、CO2排出による環境負荷を抑制する観点から課税する。(=環境税(例))
ただし、自動車重量税など自動車税については、
自動車税(普通税)と統合するなど自動車税制を見直すことを前提に、
環境税(例)に含めるかどうか検討する。

第三、本則税率をいくらにするか。
環境問題等考えれば、税率を引き下げたまま、というのは考えにくい。
温室効果ガスの25%削減を掲げたことも踏まえ、現行の暫定税率を超えない範囲で本則税率を定める。
例えば、ガソリンに係る税金は、現行の一ℓ約50円以内とすることで、増税感は軽減できる。

第四、本則税率を決めるのはいつか、時期は。
いったん引き下げられた税率を、新たな税率に切り替える際、昨年4月のように混乱が生じる。
ある一定期間はやむなしとしても切り替えの時期は明確にしておく必要がある。
例えば、暫定税率廃止と同時に新たな税率を適用することも可能だ。
これなら、増税感はほとんど感じなくて済む。
あるいは、1年とか2年とか期限を明確にすることもありうるだろう。
このときは、増税ということになる。

第五、ガソリン以外の暫定税率のある税の整理が必要。
暫定税率はガソリン以外もあり、これらの税の整理もしないといけない。
燃料にかかるガソリン税は(揮発油税と地方揮発油税)と軽油引取税、
自動車にかかる自動車取得税、自動車重量税がある。
自動車には自動車税・軽自動車税もある(特定財源ではない普通税)
軽油などは地方税であり、地方の税についても整理が必要になる。


毎日新聞 2009年9月22日 東京朝刊
社説:鳩山政権の課題 暫定税率 総合的な政策を示せ
 ガソリンなどの暫定税率について藤井裕久財務相は、民主党がマニフェストで示した通り、10年度からの廃止を明言した。実現すればガソリンは1リットル当たり25円下がる。
 暫定税率分も含めて自動車関連の諸税は道路特定財源となり、必要性の乏しい道路に巨額の税金が投じられる構造が続いてきた。
 財政が危機的な状況にあり、年金や健康保険制度など基本的な制度の維持も困難になりつつある状況だ。私たちは、暫定税率分も含めて自動車関連諸税を一般財源化し、必要性の高い分野にその財源を振り向けるべきだと主張してきた。
 そして、昨年4月に暫定税率はいったん廃止となる。予算関連法案が参院で否決されたためだが、その際、政府は暫定税率を維持したまま道路特定財源をすべて一般財源化することを決めた。
 自民、公明両党は租税特別措置法案を衆院で再可決し、暫定税率分は約1カ月で元に戻った。ただし、その後に行われた予算編成では、従来と同様に道路予算に割り当てられ、一般財源化は名目に過ぎないことが明らかになった。
 そうした経過をたどった自動車関連諸税の使い道をどうするのかは、鳩山政権にとって大きな課題だ。
 暫定税率について藤井財務相は、第1次オイルショック後の狂乱インフレを抑えるために総需要抑制策の一環として導入されたことを強調してきた。
 不況下では総需要を喚起する方策が必要で、暫定税率廃止で2・5兆円の減税が行われれば、それなりの効果は期待できるだろう。
 無駄な道路をつくるくらいなら、自動車のユーザーに戻して負担を軽減した方がましだというのは、それなりの説得力を持つ。
 とはいえ、ガソリンの価格を引き下げ、高速道路の料金も無料とすれば、自動車の利用がますます拡大するはずだ。経済の活性化にはつながるだろうが、温室効果ガスの削減について高い目標を掲げた鳩山政権の方針と、どう両立するのだろうか。
 また、自動車交通を優遇する措置をとれば、鉄道やフェリーといった他の交通機関にも影響が及ぶという問題もある。
 小沢鋭仁環境相は、二酸化炭素の排出抑制のため環境税の導入の検討を示したが、暫定税率は廃止し、環境税は導入するというのはちぐはぐに映る。
 経済の活性化、地球温暖化対策、交通体系のあり方といった各方面に目配りした総合的な政策を早急に示すことが必要だ。
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テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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コメント

No title

暫定税率を廃止しても、高速無料化などの需給バランスにより、ガソリンは値上がりし、25円/ℓ程度は帳消しになる恐れすらあります。そうなれば国民・政府の両方が大損するでしょう。そういう意味でも民主党のどの政策はやってみなけりゃ分からない博打ですね。
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